浅草の老舗ベーカリー『パンのペリカン』のカフェが誕生! こんがり「炭焼きトースト」がウマすぎた

中村結

Summary
1.浅草で創業75年、老舗『パンのペリカン』がカフェをオープン
2.特注の炭焼き台で焦げ目をつけた「炭焼きトースト」は絶対食べてほしい!
3.パンをよりおいしく楽しむためのサンドイッチメニューが勢ぞろい

創業75年。浅草『パンのペリカン』が満を持してカフェをオープン

浅草・田原町で昭和17年から続く老舗『パンのペリカン』。創業以来、「食パン」と「ロールパン」2種類の生地だけを作り続けるというスタイルを貫く有名店だ。その変わらないおいしさには定評があり、全国からパンを買い求めるお客が日々訪れ、店の前に行列ができることも少なくない。

そんな『パンのペリカン』から同じ国際通り沿いを少し歩いた場所に、2017年8月28日
『ペリカンカフェ』が誕生した。

台東区寿3丁目にオープンした『ペリカンカフェ』は、コーヒー豆とペリカンを模したトレードマークと、赤いサンシェードがどこか懐かしさを感じさせる路面店。
パンの有名店がオープンしたカフェとあって、店内はすでに満員御礼状態。1日を通してひっきりなしにお客が訪れ、専用の予約表に名前と人数を残してはまた戻ってくるという光景が繰り返されている。

フードメニューは全16品。サラダやスープ、特製のビーフシチューに加え『ペリカン』の食パンを使用したトーストやサンドイッチがずらりとそろう。今回は、その中からぜひとも食べていただきたい数品を紹介しよう。

外はカリッ、中はふわっ&もっちりの「炭焼きトースト」

『ペリカンカフェ』で一度は食べていただきたいのが「炭焼きトースト」。同店は朝8時からオープンしているので、モーニングで食べるのにも最良な一品だ。

このトーストは、『ペリカン』で販売する「角食1斤」サイズの食パンを、3センチの厚さにカットしたもの。トースターではなく、特注の炭火焼台を使用してトーストする。

カフェのオープンにあたり、メーカーと一緒になって火と網との距離を何度も試行錯誤したという炭火焼台は、ようやく理想の高さに辿り着いたという最終兵器。ものの数分で格子状のおいしそうな焼き目を付けつつ、遠赤外線の効果により、一瞬にしてパンの水分とうまみをギュッと閉じ込めることができる。

じゅわ~っとバターが溶け出したトーストを二つに割くと、しっかりと詰まった中の生地から、ふわりと小麦の甘い香りが漂ってくる。一口かじりつくと、……これはおいしい!

焦げ目がついた表面部分はサクッ、カリッと香ばしい風味。と同時に、ムギュッとした歯ごたえのある生地からは、噛むたびにやさしい甘みが何度も立ち上がってくる。

そう、『ペリカン』といえばこの甘く芳ばしい香りと、キメ細かく引きの強い生地が特徴。使用する原材料はカナダ産強力粉と砂糖、バター、イースト、食塩のみ。極めてシンプルながら独自色の強い味わいを確立し、「やっぱり食パンはペリカンでないと!」と多くの人を惹きつけ続けているのだ。

なお、トーストに添えられているジャムは日替わりで、この日は新潟・佐渡『さかや農園』のオーガニックブルーベリージャムが登場。フルーティかつほどよい甘さでパンの香りを引き立ててくれるので、注文する際にはぜひジャムにも注目してほしい。

「炭焼きトースト」にはセットでドリンクを付けることも可能。コーヒーは東京・築地にある『ライブコーヒー』で焙煎しているオリジナルの「ペリカンブレンド」。コロンビア、ブラジル、モカと3種類のフェアトレード豆を使用し、90%以上がオーガニック。トーストやサンドイッチの味わいを邪魔することのない、絶妙なバランスの軽さと酸味に仕上がっている。

パンとフィリングの黄金比が最高にウマい!オリジナルサンドイッチ

現在のところ、サンドイッチ部門の人気No.1は「ハムカツサンド」(写真上)。カリッとトーストした角食パンに、厚切りのハムカツをサンドしたボリュームたっぷりの一品だ。

このハム、ホロホロっと口の中でほどけるような、予想外の食感が印象的。老舗『浅草ハム』のロースハムを使用しているのだが、『ペリカン』のパン粉を使用したサクサクの衣と相まって、どこか懐かしい味わいに仕上がっている。

