どうも、料理芸人のクック井上。です!
非常に突然ですが、予約の取れない肉料理店で有名な『肉山』をご存じでしょうか? 東京・吉祥寺を本店として、最近では、仙台・名古屋・新潟・大宮・福岡・大阪・高松・神戸・沖縄…と、全国に展開している超人気店です。
その『肉山』が餃子専門店をプロデュースしたと聞いたからには行かないわけにはいきません。その名も餃子専門店『中野餃子「やまよし」』というお店です。
『中野餃子「やまよし」』は、JR・東京メトロ中野駅から徒歩4分ほどにあります。目を引くカラフルな外観が目印。お店のすぐ近くには、“王”の字が付く全国餃子チェーン店、そして“珉”の字が付く老舗餃子チェーン店があり、なんとも大胆な場所に出店しましたなぁ!! なかなかの自信と見た。いざ、店内へ。
店内は1階がカウンター席で、2階にテーブル席があります。
実は店長の矢部淳(やべあつし・写真上)さんはもともとラーメン店や食肉卸会社で働いてきた方で、『肉山』の常連客だったとのこと。そんな矢部さんは相当な餃子好きで、『肉山』のオーナーの光山英明さんにその腕が認められ、今回の出店に至ったのだとか。ますます期待大!
どれも個性的! それぞれ肉の特徴を生かした“よく焼いた”餃子
餃子メニューは「にく餃子」「やさい餃子」「シソ餃子」「ラムパクチ―餃子」「手羽餃子」の全部で5種類。今回は「手羽餃子」を除く、皮で包んだ餃子4種類を注文してみることに! まずは『肉山』プロデュースということで、「にく餃子」1枚お願いしまーす。
キタキタキター! これが「にく餃子」(写真上)。
『中野餃子「やまよし」』の餃子のこだわりは、味もさることながら、焼き方を強めにする“よく焼き”だそう。なるほど、これは見るからにカリッとしていて良い焼き目! もう口・歯・舌が待ちきれません! いっただっきまーす!
おー、これは「にく餃子」だけど全然重くない! 肉汁がジュワ~っと溢れるタイプの餃子ではなく、噛んだときにお肉のうまみが溢れてくる。肉汁ジュワ~の餃子が霜降り肉とすれば、この餃子は赤身肉って感じ、と言ったら伝わるでしょうか?
餡は豚肉のウデ肉を中心に使い、9mmの超粗びきにしているとのこと。そのゴロっと感がいい! そこに長ネギを入れていることで肉のうまみにさらにうまみをプラス。
そして、シャキシャキッと言い食感のものが…、おっ、これはレンコンだ! このレンコンのおかげで凄く口当たりが軽い。「食感のある食べ物が好きなのでレンコンと長ネギを入れてみました。肉の味を邪魔しないんですよ」と矢部さん。ナイスセンス!
ほど良く、しっかり味付けされているので、まずはそのまま食べるのが◎、そのあとから、お好みで酢コショウや酢醤油で楽しむのがオススメ。酢醤油でも、酢を多めにして8:2くらいでもよさそう!
世の肉餃子は1枚で胸がいっぱいになるのが多いけど、こちらの「にく餃子」は、思わず「もう1枚!」っと、追加注文したくなる軽さとおいしさです。
お次は「やさい餃子」(写真上)をいただきましょう。
こちらもカリッと“よく焼き”で素晴らしい。見た目は「にく餃子」とほぼ一緒ですが、皮から緑色がうっすら透けて見えます。こちらの餃子はキャベツがメイン。それにニラ、長ネギ、セロリ、シイタケ、つなぎ程度に少量の豚肉を。野菜のシャキシャキ感が最高ですね。中でも、セロリの香りがとても爽やかでいい!
実は僕、こちらのプレオープンの日の1人目のお客として訪店していたのですが、その時に食べた「やさい餃子」よりおいしくなってる!?
「実はプレオープンの時から作り方を変えて、具材を1日冷蔵庫で寝かすようにしたんです。そしたら味が馴染んで、全体的に落ち着きました。特に野菜餃子は、寝かした時間で味が変わりますね」と矢部さん。良いお店は、軸は変えずにこうした微調整がある! 素敵だ!
