日帰りで行ける楽園!絶品かき氷や日本ワインからもぎたて桃の食べ放題までこの夏の山梨ベストスポット6選

連載「都内から気軽に行ける! 日帰り名店めぐり」#3 山梨

2017年07月14日
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日帰りで行ける楽園!絶品かき氷や日本ワインからもぎたて桃の食べ放題までこの夏の山梨ベストスポット6選
Summary
1.新宿駅から特急利用で1時間30分。フルーツとワインの王国は意外に近い
2.醸造所が30以上ある勝沼町から、湯の町・石和まで。甲州エリアを食べ尽くし!
3.「食べる」だけじゃない。お寺やワイナリー見学など、知的好奇心も大満足

新宿から中央線を西へ一直線。30分も進めば車窓の景色は次第に緑が濃くなって、南アルプスの山々が見えてくると、勝沼ぶどう郷駅に到着する。特急利用でたったの1時間30分、鈍行でも2時間の近さ。色づき始めた桃や、最近気になる日本ワインの産地がこんなに近いとは! 

富士見百景に認定された山梨県笛吹川フルーツ公園のある山梨市、日本一の桃源郷が広がる笛吹市、ブドウ栽培に適した扇状地が分布する甲州市にまたがる、通称「峡東ワインリゾート」へ、いざ。

「ぶどう寺 大善寺」で参拝後に住職madeのワインを!

JR中央線勝沼ぶどう郷駅からタクシーで5分。収穫を控えたブドウ畑の間を走ると、開創1300年に手が届く「ぶどう寺 大善寺」に到着。ワインリゾートをめぐるなら、まずこちらの大善寺を訪ねて参拝したい。表参道から階段を登り、山門をくぐると目に飛び込むのは……。

1286(弘安9)年に建造された関東で最古の木造建造物、優美かつ力強い本堂だ。内には薬師如来像、日光・月光菩薩像が安置されているが、甲州ブドウが薬としてこの寺からはじまり、薬師如来さまがブドウを手にしていることが「ぶどう寺」と呼ばれる由縁だ。

「ぶどう寺」らしく、境内でブドウ栽培を手掛け、ご住職が代表を務める醸造所まであると聞き、驚かずにいられない。

参拝の後は、庭園を眺めながら、「ぶどう発祥の寺 住職と檀家のワイン」を(写真上)。甲州種を使ったさわやかな白ワインは、初夏の朝にぴったりだ。

【メニュー】
グラスワイン拝観(拝観券+グラスワイン白or赤)800円
ぶどうジュース拝観(拝観券+ぶどうジュース) 800円
※価格は税込

ぶどう寺 柏尾山 大善寺

住所
〒409-1316 山梨県甲州市勝沼町勝沼3559
電話番号
0553-44-0027
営業時間
受付時間 9:00〜16:00、拝観時間 9:00〜16:30
定休日
不定休
公式サイト
http://katsunuma.ne.jp/~daizenji/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。

創業132年の『ルミエール』で、畑もめぐる見学ツアー

大善寺から勝沼ワイン街道へ。『くらむぼんワイン』『イケダワイナリー』『勝沼醸造』『丸藤葡萄酒』など話題のワイナリーが徒歩圏内にあるエリアだ。ここに、創業132 年の『ルミエール』がある。もともとブドウ畑が広がった地に、醸造棟、ショップ、レストランを作ったので、目の前がブドウ畑一色! 

見学ツアーは2コース(いずれも2名より)
①30分コース/10:45〜と14:00〜毎日2回 500円 予約は前日15時までに
②1時間コース/11:30〜 毎日1回 1,000円 予約は3日前15時までに

30分コースでも充実だが、時間が許せばおすすめは断然、1時間コースだ。

この日の案内役は、『ルミエール』5代目のおつれあい、広報担当の木田和(かず)さん。ブドウ畑、醸造棟、国の登録有形文化財「石蔵発酵槽」、地下の貯蔵庫を、丁寧かつ楽しい説明を聞きながら、ゆっくりとめぐる。

まずは甲州種とメルロー種の日本式の棚仕立ての畑へ(写真上・左)。勢いよく伸び、太陽をいっぱいに浴びる葉っぱに守られるように、ブドウが実っている。先人たちが知っていたように、ここは川の扇状地で水はけがよく、ブドウ栽培にこの上なくふさわしい。

ふと土に目をやると、草がぼうぼうと茂り、モンシロチョウがひらひらと舞っている。木田さんは、いとおしそうにブドウに触れながら、「人工的な農薬は使わないので、雑草も元気。この草が土を耕してくれるので、土がふわふわに。だからブドウが根をしっかり張れるんです」と説明する。

棚仕立てのブドウ畑から少し傾斜を上がると風景は一転し、ヨーロッパ式の垣根仕立ての畑が広がる。育つのは、1998年に栽培を始めた「カベルネソーヴィニヨン」、2007年に始めた「テンプラニーリョ」だ。

