「チーズ」の種類・味わいの特徴、ワインとの相性を伝授! ラクレットで大人気のビストロもご紹介

ナチュラルチーズの手ほどき #1

2018年09月29日
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「チーズ」の種類・味わいの特徴、ワインとの相性を伝授! ラクレットで大人気のビストロもご紹介
Summary
1.もうチーズ選びに迷わない! 6つのタイプを知れば、チーズの個性がわかる
2.チーズとワインの奥深いマリアージュの世界。タイプ別チーズとワインの合わせ方を伝授
3.チーズ15~20種類を常備! 日本橋の隠れ家ビストロでワインとチーズのおいしい世界を堪能しよう

【チーズの基礎知識】チーズ選びに迷わない! チーズの種類や味わいの特徴、ワインとの合わせ方の極意

チーズタッカルビにラクレット、チーズフォンデュ。
トロ~リとろけるビジュアルや濃厚な味わいに心をわし掴みされるチーズ料理は、いまやグルメトレンドには欠かせない存在だ。

けれどもチーズの種類は多種多彩。
そもそも「どんなタイプがあるの?」、「相性の良いワインはどう見つけるの?」といった疑問を持つ人も多いのではないだろうか。

そこで本コラムでは、チーズの定義やタイプ、味わいの特徴といった基礎知識から、ワインとの合わせ方、チーズとワインを楽しめる店まで、明日からのチーズライフがもっと楽しくなる情報を紹介しよう。

そもそもチーズって何? 「プロセスチーズ」と「ナチュラルチーズ」はどう違うの?

チーズは、その起源は諸説あるが、最も古くから食べられている食べ物の一つと言われている。ミルクの主な栄養素がギュッと凝縮されており、タンパク質やカルシウムなども豊富で「完全栄養食品」と呼ばれるほどヘルシーな食べ物だ。

そもそもチーズとは何だろうか。
知っているようで知らないチーズの定義を確認してみよう。

乳および乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年厚生省令第52号『乳等省令』)によれば、チーズはこのように定義されている。

17 この省令において「ナチユラルチーズ」とは、次のものをいう。
一 乳、バターミルク(バターを製造する際に生じた脂肪粒以外の部分をいう。以下同じ。)、クリーム又はこれらを混合したもののほとんどすべて又は一部のたんぱく質を酵素その他の凝固剤により凝固させた凝乳から乳清の一部を除去したもの又はこれらを熟成したもの
二 前号に掲げるもののほか、乳等を原料として、たんぱく質の凝固作用を含む製造技術を用いて製造したものであつて、同号に掲げるものと同様の化学的、物理的および官能的特性を有するもの
18 この省令において「プロセスチーズ」とは、ナチユラルチーズを粉砕し、加熱溶融し、乳化したものをいう。

つまり、日本では、ミルクを乳酸や酵素で凝固させ、そこから水分(乳清、ホエイとも呼ばれる)を取り除いて作られたものを「ナチュラルチーズ」と呼び、その「ナチュラルチーズ」を高温加熱・加工して作られたものを「プロセスチーズ」と呼んでいる。

スーパーマーケットなどで見かける、とろけるタイプのチーズやカット加工されているタイプ等のチーズ製品は、ほとんど「プロセスチーズ」に含まれる。

「プロセスチーズ」は、高温での加熱によりチーズの中にある乳酸菌や酵素などの活性が失われるため、長期保存ができ、品質も安定するというのがメリットだ。

ちなみに、チーズの本場ヨーロッパでは、「プロセスチーズ」が食べられることはあまりなく、チーズといえば、たいてい「ナチュラルチーズ」を指している。

これでチーズ選びが楽しくなる! ナチュラルチーズの6タイプを一覧で紹介

対する「ナチュラルチーズ」は、高温での加熱・加工がされていないため自然に近い状態の個性的な味わいが楽しめる。その種類を見てみると、フランス産だけでも1,000種以上あると言われるほど多彩だ。

その中でも基本的なタイプは大きく6種。
製法や風味などで「フレッシュ」、「白カビ」、「青カビ」、「ウォッシュ」、「シェーブル」、「ハード・セミハード」に分けられる。

まずはその6タイプの特徴と代表的なチーズを簡単に解説するので、下の一覧表を見ながら整理していこう。
それぞれのチーズの個性を知ることが、ワインとのおいしいマリアージュに繋がっていくのだ。

ミルク本来の味わいが楽しめる「フレッシュタイプ」:モッツァレラ、マスカルポーネ、ブッラータ

まず「フレッシュ」タイプは、熟成の工程を経ずに作られるチーズ。人気の高いモッツァレラやクリームチーズからも想像がつくように、ミルク本来の味わいが生き、クセのない軽い風味が持ち味だ。

