自然派ワイン好きなら一度は行っておきたい、三軒茶屋の外れにあるオアシス的ビストロ『uguisu』

2017年09月06日
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自然派ワイン好きなら一度は行っておきたい、三軒茶屋の外れにあるオアシス的ビストロ『uguisu』
Summary
1.2005年のオープン以来、東京のナチュラルワインシーンを引っ張ってきた一軒
2.フレンチでもありカリフォルニア料理でもある、店主・紺野真さんの感性が作り上げた料理
3.ワイン一杯からでも使える居心地のいい空間

今でこそ、自然派ワインとかヴァンナチュールとか、あるいはナチュラルワインとか言ってもてはやされることが多くなったけれど、ほんの数年前までは変態ワインとさえ呼ばれることが多かった、「自然な味わいのワイン」たち。
「ワインのことがわかっていない人たち」の「ワインじゃない飲み物」のように思われていた時代もあったわけで、この時代の変化というか、人々の嗜好の変化というか、移り気の何たるかについては、思うところがある。

世界で注目される自然な味わいのワイン

いまやボルドーでは、シャトー・ポンテ・カネに始まるビオディナミや馬による耕起がシャトー・ラトゥールなんかにまで影響しているし、ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティの共同経営者の一人であるアンリ・フレデリック・ロック率いるプリューレ ロックは思い切りナチュラルだ。マダム・ルロワが自社畑のどナチュラルなブドウを使って作る、ドメーヌ・ドーヴネなど、ロマネ・コンティを超える価格でオンリストされていたりすることもある。シャンパーニュ好きがこぞって買い漁るジャック・セロスやその弟子のジェローム・プレヴォーのラ・クロズリー・レ・ベギーヌなども、一部の醸造過程を除けばナチュラルだ。
このことで気付かされるのは、机上の理論の正しさとかではなく、いかにブドウのポテンシャルを引き出し、健全なブドウを使い、人為的なことをできるだけせずに醸造されたワインであるかが重要だという当たり前のことに世界の嗜好が近づいてきたこと。
そんなブドウ本来のポテンシャルを感じるワインを、「変態扱い」されていた頃からオンリストしてきた店は、実は都内でもそう多くはない。

「変態ワイン」を「ムーヴメント」に変えた一軒

『uguisu』が三軒茶屋の外れ、下馬の中里小学校近くの住宅街に開業したのは2005年のことだった。店主の紺野真さんは、都立戸山高校卒業後、父親の仕事の関係でアメリカの大学に通い、当時西海岸で起きたカフェ・ムーヴメントをリアルタイムで経験した。97年の帰国後は裏原宿の『カフェ・ヴァジー』を経て、『ビストロ オーランデ・ヴー』の立ち上げに参加。2005年に現在の場所にカフェであり、ビストロであり、ワインバーでもある『uguisu』を開いた。以来、12年に渡ってこの決して便利とは言えない場所にある店は、多くの客で混み合っている。

自由な料理と自由なワイン

支持され続ける理由。それは、一つはどこか旧い喫茶店にも似た居心地の良さ。もう一つは、紺野さんが独学ではじめ、フランス料理だのカリフォルニアスタイルだのといった壁にとらわれることなく、自由にクリエイトされた料理。そして、自然な味わいのワイン。さらにそんなワインと造り手を愛する紺野さんをはじめとしたスタッフのサービスによるものではないだろうか。

いろんな使い方が楽しめる店

ワイン一杯を飲むだけでもいい。他所では味わえない至極のラインナップのワインとマリアージュする料理をゆっくり味わうのでもいい。使い方の自由さが、どこか彼らのワインと通底するところがあるのが、『uguisu』だ。2011年、西荻窪に姉妹店の『organ』をオープンさせてからは紺野さんはそちらが中心、『uguisu』は奥様の順子さんが切り盛りする。彼女のふんわり、ゆるい空気感のあるサービスも評判で、この店はいつも活気に満ちている。三軒茶屋の駅からは少し歩くが、ここには街の中心にはない独特のグルーヴ感がある。

Uguisu

住所
〒154-0002 東京都世田谷区下馬2-19-6
電話番号
050-8013-0708
営業時間
火~日 18:00~翌02:00
定休日
毎週月曜日 第4火曜日
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/bp74ar0y0000/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。