こんな料理を待っていた! 外食なのに「最高の家(うち)料理」が味わえる店が下北沢にオープン

2018年05月26日
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こんな料理を待っていた! 外食なのに「最高の家(うち)料理」が味わえる店が下北沢にオープン
Summary
1.下北沢ではなかなか見つからない、大人が料理とお酒を楽しめる店が誕生!
2.365日ほぼ外食でレストランを知り尽くした、グルメライターの店
3.グルメライターだからこそできた「また食べたくなる」ラインナップ。目指すは“最高のuchi(うち)料理”

下北沢では稀少な、大人が料理とお酒を楽しめる店

下北沢といえば“若者の街”というイメージを浮かべるだろうか。確かに南口は大人数でワイワイ賑わう居酒屋が多い。しかし西口は打って変わって大人がゆったりと食事を楽しめる店が多い。少し歩くと住宅街、さらに小田急線の開発で南西口が新しくでき、いよいよ目が離せなくなったエリアだ。

そこに2018年2月に誕生したのが『uchi(うち)』である。まるで友人の家にいるような温かみのある空間で、いったいどんな料理を出すのか興味津々で扉を開けた。

メニューを見ると「おいしすぎて止まらない手羽中の甘辛煮」「大人のオイルサーディン」「骨付き鶏モモのビールビネガー煮」など、料理名からはジャンルを想像できず「これ、何料理?」と訊ねたくなる。

ほどなくお通しの「じゃがいもと生姜の豆乳のすり流し」が運ばれてくる。空きっ腹になんとも言えない優しい味が沁み渡る。これは嬉しい。

個性がキラリと光る驚きのある料理

まずは「uchiのポテトサラダ」(写真上)をオーダーしてみた。ポテトサラダはよくある定番のメニューだが、店名がつくからには、きっとオリジナリティがあるに違いない。何? このふわふわ感。じゃがいもの存在はしっかりあるのにふんわりして、今までに経験したことがない食感である。その秘密は…、なんと卵がスクランブルエッグなのだ。味はいわゆるマヨネーズの“家庭の味”である。が、ほんのり燻製の風味が効いた厚めのベーコン、そしてこの食感。これは間違いなくプロの料理人が作るポテトサラダである。

“どこにでもあるけれど、どこにもない料理”ということなのか。こうなると他の料理も期待してしまう。

オススメの「美桜鶏のロースト 生姜甘酒ソース」をいただいてみた。肉がほんのりピンクがかって桜のようだから”美桜鶏”と名付けられたそうだが、鶏臭さは皆無でとてもしっとりしている。
皮はパリッと焼きあげられこのままでも相当うまいが、添えられた生姜甘酒ソースをつけると、ほわんとした麹の甘みを生姜がピリッと引き締め、そこに鶏のうまみが重なってくる。それぞれが、主張しながら調和するという、いちばん嬉しい味わいだ。

「白だしソースのグラタン」(写真上)は、小麦粉やバターを使わず、白だしに豆乳や白味噌、甘酒でソースを作っている。だからまったくと言って良いほどくどさを感じない。具材は大抵の人が好むであろう、たっぷりの野菜と肉厚の鮭。フーフーしながら熱々を頬張る。懐かしいような、でも新しさを感じる味わいである。

こちらは「本日のお魚の“うめ~”アクアパッツァ」(写真上)。本日は鯛まるごと一尾に、ぷりぷりのハマグリやアサリがこれでもかと言わんばかりに鎮座している。「今おいしいものを、たっぷり召し上がっていただきたい」と、食材は日によって変わる。
これだけ魚介が入ればうまみも贅沢、さらに真ん中にはトマトかと思いきや“うめ~”の正体である梅干しが! 誰もが知っている梅干し特有の酸味が相当良い仕事をしていて、スープと絡めると飲み干してしまいたくなる。これでごはんを入れて雑炊かリゾットにしたらさぞかしおいしいだろう。訊くと「ご要望があれば作ります」とのこと。シェフとこんなやりとりができるのも楽しい。

ごはんものも面白そうな料理がずらり。「鶏とキャベツの甘酒麹カレー」「uchiのミートソース」など定番メニューに加え「貧乏父さんのスパゲッティー」「ほろ酔い豚のルーロー飯丼」「甘酸っぱさがクセになるいちごリゾット」なんてものも。

この「柚子こしょう香るトマトと鶏ひき肉のスパゲッティーニ」(写真上)も只者ではない。いわゆる“和風スパゲッティー”ではなく、あくまでもイタリア料理の枠の中で“和の味”を落とし込んでいるのだ。柚子こしょうがピリリと効いて、これはあとを引く。

おいしいものを知り尽くしたグルメライターだからできた店

すべての料理に共通するのは「概念を崩さず新しい! と思わせる」ところ。この鋭い感覚はオーナーである高橋綾子さんによる。実は高橋さんはフードパブリシストで数々の雑誌やWEBにレストランや食材について寄稿している。一年間ほぼ外食、取材のある日は3~4店で食べているだけあって、情報が豊富で舌も相当肥えている。

メニュー作りについて訊いてみた。
「おいしいものを作れるかどうかは舌の記憶と経験だと思います。私の積み重ねてきた膨大な舌の記憶を写真や言葉で伝えて作ってもらいます。そこから足したり引いたり、これだ!と思うまで試作を繰り返します。食べに行ったレストランでシェフにレシピを教えてもらいたい時は、パクっていいですか? とお願いしてしまいます。みなさん快く承諾してくれるだけでなく、わからないことがあったら連絡ください、とまで言ってくださいます。まるごと真似をするわけではなく、そこからuchiの味を創り出しています」と高橋さん。

「店をオープンできたのは今まで出逢った方々のおかげです。施工、仕入れ、メニュー作り、経営などすべて仕事の縁で出逢ったシェフやレストランのオーナーに助けてもらいました。みなさまにご恩返しをするのはもちろんですが、今度は私が誰かのお役に立てるように精進しなければ」と語る。

レストランを知り尽くした高橋さんの要求に応えるスタッフはかなり大変そう。「目指すのは最高のイタリア料理でもフランス料理でも日本料理でもなく、最高の“uchi料理”だと言われます。どうやってひねりを効かせるかが難しい」と、シェフの福山竜太郎さん(写真上・右)。「味だけでなく盛り付けにもすごく厳しいです。テーブルに置かれた時に歓声があがるように盛り付けたい」と、話すのは同じくシェフの塩野谷健太さん(同左)。

『uchi』は高橋さんが“こんな店があったら良いな”という想いを形にした。下北沢駅徒歩1分の場所に、こんなにも落ち着いた雰囲気とアイデアあふれる料理やお酒、そしてスタッフの笑顔がある店。思い出すとまた食べに行こうと思う。

撮影:八木竜馬


【メニュー】
uchiのポテトサラダ 600円
美桜鶏のロースト 生姜甘酒ソース 2,000円
白だしソースのグラタン ハーフ600円 / フル980円
本日のお魚の“うめ~”アクアパッツァ 2,200円
柚子こしょう香るトマトと鶏ひき肉のスパゲッティーニ 1,100円
※価格はすべて税別

uchi(うち)

住所
〒155-0031 東京都世田谷区北沢2-22-13 XAアズマビル1F
電話番号
03-6453-2775
営業時間
11:30~15:00(L.O.14:30)、18:00~23:30(フードL.O.22:30、ドリンクL.O.23:00)
定休日
年末年始(不定休)
公式サイト
http://uchi.tokyo

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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