フランスのフロマージュ・ブランや、イタリアのマスカルポーネやリコッタなどは、ヨーグルト感覚でハチミツやジャムなどをかけて食べてもおいしい。最近人気が出ているブッラータも、イタリア産のフレッシュチーズだ。

※その他代表的なチーズ:リコッタ、フロマージュ・ブラン、クリームチーズ

クリーミーで食べやすい「白カビタイプ」:カマンベール、ブリ・ド・モー

続いて「白カビ」タイプ。日本でもポピュラーなカマンベールはこのタイプになる。チーズの表皮で白カビを繁殖させ、外側から内側に向かって熟成が進んでいくチーズだ。

上品な香りとクリーミーな味わいのブリ・ド・モーや、シャンパーニュ地方で作られシャンパンとの相性が抜群なシャウルスなど、日本人にも食べやすいものが多い。

※その他代表的なチーズ:クロミエ、シャウルス

クセがやみつきになる「青カビタイプ」:ロックフォール、ゴルゴンゾーラ、スティルトン

「青カビ」タイプはチーズの中で青カビを育てて作られる。独特な風味と強い塩気が特徴で、好き嫌いは分かれるが、一度ハマるとやみつきになる味わいだ。

フランスのロックフォール、イタリアのゴルゴンゾーラ、イギリスのスティルトンが世界3大ブルーチーズと呼ばれている。

※その他代表的なチーズ:ババリアブルー、フルム・ダンベール

匂いは強いがマイルドな「ウォッシュタイプ」:マンステール、マロワル、ルイ

同じく濃厚なタイプに「ウォッシュ」タイプがある。形を作った後、塩水や酒などで表皮についた菌を適度に洗いながら熟成させていく。湿り気を帯びた表皮の匂いが強くたじろぐかもしれないが、中身はモッチリとまろやかな味わいのものが多い。

代表的なものにマンステールやマロワルがある。初心者でも食べやすいルイは、匂いが比較的弱く、中身がクリーミーでなめらかだ。

※その他代表的なチーズ:モン=ドール、ラングル、リヴァロ、エポワス

ヤギ乳の個性が楽しめる「シェーブルタイプ」:クロタン・ド・シャヴィニョル、ヴァランセ

「シェーブル」タイプは、ヤギのミルクから作られるチーズで、特有の強い個性と酸味があり、ほろっとした食感が特徴。日本人には馴染みが薄いが、ヨーロッパではポピュラーに食べられている。

クロタン・ド・シャヴィニョルはさわやかな酸味と濃厚なミルクの味わいを持ち、焼いてサラダにのせる食べ方で有名。上部をカットした四角錐のような形が個性的なヴァランセは、熟成が進んでいないうちはクセが少ないので、シェーブルにトライしてみたい人にお薦めだ。

※その他代表的なチーズ:セル・シュール・シェル、サント・モール・ド・トゥレーヌ

初心者向けで馴染み深い「ハード・セミハードタイプ」:ゴーダ、チェダー、ラクレット

プロセスチーズに一番近い味わいを持つのが、「ハード・セミハード」タイプだろう。成形した後、プレスをかけて水分を減らし、他のナチュラルチーズより熟成をゆっくり進める。

セミハードタイプのゴーダやマリボーなどはマイルドで優しい味わいを持ち、ハードタイプのエメンタール、チェダー、パルミジャーノ・レッジャーノなどは、フォンデュや料理のトッピングに使われて、日本でも馴染みのあるチーズだ。

※その他代表的なチーズ:マリボー(セミハード)、パルミジャーノ・レッジャーノ、エメンタール(ハード)

チーズとワインの合わせ方にはコツがある! 奥深いマリアージュの世界へようこそ

ワインは「チーズの最良の友達」といわれるほど、チーズと相性の良い飲み物。
プロですら「その世界は奥深く、限りがない」という、チーズとワインのマリアージュの世界を少しのぞいてみよう。

チーズとワインは、どちらも西アジアを発祥の地とする発酵食品のため、そもそもの相性が良いと言われている。長い年月の間、ヨーロッパの各地域で育まれてきたチーズとワイン、産地同士を合わせるのが良いとよく言われるのは、このためだろう。

しかし、もっと大切なポイントになるのが、味わいだ。熟成から生まれる複雑さ、酸味や塩気、脂肪分によるクリーミーさといった様々な味わいのバランスを考えることが、チーズとワインをうまく合わせるコツになる。

