ニューヨーカーから絶賛!オープンから1年余りで名店となった注目のフレンチアメリカンレストラン

【連載】NYスタイル、進行形  世界最新の食トレンドを生み出し続ける、ニューヨーク。日々新しいスタイルが提案されるこの街で、生き残るのは至難の技。そんなニューヨークのトレンドに敏感な街の「賢人」の琴線に触れた店とは?

2016年11月18日
カテゴリ
レストラン・ショップ
  • レストラン
  • NY
  • フレンチ
  • 隠れ家
  • 連載
ニューヨーカーから絶賛!オープンから1年余りで名店となった注目のフレンチアメリカンレストラン
Summary
1.オープンから1年あまりでニューヨーカーから絶賛されている注目のフレンチアメリカンレストラン
2.シェフはフランス・アルザス地方出身で12歳から料理の世界へ
3.今年11月にはチョコレート専門店もオープンさせたほどデザートもハイレベル

マンハッタンの中心地に、ブライアントパークという大きな公園がある。少し東に行けばグランドセントラル駅、少し西に行けばタイムズスクエアがあるロケーションだ。そのブライアントパークのすぐ北、42丁目沿いに、高級フレンチアメリカンレストランの『Gabriel Kreuther』(※店名の読みは文末に注釈あり)がある。巨大なビルの1階に去年6月にオープンしたが、エントランスは目立たず、行ったことのない人はたいてい「え、あんなところにそんな高級レストランあった?」と首をかしげる。この都会の真っ只中に秘かに佇む高級レストラン、料理は美味しく、見た目も美しく、サービスは実にきめ細やかで、スペシャルなひと時を過ごしたい時にお勧めのレストランだ。

テーブルにつくと、まずカトラリーがしなやかなレザーの上に置かれていることに気付く。複数のアミューズブッシュでスタートするプリフィックスコース。パンは、テーブルに運ばれてきただけでいい香りが漂う。新しい料理が運ばれてくるたびに違うパンがサーブされてくるのも、他の店舗ではなかなか見慣れないサービスでもある。

料理人になるべくして生まれたアルザス出身シェフ

シェフのGabriel Kreuther(ガブリエル・クルートー)は、フランスのアルザスで生まれた。実家は農家で、新鮮な食べ物と母親のつくる伝統的なアルザス料理が彼を育んだ。Gabrielは子供の時から叔父の経営するホテルとレストランを頻繁に訪れ、12歳にしてキッチンに立つようになったという。やがて料理学校に入り、コンテストで優勝し、ドイツ、フランス、スイスの一流レストランで経験を積む。ニューヨークでは『ジャンジョルジュ』や『リッツカールトン』、『ザ・モダーン』で名を馳せた。
レストラン『Gabriel Kreuther』もオープン以来、ニューヨークタイムズから3つ星などを獲得している。Gabrielに成功の理由を聞くと、「レストランに入ってきた時から出て行くその瞬間まで、お客様の経験のすべてに細心の注意を払っている。1人1人のお客様にとって、本当に記憶に残る経験をつくろうとし、つくっている」と話してくれた。

特に人気の高い料理は、バーのみで食べられるAlsatian Tarte Flambee(アルザス風タルト・フランベ)。アルザス地方の郷土料理で、薄いパン生地の上にチーズやベーコン、玉ねぎ、マッシュルーム、イクラなどがのっている。

メインダイニングでは、Sturgeon & Sauerkraut Tart American caviar mousseline(チョウザメとシュークルートのタルト、ムースリーヌ、アメリカンキャビアのせ)の人気が高い。見た目もユニークだが、演出も凝っている。テーブルの上でウエイターがガラスのかぶせを持ち上げると、リンゴの木をいぶしたスモークがふわっとたちのぼるのだ。

ディナーのプリフィックスにはデザートも含まれていて、Comfort, Caramel Pear― gingersnap tuile, caramel-pear crémeux, pear sorbet ― とDecadent, Chocolate Caramel― mixed media crumble, chocolate mousse, caramel ice cream ― が特に人気がある。チョコレートの詰め合わせも別途オーダーでき、これが実に美味しい。

今月、チョコレート専門店をオープンさせたほど、絶品のデザート

チョコレートは本当に絶品なので、Gabriel Kreuther が11月4日、レストランに隣接してチョコレート専門店『Kreuther Handcrafted Chocolate』をオープンしたのも納得がいく。もっとも、レストランをオープンした時から、長年のパートナーであるショコラティエのMarc Aumontとチョコレート専門店をやることを計画していたそう。どのスイーツもユニークだが、チーズケーキマカロンは特にマストだろう。軌道にのったら、多店舗展開していきたいようだ。

至福の経験をトータルに演出する『Gabriel Kreuther』には、シェフたちが忙しく働くキッチンのそばで食べられるシェフズテーブルのコーナーもある。8人まで着席できるそのテーブルでは、一般のプリフィックスとは違うコース料理が用意されている。シェフズテーブルはキッチンと共にメインダイニングルームからガラス越しに見えて、「見られながら食べること」でさらに気分が上がる場となりそうだ。

Gabriel Kreuther(ガブリエル・クルートー)

住所
41 W. 42nd Street New York, NY 10036
電話番号
212-257-5826
営業時間
12:00~14:00、17:30~21:30、金曜12:00~14:00、17:30~22:00、土曜17:30~22:00
定休日
定休日 日曜
公式サイト
http://www.gknyc.com/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。