庭付きの邸宅で味わう絶品フレンチに悶絶! 恵比寿『AMOUR』がフレンチ好きに刺さりすぎる件

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庭付きの邸宅で味わう絶品フレンチに悶絶! 恵比寿『AMOUR』がフレンチ好きに刺さりすぎる件
Summary
1.恵比寿の一軒家レストランが素敵すぎる
2.まるで和食のよう! 日本人であるシェフだから創れるフランス料理に感動
3.また訪れたいと心から思える抜群のロケーション! 貴重なグラスワインもいただける!?

一軒家レストランだから過ごすことができる特別な時間

恵比寿駅西口から徒歩7分、美しい庭のある一軒家を訪れる。明治通りからほんの少し入っただけなのに車の音すら聞こえない別世界がそこにあった。フレンチレストラン『AMOUR』、扉を開けた瞬間から温かいもてなしが始まる。

邸宅ならではの設えは、書棚があるウェイティングルームで庭を眺めながら四季のうつろいを感じられる。厨房で料理の準備をするシェフの姿をガラス越しに見ることができ、これから供される口福の時間にワクワクしながら2階のダイニングへ上がる。敷き詰められた絨毯、フォーマルながら愛らしさがあるテーブルセッティング、温かみのある非日常の空間に胸が高鳴る。

繊細かつ美しい! センス抜群の後藤シェフの料理の源とは?

後藤祐輔シェフの創る、繊細でかつ無駄なものは一切ない完成された料理。見目麗しいとはこのことか。「これがいい!」とシェフが一目惚れしたスガハラの器に鮮やかな食材が美しく盛り付けられ、一瞬和食かと思わされる。

この前菜の小鉢には濃厚な黄身の「那須御養卵」、今が旬の「毛蟹」、フレッシュさと食感のアクセントとして「青リンゴ」、味の刺激に「本わさび」といったそれぞれ役割を担う食材たち。そしてそれらを優しく繋ぐのがコンソメ。喉を通る時に混ざり合う中でお互いが主張しあう食材をコンソメが融合するのだ。なんという至福の瞬間なのだろう。

実は後藤シェフの料理の命とも言えるのが“2つのだし”なのである。ひとつが鶏のコンソメ、もうひとつが蛤。和食はまずだしをとることからスタートするのはご存知であろう。だしは料理となり、味やテクスチャーを調整したりする。調味料も作れば、ソースにもなる。シェフの料理はコンソメと蛤のエキスが、まさにこの和食のだし。すべての源なのだ。

厨房の朝はまずコンソメ作りと、大量の蛤の身を貝から外すことから始まる。ディナーの前にもまた同じ作業をしなければ追いつかない。なぜなら野菜を煮含めるなどの下ごしらえから、ソースのベース、ジュレなど、料理すべてにこの“2つのだし”が使われている。料理としてではなくだしとして、そのうまみ、香り、透明感のある味わいを、このふたつが生み出している。だからなのかコース料理に味の統一感があるのだ。フランス料理の基本でありその店の真価が問われるコンソメをだしに使うなんて超贅沢ではないか!

「同じ色の食材は味の相性が良い」という、後藤シェフの法則

次に登場するのは「とかちマッシュ かわはぎ 肝」。まず驚いたのはフランス料理ではあまり使うことはないであろうかわはぎを使っていること。どうしてかと訊ねると「和食だからとか、フランス料理だからと食材を分けているつもりがないからです」とシェフ。だからできる限り日本の食材を使っているのだと。

このマッシュルームも十勝のもの。初めて食べた時にその香りの高さに感激したと言うシェフ。どうやったらこのとかちマッシュを活かした料理になるだろうと模索している時に、和食屋で「かわはぎの肝醤油」を食べ「これだ!」と閃き、以来、5年間スペシャリテとして存在している。とかちマッシュの淡白さ、濃厚な肝、もちろん肝はコンソメでのばし、乾燥ポルチーニのパウダーをふりかける。視覚から想像する味の中にはなかったポルチーニの香りにハッとさせられる。

シェフの持論は“同じ色の食材は味の相性が良い“である。「マッシュルームとかわはぎの色って似ていますよね。作ってみたらやはりおいしい。実は根拠がないので化学的に実証しようとしているんですけどね」と話す。以前、料理に名前をつけていたことがあり、これは「美白」だったそう。すべてが美しい白の食材で完成されているといった意味でつけた。「色と味」、こんな視点で料理を楽しむのも面白い。

『AMOUR』の顔とも言えるスペシャリテの「オマール海老のビスク」。クラシカルなテイストとレシピを継承しながら、ある食材を入れて今の時代の味にしている。ある食材とは「トマト」である。トマトのフランを入れることで酸味がパァ〜っと広がりビスクが軽やかになる。