熟成期間の短いチーズは、酸味がしっかりしていて、さわやかでマイルドな味が特徴。合わせるなら、フレッシュで果実味が感じられるスッキリした白ワインや、軽めの赤がぴったりだ。

熟成が進んだチーズは、アミノ酸由来のうまみが増し、塩味が強まるなど風味が複雑になってくる。このように個性を増したチーズには、チーズに負けない力強さを持つフルボディの赤や、樽熟成されたコクのある白などが似合う。

また、似たような熟成や味わいを合わせるパターンの他に、対照的な味わいを合わせるパターンもある。ブルーチーズと甘い貴腐ワイン(糖度の高い貴腐ブドウからできる、極甘口で濃厚なコクとうまみ、芳醇な香りが特徴のワイン:別名「ワインの帝王」)との組み合わせが代表例だ。

ブルーチーズの強い塩気とワインの奥深い甘さが絡み合い、お互いのうまみを引き立てている。まさにマリアージュの王道だ。

チーズのタイプ別に相性の良いワインを下にまとめてみたので、こちらも参考にしてもらいたい。

【チーズ×ワインのまとめ】
・産地の同じチーズとワインを合わせる方法が王道
・チーズとワインの熟成から生まれる複雑さ、様々な味わいのバランスを考えるべし
・「ブルーチーズ×貴腐ワイン」のように、対照的な味わいを合わせるパターンもある



チーズの基本的なタイプと味わいの特徴、それに合うワインの考え方とタイプを紹介した。
これをまず頭に入れた上で、実際に組み合わせながら味わいがどうなるか体験してみるのがおすすめだ。そして、お互いの味わいを引き立てる、自分好みのベストなマリアージュを見つけてもらいたい。

その近道として、チーズとワインの奥深い世界へ誘ってくれるお店を紹介しよう。

圧倒的なチーズ&ワインのラインナップ! 日本橋の隠れ家ビストロ『モンドール』

その店が、チーズを常時10~20種類以上、ワインも世界中から70種類近くを取り揃えているチーズ&ワインビストロ『Mont d'Or(モンドール)』だ。

チーズとワインに精通したスタッフが、お客と丁寧に会話しながら、最適なチーズとワインを選んでくれる。初心者からチーズ通まで満足間違いなしの店だ。

場所はJR新日本橋から徒歩1分。ビル間の路地を入ったところにあり、隠れ家のような佇まい。

席数は全部で35席。1階はカウンター8席のみ、地下には4人掛けテーブル席が広がっており、奥には5人ほどで利用できるソファ席の個室もある。会社帰りにおいしいワインとチーズを味わったり、女子会でワイワイ楽しんだりするのにぴったりな空間だ。

オーソドックスからレアものまで、極上チーズを多数ラインナップ

2015年7月にオープンした当初から、同店の自慢はチーズとワインの品揃え。チーズはフランス産をメインに、イギリス産やイタリア産なども取り揃えている。

一般的にチーズは、牛、羊、ヤギ3種のミルクから作られるものが多いが、同店では牛乳を原料としたものにこだわっている。バリエーションが豊富で、日本人にも食べやすいものが多いからだそうだ。

ここで、『モンドール』おすすめのチーズをいくつか紹介しよう。

ナチュラルチーズは“生きている”食品。同店でもその時ベストな状態のものを仕入れるため、季節や日によって供されるものは異なる。

コース料理が前菜からメインへと濃厚な味わいになるように、チーズも複数種食べる時は、軽い味わいから濃厚なものへと進めていくのがオーソドックスな食べ方だと、店長の中川哲豪(なかがわ あきひで)さんは語る。

それにならい、味わいがマイルドなものから紹介していこう。すべて塊の状態での紹介だが、実際には食べやすくスライスして供される。

「カマンベール」から「ゴルゴンゾーラ」まで! クセになる絶品チーズが勢揃い

ハードタイプの代表格「コンテ」(写真上)。こちらは8カ月熟成のもので、コンテの中では熟成が浅い方だ。フランスでは日常的に食べられるチーズで、クセのないまろやかな味わいが特徴。

チーズを食べ慣れていないという人にもおすすめだ。ワインも白から赤まで幅広いタイプに合うので、好みのワインと合わせて楽しみたい。

白カビタイプで一番人気という「カマンベール・ド・ノルマンディー」(写真上)。コクのあるトロっとクリーミーな味わいがたまらない。白ワインやミドルボディの赤ワインと楽しみたい。

ウォッシュタイプの代表的なチーズ「ポン・レヴェック」(写真上)。匂いが強いことで知られるウォッシュタイプの中ではクセが少なく、味わいもマイルド。ウォッシュ初心者向きのチーズだ。