「4代目がボルドーが好きで、ボルドーの品種も増やしていったんです」と木田さん。「テンプラニーリョ」は、葉が大きく濃く生育も早いので、山梨県でも今後栽培に力を入れようとしているという。

「このあたり、実はスペイン南部と同じ緯度で、テンプラの栽培に適しているんです。2013年のテンプラは、いいですよ。ぜひ飲んでいただきたいです」。

地下貯蔵庫は、天然の冷蔵庫

ブドウ畑を後に、醸造棟へ。一見の価値ありの国の登録有形文化財「石蔵発酵槽」(写真下・左)に感動しつつ、地下の貯蔵庫へ進む。地下はブドウ畑を歩いてかいた汗がすーっとひく涼しさで、そろそろワインが飲みたくなってくる。

見学のゴールは、『ルミエール』のワインがすべてそろうショップ。目を引くのは、「石蔵発酵槽」で醸した限定発売品や、木田さんのお話に出た2013年の「テンプラニーリョ」。24種類から自由に注げるワインサーバー(有料/7月下旬より始動)でテイスティングを楽しんだら、併設のレストラン『ゼルコバ』へ。

『ゼルコバ』の総料理長は、広田昭二さん(元『ホテル西洋銀座』の総料理長)。地元野菜やフルーツを使ったフランス料理とのマリアージュで、『ルミエール』の魅力にどっぷり浸るひとときを。

ルミエール ワイナリー

住所
〒405-0052 山梨県笛吹市一宮町南野呂624
電話番号
0553-47-0207
営業時間
9:30〜17:30
定休日
年末年始(その他月によって定休日あり、HPで確認)
公式サイト
http://www.lumiere.jp/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。

桃で満腹になる、贅沢過ぎる桃カフェ『やまなし内藤農園』

ワインを飲むため、旅の移動はタクシー利用。運転手さんの風景案内も興味深く、「ここは巨峰の名産地」「向こうはブドウではなく、桃の産地ですよ」。狭いエリアながら気候風土が異なることを知る。

次に目指すのは、桃栽培50年の「やまなし内藤農園」が営む『グリーンテーブルカフェ』だ。

「桃畑の風景の中で、もぎたての桃を味わいながらひと休みしてもらいたい」と、内藤佳奈子さんのアイデアが形になった。

オープンは2013年。福井県出身で、東京暮らしを経て桃農家に嫁いだ佳奈子さん曰く、「完熟の桃をほどよく冷やして、ジュルジュルと思う存分食べて、桃でお腹いっぱいという贅沢を、都会の人とシェアしたいんです」。

カフェで提供する桃は、都内の百貨店向けに栽培した高級桃のアウトレット。子供メニューなし、クーラーなしの暑い環境ゆえ、大人が秘かに楽しむ食べ放題なのだ。

【メニュー】
とれたて桃の食べ放題(〜8月中旬まで/要予約)
   平日1,800円/土日祝2,200円
完熟桃と生ハムの冷製パスタ 1,500円
完熟桃とゴルゴンゾーラのピザ 1,500円
※価格は税別
※9月からはブドウメニュー登場

やまなし内藤農園 グリーンテーブルカフェ

住所
〒405-0011 山梨県山梨市三ケ所185-1
電話番号
0553-34-9030
営業時間
9:30〜16:30(営業期間 7月1日〜10月9日)
定休日
期間中は無休
公式サイト
http://www.naitofarm.com/index.html

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。

ブドウ畑の向こうの、ヤギのいるレストラン『エリソン ダン ジュール』

2匹のヤギが迎えてくれる山間のレストラン『エリソン ダン ジュール』は、山梨産ワインがそろうことで知る人ぞ知る。

フランス産もあるが、山梨産ワインはワイナリーから直接仕入れ、中には、「近所のよしみで入手できる幻のワイン」も。ワインリストを眺めて、種類とともに価格に仰け反らずにはいられない。あまりにもリーズナブルなのだ。

「わざわざここまで来ていただくのだから、ここで出逢える価値あるものをそろえています。価格は、生産者の努力や苦労をそばで見て知っているので、ただ提供するだけの身で、余分な上乗せはできません」と、オーナーシェフの中村裕さんが言葉を選びつつ語る。

「ぜひ、ご近所のワインを」。中村さんがすすめる1本は、「ドメーヌ オヤマダ BOW! 2016」(写真上)。窓からワイナリーの赤い屋根が見える距離だ。

中村さんは生まれも育ちも山梨県で、県産の食材への思いは強い。野菜はもちろん、甲州地鶏と赤鶏の掛け合わせでほどよい弾力の「ほおとし(頬落)鶏」や、近所のワイナリーから調達するワインの澱、店の裏山で中村さん自身で収穫する山の幸まで。さらに冬は、狩猟免許を活かして自ら射止めたジビエも使う。

