世界一のレストランが東京へ!スターシェフが表現する、イノベーティブレストラン『INUA』の料理とは?

2019年06月04日
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世界一のレストランが東京へ!スターシェフが表現する、イノベーティブレストラン『INUA』の料理とは?
Summary
1.世界一と名高いデンマークのレストラン『noma』が初のパートナーシップを組んだ『INUA』
2.ヘッドシェフのトーマス・フレベル氏は『noma』研究開発部門トップの凄腕!
3.日本人も知らない“日本の味”を二十四節気・七十二候から着想を得たプレートで表現!

“世界一予約の取れないレストラン”の味を東京で!

2018年、ある噂がフーディーたちの口にのぼった。それは“あの『noma(ノーマ)』が日本に来るかもしれない”という内容! 2015年、日本で行われ、大盛況だった『noma』のポップアップレストランからきた噂ではないか? と半信半疑の中、ついに2018年6月、その姿が明らかになった。

それが今回紹介する『INUA(イヌア)』である。

場所は意外と言っては失礼だが、飯田橋の、それもオフィス街寄りのエリア。最初は和を思わせる一軒家レストランの構想もあったそうだが、ヘッドシェフのトーマス・フレベル氏がこのビルの窓から外を眺め、“トウキョウ”を感じ、こちらに決まったという。

©Jason Loucas


店内に入る前もまた面白い。『INUA』が入っている「KADOKAWA富士見ビル」を建物沿いに進み、ドアを開けると目に入るのは、ボタニカルな通路!

そして専用エレベータでお店に進むと……

©Jason Loucas


店内は自然そのままをモチーフにした装飾や作品が随所に置かれ、トップレストランへの緊張しがちな気持ちがほぐれるような、ナチュラルな空間だ。

©Jason Loucas

世界中から集まったスタッフと紡ぐ“INUA料理”

こちらのレストランを率いるのは、『noma』のヘッドシェフであるレネ・レゼピ氏の右腕と言われた、トーマス・フレベル氏(写真下)。

店内で働くスタッフは世界15カ国から集まった、36名。

フレベル氏と日本で『INUA』の味を追求しようと、ヨーロッパや南北アメリカ、日本を含むアジア各国から集まった、頼れるメンバーだ。下準備するチーム、テストキッチンでメニューを研究するチーム、調理や盛り付けをするチームと、仲間で支え合いグローバルな“INUA料理”を作っている。

そんなフレベル氏にとって、『INUA』の味とは? とうかがうと、「提供する13皿にはそれぞれストーリーがありますが、何よりもおいしいことが大事。食材の背景にある物語と、食材への敬愛、そして生命を頂くことの尊さです」と教えてくれた。

では、さっそく『INUA』の料理を見せていただこう。

瞬間の儚さとダイナミックな命を味わうテリーヌ

まずは「あん肝テリーヌと柚子」(写真下)。

あん肝と豆乳に空気を含ませたものを凍らせて作ったという特製のテリーヌは、カシスピューレを薄く広げて乾燥させたカシスのクリスプが挟んであり、カシスの枝で香り付けしたオイルが合わさると、とてもフルーティーな、オリーブオイルにも似た香りを放つ。

思わず注目してしまうのが、お皿の“骨”! こちらは鮟鱇(あんこう)の骨を磨いたもので、鮟鱇の口を覗くように、“あん肝”を獲る過程を感じさせるというイメージで使っているそう。

まるで美術品のよう! ペクチンで作られた“プラムレザー”

次は“食物連鎖”をイメージしたという「プラムレザーとアロマティックフラワー」(写真下)。

こちらのフルーツレザーはプラムの果汁を100%使用し、プラムに含まれるペクチンを利用して作られたもの。あしらわれた季節の香り高い草花は旬のもの。そしてこのプラムは去年採れたものだという。「新しいものと古いものを同時に食す体験と、子どもの頃押し花を作ったことを思い出すような、盛り付け。手でシートをはがして食べるという行為も、原始的で気持ちをリフレッシュしてくれます」とフレベル氏。

