味覚偏差値が上がるフレンチがリーズナブルに堪能できる『AIX:S(エックス)』【外苑前】

2017年09月27日
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味覚偏差値が上がるフレンチがリーズナブルに堪能できる『AIX:S(エックス)』【外苑前】
Summary
1.フレンチレストラン『AIX:S(エックス)』が2017年7月21日オープン
2.『ARGO(アルゴ)』の元総料理長が独立。コンセプトは安心して食事が愉しめるリーズナブルな店
3.ランチ3,700円、ディナー5,800円のおまかせコースで、一流の味を体感

“フレンチは高い”の常識を覆す。『ARGO』元総料理長・山下敦司氏の店が堂々オープン

「本場フランスの、数々の名店で腕を振ったシェフが自分の店を開いた」。この情報だけでも、きっと高級店に違いないと感じるのは自然なことだろう。しかし、7月21日にオープンした『AIX:S(エックス)』はどうも様子が違う。腕は一流、食材も高級レストランと同等のものを揃えているにも関わらず、ランチコースは3,700円、ディナーコースは5,800円、ワインのペアリングも3グラス3,500円と、どれをとってもリーズナブルなのだ。

東京メトロ銀座線外苑前駅出口3より、徒歩1分とアクセスの良いロケーションに『エックス』はある。階段を下りると、暖色の光でエントランスへと導かれ……

開放感のあるメインダイニングへ。特にこだわったというオレンジ色のイスは、安定したホールドで座り心地もよく、ゆっくり腰を落ち着けて食事を愉しめるよう何度もショールームに通って見つけたものだ。

カウンタースペースは、ロンドンから取り寄せた木材やレンガと、イタリア製の繊細で華やかな照明で、オーセンティックな雰囲気を演出。営業中であれば時間帯問わず、バーのみの利用もOKと使い勝手も抜群だ。

厨房の入り口には艶やかなモザイクタイルが敷きつめられ、店名を象徴する「X」の文字が浮かび上がる。

オーナーの山下敦司シェフは、食品・飲食業に携わる家系に生まれ、幼い時から料理に興味を持つ。服部栄養専門学校では、西洋料理担当のパリッとコックコートを着こなす教員らに憧れ、フランス料理を志す。卒業後はフランス料理『銀座 清月堂』で腕を磨き、1995年に渡仏。修業先はアヌシー『オーベルジュ・ド・レリダン』、ロアンヌ『トロワグロ』、パリ『ピエール・ガニェール』など、フランスのミシュランガイドに名を連ねる名店ばかり。部門シェフを務めるなど、クラシックから最先端のフレンチまで幅広く研鑽を積んだ。

2000年に帰国後は、ガニェール氏の推薦により『ル・コルドン・ブルー・パリ』で6年半、料理講座教授を務める。2006年、フレンチレストラン『アルゴ』の総料理長に抜擢され、和の要素も取り入れた、自由な発想のフランス料理で定評を得ていた。そして今年7月、いよいよ念願の独立を迎えた。

値段ばかりを気にして食事をするのは、もうやめよう

「『アルゴ』で総料理長として10年。そろそろ独立したいと思っていました。私自身、コスパが良くてカジュアルなお店は大好きなので、やるなら若い世代の子たちが手軽に来られて愉しめるようなお店にしたくて。ここでは肩肘はらずに自由に食事を愉しんでほしいんです。でも、味は一流ですよ」(山下シェフ)

今や口コミやホームページを見れば、誰でも値段がわかるようになってしまった以上、エスコートする側、される側も店選びには一層気を付ける時代になった。『エックス』があえてリーズナブルな価格設定にしたのも、「お金を出せばおいしいものを食べられる」というステレオタイプな考えに“待った”をかける狙いがあるからだ。

若年層にも手の届く贅沢を!ディナーコースの一部を紹介

山下シェフが一番神経を使うのは、「色合いや食感」。新しいディッシュを作る時は色決めからはじめ、コース料理が似たような色にならないように気を配る。メインとなる色を決めたら、同系色の食材をあわせ、ファインアートのような秩序正しさの中にも、山下シェフらしい遊び心が散りばめられる。