合うワインは?と問うと、「クセの強いチーズには赤ワインとよく言われますが、ルールにとらわれず、好みに合わせて楽しんでほしいですね。」と中川さん。チーズに合うワインを尋ねられたら、まず会話することを心がけているそうだ。

「その時、お客様がどんなお酒を飲んでいるか、チーズ以外にどんな料理を頼んでいるかを見て、好みに添いながら提案しています」。一概に赤だ、白だと決められないところが、チーズとワインのマリアージュの奥深いところだろう。

続いてゴルゴンゾーラ・ドルチェ(写真上)。青カビチーズといえば、クセのある強い匂いと思いがちだが、このチーズはカビも少なく匂いもマイルド。熟成がすすんだ中身はクリーミーでミルクのほのかな甘みが感じられる。

ぜひ、青カビは苦手という人に挑戦していただきたい。ミドルボディからフルボディの赤ワインを合わせたい。

フランス産チーズがとろ~り! ラクレットはやみつきになるおいしさ

店の大人気メニューが、名物のラクレット。使うチーズはフランス産「ジュラクレット」。スイス産に比べて香りも味わいもマイルドだが、ラクレットらしい風味が楽しめる。

同店代表メニュー「季節の野菜とサルシッチャのロースト ラクレットグリルで」(写真上)では、専用のオーブンで炙ってトロ~リとろけたところを、香ばしくグリルした季節の野菜やサルシッチャにたっぷりかけていただく。こちらでおよそ2~3人前だ。

合わせるワインは、ラクレットの強い個性に負けない強めの赤ワイン。アツアツを頬張れば、コクのあるミルキーなうまみが広がり、ワインがいくらでも進むに違いない。

この他、旬の食材を活かしたこだわりのおつまみも揃っている。

これからのシーズンにおすすめ、牡蠣を使った「牡蠣とキノコのアヒージョ」(写真上・左)。その日に仕入れた大振りの牡蠣がゴロっと入っている。

とりあえず一杯の肴なら、人気メニューが揃った「前菜盛り合わせ」(同・右)がおすすめ。すりおろしチーズがたっぷり入ったドレッシングのシーザーサラダ(写真上・右手前)は、チーズのコクが効いていて、チーズ好きにはたまらない。

チーズの最良の友達、ワインの品揃えも充実

ワインは、フランスやスペインといったヨーロッパからアルゼンチン、日本まで世界中のものを取り揃えている。こだわりは、リーズナブルでありながら、良質であること。人気のオーガニックワインも取り扱っている。ラインナップはその日その日で変わるため、中川さんとお話ししながら最良の友達を見つけよう。

グラスワインは赤、白、スパークリングがそれぞれ2種類ずつ。珍しいところではロゼのグラスもあるので、ぜひチーズと合わせて楽しみたい。

『モンドール』という名前は、秋冬にしか食べられない希少なチーズ「モン=ドール」から名付けられた。熟成した中身はトロトロと柔らかく、スプーンですくって食べることで有名だ。一度食べるとトリコになるという、このチーズも冬にはお目見えする予定だそうだ。

幅広いラインナップとお客に寄り添った提案。自分ならではのチーズ×ワインのマリアージュを見つけ、新たなグルメの世界へ踏み出そう。


【メニュー】
季節の野菜とサルシッチャのロースト ラクレットグリルで 1,950円
自家製パンのチーズフォンデュ 1,200円
チーズの盛り合わせ 3種/5種/10種 600円/1,000円/1,800円
牡蠣とキノコのアヒージョ 900円
グラスワイン 550円~
ボトルワイン 2,800円~
※価格はすべて税抜


<参考文献>
・『チーズポケットガイドブック<保存版>』松成 容子 編/株式会社旭屋出版
・『フロマジェが教える おいしいチーズの新常識』本間るみ子 監修/ファビアン・デグレ 著/株式会社世界文化社
・『プロフェッショナル・チーズ読本』木村則生 著/株式会社誠文堂新光社
・『最新版 ワイン完全バイブル』井手 勝茂 監修/株式会社ナツメ社

<写真提供元(一部)>
PIXTA

<編集協力>
小田中雅子

Mont d'Or(モンドール)チーズ&ワインビストロ 日本橋店

住所
〒103-0023 東京都中央区日本橋本町4-3-14 日本橋平成不動産ビルB1・1F
電話番号
03-6262-5855
営業時間
11:30~14:30 (L.O.14:00)、平日 17:00~23:00 (L.O.22:00、ドリンクL.O.22:30)
定休日
年末年始
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/gpfp16wu0000/
公式サイト
https://montdor.owst.jp/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。