じゃんじゃん行きますよ~、お次は「シソ餃子」(写真上)を。
シソ餃子だけ唯一、焼き餃子か水餃子か選べるんです。今回は水餃子をオーダー。
んー、いい香り! いただきます。
おー、シソのさっぱりした味わいで、口の中がとても爽やか。矢部さんによれば、シソ餃子が一番リピーター率高いんですって。うん、これ確かにあとをひくおいしさだ。
餡は、豚肉ではなく鶏肉で、雛鳥の大山(だいせん)どりのもも肉とむね肉を合わせた挽き肉を使用。うまみもありながら淡白な鶏肉は、シソの風味と相性が◎です。シソと共にタマネギもたくさん入れ、うまみをプラスしているとのこと。「にく」「やさい」「シソ」それぞれのテーマによって、色々と相性の良い組合せをしているんですね。手抜きナシ!
そして最後に「ラムパクチー餃子」(写真上)。
今、世の中で大人気のパクチーがたっぷりのった焼き餃子は、なんともフォトジェニック。
餡はラム肉を9mmの超粗びきにし、そこにタマネギとパクチーを大量に入れ、さらに秘密のスパイスを使って味付け。
これを、カレーの香り主成分であるクミンシードと一緒に油で焼いていきます。これがナイス! 直接、餡の中にではなく、油に香りをつけて、それを纏わせる。見た目もやることもオシャレ! ラム肉×秘密のスパイス×クミン×パクチーの組み合わせが、なんとも絶妙! そして女子がインスタにアップするのが目に浮かびますね!
このラムパクチー餃子、少しカレーをつけダレとして食べたら、絶対うまいと思うんだよねぇ。すると、「実は……裏メニューとして、餃子のつけダレ用のカレーがあるんです」と矢部さん。
えええ~!
ということで、裏メニューのつけダレ用カレーをオーダー。つけて食べると、これがまた美味! さらっとしたスープ状に近いカレーは、タマネギ、ニンジン、セロリを使用。野菜を炒めてから、そこに鶏スープと、クミン、コリアンダー、カルダモンなど5種類のスパイスとカレー粉を加えて煮込んで、最後に裏ごして完成だそう。コクがあるスパイシーなカレーです。
このカレー、お酒のシメにもいいけど、「ラムパクチー餃子」のつけダレにするこの食べ方、絶対にオススメなのでお試しあれ。
並べてみれば一目瞭然! 餡のベースをすべて変えるこだわりの強さ
▲餃子の断面。左から「シソ餃子」「ラムパクチー餃子」「やさい餃子」「にく餃子」
今回は4種類紹介しましたが、お腹に余裕がある方は全種類食べてみてくださいね。いや、そうすべき! それぞれ魅力が違うし、どれがお気に入りかランキングをつけようかと思ったけど、どの餃子も肉の個性を引き出していて甲乙がつけがたいほど。2人くらいで来て、あーだこーだ言いながら食べると楽しいと思います。
それにしても、全種類とも餡のベースが違うっていうのは驚き。これ、ワンオペでやろうとしたら、結構手間がかかるんじゃないですか!?
「そうなんですよ~。やっちまったなって! 餃子作りを手伝ってくれるスタッフがほしいです(笑)」(矢部さん)。
飲食店の常識じゃ考えられないほど、餃子にこだわりを持って作っているので、お店に足を運ぶ価値がありますよ!
▲記念にサインしました!
最後に、赤サングラス+お店の特製餃子Tシャツを着て、無理やり双子コーデにした矢部さんとパシャリ。さすが『肉山』プロデュースの『中野餃子「やまよし」』! 豚・鶏・ラムと、色んな“肉”のうまみが味わえる絶品餃子を味わってみてくださいね!
(撮影/稲毛美紗)
【メニュー】
にく餃子 430円
やさい餃子 430円
シソ餃子 430円
ラムパクチー餃子 480円
つけダレ用カレー(ライス抜き) 200円
スパイシーさらさらカレー 430円
※価格は税込
中野餃子「やまよし」
- 営業時間
- 16:00~24:00(L.O.23:30)
- 定休日
- 月曜
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。