あの料理人が仕掛ける4店目は「肉割烹」!とろける和牛を日本料理の技で味わう『肉うち山』【東銀座】

東銀座で注目を集める肉割烹『肉うち山』をご紹介。肉料理といえばステーキや焼肉が定番ですが「たまには違ったスタイルで楽しみたい!」という人にこそおすすめの一軒。ランチもディナーも、銀座の割烹とは思えないほどリーズナブルなので、デートや女子会、家族との食事など、普段使いにもぴったり。日本料理の職人だからこそ出せる味とおもてなしを、ぜひ気軽に堪能してみて。

岩科蓮花

Summary
1.東銀座の人気店『徳うち山』『銀座くどう』『時喰み』を手掛ける工藤淳也さんの4店目がオープン
2.日本料理の職人だからこそ出せる味とおもてなし。焼肉店とは一線を画す「肉割烹」
3.すでに5店目への挑戦が始まっている!? 次なるお店はズバリ…
(※取材・撮影は2020年3月に実施したものです)

2020年2月、東銀座にオープン。『肉うち山』のテーマはカジュアルな肉割烹

2020年2月、東銀座のグルメ好きの間で、嬉しいニュースが飛び交った。

『銀座うち山』から暖簾分けを許された『徳うち山』、『銀座くどう』『時喰み(ときはみ)』と、次々に人気店を作り上げてはファンを増やしている凄腕料理人・工藤淳也さんが、東銀座に4店目となる店をオープンさせたというのだ。

その名も『肉うち山』。店名のとおり、肉をコンセプトにした「肉割烹」だ。

場所は、東京メトロ日比谷線「東銀座駅」から徒歩約3分。高級割烹『徳うち山』の2階にある。

「いま20代、30代は和食文化から離れてしまっていますよね。このままだと20年後、日本料理の店はどうなってしまうのだろうかと。なので、若い世代が訪れやすい、肉バルとも焼肉店とも違う、肉をテーマにした割烹を作りたかったんです」と話すオーナーの工藤さん(写真上)。

「4店舗の中では、『時喰み』の次にカジュアルな位置づけです。重い接待ではなく、デートや友人同士で使ってもらえたら嬉しいですね」

店内は黒を基調としたスタイリッシュな空間。カウンターは7席、テーブル席は2つ(3名席、4名席)。アンティークのランプが和に偏りすぎないモダンな雰囲気を醸し出している。

注目はカウンター席。贅沢にも、秋田杉の一枚板を使っているのだ。

「実はテーブル席も一枚板なんです。確かにコストはかかりますが、本物を揃えたいし、そこはやはり割烹ですから少しでも妥協したくはないんです」(工藤さん)

コースは見た目にも可愛らしいビジュアルからスタート

『肉うち山』は昼夜ともに、8~10品からなるコースのみ。夜のコースも7,800円からと、銀座の割烹料理店としては驚きの価格だ。

この日、先付に供されたのは、「とり最中」(写真上)。最中は『時喰み』常連にはお馴染みの一品だろう。

最中には、鶏レバーペースト、鶏そぼろ、いぶりがっこ、のし梅が入っている。

この金色のゼリーのようなものが「のし梅」。工藤さんの地元・山形に伝わる、梅を寒天に練り込んだ昔ながらのお菓子だ。

レバーのまったり濃厚なコク、そぼろのうまみ、いぶりがっこのパリっとした歯ごたえなど、さまざまな食感と味が複雑に混ざり合ったとても風味豊かな一品。

のし梅はちょっとしたトッピングかと思いきや、酸味と甘みが絶妙なアクセントとなり、実にいい仕事をしていることに驚かされる。

器で遊び、愛でるのも割烹ならではの楽しみ

次は「新たまねぎと牛タンの菜の花の白味噌仕立て」(写真上)。

目の前に置かれたお椀を見れば、誰もが笑顔になってしまうはず。なんと、フタに書かれているのはたくさんの「にく にく にく…」の文字。

これは工藤さん自らがデザインをして、作家に作ってもらったというオリジナルのお椀だ。割烹ならではの凛とした雰囲気の中に、こうした遊び心があるとリラックスできるもの。

