寒さが日に日に増してくるこれからの時期、鍋を食べる機会も徐々に増えてきますよね。鍋がメインのお食事は、自分が取り分け役になる(ならざるを得ない)シーンも多いはず。そんなとき、あなたは自信を持って綺麗に取り分けることができていますか?
「デキる女性」をしっかりと演じられていますか?
日頃からボスに尽くしている秘書も、鍋料理が出てくる会食や接待では、その力量が問われるもの。少し気配りが足りない、少し言葉が足りないだけで、ボスが恥をかくことにもなりかねないため、気配りにも細心の注意が払われるのです。
今回は、従業員1,000名以上の大手企業や法律事務所など、様々な企業の秘書60名の意見を集め、dressing編集部で厳選。
秘書の意見は、“こんなことにも気遣っているの?”“こんな仕切り方があったの?”と勉強になることばかりです。鍋を囲んでいるみなさんに、気持ちよく楽しくお食事していただくためにも、そしてなにより「デキる女性」を印象づけるためにも、マナーのプロフェッショナルである秘書の作法を取り入れていきましょう。
鍋がメインの時は“おかわりはおまかせ!”も立派な気遣い?!
仕事での会食をはじめ、同僚や気の合う友達とのお食事会など、鍋はさまざまなシーンで登場するもの。今回のアンケート結果を見ると、いっしょに行くメンバーによって気遣いのスタイルが変わるようだが、取り分ける際は
「苦手なものがあるか聞く(映像秘書)」
「渡す時には“お熱いのでお気を付けください”のひと言を添える(通信秘書)」
「上座・上席から配る(小売流通秘書)」
という意見が多くよせられた。
鍋のシーンでは、みんなのためにせっせと取り分けることが気遣いに繋がらない場合もある。人によって食べたい具材は違うものだし、それぞれに食べるタイミングがあるもの。そう考えると“皿が空いたらすぐに取り分ける”のは、ある意味、無粋なのかもしれない。
「“最初だけ私が分けまーす。嫌いなものはありますか?”と聞き、嫌いなものがあれば避けて取り分けます。渡す時は“お代わりはご自由にどうぞ!”と明るく言い放ちます。ずっと取り分けていると、自分が食べられないので(笑)(電子部品メーカー秘書)」
「鍋奉行は個人的には迷惑だと考えています。食べたいものは各々違うので、食べ始めの1回だけ取り分けるようにし、後は個々で好きなタイミングで取ってもらうように伝えます(外資スポーツ用品メーカー秘書)」
と、最初だけは取り分けて、後はおまかせ、という状態を上手につくり出すことも鍋のシーンならではの気遣いといえるようだ。
おせっかいに思われる“鍋奉行”になるよりも、鍋という料理の特性を考えて、好きな食材を自由にとってもらうスタイルへと導く“司令塔”になる方がスマートなのかもしれませんね。
盛り付ける姿も美しく。ボスも一目置く一流秘書の奥義!
取り分け皿に上手に食材を盛り込み、美しく見せることも大切な気遣い、と語る秘書のみなさん。鍋だからといって適当には取り分けず、美味しそうに盛り付けることも忘れない。
「最初に具を均等になるように取り分け、スープは最後に注ぎます。極力、取り分けた後の器も見栄えがよくなるよう、バランス配分と盛り付け方に気を付けるようにしています(高級アパレルブランド秘書)」
「見た目がきれいに見えるように、器に6分目くらいを目安にしています(メーカー秘書)」
一流秘書は、分量がきちんと人数分になるか、具材は均等か、見た目は美しいかなど、取り分けにも細心の気配りを見せている。
さらには、「とりわけ作業は左手でお皿、右手でフォークとスプーンをもってサーブします。きれいに見えるので(食品メーカー秘書)」と、我々の想像のはるか上を行く意見も。
器だけでなく、自分自身がとる姿をきれいに見せるとは、さすがは秘書。
“鍋料理をフォークとスプーンで取り分ける”のは、一流秘書ならではのワザかもしれませんが、“取り分け箸を美しく使う”といった自身の姿を美しく見せることは確かに重要かもしれません。女性らしい仕草や振る舞いを意識することも、デキる女性への一歩と言えそうですね。
美味しさを逃さず取り分ける、火の見張り番になるべし
鍋を美味しく食べてもらうことも、秘書にとっては大切な仕事。それには、さまざまな角度からの気配りが必要だ。
「食べごろのタイミングを逃さずにベストタイミングで取り分ける。煮過ぎは厳禁(サービス秘書)」
「お鍋が煮詰まらないよう火のチェックをする(小売流通秘書)」
鍋の美味しさを損なわないように、火加減の調節や取り分けのタイミングにも気を付けるという意見も。一流秘書はこのような細やかな気配りも忘れないのだ。
「鍋の楽しみは〆だと思っているので、野菜の残し具合と、〆の注文のタイミングは逃さないように気を付けています(情報・通信秘書)」と、具材の旨みが染み出たスープを残さず味わえる、鍋のシメにまで心が砕かれていた。
一瞬の油断でおいしいタイミングを逃してしまう鍋料理。誰もが気付かない“地味な心遣い”ができる女性に、男性はグッとくるものです。
こんな店を選ぶのも上手にラクする秘書の戦法
秘書のなかには、“取り分けは苦手”という方もいるようで、アンケートにはこんな回答も。
「鍋の取り分けは苦手ですので、なるべく鍋奉行と一緒に行くようにしたいです。あるいは、取り分けて下さる仲居さんがいるようなお店を選んでしまいます(食品メーカー秘書)」
「取り分けの負担などを考えて、お店の方が取り分けてくださるお店を選びます(輸送用機器秘書)」
取り分けはかなり負担な作業で、それにばかり気を遣っていると大切なことが疎かになる可能性もある。そう考えると、事前にリサーチして取り分けてくれる店を選ぶのも得策だ。
鍋は数人分がドーンと出てきて、みんなでつつくスタイルの料理。なかには、そういう食べ方ができない人もいるだろう。
「お鍋はみんなでつつくことに抵抗を感じる人が職場にいるので、一人ひとりにお鍋が出てくるようなところでないと難しいです(法律事務所秘書)」というご意見も。
お店を選ぶ前に、まずは鍋をつつくことに抵抗を感じる人がいないかを確認するのも大切なこと。一人でも苦手な人がいると、一気に場の空気が悪くなってしまう可能性もあります。
参加するメンバーやお店をリサーチして、誰もが楽しめる場所を選ぶことはマナー以前に重要なポイントといえますね。
冬の風物詩ともいえる鍋料理。寒くなると、誰もが恋しくなる料理の一つといっていいでしょう。
鍋の取り分けはなにかと面倒な作業ですが、その時のふるまいによってデキる女性か、気の利かない女性か、はたまた“ただのおせっかい女子”か…を見極められてしまうもの。
今回のアンケート結果でもわかるように、大事なのは“さりげない”気配り。
つい「鍋をとりわけること」を目的にしてしまいがちですが、「各々が自由に、気持ちよく鍋を楽しめる雰囲気づくり」を意識することが、あなたの印象をぐんと上げるポイントになりそうです。
素敵な女性と思われるためにも、(そしてもちろん、みなさんに鍋を楽しんでいただくためにも…)、一流秘書の意見を参考に「デキる女性」に磨きをかけましょう!
【データ提供元】
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「こちら秘書室」
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