東北でしか体験できない! 食・芸術・音楽の祭典『Reborn-Art Festival』現地レポート

dressing編集部

Summary
1.アート・音楽・食を楽しむ、東北の芸術祭『Reborn-Art Festival 2017』現場レポート
2.牡鹿半島・荻浜の「牡鹿ビレッジ」でしか味わえない、地元の食材を使った特別メニューを食べに行こう
3.石巻市街地と牡鹿半島の桃浦・荻浜・鮎川の3エリアに36組の作家が展開するアートにも注目

『Reborn-Art DINING』でしか味わえない地元の食材を使った特別メニュー

現在、宮城県にて「芸術×食×音楽」の3つの要素が組み合わさった「アートフェスティバル」が51日間にわたって開催されている。それが『Reborn-Art Festival 2017』だ。会場となるのは、石巻市街地と牡鹿半島。ここは2011年の東日本大震災で大きな被害を受け、今もなお復興の途上にある地だ。

フェスティバルのテーマの一つ「食」の会場になっているメインレストランが『Reborn-Art DINING』だ。石巻市街地からバスで1時間走った、牡鹿半島の真ん中に位置する荻浜の「牡鹿ビレッジ」にある。こちらでは、週末を中心に全国から日本を代表する名シェフが駆けつけ、日替わりで『Reborn-Art DINING』のシェフを担当。地元の食材を使ったイベントだけの特別メニューが味わえる。

8月5日(土)は、『Grape Republic』(山形)の藤巻一臣さんと、「Reborn-Art Festival」のフードディレクターで『Fattoria AL FIORE』(宮城)の目黒浩敬さんによる「東北ワインフェスタ」が開催された。藤巻一臣さん(写真上・左)と目黒浩敬さん(同・右)の2人が、それぞれ2016年に醸造したワインについてセッションしながら、石巻・牡鹿半島の新鮮な食材を使ったワンプレートをつまみに試飲ができるというものだ。

こちらで用意されたのは、4種のナチュラルワインが楽しめるコース。デラウェア、スチューベン、メルローそれぞれ個別の状況で発酵・熟成し、最適な時期にアッサンブラージュした個性的なワイン「Vino Rosso Naked」などが味わえるイベントだ。

前菜には、ワインに合うワンプレートが提供。こちらは石巻産イカのソーシスや青森(弘前)の『エノテカ・ダ・サスィーノ』のブッラータなど、新鮮な食材を使った料理がワインとともに楽しめるスペシャルなワンプレート。広大な自然の中でワインと食事のマリアージュを十分堪能できる贅沢なひと時となった。

さらに音楽プロデューサー・小林武史さんがReborn-Art DININGでクラシックを奏でる「小林武史 〜クラシックを弾く〜 in Reborn-Art DINING」が急遽2日前に公式フェイスブックとツイッターで発表された。小林武史さんのピアノ生演奏を聴きながら、食事が楽しめるというサプライズイベントだ。「牡鹿半島の命溢れる食材を使った料理とともに音楽の音色を楽しんでほしい」と小林さん。

そんな、美しいクラシック音楽を聴きながらワインと食事が味わえるイベントが今後も開催されていく。

地元のお母さんたちの笑顔あふれる食堂『はまさいさい』で地元体験を!

『Reborn-Art DINING』と同じ会場の「牡鹿ビレッジ」にあるのが『はまさいさい』。こちらの店のコンセプトは、「牡鹿半島の明るく元気な浜のお母さん達の、浜の営みを感じてもらえる食堂」。そのコンセプト通り、浜のお母さんたちが地元・牡鹿の食材を気取らない郷土料理、家庭料理として提供している。

中でも、新鮮な魚介類や地元の野菜を使った定食「浜さい定食」と、牡蠣の養殖で有名な産地・荻浜で採れる牡蠣を楽しめる「牡蠣ーマカレーセット」がオススメ。

「浜さい定食」(写真上)は、本日の魚2種と日替わり混ぜご飯、浜の汁物、漬物が楽しめるメニュー。この日の魚はスズキの刺身と鯖のみりん焼きだったが、行くたびに新鮮な魚の味が楽しめるので、ぜひ浜の魚を味わってほしい。

