奈良・飛鳥地方には隠れた名店がずらり。わざわざ行く価値のある「至極の4店」をハシゴ酒

味わう旅 #12

2020年02月10日
カテゴリ
レストラン・ショップ
  • レストラン
  • ご当地グルメ
  • 酒場
  • 奈良
奈良・飛鳥地方には隠れた名店がずらり。わざわざ行く価値のある「至極の4店」をハシゴ酒
Summary
1.古墳や遺跡が密集する、日本有数の歴史地区「飛鳥」
2.飛鳥地方は、実は県を代表するグルメ名店が集結している!
3.希少な大和牛専門店や海鮮料理がうまい店など、訪れる価値のある4店をご紹介

「飛鳥地方」の魅力は、歴史だけじゃない!

今回の旅先は奈良県。奈良の観光スポットといえば「東大寺」や「奈良公園」などJR奈良駅付近に密集しており、大概の観光客はこのあたりの定番スポットをいくつか周るのみかと思う。

しかし、様々な地方を巡るグルメライターとして活動する私としては、少し定番から外れた飛鳥地方に滞在することをおすすめしたい。ちなみに「飛鳥地方」とは、明日香村、橿原(かしはら)市、高取町(たかとりちょう)という3エリアの総称を指す。

飛鳥地方は、日本有数の歴史地区として高い知名度を誇る。教科書で見るような著名な古墳を目にすることができるため、全国から歴史マニアが訪れるエリアだ。

しかも、実際に古墳の中に入ることができたり、ヨガやバーベキューなどのイベントが開かれたりする古墳もあるので、マニア以外の人でも楽しむことができる。

奈良は本当に”グルメ不毛の地”なのか?

奈良県は、一部では”グルメ不毛の地”と言われている。確かに奈良の名物グルメと聞いて思い浮かぶものは少ないし、私が足を運んだ店で「奈良らしいものは何があるか」と聞くと、ほとんどの店で「奈良にうまいものはなかなかない」という答えが返ってきた。

確かに、例えば古くから奈良グルメとして存在する「飛鳥鍋」は、体を温めるために鍋の中にヤギのミルクを入れたことが始まりであるし、「柿の葉ずし」も冷蔵技術がなかった頃、海から海鮮を腐らず運ぶために考えられたアイデアだ。どちらも味を追求したものとは言い難い。

そんななか、奈良で訪れるべきお店をいくつか発見した。「うまいものがない」という状況を逆手に取った2店と、「いやいやうまいものあるじゃないか」と思わずつっ込んでしまった2店だ。
ぜひ、観光時の参考にしていただきたい。

奈良だからこそ、全国のウマい魚に出逢える『美食酒房 如意』

まず紹介したいのが、近鉄「大和八木(やまとやぎ)駅」のガード下に店を構える老舗『美食酒房 如意(にょい)』だ。

同店のウリは、なんといっても海鮮。海なしの奈良になぜ海鮮が、と疑問を抱いていると「地物に偏ったこだわりがないからこそ、全国から選りすぐりのおいしいものを仕入れられるんだよ」と大将が教えてくれた。

確かに、全国の魚自慢の地域で居酒屋に行くと、そこの地物に頼ったメニューがほとんどを占める。同店では、それができないからこそ、逆に全国から旬の良いものを取り寄せ、様々な料理を提供できるのだ。

同店のメニューは日替わりで全て手書き。今回はお店自慢の「極ウマ5種盛り」(写真上)を頼んでみた。シマアジ、天然本クエ、本マグロのカマトロ、イシダイ、〆サバの5種で、どれも大変みずみずしく新鮮さが伝わる。特に〆サバはほとんど〆ておらず、刺身と変わらないフレッシュさだ。

サバは足が早い(腐りやすい)ため、首折れサバなどのように特殊な血抜きをしたもの以外は、酢で〆る必要があるが、同店では近郊の海から直送しているため、この状態で提供できるという。

通常のものと違って酸味がほとんどなく、甘くて弾力があるため、辛口の地酒「みむろ杉」(今西酒造)がよく合う。

とはいえ、せっかくの旅先なので地物も何か食べたいという方は「大和鶏肝のおつくり」(写真上)を頼んでみると良い。濃厚だが肝特有のクセがなく、驚くほどさっぱりしている。こちらはフルーティーで濃厚な奈良の地酒「風の森」(油長酒造)との相性が抜群。
新鮮な魚介と地酒を存分に楽しむなら外せない一軒だ。

【メニュー】
極ウマ5種盛り合わせ 2,880円
大和鶏肝のおつくり 900円
みむろ杉 830円
風の森 750円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格は税別です

美食酒房 如意

住所
〒634-0804 奈良県橿原市内膳町5-1-16
電話番号
0744-23-6353
営業時間
月・火・木~日・祝日 16:00~23:00
定休日
毎週水曜日
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/2n21b3zt0000/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

まだ身が動く「てっさ」に衝撃! 海鮮と創作料理で酒が進む『又兵衛』

続いては、近鉄吉野線「岡寺駅」にある居酒屋『又兵衛(またべえ)』だ。こちらの大将も、かつては奈良においしい食材がないことを嘆いていたというが、そのハンデを調理技術でカバーしようと考えた。

そんな同店を象徴するメニューが「てっさ 活トラフグ」(写真上)だ。実はこのフグ、写真では伝わらないがピクッと動く。店内にトラフグの生簀があり、オーダーごとに大将が捌くので本場に負けない新鮮さが魅力。それだけでなく、特殊な締めと捌きを組み合わせることで、超新鮮な刺身を提供することができるのだ。