パンは「角食1.5斤」サイズを1.5センチの厚さにカット。ハムカツと千切りキャベツ、自家製マヨネーズ、そしてとんかつソースにワインビネガーとマスタードを混ぜた酸味のあるソースがマッチしている。パンが勝つでもなく、ハムカツが勝つでもなく、絶妙なバランス感。女性一人でも、ペロッと軽く食べられてしまう。

2種類のチーズトーストも見逃せない。

「白いチーズトースト」は、パルミジャーノやモッツァレラなど淡色系のチーズを使ったトースト。一方、写真上の「黄色いチーズトースト」は、チェダーチーズをメインにしたイギリスの伝統的スタイル「ウェルシュ・ラビット」風。

「角食1.5斤」サイズを厚さ2.6センチにカットした食パンに、チェダーチーズとウスターソースやマスタードなどのスパイシーな香辛料を混ぜ、固めたパテを塗ってトーストしている。

とろ~っと溶けたチーズトーストは、香辛料の隠し味によってキリっとした深みがあり、ワインやビールとの相性も最高。ゆったりと余裕のある休日の午後に来店して、アルコールをお供に一服するのもおすすめだ。そしてこのチーズトースト、カリカリのチーズがはみ出したパンの耳が、まるで夢見心地においしい!

トーストしない生の食パンを使ったメニューもある。なかでもスイーツ系のサンドイッチを食べたい人にはぜひ「フルーツサンド」を味わってみてほしい。

『ペリカンカフェ』のフルーツサンドは、なんといっても厚みに注目!この日のフルーツサンドには、イチゴ、メロン、巨峰、キウイ、バナナ、ドラゴンフルーツ(赤&白)、パイナップル、オレンジ、リンゴなど季節の果物を10種類も使用している。

優しい甘みが際立つ生の食パンは、「角食1.5斤」サイズを厚さ1.5センチにカットしたもの。フルーツとの間を埋めるたっぷりのクリームは、48%の生クリームとフロマージュブランを混ぜ込んだもので、やさしく豊かなコクがある。

メロンは大きく、リンゴは小ぶりにと、素材それぞれの固さや食感に合わせてフルーツの大きさを切り分けているので、パクッとかぶりついた際の全体の調和はえもいわれぬほど。まさに黄金比といえる絶妙な割合が計算されたフルーツサンドの、この贅沢な幸せをぜひ味わってみて!

“変わらないおいしさ”のために進化し続ける『ペリカン』のパン

同店を訪れてみて改めて実感するのが、食材とやさしく調和する食パンそのもののポテンシャルの高さだ。

『パンのペリカン』4代目の渡辺陸さんは、「うちのパンは、まるでご飯のように食べられる自然な味わいを目指しています。ほかの食材と一緒に食べた際に、最もパンのおいしさが際立つように作っているんです」と説明する。

生地における粉の分量は、一般的なパンと比べると比較的多め。決して“おやつ”ではなく、“ご飯”の立ち位置のパンなのだ。作る生地が2種類のみなのは、店のポテンシャルをそのベーシックな味わいに集中させるため。この先々代からの方針は今後も変わらないという。

一方で、世の中の嗜好に合わせてパンの原材料である砂糖や塩の配合は少しずつ改良を加えている。さらに日々の気温や湿度に合わせて、材料の分量を毎日細かく変えているという。

カフェを切り盛りする“ママさん”は、陸さん(写真左から3番目)のお母様である渡辺馨さん(同左から4番目)。カフェのメニュー監修はイタリア料理研究家のパンツェッタ喜久子さん、そして同店のシェフはフレンチの分野で活躍していた伊藤俊文さん(同右から3番目)が担当している。

スタッフによるきびきびと明るい接客は下町ならでは。馨さんは「お年寄りから子供さんまで、どんな世代でも気軽に来れて、居心地のいいお店を目指しています」と笑顔で語る。

10月には『パンのペリカン』に密着したドキュメンタリー映画も公開。シンプルで変わらない味を生み出し続ける『ペリカン』ブランドの挑戦に、これからも目が離せない。

【映画公式サイト】
http://pelican-movie.tokyo/


【メニュー】
炭焼きトースト 単品320円(ドリンク付 540円)
黄色いチーズトースト 540円
ハムカツサンド 650円
フルーツサンド 860円
本日のサンドイッチ 540円~
本日のトースト 480円~
ブレンドコーヒー 430円
ワイン (白・赤) 480円
(料理+ドリンクで50円引き)
※価格は税込

ペリカンカフェ

住所
〒111-0042 東京都台東区寿3-9-11
電話番号
03-6231-7636
営業時間
8:00~18:00(ラストオーダー 17:00)
定休日:日・祝

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。