【連載】小石原はるかの「いま、飲みにゆきます」 二軒目

トレンドに詳しく、「東京最高のレストラン」から「東京カレンダー」などに至るまで、引っ張りだこの小石原さん。そんないろんな店を知り尽くした彼女が愛している店とは?ホントの、いい店うまいい店に飲みに行っていただく。

2015年10月01日
カテゴリ
レストラン・ショップ
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【連載】小石原はるかの「いま、飲みにゆきます」 二軒目
Summary
・その野菜の量、"コナモン"にあらず
・関西人でも納得するお好み焼き
・大井町西口の隠れ家エリア

飲みに行くなら鶏卵もね!

このところ、アルコールをたっぷり嗜んだ翌朝に決まって鶏卵を欲している自分に気づいたのですが、その理由を誰かに問うたところで便利なインターネッツが隅々まで普及しきった昨今ではすかさず「ggrks(註・ググレカス)」と即レスされるのが関の山なので、ひっそり自力でググったところビンゴ!でした、こんばんは。

二日酔いの元凶であるところの、アルコールが分解されたのちに現れる毒性物質・アセトアルデヒドを分解してくれる成分が、L-システイン(女性の皆様におかれましては“シミに効く”でお馴染みの第3類医薬品「ハイチオールC」に含まれているアレです)。で、このL-システインを含む食べ物は少ないのですが、卵に含まれる必須アミノ酸のひとつ、メチオニンがL-システインを生成してくれるらしいんですよ、奥さん!(*) マリー・アントワネットなら「卵がないならハイチオールCを飲めばいいじゃない!」とか言い出しかねませんが、卵といえば“物価の優等生”ですから、たいがいのおうちの冷蔵庫には……あるんです!(©川平慈英、ではない)

関西人でも納得のお好み焼き

そんな卵も材料のひとつとして欠かせない「お好み焼き」。実は不肖コイシハラ、お好み焼きにははっきり言ってうるさい。というか、ストライクゾーンが狭い。大阪育ちの母親の元で熱血指導を受けた(ちなみに幼少時のマイベストお好み焼きは、大阪・住吉『白樺』のいか玉)ため、「硬い」「柔らかすぎ」「ぺっちゃんこ」「キャベツが少ない」「妙にアレンジしすぎ」などのお好み焼きはすかさず拒否反応。お店で当落線上にあるお好み焼きをモヤモヤしながら食べるくらいなら、元加ト吉・現テーブルマーク社製「ごっつ旨いお好み焼き」を食べている方がよほど心が安らぐというものです。

大井町の地味なエリアに、、、

業務上の理由で「あそこのお好み焼きがおいしいらしいよ」などと聞けばなるべく足を運ぶようにはしているものの、逞しい両肩をがっくりと落として店を後にしたことも数知れず……。だったのですが、今年出逢った、かなり好みなお好み(一目瞭然でしょうが“好み”を掛けた次第)焼きが、大井町にある『お好み焼き 瀧』。ちょうど開店一周年を迎えた、まだ初々しさの残るお店です。前回に続き、大井町といっても呑み屋さんが軒を連ねる賑やかな「東小路」方面ではなく、駅西口の「イトーヨーカドー」の裏手(これも前回同様!)方面。余談ですが、西口のすぐそばにある立会川の流路跡、緑地公園に設置された猫の銅像(太郎と花子)が可愛い。

店主一人で切り盛りする正直な店

さて、『お好み焼き 瀧』。屋号は、店主・瀧村希未絵さんの苗字の一字を取ったもの。飲食業は未経験だったものの料理好きが嵩じて店を出した、という希未絵さん。たったひとりで切り盛りしているので鉄板の前とまな板の前と冷蔵庫の前を絶えず移動しながら調理&接客。が、忙しい時でもにこやか&一生懸命。そして手書き(とても読みやすい筆跡!)メニューの1ページ目に、希未絵さんの人柄があらわれている。豚肉はロイヤル三元豚、魚介は老舗鮮魚店(料理人御用達の地元の「魚春」さん)、青葱は岡山県より直送etc.といった具合に、素材の産地や仕入先を明記したその下に「レモン、こしょうについてはやむを得ず海外のものを使用していますが、その他の食材は上記以外のものもすべて国産を使用しています」。なんと正直、とことん誠実。

「コナモン」ではなく野菜焼き

そして、その姿勢はそのまんま、作り方や味にも反映。お好み焼き1枚に入っている葱は優に100g以上。キャベツもふんわりたっぷりで、粉はごくわずか、具材をつなぐ最小限のみ。なにせ焼くプロセスを見ていると「あの大量の野菜を一体どうやってまとめるのか!?」と不安になるほど。さらに豚玉ならば、豚が表面のみならずお好み焼き本体のなかにも。さりとて、前述のとおり野菜たっぷりだから重さはゼロ。焼き上がりの様子は側面がすっくと立ち上がり相当にボリューミーなのに、案外ぺろりと入ってしまう理由はそこにアリ。この“重くないけど食べた時のほどよい充足感アリ”なお好み焼きが、本当に少ないんですわー(ここ、関西弁のイントネーションで脳内再生を)。だから「魚春」さんから届くピカピカの魚介類や希未絵さんが工夫をこらした鉄板料理、気になるものは臆せず頼んで……いいんです(©川平慈英)!

写真のお料理のほか、鉄板系では海鮮ミックスバター焼き、出汁で煮てから焼く玉ねぎ、ホタテが入ったふわふわの山芋焼き、豚平焼き、特注の二度蒸し麺を使った焼きそばなど、今までにいただいたものは総当り。今後は、チヂミや焼きうどんやすじ・ねぎ・こん、などにも挑みたい所存であります!(マニフェスト)

オススメなお酒は抹茶割り

そして、そうしたお料理のお供にはビール(キリンクラシックラガー&ハイネケン)、焼酎(魯山人)、利右衛門さんの梅酒などがあるなか、注目すべきはキンミヤベースのサワー類。オーダーごとにお茶を点てるので混雑時のオーダーはタイミング見計らって!と釘を差しつつ、抹茶割りがとりわけおすすめであります。あと、フルーツ蜂蜜サワーもィいいネ!(©横山剣@CKB) 

なんていいながらガンガン飲んでいたら、せっかく食べた卵=メチオニンの効果もどこへやら……となりかねないけれど、楽しくっておいしくって和むからモーマンタイ!

<メニュー>
豚玉900円、きす、大葉、チーズ焼き750円(2ケ)、生ワカメ(三陸)のナムル450円、白ばい貝の煮付け800円(3ケ)
※価格すべて税抜
※要予約。というか、ひとりで切り盛りしているため、行く直前でも構わないので必ず電話予約を。カウンター5席、テーブル6席の店内は全席禁煙。

(*)出典:東北大学プレスリリース https://www.tohoku.ac.jp/japanese/newimg/pressimg/tohokuuniv-press_20150330_02web.pdf

お好み焼き 瀧

住所
〒140-0014  東京都品川区大井1-34-3
電話番号
03-3772-6188
営業時間
17:30~L.O.22:30
定休日
定休日 不定
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/3rrf9bjg0000/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。