味覚が磨かれる丁寧な「フレンチ」! シェフのセンス光る、いま注目のビストロ『BUBU』【名古屋】

2019年03月02日
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味覚が磨かれる丁寧な「フレンチ」! シェフのセンス光る、いま注目のビストロ『BUBU』【名古屋】
Summary
1.アパレル業界から料理の世界へ。持ち前のセンスで正統派フレンチをブラッシュアップ
2.シェフの丁寧な仕事が光る「シャルキュトリー」は必ず食べるべし
3.センスだけでなく理論も総動員して創り上げる、「都築オリジナル」も外せない

気鋭のシェフによる丁寧な「フレンチ」が楽しめる『BUBU』がオープン!

29歳までアパレル関係の仕事に従事してきた都築学(つづき まなぶ)さん。縁あって名古屋のフレンチレストランのオープニングスタッフになったことをきっかけに、料理人の道を歩み始めた。遅咲きのスタートだったが、町場のレストランからウェディング会場まで、さまざまな厨房で料理の技術と哲学を貪欲に学んだという。

ついには 、東京・南青山のモダンフレンチ『L’AS(ラス)』の兼子大輔シェフが監修する「名古屋JRゲートタワーホテル」15階のレストラン『THE GATEHOUSE(ザ ゲートハウス)』でスーシェフに。密度の濃い8年間を駆け抜け、活気あふれる舞台で大所帯を取り仕切るまでになった都築さんは、目標に掲げていた独立開業を決意した。

店を構えたのは、名古屋市営地下鉄・桜通線「桜山駅」から徒歩5分の立地。街中か郊外かと問われれば、郊外寄りである。

「“早く・おいしく・丁寧に”をモットーにして、ひとつずつ心を込めて提供していれば、お客様は必ず足を運んでくださるはず。立地は関係ないと思いました。そのことを証明したくて」と、この土地を選んだ理由を語る。

そしてお客と対話しながら料理やワインをタイムリーに提案できるよう、ワンオペレーションで切り盛りできるカウンターメインの設(しつら)えに。こうしてフランス料理『BUBU(ブブ)』は2018年9月にオープンした。

肉のポテンシャルを余すところなく引き出した「シャルキュトリー」は必食

この温かく洗練された空間では、馴染みある正統派フレンチメニューからオリジナル料理までが楽しめる。
壁面に掲げた白いボードには、味のある筆跡でシャルキュトリー(食肉加工品)やジビエ料理などが記され、目移り必至だ。

初めて訪れた方へ都築さんが真っ先にすすめるのが「シャルキュトリーの盛り合わせ」(写真上)。これには絶対の自信があると胸を張る。

低温で長時間火入れした「豚モモ肉のハム」(写真上)は、驚くほどしっとりしていて、シルキーな舌触りが特徴的。穏やかな酸味の効いた自家製マヨネーズとともにいただくと、白ワインもいいが、エレガントな赤を合わせたくなる。

サンドイッチにしてもさぞかしうまかろうと、あれこれ想像は膨らむばかり。華美ではないが、記憶にきちんと刻まれる味わいだ。

岐阜県産の豚肩ロースを白ワインでホロホロになるまで煮込んだ「豚肉のリエット」(写真上)には、自家製のルバーブジャム(フキのような野菜ルバーブを加工した甘酸っぱいジャム)を合わせたい。

自家製パンを2度焼きしたものにリエットを乗せ、ジャムをディップしていただくと、うまみ・酸味・甘みが口内でマリアージュ。これはワインなしでは済まされない。食べる前にワインが足りているかどうか確認しておこう。

「鴨胸肉の燻製」(写真上)は、ハンガリー産のマグレ鴨をマリネし、桜のチップで燻したもの。マグレ鴨はフォワグラをとるために肥育した鴨で、胸肉は脂と赤身のバランスがとても良い。

