韓国・釜山で日本のカレーが大ブレイク中!? 若者の行列が絶えない人気カレー専門店を調査してみた

2018年07月21日
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韓国・釜山で日本のカレーが大ブレイク中!? 若者の行列が絶えない人気カレー専門店を調査してみた
Summary
1.日本から最も近い外国と言われる韓国・釜山に人気のカレー専門店がある
2.メニューは日本式カレー! 内装も昭和レトロを彷彿とさせる
3.おしゃれ感度の高い韓国・釜山の若者に日本のカレーが大人気の理由

韓国・釜山で日本のカレーが流行中!?

韓国最大の港町である釜山(プサン)は、日本から最も近い外国と言われている。成田空港からも飛行機で2時間弱、福岡空港からは1時間程度だ。空路の他に、高速船やフェリーなどの海路でも日本と結ばれている。

そんな釜山で、若者に人気のカレー専門店があるのをご存じだろうか? しかも提供するカレーは、日本のカレーだという。

釜山きっての繁華街・西面! 若者が集まる田浦カフェ通り

噂のカレー店は、“眠らない町”と称される釜山随一の繁華街・西面(ソミョン)にある。西面は、免税店の入った「ロッテ百貨店」を中心に、飲食店やアパレルショップなど多くの店が集まり、活気にあふれている。

そんな西面の繁華街中心からやや離れた、地下鉄2号線・西面駅と田浦(チョンポ)駅の中間ほどにある「田浦カフェ通り」と呼ばれる一角は、若者が集まるエリアとして知られる。

近年はおしゃれなカフェや雑貨屋が続々とオープンしていて、このエリアの雰囲気を日本に例えるなら、代官山や下北沢といった感じだろうか。

▲「田浦カフェ通り」エリアにはおしゃれなカフェや雑貨屋が並ぶ

韓国釜山の若者に日本式カレーが大人気! カレー専門店『モルシッタン』

そのエリアにある人気カレー店が『모루식당(モルシッタン)』だ。日本語表記では『モル食堂』で、モルとは、日本語の“盛る”を意味する。つまり直訳すると大盛り食堂といったところだろう。というのも、同店は、おかわりが自由なのである。ごはんだけではない。カレーソースまでもおかわりできるのだ!

店長の장한나레(チャン・ハンナレ)さんによると、多い人で4回もおかわりした人がいるという。そもそも、なぜ日本語を意味する店名といい、日本式カレーを提供しているのだろうか?

▲店長のチャン・ハンナレさん

「元々は日本文化が好きな方が2016年に創業したんです。その数カ月後に、私がお店を譲り受けました」とチャン・ハンナレさん。なるほど、日本の文化が好きな人がオープンさせたのだから、日本にまつわる要素が含まれているのか。

▲カレーを求めて並ぶ若者たち

そんな同店は、オープン直後に長蛇の列ができる。筆者も並んだが、土曜日の昼ということもあって、カレーにたどり着くまでに約1時間もかかってしまった。多い時は1日100組ほどが来店するという。予約はできない。

▲2階の様子。2階は靴を脱いで利用する

店内は、2階建て。1階はカウンター席とテーブル席、天井が低く屋根裏部屋のような2階にはちゃぶ台が置かれている。店内の小物も、日本の昭和レトロを彷彿とさせるものばかりで、ここが韓国であることを忘れてしまいそう。ちなみに、韓国でも“インスタ映え”があるそうで、同店がブームになったきっかけもインスタグラムだという。

▲昭和レトロを彷彿とさせる家具や小物たち

日本から輸入したルウを使用! なじみあるカレーに韓国らしさを加えて

カレーのメニューは、毎日2種類提供される。そのうちの「海老クリームカレー」は定番メニューとして毎日提供され、もう1種は曜日ごとに決まっている。火曜は「ビーフトマトカレー」、水曜は「ポークカレー」、木曜は「ほうれん草カレー」、金曜は隔週によって「ほうれん草カレー」または「ビーフカレー」、土曜は「チキンカレー」だ。そしてカレーソースを1種類または2種類のあいがけから選べる。人気は、2種類のあいがけだという。

▲最初に注文・お会計を1階で行う。メニュー表に日本語表記はなし

あいがけスタイルは、いま日本で流行っている。だから日本のスタイルを韓国でも取り入れたのかと思ったが、店長さんは、日本で流行していたのは知らなかった。済州島(チェジュド)であいがけスタイルのカレー店が流行っているそうで、それを模したという。今では韓国の多くのカレー店であいがけが提供されているのだとか。

▲この日提供していた「海老クリームカレー」と「チキンカレー」のあいがけ

真ん中にご飯をよそい、その上にカボチャ、ミニトマト、インゲン、ナスをトッピング。付け合わせは福神漬けやらっきょうではなく、カクテキ(大根のキムチ)なのが韓国らしい。

▲付け合わせのカクテキ

「海老クリームカレー」は、小ぶりのバナメイエビが数個入っており、マイルドで辛さ控えめ。「チキンカレー」にはじっくり炒めた玉ネギが入っており、ソースのような甘辛さのある味わいだ。そこに骨付きのチキンが1つ入っている。

店長さんによると、カレーはすべて日本から輸入した固形ルウを使用しているという。そのせいか、食べ慣れた味わいだ。またお米や豚肉、鶏肉は韓国産のものを、牛肉はオーストラリア産を使用しているという。

おしゃれ感度の高い釜山の若者が好む日本のカレー

試しに、『モルシッタン』の行列に並んでいる韓国の若者数名に声をかけてみた。すると、みんな声をそろえて「日本のカレーが好き」と答えた。そして「日本のカレーは、辛みの中にも甘みがあるのがいい」「家でも日本のカレーをよく作って食べる」などの声が挙がった。

逆に韓国式カレーとは、カレーソースは黄色に近い色だそうで、具材には玉ネギやニンジン、ジャガイモの他にズッキーニをよく使うとのこと。また食べる時はカレーソースとご飯をよくかき混ぜるのだとか。

その後、田浦カフェ通りを散策してみたが、いたるお店で日本式カレーを提供していた。釜山の若者に日本のカレーは流行っていると言っていいのではないだろうか。

ちなみに、韓国にも日本のカレーチェーン『CoCo壱番屋』が出店しているが、日本に比べてやや小綺麗で、お値段も少し高め。ちょっとしたお出かけの時に食べに行くお店らしい。

▲田浦カフェ通りで見つけた、カレーメニューの看板たち

西面の田浦カフェ通りは、近年開発が進んだエリアであるため、まだ観光地らしい場所ではない。だから客引きもいなく、おしゃれ感度の高い釜山の若者文化が垣間見られるスポットだ。

この夏の旅行は、釜山に行って『モルシッタン』で日本式カレーを食べてみるのもおもしろいかもしれない。

【メニュー】
海老クリームカレー 8,000ウォン
今日の特選カレー(日替わり) 8,000ウォン
半々カレー(海老クリームカレーと特選カレーをあいがけ) 9,000ウォンなど
※価格は税込
※1ウォン=約0.1円

取材協力:釜山広域市 釜山観光公社 エアプサン

모루식당(モルシッタン)

住所
〒614041 韓国釜山広域市釜山鎮区田浦洞680-20
電話番号
010-3676-6949
営業時間
12:00~15:00、17:00~20:00(※売り切れ次第終了)
定休日
日曜・月曜
公式サイト
https://www.instagram.com/moru_busan/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。