インド人よ、これが東京のカレーだ! 新ジャンル・東京スタイルカレーが今、隠れた人気

2016年09月10日
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インド人よ、これが東京のカレーだ! 新ジャンル・東京スタイルカレーが今、隠れた人気
Summary
1.信濃町駅から徒歩5分の場所にあるカレー専門店『RED CHILI』
2.インドでもなく、欧風でもない‟東京スタイル“のカレーとは
3.チーズがとろっとろの焼きカレーと野菜たっぷりのインディアンタコライスも絶品

信濃町駅周辺は慶応大学や文学座、神宮球場などがあり、意外にも若者の多い街である。そして、学生の人数と比例するようにカレー専門店も多く、インドカレーやタイカレーの人気店がひしめいている。

しかし、それに待ったをかけるカレー専門店がある。それが『TOKYO STYLE CURRY RED CHILI』だ。日本人による日本人の為のカレーライスを提案し、もっと自由に、そして真面目に、東京らしさの詰まった一皿を楽しんでみてほしい。

東京の寛容で柔軟なイメージをカレーで表現! 東京スタイルカレーとは?

信濃町駅から徒歩5分。階段で地下に降りると、『RED CHILI』 の名にふさわしい、真っ赤な厨房が目を引く。

オーナーの陣内圭さんは、デザイナーとして飲食店の内装などを手掛けた経歴を持つ。内装はご自身で手掛け、倉庫の状態から約1カ月で完成させたもの。アート作品が好きだと話し、白い壁には東京っぽさを連想させる作品が飾られている。

陣内さんはかつて下北沢でバーを営んでいて、当時からカレーを提供していたそう。そのころからカレーの味に評判が良かったという。そのオリジナルのレシピに磨きをかけ、満を持してオープンしたのが同店なのだ。

「『RED CHILI』の名物・カレープレートは、インドカレーのミールススタイル。ごはん、カレー、副菜のワンプレートで、副菜にはマッシュポテトやラタトゥイユなど、デリを4種類添えています。(本当に忙しい時は3種類になりますと笑いを交えながら)色んな文化が交差する『東京』を表現したカレーです」と陣内さんのこだわりとアイディアが詰まったメニューである。作り方はインド系ではあるが、隠し味にきな粉や醤油を入れるなど、和の要素もプラスしている。

「非常識な店」を目指したい! 万人受けするカレーをリーズナブルに

何店舗も食べ歩いた結果、「勝てる」と確信したカレーは、ランチ時には学生や周辺に勤務するサラリーマンたちが足しげく通い、毎日大盛況。ディナータイムは、カレー以外にもお酒に合う逸品料理の提供もあり、軽く一杯飲んでカレーを楽しむ人も多いという。

「巷で流行りのカレーチェーン店の魅力は、トッピングや辛さをカスタムできることだと思いますがうちでは基本対応していません。カレー専門店として完成品を出すことにこだわっているので、まずはうちの味を知っていただきたい。もちろん専門店としてお店を出す以上、家庭では食べられない手間のかけた本格的なものを目指しています」と陣内さん。

トッピングや辛さを自分好みに調整したいからといって、味見をしないでいきなり調味料をドバーっとかけてしまう人をたまに見かける。でもそれはピカソやゴッホの名画に「こっちの方が良いから」といって、筆を加えることと同じことなのだ。

高くておいしい店は当たり前だが、安くておいしい店は貴重である。価格も手ごろでそれを上回る感動があれば、宣伝しなくても客は足を運ぶ。そういう意味で「非常識な店」を目指しているという。四半世紀、様々な飲食店と関わっていた経験から、「どんなお店が流行り、お客さんに愛されるか」ということを掴んだ陣内さん。だからこそ成功をおさめ、2号店を出店予定だという。

自慢のカレーをアレンジした究極の一皿! アツアツの焼きカレーが絶品

プレートだけでなく、単品のカレーも人気。おすすめはチキンカレーとのことだが、それを差し置いて人気爆発中なのが「焼きカレー」だ。焼きカレーは、単品のカレー(チキン、牛すし、ドライカレーの3種から選べる)にチーズと卵を乗せて焼いたメニュー。焼きカレーには牛すじカレーが合うということで、さっそくいただくことに。

中央にスプーンを入れると、半熟卵がとろっと溢れる。デミグラスのようにコク深く、後から追いかけてくるスパイスの辛さがたまらない。チーズや卵で味がぼやけることなく、カレー自身がしっかり主張。野菜と果物をふんだんに使ったグレイビーが味に奥行きを与えている。

チリコンカンで作る、フレッシュ野菜たっぷりのインディアンタコライスを召し上がれ

オーダーを受けてから刻むシャキシャキのレタスがどっさり覆い、タコミートではなくチリコンカンがライスの上を彩る。レタスの下に盛られたコールスローがレタスとチリコンカンとがっちり手をつなぐ一皿だ。チリのスパイシーさとコールスローの甘みが絶妙にマッチ。目と胃の両方が喜ぶタコライスは同店でしか味わえない。

巷には本格派をうたったスパイスをたっぷり使ったカレーが人気を博しているが、日本人に馴染み深いカレーはやはり‟母の味“だ。同店のカレーは馴染み深い味を根底に置きつつも、野菜や果物で丁寧にだしを取り、スパイスもしっかり効かせている。インド、イギリスとカレー発祥の地をリスペクトしつつも、その両者の良いところだけを取り出し、独自に昇華した”東京スタイル”の名にふさわしい一皿だった。
(取材・文/カメイアコ)


【メニュー】
カレープレート(チキン、牛すじ、ドライ)850円
焼きカレー(チキン、牛すじ、ドライ)850円
インディアンタコライス 850円
※価格すべて税込

TOKYO STYLE CURRY RED CHILI

住所
〒160-0016 東京都新宿区信濃町11-4 五十嵐ビルB1
電話番号
03-6380-6503
営業時間
月~土 ランチ:11:30~14:00 月~土 ディナー:18:00~23:00(L.O.22:30)
定休日
定休日 日曜(不定休)
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/3recgmn40000/
公式サイト
http://www.tsc-redchili.jp/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。