牡鹿半島に巨大な鹿の彫刻が出現!最も美しい白い貝の浜・荻浜に設置された注目アート

石巻市街地と牡鹿半島の桃浦・荻浜・鮎川の3エリアに36組の作家が展開している「アート」にも注目したい。津波の被害を受けながらも残った建造物を利用した展示のほか、作品の約8割が屋外に設置されている芸術作品は必見だ。

特に注目したい作品は、牡鹿半島中部エリア・荻浜に展示されている名和晃平さんの彫刻「White Deer(Oshika)」。先に紹介した『Reborn-Art DINING』の隣にそびえ立つ全長6mの巨大な鹿の彫刻は圧巻のひと言だ。

観て体感できる!宮永愛子さんの作品『海は森から生まれる』も必見

名和晃平さんの作品「White Deer(Oshika)」の近くにある宮永愛子さんの作品『海は森から生まれる』も注目の作品だ。

洞窟を使って展示されているのは、沖に浮かぶ牡蠣養殖の浮きの景色をイメージして作品にしたもの。洞窟内は冷蔵庫のように冷やされ、まるで森の中にいるように涼しく感じられる。観て体感できる宮永愛子さんの作品もお見逃しなく。

無数のバルーンが浮遊する!小林武史×WOW×DAISY BALLOON『D・E・A・U』もオススメ

「小林武史×WOW×DAISY BALLOON『D・E・A・U』(2017)」もオススメの作品だ。ビジュアルデザインスタジオWOW (ワウ)と、小林武史さんがコラボレーションした作品は、旧石巻港湾病院の「Reborn-Art House」内に展示されている。

バルーン・アーティスト、DAISY BALLOONによる無数のバルーンが浮遊する鏡の部屋は、壁に映し出される映像と音楽とともにバルーンが神秘的な動きをする。JR石巻駅から少し歩くが、エリア内を循環する無料バス「リボーンアート・バス」を利用して行くことができる。

今回は、牡鹿半島中部エリア・荻浜地区を中心に紹介したが、この芸術祭ならではの魅力のある作品が数多くある。各エリアのどこかで鳴っている音楽に耳を傾けながら、この夏『Reborn-Art Festival 2017』へ訪れてみてはいかがだろうか。

【「Reborn-Art Festival 2017」概要】
名称:Reborn-Art Festival 2017(リボーンアートフェスティバル ニーゼロイチナナ)
日程:2017年7月22日(土)~9月10日(日)
会場:宮城県石巻市(牡鹿半島、市内中心部) 提携会場:松島湾(塩竈市、東松島市、松島町)、女川町
公式サイト:http://www.reborn-art-fes.jp/
問い合わせ:info@reborn-art-fes.jp(Reborn-Art Festival運営事務局)

【「Reborn-Art DINING」概要】
名称:Reborn-Art DINING(リボーンアートダイニング)
日程:開催中~9月10日(日)
場所:「牡鹿ビレッジ」(宮城県石巻市荻浜家前65)
営業時間:11:00~17:00(L.O.16:30)※期間中無休
・10:00~17:00 テイクアウト (ジビエサンドイッチやコーヒーなど)
・11:00~15:00 ランチ(L.O.14:30)
・14:30~17:00(L.O.16:30)カフェタイム
※ゲストシェフによる営業時は、営業形態などが変更になる場合あり
※レストランは、シェフイベント開催時は要予約

<「Reborn-Art DINING」主なスケジュール(一例)>
8月11日(金)、12日(土)…Restaurant BEARD・原川慎一郎×ジェローム・ワーグ
8月17日(木)…オテル・ド・ヨシノ・手島純也
8月19日(土)、20日(日)…villa aida・小林寛司
8月23日(水)…石巻・漁師の台所・浜田統之
8月25日(金)、26日(土)…レフェルヴェソンス・生江史伸
9月3日(日)…florilège・川手寛康×いわて食でつながろうプロジェクト
9月9日(土)、10日(日)…グランド・フィナーレ「牡鹿の夏、ごちそうさまでした」
※日程は、都合によりスケジュールが変更になる場合あり(随時ウェブサイトにて最新情報を更新)

【「はまさいさい」食堂概要】
日程:2017年7月22日(土)~9月10日(日)
場所:「牡鹿ビレッジ」(宮城県石巻市荻浜家前65)
営業時間:10:00~18:00(L.O.17:30)
※期間中無休
※予約不可