美術鑑賞と食を同空間で愉しめる!メトロポリタン美術館『ダイニングルーム』と『バルコニーカフェ&バー』

【連載】NYスタイル、進行形  世界最新の食トレンドを生み出し続ける、ニューヨーク。日々新しいスタイルが提案されるこの街で、生き残るのは至難の技。そんなニューヨークのトレンドに敏感な街の「賢人」の琴線に触れた店とは?

2019年04月27日
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美術鑑賞と食を同空間で愉しめる!メトロポリタン美術館『ダイニングルーム』と『バルコニーカフェ&バー』
Summary
1.「メトロポリタン美術館」4階レストラン『ダイニングルーム』が一般客も利用可能に
2.2019年3月、2階に『バルコニーカフェ&バー』を新設
3.美術品を眺めながらカクテルを愉しめる

セントラルパークを眼下に食事ができる、優雅な空間

メトロポリタン美術館は、ニューヨーク市マンハッタン区の5番街に面した本館と分館の2つから成る世界最大級の美術館。世界中あらゆる地域の、時代もジャンルも幅広い展示品を揃えている。初めて訪れる人は巨大なエジプトのデンドゥール神殿に目を見張り、毎年クリスマスツリーが飾られる中世美術セクションでは厳かな気分に浸り、モネやルノワール、ゴーギャンなど印象派が充実したフロアで著名な絵を堪能することだろう。日本美術のセクションでは、日本でも見る機会がないような貴重なコレクションを鑑賞することができる。

ところで、メトロポリタン美術館内にはカフェテリアがいくつかあるが、それとは別に、4階にレストラン『The Dining Room at The Met(ザ ダイニングルーム アット ザ メット)』があることをご存知だろうか。

このレストラン、かつては年会費を払っている同美術館の会員しか入れなかったのであまり知られていなかったが、2018年夏以降は一般の入場者は誰でも入れるようになった。ただ、そこにたどり着くためのエレベーターが1カ所しかなく、知る人ぞ知るレストランといえそうだ。

窓側はセントラルパークに面している。2019年2月からは、アメリカンフードのレストラン『The Royal (ザ・ロイヤル)』(現在は閉店)及び『ミシュランガイド ニューヨークシティ 2019』の一つ星に掲載されたベジタリアンレストラン『nix(ニックス)』のシェフ、John Fraser(ジョン・フレーザー)氏とコラボしたメニューを提供し始めた。

シーズンごとに愉しめる、ジョン・フレーザー氏監修の料理

コラボメニューはシーズンごとに変わるが、リニューアル後2月のメニューはキノコづくしからスタート。

「シャンテレール・ポレンタ」(写真上)は、煮込んでどろどろにしたシャンテレール茸の上に白ワイン、ビネガー、レモン、フェンネルを混ぜたドレッシングをかけ、ポーチドエッグとカボチャ、マイクログリーンをのせて一番上に黒トリュフを散らした温かい前菜だ。テーブルに運ばれてきた時からトリュフの香りが匂いたつ。半熟卵を崩しながら混ぜて食べるのだが、やわらかくて温かいせいか、のど越しがよい。

メインディッシュの「スチームド・バス」(写真上)は、目の前でソースが注がれるのが楽しい。ソースはマッシュルームのブイヨンとアールグレイティーを混ぜたもので、タイムやベイリーフも入っている。バス(スズキ)の上にのっているのは本しめじ。どの料理も複数のキノコが使われていて、重なり合うキノコの味と香りを楽しめるように工夫されている。

デザートは、キノコの形をした可愛らしい「ポルチーニ・パブロヴァ」(写真上)。ポルチーニ茸の香りをつけたメレンゲで、周りにココアとチョコレートを散らしている。

2階には夜も美術品を眺めつつ食事ができる『バルコニーバー』が誕生

メトロポリタン美術館の2階には、別のダイニングエリアがある。以前から、『グレートホール バルコニーカフェ』として週7日毎日昼間営業し、サラダ、サンドイッチ、ジェラート、コーヒーなどを出してきた。2019年3月1日からは、『The Great Hall Balcony Café & Bar(ザ グレートホール バルコニーカフェ&バー)』を、同じ場所で金土の夜のみ営業し始めた。

バルコニーから美術館正面玄関のある1階ホールを見下ろしながら、壁沿いに展示された美術品も眺めつつカクテルを楽しめる、なんとも贅沢な空間だ。

夜営業の『グレートホール バルコニーバー』で提供されるメニューは、アレッポというシリアの唐辛子をまぶしたオリーブ、ゾーグというイエメンのソースを混ぜたガーリックハニーディップつきスイートポテトのチップス、ラムのスライダーなどひとひねり創作を加えた軽食が揃う。

「ハウスメイド・ラブネ」(写真上)はレバノンのヨーグルトにザーターというスパイスを混ぜたディップで、上にザクロとハーブを散らしている。ガーリックフレーバーのピタパンにつけて食べるものだ。

お皿は、メトロポリタン美術館のコレクションである、中国の明の時代に景徳鎮市でつくられた器を元につくられたもの。美術館内のレストランならではの演出だろう。バンドによる生演奏もあり、美術館での新しい夜の過ごし方ができる空間になっている。

メトロポリタン美術館で半日あるいは1日見て回るとなったら、時々一休みしながらでなければとても体がもたない。休憩する場所、時間、メニューの選択肢が増え、生バンドの音楽も聴けるようになり、同美術館を訪れる楽しみがまた1つ増えたといえるだろう。

【メニュー】
Chanterelle Polenta(シャンテレール・ポレンタ) $27.00
Steamed Bass(スチームド・バス) $39.00
Porcini Pavlova(ポルチーニ・パブロヴァ) $13.00
House-Made Labneh(ハウスメイド・ラブネ)  $17.00

Metropolitan Museum of Art(メトロポリタン美術館)

住所
1000 Fifth Avenue New York, NY 10028
電話番号
212-570-3975
(ダイニングルーム)
営業時間
ダイニングルーム/ランチ 月~金12:00~14:30、土11:30~15:00、日11:00~15:00 ディナー 金~土17:30~22:30  グレートホールバルコニー バー/金~土16:00~20:30、カフェ/日~木10:00~16:45、金~土10:00~15:30
定休日
ダイニングルーム及びグレートホールバルコニー カフェ:無休、 グレートホールバルコニーバー:日曜~木曜
公式サイト
https://www.metmuseum.org/visit/dining

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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