【連載】「私を"はしご酒"に連れてって(福岡で)」

福岡の酒飲みは1軒では帰らない。ほぼ必ず2軒目に行くし、2軒目を出たら次の店…。職住近接ゆえ終電や終バスを逃しても笑顔で楽しく飲んでいる。“はしご酒”文化が根付くこの街の遊び方を毎回伝授いただく。

2015年09月15日
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【連載】「私を"はしご酒"に連れてって(福岡で)」
Summary
・一人目は、酔いどれデザイナー
・大人気の炉端焼きより
・シメは、いま福岡でアツい?業態

第一夜:酔いどれデザイナー・吉野英昌さん まずは、大人気の炉端へ

今回、はしご酒に連れていっていただいたのは、福岡を拠点に雑誌・広告、紙媒体のデザインを手掛ける吉野英昌さん。福岡のグルメ情報誌「ソワニエ」にて『今夜も記憶にございません』というはしご酒日記を4年半ほど連載していた経歴の持ち主だ。

1軒目に訪れたのは、吉野さんのデザイン事務所が入居するビルの1階にある「炉端 百式」。暖簾をくぐると、カウンターのネタケースに新鮮な魚介や野菜が並び、期待値が高まる。福岡は海や山に近く、新鮮な魚介や野菜が入手しやすい。その素材の良さをシンプルに楽しむ炉端焼のスタイルは、近年、福岡でブームとなっているのだ。

「まずは飲もうか。この夏よく飲んだのは『フローズン日本酒』。ワンカップを凍らして、こうやって振ったらこんな状態になるんよ。これが美味しくてね」

アテは「鮫なんこつ」(380円)と「カツオの藁炙り」(800円)をセレクト。オーダー後、しばらくすると、炉端焼きといえば!な大きな杓文字(実はボートのオール)で、料理が供された。

「はしご酒の鉄則は何も決めずに行くこと。予定調和ではなく、成り行きを楽しむ方が断然面白い。これを僕は日常冒険と呼んでいます」。

吉野さんの場合、自由度の高い単独行動が中心。夜が深まっていくに連れ、気づけば仲間が増えているなんてことも多いとか。

店の奥にはセルフドリンクコーナーがあり、自分でドリンクを注げば、1杯につき50円安くなる。ワインセラーを覗くと、人気の自然派ワインや日本酒もズラリ。訊けば、1週間に3回、銘柄を入れ替えているそうで、レアな銘柄が登場することもあるという。

しばし、店主の上山修さんと談笑し、店を出た。

炉端 百式

住所
〒810-0023 福岡市中央区警固1-15-34 警固セントラルビル1階
電話番号
092-791-8385
営業時間
18:00〜1:00(L.O.0:00)
定休日
定休日 不定休
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/6gb5t8kg0000/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

福岡らしい、自由なバールへ

「今日、リニューアルオープンしたばかりのバールに行ってもいい?」

そう話すと、吉野さんはゆっくりと歩き始めた。「炉端 百式」から1分足らずで、オープンエアで華やかなバールに到着。仕事場とも近く、吉野さんが歩いていると、昼夜スタッフから呼び止められるとか。

「あれ?吉野さん」。新しくなったピッツァ窯そばのカウンター付近から声が掛かる。こうした、知人との偶然の出会いがあるのも、吉野さんの交友関係の広さがなせる業。とはいえ、吉野さん自身、最初からこれだけ多くの人と繋がっていたワケではない。

「いろんな店に行っていると、少しずつ繋がりができてくる。それが楽しくて、はしご酒を続けているんだよね。一人で自由に行ける店は、人と繋がりやすい店でもある。その店を初めて訪れたとしても、心をオープンにして自由に飲んでいると、自然に周りの人が声を掛けたくなるオーラが出ているんだと思うよ」

吉野さんが訪れる店の多くは、一人で行きやすい店であり、一人客には、店主やスタッフ、ときには周りの客が、その人の醸し出す雰囲気次第で、気軽に声を掛けることも少なくない。そこから話が盛り上がり、「次の店、一緒に行こう!」となることも、よく聞く話。かといって、最後まで付き合わないといけないこともなく、とことん最後まで行くもよし、翌日の仕事のことを考えて、途中で離脱するもよし。「入るものは拒まず、去るものは追わず」気質のある福岡人にとって、途中で誰かがいなくなっていても、気にする人は少ない。

Bar Vita × LITTLE NAPOLI

住所
〒810-0021 福岡市中央区今泉2-5-17
電話番号
092-739-3393
営業時間
11:30~2:00(L.O.1:00) ※LITTLE NAPOLIのランチL.O.15:00、ディナーL.O.22:00
定休日
定休日 不定休
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/rcfh4vzf0000/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

いま、福岡でトレンド?の“うどん居酒屋”

時計は午前1時を過ぎていた。「そろそろ〆に向かいますか?」と向かったのは、薬院にある「唄う稲穂」。博多の〆はラーメンと思っている方も未だ多いが、一説によると福岡は「うどん発祥の地」。福岡にはうどん文化が根付いており、ここ数年、福岡の街では、うどん居酒屋という業態が人気だ。

「Bar Vita × LITTLE NAPOLI」から歩くこと約5分。到着すると、店はほぼ満席だった。「少しだけお待ちいただけたらご案内できます」ということだったので数分待ち、無事、席を確保した。

「もともとは蕎麦派なんだけど、ここのうどんは美味しい。遅くまで空いているし、ついつい足が向かうんだよね」

といいつつ、オーダーしたのは、「ハムカツ」(600円)、「かまぼこバター」(450円)、「カニ味噌豆腐」(400円)などのアテに、入口のワインセラーで見つけた自然派ワインをボトルで! 〆に来たはずだったのに…。

うどん居酒屋というだけあって、多種多彩なアテメニューがあり、延長戦に突入してしまうことも。もちろん、最後は、目見麗しい「温玉しょうゆうどん」(700円)で〆。

ここで取材終了となったけれど、吉野さんはさらなる旅へと向かった。

今回登場した3店にはカウンターがあり、気持ちよく過ごさせてくれる店主やスタッフがいる。心をオープンにして、そこにいる誰かと繋がる。そこから、めくるめく“はしご酒”の旅がスタートするはずだ。

撮影=中西ゆき乃

唄う稲穂

住所
〒810-0022 福岡市中央区薬院1-10-10
電話番号
092-716-4159
営業時間
16:00~3:00
定休日
定休日 不定休
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/nf4esf670000/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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