今日のメインは、甲州市産「ワイン豚」(写真上)。なんと、白ワインをごくごく飲んでほろ酔いしてよく眠り、のびのびとストレスなく育つ豚のロース肉。ジューシーで柔らかく、「BOW!」がスルスルと進みすぎて困る、幸せな昼下がり。

オーナーシェフ中村裕さんと、妻の美里さんが迎えてくれる。その日の食材でどんなメニューが登場するかわからない「おまかせコース」がおすすめだ。

【メニュー】
ランチ 2,800円〜 
ディナー(おまかせコース) 4,500円、7,000円、10,000円、12,000円
 *ランチもおまかせコース予約可
日替りグラスワイン 600円〜
ドメーヌ オヤマダ BOW!2016 ボトル2,800円
※価格は税込

エリソン ダン ジュール

住所
〒409-1301 山梨県甲州市勝沼町中原5288-3
電話番号
0553-39-8830
営業時間
ランチ 11:30〜13:30、ディナー 17:30〜21:00 *ガーデンカフェタイム 14:00〜17:00
定休日
不定休(要予約)
公式サイト
https://www.facebook.com/herisson.koshu/

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真藤舞衣子さんプロデュースのカフェ『my-an』

ここまで来たら、どうしても訪ねたいカフェがある。料理家として活躍中の真藤舞衣子さんが営む小さなカフェ『my-an(まいあん)』だ。

真藤さんは東京へ撮影にでかけていて不在だったが、店長の遠藤由梨さんが、真藤さんの心根そのままに、『マル神農園』の野菜をはじめ、調味料にいたるまで地元の食材を使用した食事やスイーツを作っている。

一汁一菜から三菜まで選べる食事の主食は、玄米と十六穀を発芽させ塩麹を入れて炊き上げるごはん。真藤さんの夫で、元『四恩醸造』、現『共栄堂ワイン事業部』の小林剛士さんが育てた米を使う。

また、滋味深い汁ものは、自家製の味噌で仕立てる具沢山味噌汁と、『黒富士農場』の放牧鶏を丸ごと使うコラーゲンたっぷりのスープが自慢だ。

1年中味わえるかき氷、今はもちろん桃の味

フワフワの氷に埋もれるように桃の実がごろんと潜むが、実だけでなく、練乳のようなミルク色のシロップも桃!

完熟桃をミキサーでとろとろにして、氷にゆっくりまわしかけるのだが、桃の風味とやさしい甘さが氷に沁みて、氷が桃のシャーベットのようになって、甘露、甘露。

【メニュー】
ランチ(11:30〜15:00) 650円〜
ももキャラメリゼとピーカンナッツマフィン 250円
かき氷 650円
※価格は税込

my-an(まいあん)

住所
〒405-0018 山梨県山梨市上神内川71-1
電話番号
0553-88-9082
営業時間
11:30〜20:30
定休日
木曜、毎月最終金曜
公式サイト
https://www.facebook.com/Sustainable-table-my-an-Yamanashi-1532963530257991/

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海のない山梨で、海の幸に出逢える!

「my-an」でかき氷を食べた後、山梨市駅から1駅の石和温泉駅で下車。石和温泉駅といえば、「ワインサーバ」があり試飲できる駅として知られる。

川沿いに10分ほど歩くと、『割烹居酒屋 愛作』がある。海のない山梨県だが、築地直送の新鮮な魚介が豊富に揃う店として、地元人気が高い。もちろん、山梨が誇る郷土料理の「鳥もつ煮」「ほうとう」や、笛吹川のアユも味わえる。

「いか刺身」(写真上・左)を見たとたん、日本酒を注文したくなる。山梨市『養老酒造』の「櫂(かい)」の生原酒や、北杜市『谷櫻酒造』の「粒粒辛苦」など、地酒がそろうのも『愛作』の魅力。鮮魚と日本酒を求めて県外からわざわざ通う人もいる聞くが、なるほど!と思わずにはいられない。

「地元では、風邪引いた時、馬肉を喉に貼るんですよ」とは、店長の中西利明さん。だんだん生産者が減って、県内産の馬肉は貴重な存在というが、その貴重な中から、さらに貴重なロースかヒレを使った「特上馬刺」(写真上)は、人気メニューのひとつ。ただ柔らかいだけでない滑らかな食感で、臭みは皆無。忘れられないひと皿だ。

ワインの街で有名な甲州エリアだが、ワインはもちろん、山の幸も海の幸も楽しみたい。

【メニュー】
いか刺身 530円
生だこポン酢 670円
鳥もつ煮 550円
特上馬刺 1,100円
※価格は税込

割烹居酒屋 愛作

住所
〒406-0024 山梨県笛吹市石和町川中島1607-100
電話番号
055-263-5893
営業時間
17:00〜24:00(L.O.) *金・土・祝日前 17:00〜翌2:00(L.O.)
定休日
不定休
公式サイト
http://www.localplace.jp/t000366629/

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