新時代の食を担う「スターシェフ」をあなたが発掘する!日本最大級の料理人コンペティションいよいよ開幕

2019年04月16日
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新時代の食を担う「スターシェフ」をあなたが発掘する!日本最大級の料理人コンペティションいよいよ開幕
Summary
1.35歳以下の若き料理人たちのチャレンジ! 次世代の料理人を発掘し育てるコンペティションとは?
2.RED U-35史上初の20代グランプリ受賞者をはじめプロフェッショナル達を紹介
3.未来のスターシェフが身近に!? 一般からの推薦も受付

若手料理人の登竜門!新時代を担うスターシェフの誕生が見逃せない

日本最大級の若手料理人コンペティション「RED U-35 2019」が、いよいよ2019年4月16日(火)より開幕する。

「RED U-35」とは、日本の食業界の総力を挙げて、新しい世代の新しい価値観を持つ料理人を発掘するコンペティション。次世代の料理人を育てて、日本の食の未来をさらに向上させることを目的としている。

2013年に誕生して以来、今年で7回目を数え、グランプリ受賞者をはじめ上位入賞者の中から、数々のスターシェフたちを排出。日本の料理界の価値向上や底上げに貢献してきた。

対象となるのは35歳以下の“夢と野望”を抱く料理人たち。料理技術のみならず、料理人としての想いや夢、アイデア、センス、将来の展望なども含めて多様な角度から審査される。一次通過で「ブロンズエッグ」、二次通過で「シルバーエッグ」が選ばれ、さらに三次審査でファイナリスト「ゴールドエッグ」を選出。このファイナリストの中から、最終審査を経てグランプリ「レッドエッグ」が誕生する。

この大会を知り闘志を燃やす料理人もいれば、この大会を知らない、あるいは応募をためらう料理人もいるだろう。そのような料理人を後押しするため、一般からの推薦も実施。事務局から応募を促し、まだ見ぬスターシェフの原石の発掘に努める。宝石の原石のように磨けば輝きを放つ若手料理人たちのチャレンジの中から、どんなドラマが生まれるのか見逃せないコンペティションだ。

輝く未来のスターシェフたちをご紹介

「RED U-35 2018」では、国内外より過去最多の567名の料理人が参加。5月から11月まで長きにわたる熱い戦いを経て、グランプリ1名、準グランプリ2名が選ばれた。受賞者の中から、「RED U-35」史上初の20代でのグランプリ受賞となった糸井章太氏、準グランプリのうちの1人・本岡 将氏、優秀な女性参加者に贈られる「岸朝子賞」を受賞した山本紗希氏の3名をご紹介しよう。

「RED U-35」史上、最年少の26歳でのグランプリ「レッドエッグ」の栄光を手に入れた糸井章太氏(写真上)。フランス・アルザスのミシュラン三つ星レストラン『オーベルジュ・ド・リル』で研修中、師である高山英紀氏に出逢う。高山氏は「ボキューズ・ドール国際料理コンクール(名シェフ、ポール・ボキューズ氏によって創設されたコンクール)」で何度もすばらしい結果を残している。そんな高山氏に師事した糸井氏は帰国後、『メゾン・ド・ジル芦屋』、ブルゴーニュの一つ星『レストラン・グルーズ』を経て、兵庫県芦屋市にある高山氏のレストラン『メゾン・ド・タカ 芦屋』で活躍している。

糸井氏の食の原点は「幼少時に家族で囲んだ幸せな食卓」だ。最終審査の公開授業では、マッシュルームのコンソメスープを振るまい、「相手が幸せを感じると自分も幸せを感じる」ことを表現した。「これからも感謝の気持ちを忘れずに、“自分の料理”を探求していきたい」と語る糸井氏。謙虚さと人の幸せを思いやる力を持つ料理人として、さらなる飛躍を期待したい逸材だ。

審査のテーマ「あぶら」で提案したのは「オイルのヴァリエ アーティチョークと空豆のバリグール」(写真上)。香りや色があぶらに溶け、乳化する特性に着目し、初夏に旬となるアーティチョークと空豆をメインに、バリグール風(南仏の煮込み料理)の要素をオイルにした。初夏らしい香りと色をまとったオイルが味わいを補い、旬を感じられる料理となっている。