蜜蝋(みつろう:ミツバチの巣を構成する蝋を精製したもの)を敷いたフレームに乗せて供されるが、花、実、そして蜂という3つの要素が食物連鎖を演出する。

そして「日本のさまざまな食材と、伝統食材に魅了された」というフレベル氏の言葉を思い出させる皿が、「グリーンピース、燻製ハバネロ味噌とプラムの仁が香るクリーム」(写真下・左)と、「イタドリ、栗に漬けこんだ蜂蜜とルバーブのオイル」(同・右)だ。

グリーンピースに添えるフレッシュクリームは、なんとプラムの“仁(種の中身)”で香り付け。種の中身まで注目するとは、さすがの一言!

イタドリとはタデ科の植物で、山菜として日本では塩漬けにしたり炒めたりして食べることが多い。そこに栗、蜂蜜、ルバーブとは……、日本の食材がフレベル氏の目を通して変化するさまを見たようだ。

日本の情景を湯葉と山菜でお皿に再現

次は「できたてなので!」との声と共に運ばれる、「湯葉と山菜」(写真下)。

イナゴ醤油ベースのペースト、ホースラディッシュのヴィネグレットで和えた山菜、そして自家製の湯葉と、上にかけられている乳酸発酵させた米麹のソースを泡立てたものからなるこちらは、草の中にいるイナゴをイメージしたそう。かつての日本では各地で見られたであろう景色が、お皿の上で表現されている。

最後の一皿で再び日本らしい食材へ

デザートは「ヒロメのミルフィーユ」(写真下・右)、「サルナシと森の香り」(同・左)。

ミルフィーユは、海藻の一種であるヒロメに粉砂糖を振りかけて焼いてカラメライズしたものを、柚子の皮、松で作った塩、カシスの枝で香り付けしたオイルで味付けし、層の間にはダブルクリームを挟んだもの。

ケーキは、豆乳ムース、サルナシのコンポート、桜の木で香り付けしたオイルを染み込ませたスポンジケーキからなるケーキで、カタバミという植物の葉で覆われている。横にナイフが添えられているのは「2人分を切り分けてシェアし、その経験も楽しんでほしい」という理由から、2人分を一皿に盛り付けている。

そして、一皿目の鮟鱇、デザートの海藻で、日本のメジャー食材に戻る、という物語の帰結も表現されている。

©Jason Loucas


また7回も試作し、触れ合う音まで検討したというオリジナルの食器やカトラリーもぜひそのこだわりを感じてほしい。

さらに、「いろいろな新しい食材と出逢い、それを整理してくれる“テストキッチンチーム”」は新メニューのために常にリサーチと開発をしているそうだ。

「どんなものが旬か?」「今までに使われていない食材はどれか?」を考え、ラボで論議するさまはまるで科学者のよう!

こうした食材への飽くなき追求もまた、『INUA』を構成する味のひとつであろう。

文章だけではもどかしい、料理を通した地球の息遣いをぜひお店で味わってほしい。今まで知らなかった“日本”の味わいに出逢えるに違いない。

【メニュー】
・INUAの四季(季節の多彩なプレート展開を満喫するコース) 29,000円
アルコールペアリング 12,500円
INUAジュースペアリング 9,500円
・INUAの節気(「INUAの四季」からシェフが選ぶ短めのコース) 23,500円
アルコールペアリング 9,500円
INUAジュースペアリング 7,000円

※本記事に掲載された情報は掲載日時点のものです。また、価格は別途消費税とサービス料がかかります

INUA(イヌア)

住所
〒102-8552 東京都千代田区富士見2-13-12 KADOKAWA富士見ビル9F
電話番号
03-6683-7570
(受付時間 火~土曜日 10:00~15:00)
営業時間
17:30~
定休日
毎週月・日曜日
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/1snbtvyk0000/
公式サイト
https://inua.jp/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。