東銀座に、この料理と器なら美女も満足という立ち飲み屋がある

【連載】小石原はるかの「いま、飲みにゆきます」 七軒目  トレンドに詳しく、「東京最高のレストラン」から「東京カレンダー」などに至るまで、引っ張 りだこの小石原さん。そんないろんな店を知り尽くした彼女が愛している店とは?ホントの、いい店うまいい店に飲みに行っていただく。

2016年02月22日
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東銀座に、この料理と器なら美女も満足という立ち飲み屋がある
Summary
1.割烹・料亭の料理と器がある立ち飲み
2.天然物だけを使う魚はすぐ近くの築地から
3.料理400円~、冷酒500円均一

あれは20世紀(と書くと妙に壮大な雰囲気を醸し出せることに気づきました)のこと。まだ“うら若い”という形容がかろうじて当てはまる妙齢時代に、何度かお酒で大々的な失敗をやらかしています。3大疾病ならぬ3大失敗のうちのひとつは、当時はあまり飲み慣れていなかった日本酒、それも凍結酒を飲み過ぎたから。冷たくってトロッとしていて比較的アルコールの存在を感じさせないものだから、調子に乗ってgbgb。日本酒には一片の罪なし! あゝ、あのころにおなじみミラグレーン(©日邦薬品工業)と出逢っていたならば……。

が、しかし。やる気! 元気! さえあれば(井脇! はあってもなくても大丈夫です!)、あるいは加齢とともにめきめきと強まる忘却力をもってすれば、そんな黒歴史だってケロリと克服できるというもの。というわけで、21世紀の私は日本酒も臆せず飲んでおりまして、本日は軒先に下がった杉玉が目印の、東銀座『三ぶん』に参上。

割烹や高級料亭で培った技

なんといっても素敵なのは、気安い立ち飲みスタイルでありながらこうしたタイプの酒場らしからぬ酒肴が並ぶ、魅惑のお品書き。菜の花地辛子和え、ふきのとう天ぷら、クレソンのお浸し、エシレじゃがバター、毛蟹のクリームコロッケ、阿蘇牛のすき焼き……etc.。鮮魚は天然物のみを、店からほど近い築地で調達。昆布で締めてお造りに、店で熟成させてからムニエルになど、ひと仕事施した品もあれこれと。

しかも、お造りは醤油のみならず、魚によって煎酒、福井の地辛子と塩で、ムニエルには刻んだカリカリ梅を添えたりと、食べさせ方や仕上げもまた、趣向が凝らされているのです。

店主の金子浩司さんは、割烹料理店や料亭を経てこちらへ、という経歴の持ち主だから、ふぐやすっぽんなどの扱いもお手の物。それらを唐揚げにしたり、小鍋仕立てにしたりと、フレキシブルに。

そう、ここは立ち飲みなのに割烹! 痩せてるくせにボイン(©奥田民生)、の如き有り難み! ついでに言うと、器のセンスも素敵。どうやら、年代物や著名な作家物などもザクザクある模様ですぞ〜(©ムック@ひらけ!ポンキッキ)。

料理のお値段は400~1,300円と幅がある一方、冷酒は、六勺(0.6合=約108ml)500円均一。わーい、さんすうがにがてでもけいさんしやすいよ! 毎日だいたい15〜20銘柄ほどをラインナップ。一方燗酒は一合900円。「菊正宗」「剣菱」「初孫」を定番としつつ、リクエストがあれば冷酒用に勧めている銘柄をお燗してもらうもよし。迷ったら、燗付け師の込山博之さんに相談しようそうしよう(©THE HIGH-LOWS)。

この2月で開店1年。大々的なアナウンスはせずにひっそりとオープンし、じわじわとファンを増やしてきた。予約は受け付けていないけれど店に行く10分前に電話を入れてスペースを確保してもらうのは、アリ。混み合ってきたらダークダックス立ちで長っ尻は野暮、は立ち飲み店に於ける言わずもがなのお約束だけれども、もしも空いている夜に潜り込めたなら、ひととおり料理を味わった後に、乾き物の盛り合わせであるところの「手づかみ八寸」をちびちびとつまみつつ、お酒ドン!さらに倍!(©クイズダービー)なんてのも乙ですなあ。

<メニュー>
銚子  金目鯛昆布〆600円
熟成クエのムニエル1,200円
アブラボウズの実山椒焼き600円
手づかみ八寸1,300円
冷酒(六勺)500円
※価格はすべて税別

立ち呑み 三ぶん(サンブン)

住所
〒104-0061 東京都中央区銀座5-13-12 サンビル1F
電話番号
03-3524-8536
営業時間
11:30~L.O.12:30、16:00~L.O.22:00、土・祝12:00~L.O.20:00
定休日
定休日 日曜
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/kfkcryhz0000/
公式サイト
http://www.sanbun-ginza.jp/access.html

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。