卓越したセンスと共に料理への想いを評価

「RED U-35 2018」は、5年ぶりに準グランプリが2名選ばれるという接戦だったが、そのうちの一人が本岡 将氏(写真下)だ。専門学校を卒業後、南仏やフランス・バスク地方、スペイン・バスク地方を周り、腕を磨いた。帰国後、23歳の若さで静岡県富士宮市『レストラン Bio-s』の料理長に就任し、活躍している。

本岡氏が料理において大切にしていることは「料理が好き」という想いと、人を気遣う「やさしさ」だ。「里山ガストロノミー」を標榜する『レストラン Bio-s』は、隣接する畑で採れたばかりの旬の野菜と地元食材を主役としてメニューを供している。毎日、素材と対話しながら、レストランに訪れる人々にどうすれば一番喜んでもらえるかを考える時間が至福だという本岡氏。料理への卓越したセンスと共に、そのまっすぐな心意気が高く評価された。

課題の「あぶら」で供された料理名は「優しさと強さ」(写真上)。脂ののった大岩魚(大イワナ)を香りの付いた油の中で火入れし、香りを付加。サーブする直前で冷めた状態の魚に温かいだしをかけ、香りを一気に立たせ、うまみも補強した。優しい味わいだが、うまみの“強さ”を感じられるひと皿とし、同氏がイメージする「あぶら」の“優しさ”を表現した。

異色の経歴の女性料理人は大会を通してひと回り成長!

山本紗希氏(写真上)は、大学卒業後、広告代理店に就職し、23歳で料理人になる決意をしたという異色の経歴の持ち主。ビストロやワインバー、スペイン料理店など様々な店で腕を磨き、現在は「コンラッド東京」で活躍中だ。ソムリエの資格を取得したり、多様な料理書を読んで他ジャンルの料理技術を習得したりするなど研究熱心な料理人だ。

「この大会は自信のなかった私に成長のきっかけを与えてくれました」と語る山本氏。過去2回の出場はいずれも一次審査で落選。「今度こそ!」の決意を胸に挑んだ3度目の挑戦で見事ファイナリストに選ばれ、さらに「岸朝子賞」にも輝くという2重の栄誉を得た。

女性らしい細やかな感性で「思いやり」を込めた料理が高く評価された。この大会で得た経験を糧に、ホテル業界のイメージアップに取り組みながら、これからの料理人としての働き方を模索していきたいと語る同氏。ますます新しい時代に向けての活躍が期待できる。

課題では、「あぶら」の持つ脂質を健康の観点から取り上げた。コレステロール濃度を低下させる働きを持つ不飽和脂肪酸。この脂質を多く含む食材である鯖やオリーブオイル、ナッツ類をふんだんに使ったひと皿「鯖のティエド オリーブオイルとナッツのデクリネゾン」(写真上)を提案した。オイルならではの調理法「コンフィ」で鯖をしっとり、かつ滑らかな食感に仕上げ、ソースは「乳化」という調理法で濃厚なうまみを引き出し、味のアクセントとした。

身近にいるかも?スターシェフの卵たちを推薦しよう

「RED U-35 2019」では、“皆で料理人を育てよう”というコンセプトのもと、参加する若手料理人の一般からの推薦を受け付けている。住まいの近くや行きつけの店、知り合いがいる店などで「この料理人はすごい!」、「才能がある!」と思われる35歳以下の料理人がいたら、ぜひ推薦してほしい。名前がわからなくても、Webサイトにある「推薦エントリーフォーム」に地域や店舗名を記入するだけで大丈夫。推薦を受け付けた後、RED U-35 事務局からその店舗に応募に関する案内資料が届けられる仕組みだ。

皆で「未来のスターシェフ」を発掘し、新しい「令和」の時代の食文化を創り上げていこう。


【RED U-35 2019】
▼主催
RED U-35(RYORININ's EMERGING DREAM)実行委員会
▼本年度の推薦期間
~2019年4月22日(月)24:00
▼推薦エントリーフォーム
http://ur0.link/AWSC
※推薦は常時受付中
▼応募期間
4月23日(火)~5月14日(火)18:00(日本時間)
▼公式ホームページ
https://www.redu35.jp/