持ち上げても切れないゼリーという、世界でも珍しいディッシュに出会う

フルムーンという日本生まれの調理用ゲル化剤でヌードル状に仕上げたトマトのゼリーをのせた「ガスパチョ」(写真上)。黒皿に赤・オレンジという強いコントラストが、これから始まる食事への期待を持たせてくれる。このトマトのゼリーは持ち上げても切れないのが特徴だ。

ゼラチンと違って熱に強いフルムーンと出逢い、料理へのインスピレーションを刺激された山下シェフは、何度も試作を重ねて様々な料理に起用。フルムーンを使い今までになかった要素を料理に吹き込む、先駆的人物でもある。プロから大いに期待を寄せられる最新の技術を、いち早く食べて体験できるとは、なんて贅沢なのだろう!

“ノルウェーサーモンのパイオニア”から仕入れる絶品のサーモンは、ジャガイモと相性抜群

スペシャリテの「サーモンの燻製モンブラン仕立て」(写真上)。ヴァプール(蒸しもの)はジャガイモと紫イモを使用し鮮やかに仕立て、ピューレ状に絞れば見た目も華やかに。粉雪のように皿を彩るのはタピオカ由来のマルトセックだ。魚は築地から毎朝鮮魚が届き、特にサーモンに関しては「ノルウェーサーモンのパイオニア」と呼ばれる『株式会社はせべ』から仕入れを行っている。有名ホテルでもこぞって使われている極上品なのだとか。

「彼がスモークサーモンとジャガイモはすごく相性がよくておいしい、と教えてくれたことがきっかけで思いついた料理です」というエピソードもあるほど信頼も厚い。季節ごとにジャガイモと組み合わせる食材を替えるので色合いが変化し、見た目も愉しめる一皿である。

「ヒラメのデュグレレ風」(写真上)は、刻んだトマトとバターでなめらかに仕上げたソースがたっぷりかかった一皿。ふっくらと仕上げたヒラメのうまみと相まって、濃厚な味わいに。

「仔牛のロスティー」(写真上)は、盛り付けのかわいらしさに心をくすぐられるような見た目も魅力的。

仔牛を千切りにしたジャガイモで包み、外側をクリスピーに仕上げることで中の肉のうまみを離さない。そして肉はしっとりとやわらかい。本物を味わう喜びを実感できる一皿だ。

これはコースのほんの一部。この内容をこの価格でいただけるなんて、驚かずにはいられない。

ワインやドリンクも明瞭な料金表示で、若いカップルも安心

ちょっと良いレストランで食事をした時に、値段のわからないシャンパンやワインを勧められるままに注文してしまった、という経験がある人は案外多い。特にデート中の男性なら、「さっきのワインはいくらだったのか」と食事中にハラハラしてしまう、なんてこともあるだろう。しかし、そんなことは『エックス』ではナンセンス。

ディナータイムはグラスで1杯1,500円、3杯3,500円、5杯5,000円と、ワインをペアリングができるのだ。「若いカップルでも、男性が安心してオーダーできるように」と価格を明瞭化。にもかかわらず、ソムリエが料理や季節に合わせてテイストをセレクトするという細やかさだ。

「ディッシュは、すべて季節ごとに変化を加えます。一度来られたお客様には、同じ料理は出さないと決めているので、再訪される場合は、ぜひ一言お知らせください」とは、山下シェフの心意気。食事を愉しむことの本質をきっと気付かせてくれるはずだ。

(撮影/平瀬夏彦) 


【メニュー】
ランチ 3,700円 
ビジネスランチ 1,200円~
ディナー(おまかせコース) 5,800円
グラスワインペアリング 1杯1,500円 3杯3,500円 5杯5,000円

※個室料 ランチ 一人1,000円 ディナー 一人2,000円
※サービス料 ディナーのみ10%
※価格は全て税抜

AIX:S

住所
東京都港区北青山2-9-8 B1
電話番号
050-3373-5535
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
営業時間
土・日・祝
18:00~22:00
(L.O.20:30)

ランチ 11:30~14:00
ディナー 18:00~21:00
定休日
不定休日あり
ぐるなび
http://r.gnavi.co.jp/9gjnvprn0000/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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