予約の取れないフレンチ店が仕掛ける!品格漂うスイーツのフルコース6皿

高橋綾子

Summary
1. 2016年6月までの限定で大人気! 『TIRPSE』のランチをスイーツコースに
2. スイーツのコースなのに、サラダのようにさっぱりして甘くないものも!
3. 旬のフルーツを使うから、何度でも食べたくなる!

人気のランチを休んでスイーツのフルコースという新たな分野に挑戦!

話題のお店をリサーチしていたら「キリコナカムラのランチ行った?」と言われ、そんな名前の店ができたのかしらと調べてみた。すると白金の『TIRPSE』のランチが、シェフパティシエール中村樹里子氏の作るスイーツのフルコースに変わっていることがわかった。私、甘いものは好きですよ。でも6品全部がスイーツってどうなの?と思いますよね、普通。“モノは試し”で予約の電話をしたら驚くことに1カ月先までほぼいっぱい。予約が取れない皆さまには大変申し訳ないが、ここは職権乱用させていただき、早速時間外にお邪魔してみた!

そもそもランチは人気なのに、それを止めてスイーツのフルコースに変えるって、ものすごいチャレンジャーですよね。
「パリの2つ星レストランで働く友人が帰国したので、デザートコースを一緒にやってみることになった。」と中村氏。それが非常に楽しく、新しい分野だと思ったのだと言う。しかも大好評で次回はいつ?という声が多かったので、いくつかのイベントで提供した後、2015年7月から1年間限定でスタートした。

甘さの緩急が見事! リズム感のあるメニューに感激

2カ月ごとに変わるメニューは全6品。1月と2月はひと口サイズの温かいリンゴのジュースから始まる。胃を温めたところで、いかにも甘そうなデザートが登場。ところがこれが見た目とは逆に“軽くて爽やか”なのである。サクッとしていて溶けてしまう感じ。しかもバジルやエストラゴンの香りがして、何だかサラダを食べているみたい。
ヨーグルトのメレンゲとカシスのチュールにちょっぴり酸味があり、良いアクセントになっている。こんなにサラッとしたデザートならいくつでもいけるかも! 

次はタヒチアンバニラクリームのババと柑橘フルーツでちょっと重めに。そして箸休め的な役割としてクミンやクリームチーズを使った、塩分がある人参のピューレと続く。

さぁ! いよいよやってきました! メインとなるチョコレート。メインだけあって流石の風格。サクサクしたカカオのパイが、クリームとムースの2層になったビターチョコレートの上に鎮座する大人な雰囲気満載ですな。食べてみると確かに濃いのだが、なぜかヘビーではない。サブレやパイ生地が軽いせいだろうか。と、そこにおやっ? 何か塩気を感じる。これは…黒オリーブだ! この細かく切ったオリーブがものすごい名脇役なのです。ビターチョコの苦味や甘さにキラリと光る塩気の存在。う〜ん、美味だ。さらに黒豆のアイスクリームも苦味を緩和してくれる。いやはや、完璧なマリアージュ。油脂分がしっかりあるので、お腹もふくれて大満足。最後にバターのみのシンプルな焼きたてのクレープで宴が終了する。

リピーター続出の理由は味の想像がつかないこと

これはクセになる! とにかく見た目に裏切られるので、味の想像がつかないから面白い。何が入っているのだろうと考えるから、どんどん食べてしまう。正直言うとこんなに楽しめるとは思っていなかった。すっかり『KIRIKO NAKAMURA』にハマってしまった。3月になってメニューが変わったらまた来なくては!

(メニュー)
デザートテイスティングメニュー/3,780円
デザートテイスティングメニュー+日本酒ペアリング/5,940円
デザートテイスティングメニュー+ティーペアリング/5,400円
※すべて税込

KIRIKO NAKAMURA

住所
〒108-0071 東京都港区白金台5-4-7
電話番号
03-5791-3103
営業時間
2016年6月30日までの平日のみ12:00〜L.O.13:30
定休日:定休日 不定休
公式サイト
公式ページhttp://kirikonakamura.com

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。