噛み締めると口どけの良い脂と、うまみたっぷりの赤身が渾然一体となり、長い余韻をもたらす。鼻から抜ける燻香も芳しい。

「鶏白レバーのムース」(写真上)は、”ムース=フランス語で泡”を意味するように、きめ細やかな気泡がレバーの密度を解きほぐし、驚くほどエアリー。甘やかなアロマとエキゾチックなフィニッシュが印象的だ。これもカリカリの2度焼きパンに乗せていただこう。

「鹿肉のパテ」(写真上)は、シャルキュトリーの中でも都築さんの思い入れが特に強い一品。鹿肉は岐阜県の猟師が仕留めたもので、都築さん自身も鹿が生息する山へ足を運んでいるという。

森の様子や土と枯れ葉の匂いを頼りに、鹿の生い立ちに思いを馳せ、加えるハーブやスパイスをセレクト。臭みなどはなく、野山を駆け巡っていた鹿の生命力をしみじみと感じさせる、骨太なパテだ。

都築シェフの辞書には「妥協」なし。真面目にコツコツ作り上げる至福のフレンチ

都築さんの実直さが現れる一品が「ブイヤベース」(写真上)。魚介類とトマトの煮込みにサフランの香りを添えた南仏プロヴァンス地方の漁師料理で、素材選びから調理の手順まで、一切妥協しない。

季節によって具材は変わるが、この日はスズキ・エビ・アサリ・ムール貝を贅沢に使用。魚介類自体がおいしいのはもちろん、スープの染み込んだジャガイモ「インカのめざめ」も絶品だ。

一種類では表現できない魚介のうまみとサフランのエキゾチックな香りがココットの中に封じ込められ、蓋を開けた瞬間誰もが笑顔に。住宅街にいながらにして、地中海の風を感じるはずだ。

料理が生まれたご当地フランスにならって、ニンニクとサフランが香るマヨネーズ「ルイユ」も忘れない。パンに乗せたりスープに溶かし込んだりなど、味わいに変化をつけられる名脇役。ひと鍋で何度もおいしいこの一品目当てに、足しげく通う人も少なくないという。

センスだけでなく理論も総動員して創り上げる、都築オリジナルも外せない

トラディショナルな料理だけでなく、都築シェフオリジナル料理もかなりのクオリティ。「カキ・春菊・バジルのタブレ」(写真上)は、「コレとアレって合うよね。そしたらアレとコレも…」的な発想の連鎖から生まれた一皿だ。

「タブレ」とは世界一小さなパスタと言われる「クスクス」を使ったサラダで、フランスの惣菜屋では定番料理。カキのコンフィ入りタブレを思いついたところ、続いてカキと相性の良い春菊とバジルが頭に浮かんだという。

春菊とバジルを効かせたアンチョビドレッシングでカキとクスクスを和え、トッピングにはハーブのディルとセルフィーユ。砕いたピンクペッパーを散りばめれば、まるでブーケのようなビジュアルだ。図らずも写真映えする見た目になったが、理論で構築した味わいは実に説得力がある。

磯の香りを凝縮したカキとタブレを口に含んでしばらくすると、清潔感のある春菊の芳香が現れるが、でしゃばりはしない。このバランスは持ち前のセンスの賜物だろう。

「僕、性格がシンプルなんです」と自己分析する都築さん。一皿ひと皿、とにかく真面目に作ることしかできないと語る。

ワインは試飲して納得のいくものだけをセレクトし、酒屋任せにはしない。こうしたひたむきさがお客の心をつかみ、オープンから半年弱にも関わらず、繁盛店の仲間入りを果たしたのだろう。
立地は関係ない…その信念は証明されつつある。


【メニュー】
シャルキュトリーの盛り合わせ 2,000円
ブイヤベース 3,200円
カキ・春菊・バジルのタブレ 1,500円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税別です。

BUBU

住所
〒467-0807 愛知県名古屋市瑞穂区駒場町1-10
電話番号
052-887-4569
営業時間
18:00~0:00
定休日
木曜
公式サイト
https://bubu-sakurayama.business.site

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。