薫りを楽しむオステリア『NERORI』が吉祥寺に誕生! 季節の薫りをまとった芳醇な一皿にうっとり

2019年02月24日
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薫りを楽しむオステリア『NERORI』が吉祥寺に誕生! 季節の薫りをまとった芳醇な一皿にうっとり
Summary
1.薫りが誘う新たな世界へ! ”薫りを楽しむ”イタリアンが吉祥寺に誕生
2.代表自らが設計。センスと気遣い溢れる心地よい空間
3.料理の味わいを華やかに彩る、計算されたフルーツ使いが魅力の一品たち

注目の“薫りを楽しむ”創作イタリアンが、吉祥寺に誕生

香りは料理のおいしさに欠かせない要素。鼻腔をくすぐる匂いにおいしい予感を呼び起こされ、口の中に入れた後の芳香がおいしさの余韻を残す。

この香りにこだわった創作イタリアンの店『NERORI(ネロリ)』が、個性が光るグルメ店の揃う吉祥寺に誕生した。

同店はJR吉祥寺駅から井の頭公園に向かう道の途中にある。公園への散策の傍ら、ぶらりと立ち寄るのにちょうどいい立地だ。

まるで海外映画に出てくるかのようなお洒落な店内は、インテリアデザイナーでもある代表前澤 邦夫さんが自ら設計・デザインを手掛けた。

モノトーンをベースに、店名の由来でもあるネロリ(ビターオレンジの花からとれる精油)をイメージ。オリーブグリーンとオレンジをアクセントカラーに配し、床のタイルの模様に合わせて家具もデザインするほどのこだわりようだ。

席数はテラス席も含めて37席。どこか懐かしい風合いの家具、開放感あるテラス席、隣の客と目線が合わないようにゆったりと配置されたテーブル。いずれも隅々まで気が配られ、そこから生み出されるくつろぎに、思わずおしゃべりもはずみそうだ。

「ネロリ」の優美なストーリーに魅せられて

店名の由来となった精油「ネロリ」は、17世紀イタリア・ネロラ村領主の公妃が革手袋の匂い消しとして愛用し、その甘く優美な香りがヨーロッパ中に広まったことから名づけられたという説がある。

このストーリーに魅せられた前澤さんは、公妃が“薫り”をおしゃれとして楽しんだように、楽しみとしての“薫り”がある創作イタリアンをコンセプトにレストランをオープンした。

シェフの亜厂 祐樹(あかり ゆうき)さんは、イタリアンからスタートして、フレンチ、スパニッシュと多彩なジャンルで技量を磨いてきた。最初“薫りを楽しむ”というコンセプトを聞いた時は悩んだという。

「五感のひとつである嗅覚として、どういう香りを伝えるかが難しいところでした。定番メニューでも、チーズを香り高いものに変えてみたり、ハーブやスパイス使いを工夫したりして香りをより感じられるようにしています」(亜厂シェフ)

ランチタイムにはサラダとパンの付いたワンプレートが、ディナータイムにはアラカルトとコースが、それぞれ用意されている。
アラカルトはすべて2人前のため、気軽に大皿でシェアしながらワイワイ楽しむことができる。

驚きのフワフワ感! 芳醇なトリュフ香るスフレオムレツ

さっそく、亜厂シェフの創意工夫から生まれたメニューの数々を紹介しよう。

店名を冠した人気メニュー「NERORIのスフレオムレツ トリュフクリームとペコリーノロマーノ」(写真上)。見た目のインパクトとボリュームに思わず感嘆が漏れるひと皿は、運ばれる瞬間から、えも言われぬトリュフの芳醇な香りを漂わせる。この光景を見た人が、思わず追加でオーダーしてしまうこともあるほどの魅惑的な香りとビジュアルだ。

フワフワのオムレツは、スプーンを入れた途端に卵がとろんと流れ、チーズがたっぷり入ったクリームソースと一体化していく。口の中に入れると泡雪のように溶け、コクのあるペコリーノロマーノ(塩味の強いハードタイプチーズ)が後から追いかけてくる。食べた感覚がないほど一口があっという間になくなるので、二口三口とスプーンが止まらない。

シンプルな料理だが、作るのには少しテクニックがいる。
「メレンゲは固すぎるとフワフワとならず、柔らかすぎると流れてしまい、うまく形になりません。良い加減に仕上げるには少しコツがいりますね。」(亜厂シェフ)

できあがったメレンゲは、割れないように気をつけながら、フライパンで両面を焼いていく。有名なフランスのスフレオムレツは、片面だけ焼いて折りたたんでいるが、同店では、ソースをからめて食べやすいように両面を焼いている。