お椀ひとつからでも、肩肘張らずに楽しんで下さいね、というメッセージを汲み取ることができて嬉しくなる。そんな粋な心遣いが『肉うち山』の魅力でもある。

まずはひと口。玉ネギのうまみがしっかりと溶け込んでいるスープは甘みが凝縮されており、まるでポタージュのよう。そこに牛タンから出るだしが加わってどこまでも味わい深い。身体に染みていくような優しい味に心からほっとする。

材料は至ってシンプル。昆布とかつおのだしに、玉ネギと牛タンでここまでうまみを引き出せるとは…日本料理の確かな技に感服だ。

なお、お椀を食べ終わると、最後にもクスッと笑える仕掛けがある(若干見えているけれど)のだが、それは実際訪れてからのお楽しみ。

「うに」と「にく」は最強の組み合わせ

続いての一品は、目の前で仕上げてくれる『肉うち山』の人気メニュー。

山形牛のサーロインを炙りはじめると、パチパチという音とともに、一瞬にしていい香りが立ちのぼる。もう、この香りからして垂涎もの(すいぜんもの)だ。

そこへ、そっと生うにを乗せれば「山形牛のサーロインとうにの赤酢手巻き寿司」(写真下)の完成!

山形といえば米沢牛も有名だが、『肉うち山』では山形牛にこだわって提供している。

その理由は、日本料理には赤身がしっかりして、比較的さっぱりした山形牛が合うため。

くるっと海苔を巻いてかぶりつくと、ウニの濃厚なうまみと、香ばしく炙った山形牛がみごとに調和して本当にうまい。お肉はやわらかく、舌の上でとろけたかと思うと、スッと消えてしまう繊細さ。

特筆すべきは「うに」のクオリティ。北海道利尻のバフンウニは身がしっかりとして甘みとコクがあり、全く肉に負けていない。

「日本料理は素材の鮮度とだしが肝心なので、材料は手を抜けません。実は『徳うち山』と同じレベルのうにを使っているんですよ。採算度外視です」(工藤さん)

お肉のおいしさを心ゆくまで堪能して

シンプルに山形牛の美味しさを楽しめるのが「山形牛いちぼのステーキ」(写真上)。いちぼとは、おしりの下側のやわらかい部分だけを切り出した希少部位のこと。

串焼きでロゼ色になるよう仕上げたお肉を、天然ミネラルたっぷりの花塩(はなじお)や生胡椒の塩漬けでいただくと、噛むほどに甘みが出てきてうまみが口の中いっぱいに広がる。

しかし肉のうまみを堪能したかと思うと、ふくよかな余韻だけを残してあと味はすっきり。この潔さは肉バルや焼肉店にはない、和食をベースとした肉割烹ならではの繊細な味わいだ。

スッキリ系の日本酒とワインはスバリ! 肉に合う

日本酒は、超辛口で知られる山形の「ばくれん」をはじめ、キレのある銘柄を揃えており、ワインも、フランス産の白をメインにスッキリ系で統一。

共通しているのは肉のうまみに負けないけれど、決して邪魔はしないお酒を選んでいるところ。お肉とのマリアージュを楽しんでみてほしい。

工藤さんが考える、和の料理人としての使命とは?

「日本料理は、季節感の演出や、器の選び方や、何の花を生けるかなど、“総合芸術”だと思うんです。だから、どれかひとつでも欠けてしまうと、すごく残念。一つひとつの要素を妥協せず、日本人として本物を伝えていくのが、料理人としての使命だと感じるんです」

そんな工藤さんに、今後の展開について聞いたところ、驚くべき発言が。「フレンチのお店を出しますよ、今年中に」とキッパリ。

和の料理人、工藤さんの考える次なるフレンチとは一体どんなお店になるのだろうか?
期待感とともにこれからますます目が離せなくなりそうだ。


【メニュー】
・夜のコース 7,800円
・夜のコース 9,800円
・昼のコース 5,800円

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税別、サービス料は夜のみ別途10%かかります
※本記事の取材・撮影は2020年3月に実施いたしました

撮影:佐々木 雅久

肉うち山

住所
〒104-0061 東京都中央区銀座3-12-9 2F
電話番号
03-6264-0760
営業時間
12:00~14:00、18:00〜23 00(L.O.21:00)
定休日:日・祝
ぐるなび
ぐるなびページhttps://r.gnavi.co.jp/desy8xbk0000/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。