切り身も、フグ刺しと思えないほど分厚く、食べごたえがある。『又兵衛』に来たらぜひとも頼んで欲しい逸品だ。

その他にも、「鳥天柚子胡椒&タルタル」(写真上・左)や「だし巻き玉子」(同・右)、「茄子田楽」に「麻婆豆腐」など、素材にひと手間加えた創作料理が多いのも、同店の特徴。これらも全てオーダーが入った後、必ずオーナー自らが調理するという強いこだわりがある。

1日の乗降人数がたった1,500人ほどの岡寺駅にあって完全予約制が成り立つほど繁盛している理由は、豊富な創作料理と、マスターの強いこだわりにあるのだろう。

【メニュー】
てっさ 活トラフグ 1,200円
鳥天柚子胡椒&タルタル  680円
だし巻き玉子 580円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格は税別です

又兵衛

住所
〒634-0064 奈良県橿原市見瀬町607-1
電話番号
0744-28-3963
営業時間
17:00〜23:00(完全予約制なので要相談で早めることも可能)
定休日
月曜日(予約のない日は休業)
公式サイト
https://bit.ly/2R1UCgb

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

希少な「大和牛」をリーズナブルに楽しめる、『炭焼七輪と大和牛 とりこ』

ここまでは「うまいものがないことを逆手に取った2店」を紹介したが、実は奈良には知名度こそ低いが、とにかく絶品といわれる食材がある。その一つが「大和牛」である。

冷涼な高原でストレスなく育まれた大和牛は、小豆色の赤身にきれいなサシが入っており、サッパリとした後味が特徴だ。一頭一頭その牛にあった管理を徹底することで、松阪牛などにも引けをとらないおいしさと評価されているが、全国的に知名度が低いために価格も安い。

近鉄「橿原神宮前駅」から徒歩5分の『炭焼七輪と大和牛 とりこ』は、そんな大和牛の魅力を広めようと、大和牛を専門的に扱う焼肉店として営業している。

大和牛は生産量が少ないため、その日入荷する部位も当日までわからない。よっておすすめは、肉に精通しているオーナーに聞いてみることだろう。

この日のおすすめは「モツ」(写真上・左)と「三角バラ」(同右)。モツはテッチャン(大腸)だ。私の好きな部位の一つだが、脂肪が多いため食べすぎると少しくどく感じることがある。

しかし、大和牛ということだけあって、通常のものよりサッパリしていて食べやすい。これなら胃もたれもしにくいので、いくらでも食べられる。バラ肉の中でも最高部位である「三角バラ」は、一頭から3kgほどしか取れないので希少性が高く、芳醇かつ上品な味わいが特徴。

希少なブランド黒毛和牛をリーズナブルにいただけるという非常にありがたいお店だ。肉好きならぜひ、大和牛の美味に浸ってみていただきたい。

【メニュー】
大和牛モツ 980円
大和牛三角バラ 1,580円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格は税別です

炭焼七輪と大和牛 とりこ

住所
奈良県橿原市石川町291-1
電話番号
050-3490-4015
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
営業時間
月・水~日・祝前日・祝日
ランチ 11:30~14:00
(L.O.13:45、ドリンクL.O.13:45)
ディナー 17:00~24:00
(L.O.23:00、ドリンクL.O.23:30)
定休日
火曜日
※月に1回、月曜~火曜の2連休もございます。
ぐるなび
http://r.gnavi.co.jp/hbpt66c60000/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

江戸時代の旧家で自家栽培の野菜料理をいただく、『やまと吉永』

最後に紹介したいのが、近鉄吉野線「壺阪山(つぼさかやま)駅」前にある『やまと吉永』。こちらはなんと、江戸時代に建てられた築170年を超える町家を改装して作られた情緒ある割烹料理屋である。

テレビや雑誌でもよく取り上げられるというが、ひとたび店内に入ればその理由がすぐわかる。まるで映画のセットのような赴きある柱や家具を見ていると、食事をする前から気分が高揚するのは私だけではないはずだ。

同店のウリは、店主が自家栽培する野菜を使った創作料理。奈良県は昼夜の寒暖差が大きいため野菜が強く育ち、多様な農作物の栽培に恵まれた土地だと言われている。

そんな土地で育った野菜を使った料理の中でもおすすめは、「蓮根団子のあんかけ」(写真上)。通常の団子とは異なり、レンコンの歯ごたえが生きているため、特有の食感を楽しむことができる。タレは、みたらしと醤油の間ほどの塩加減で、酒のつまみにもちょうどいい。

他にも、ホウレンソウと明太子を和えた「ほうれん草のぴりっと」(写真上・左)や「カブのステーキ」(同・右)など、酒に合う創作つまみが豊富だ。

日本酒を頼むと、女将が丁寧にお酌をしてくれるのも風情があっていい。せっかくなら、奈良の地酒「梅乃宿」(梅乃宿酒造)を頼んで、野菜の力強い味とのマリアージュを楽しんでみてはいかがだろう。
ここでのひと時が、貴重な体験として記憶に残るに違いない。

【メニュー】
ほうれん草のぴりっと 600円
蓮根団子のあんかけ 500円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格は税別です

やまと吉永

住所
〒635-0154 奈良県高市郡高取町観覚寺1433
電話番号
0744-52-1008
営業時間
17:00~22:00
定休日
月曜日
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/btkrbehr0000/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。