この料理のもう一つのポイントがクリームソースだ。
「フワフワのオムレツに合わせて、ベシャメルソースより軽いソースに仕上げています。トリュフオイルの香りに負けないチーズとしてペコリーノロマーノを合わせ、味に奥行きを出しています。」(亜厂シェフ)

料理の味わいを華やかに彩る、計算されたフルーツ使い

ランチでいただけるメニュー「葡萄とペコリーノロマーノのカーチョ・エ・ぺぺ」(写真上)。黒コショウのスパイシーな香りが食欲をそそり、フュメ・ド・ポワソン(魚のだし)を隠し味に使って軽めに仕上げている。

ブドウとの組み合わせを意外に思うかもしれないが、相性が実にぴったり。ブドウの甘酸っぱさがバターとチーズのシンプルなパスタをパッと華やかにし、味わいを爽やかにしてくれる。定番パスタもフルーツを使うことで、新しい顔を見せてくれるのが驚きだ。

同店のパスタ料理全体で使用しているのは、兵庫・淡路島の製麺業者が作る生パスタ。都内の有名店でも使われているこのパスタは、モチモチしていながらプリッとしたコシがあり、乾麺に比べて、のびにくいのが特徴。つまり、話に夢中になって料理が冷めてしまってもプリプリした食感をずっと楽しむことができるのだ。

季節の薫りをまとった華やかな鴨胸肉は必食

メインのおすすめは、やはり店名「ネロリ」をイメージした「鴨胸肉 キャラメリゼ マンダリンオレンジの薫り」(写真上)だ。鴨肉は、皮目がカリッと焼かれ、身はしっとりとロゼ色に仕上がっている。オレンジの香り漂う甘酸っぱいソースが濃厚で、あっさりした鴨肉のうまみを引き立てる。

付け合わせは金柑のコンポート。トロッとした金柑は上品な甘みを秘め、鴨肉と共にいただけば、さらに味わいを深めてくれる。付け合わせは、秋ならイチジクというように旬のフルーツが使われ、季節ごとにまた違ったおいしさが楽しめる。

そしてデザートで現れたのは、なんと白いビジュアルの「カモミールティラミス」(写真上)。香りの良いティラミスを作りたいと考え、リンゴのような甘い香りが魅力のカモミールティーを使ってティラミスに仕上げた一皿だ。上から振りかけた砂糖には砕いた紅茶葉を混ぜ、添えてあるキャラメルソースにも紅茶を忍ばせている。

あっさりと仕上げるためにクリーム部分には卵を使わず、マスカルポーネにクリームチーズをブレンド。甘さ控えめながら、鼻腔をくすぐる紅茶の香りとしっかりスポンジに染みたラム酒により、優しいコクのある味わいが楽しいスイーツになっている。

薫りが誘う、新しい料理の世界を楽しもう

ワインは、イタリアを中心に手軽に飲めるものを揃えている。グラスワインも赤、白、泡それぞれ3種類ずつ用意。オーガニックワインも含まれているのがうれしい。このほか、自家製のリモンチェッロや、リンゴとハチミツのバーボンなども人気が高い。

▲前澤代表(写真上・左)と亜厂シェフ(同・右)

「料理を食べるときに、意識して香りを楽しもうとはあまりしないでしょう。そこで、”薫りを楽しむ”と語ることで、皆さん、顔を寄せるなどして香りを嗅ごうとする。これが、いっそう料理を楽しもうというきっかけになればと思っています」と前澤さん。

”薫りを楽しむ”ことで広がるおいしさの世界。新しい発見をしに出掛けてみてはいかがだろう。

撮影:佐々木雅久


【メニュー】
NERORIのスフレオムレツ トリュフクリームとペコリーノロマーノ 1,200円
葡萄とペコリーノロマーノのカーチョ・エ・ぺぺ 1,380円
(ランチセット料金。サラダ・ブレッド・コーヒー or 紅茶付)
鴨胸肉 キャラメリゼ マンダリンオレンジの薫り 1,950円
白いティラミス カモミールの薫り 650円

ネロリコース(11品) 3,980円/1名(2名~10名まで)
※本記事に掲載された情報は掲載日時点のものです。また、価格はすべて税別です。

Osteria NERORI

住所
〒180-0003 東京都武蔵野市吉祥寺南町1-9-10 1F
電話番号
050-3466-3376
営業時間
ランチ:11:30~15:30、ディナー:18:00~23:00
定休日
不定休日あり ※(年末年始休業・夏季休業あり)
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/b7bdctkd0000/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
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