しっとりと限りなくレアに近いオマールの上に、ビスクが目の前で注がれると、そこから漂う甘い甲殻類の香りでテンションがあがる。口にするとなめらかで、しかもふんわりとエアリー感あふれ、トマトのフランによって濃厚さを増したうまみの余韻にしばらく浸る。なんと官能的なビスクなのだろうか。「真逆の発想です。トマトのフランの軽さとオマールの重厚さがあって完成します」と言うが、なぜか不思議と味に統一感がある。すると「実はビスクにフレッシュなトマトをかなり入れています」とシェフ。なるほど、やっと納得できた。その“つなぎ”が相反するものを融合させていたのか。そしてオマールとトマトという赤い色の食材同士が最高のおいしさを創っている。

メインは青森産の「銀の鴨」。エトフェ(窒息)という特殊な方法で処理をして肉全体に血をまわすため肉質はやわらかく味わい深い鴨だそう。昨今、鳥インフルエンザのため仏産のシャラン鴨が手に入らなくなり、出逢ったのがこの「銀の鴨」だ。とにかく皮がうまい! 信じられないほどジューシーでクリスピー、どうしたらこんな風に焼けるのだろうか。

「焼きこまなければできないです。脂を焼き切るイメージですね。ものすごく厚い脂身なので低温でじっくり焼き、次に身がしっとりするように火入れし、最後に仕上げの焼きに入ります。まずはフライパンで皮だけ、次にグリヤードと言って網焼きで香ばしさをつけます。そして300℃のオーブンで鴨全体を熱々にし、さらにサラマンダーに入れて焦げる寸前まで焼き切ります。そうすると熱々でカリカリでジューシーに焼きあがります」とシェフ。

香ばしさが命、それでいて身はジューシーなのが肉のおいしさなのだと。皮の焼き方はかなりこだわっており、なんと焼鳥からヒントを得たそう。確かに似ているが、炭火の焼き加減をフランス料理のテクニックで再現するとは! 「ここに行き着くまでにはかなり時間を費やしました」と笑う。ソースはコンソメで煮てうまみと香りを含ませ、甘みを残した鴨と下仁田ねぎ。焼き下仁田ねぎのペーストが味に彩りを添え、山椒や胡椒でピリッとひねりを加える。次に香りづけには陳皮と、フランス料理でありながら日本人である後藤シェフの感性とセンスが料理に新しさと懐かしさを感じさせる。そのバランスが非常に心地良い。

細部まで計算されつくした、完璧な世界観に感無量

西麻布から移転して、それまで掲げていた「ガストロノミー・フランセーズ」を外した。だからと言って無国籍料理にするつもりはない。あくまでも軸はフランス料理である。これだけ複雑な味をひとつにまとめあげる後藤シェフの才能を掘り下げてみたくなり、新しい料理をどのように作るのか訊いてみた。すると初めは使いたい食材から組み合わせを考え、頭で浮かんだイメージをざっくりと形にしてみる。追求はそこから始まる。足りないものは何か、何を加えれば良いのか…、2回目の試作でほぼ出来上がるか、まったくできないかの2つに分かれるそうだ。そこでダメだと感じたものは潔く諦める。9割完成したものはスタッフと試食して意見を訊く。第三者が感じるものも大切なのだと言う。そうやって完成された料理は1,5〜2カ月ごとに変わり、四季の移り変わりと共に我々を楽しませてくれる。

こちらにはドリンクメニューがない。グラスワインが決まっていないのだ。最近はボトルのオーダーよりペアリングの比率が上がった。それならば少しでも普段飲むことがないワインを飲んでもらえたらと思い、この店でなければ飲めないワインを出す。

好評だったのが「ヴァン・ジョーヌ」。サヴァニャンという白ぶどうを使ったフランスのジュラ地方の特殊な黄色いワイン。非常に厳しい生産管理の元で作られるので実際に認められなかった年もある。クラヴランという620mlの特殊な瓶に詰められた常温で飲む白ワインは飲む機会が多くはないのでグラスワインで提供した。こんな風に運が良ければ珍しいワインもグラスで開いたりする。予約次第と言うがソムリエである大石 誠氏の気分という噂も…?

類い稀な『AMOUR』で過ごす時間。料理、ワイン、サービス、そして空間、一歩踏み入れた瞬間から後藤シェフの世界観が伝わってくる。いま、自分の料理以外に食べたいものは常に和食で、魚が大好きだからメインの肉料理まではすべて魚介と野菜のメニューというシェフ。その美しい盛り付けもいまは和食からヒントを得ているのだろう。細部まで計算し尽くされた完璧な世界、すべてを忘れてこの素晴らしい世界に陶酔できたことでレストランを訪れる意義を感じた。

(メニュー)
ランチ/5,000円、7,500円、12,000円
ディナー/15,000円、18,000円〜
※12/23〜12/25までクリスマス特別コース(ランチ12,000円、ディナー20,000円)のみ、ディナータイムも2部制(18:00〜、20:30〜)となります。
※12/30〜1/5まで冬季休暇をいただき、年始は1/6のディナーより通常営業となります。

AMOUR(アムール)

住所
〒150-0012 東京都渋谷区広尾1-6-13
電話番号
03-3409-1331
営業時間
12:00〜15:30(L.O.13:00)、18:00〜23:00(L.O.20:30) 定休日 月曜
公式サイト
http://www.amourtokyojapan.com

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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dressing編集部
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カメイアコ
ライター