イタリアンの名店がつくる白湯スープの洋風おでんが傑作すぎた! 五反田の隠れ家イタリアン『小林屋』

東京・五反田のイタリア料理店『小林食堂』の姉妹店『小林屋』がオープン。和洋折衷が得意な『小林食堂』が開いただけあって、こちらのウリは鶏ガラスープの白湯(パイタン)洋風おでん! しかも食材はイタリアンならではのあの素材。ここでしか食べられない唯一無二のおでんで心も身体も温まろう。

2021年12月10日
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イタリアンの名店がつくる白湯スープの洋風おでんが傑作すぎた! 五反田の隠れ家イタリアン『小林屋』

2021年1月、五反田のイタリア料理店『小林食堂』の姉妹店としてオープンした「小林屋」。場所は五反田駅東口から徒歩4分ほどの場所にある。

シェフの井上裕貴さん(右)、ワイン担当の上松旬さん(左)の若き20代コンビが店を切り盛りする、初々しくフレッシュな“創作イタリアン”だ。

店内はカウンター8席のみ。小ぢんまりとした造りだが圧迫感はなく、適度な狭さがむしろ心地良い。

2021年の1月というと、飲食店としては大変な時期だったはずだが、それでもオープンに踏み切ったのは「コロナ禍で困っている生産者さんを助けたい」という想いがあったから。

「卸先を失った鮮魚や野菜を産地から直送してもらっています。国産の食材と自然派ワインで、大人が落ち着いて食事を楽しめる場所になれたら」とシェフの井上さん。

珍しい、鶏白湯スープでいただくおでんとは?

『小林屋』のコンセプトは「おでんと自然派ワイン、お箸で食べる洋食」。国産の食材を使った箸で食べられる和洋折衷の創作イタリアンと、鶏だしのおでん、そして料理に合った自然派のワインを中心にラインナップする。

寒くなったら絶対に食べてほしいのが同店のおでん。「お箸で食べる洋食」というコンセプト通り、おでんといっても和洋折衷のオリジナルスタイルだ。

おでんは、鶏ガラに、昆布やかつおぶし、玉ネギ、ニンニクなどさまざまな食材を約10時間かけて煮込んだ白濁スープのおでん。『小林屋』でしか味わえない唯一無二のおでんだ。

おでんは1種類からオーダーOK。手前から時計回りに、「京生もち麩」「キクラゲ」「伊勢神宮奉納あわそだち玉子」「大根」と、おでんの具材もちょっと変わったものをラインナップ。

京生もち麩は、モチモチと弾力のある食感が楽しく、よく味も染みており、口に含むと白濁スープの優しい味がジュワッと広がる。

キクラゲは川崎の「防空壕きくらげ」という希少な国産生キクラゲを使っていて、シャキッ、コリッとした歯ごたえが特徴。おでんになってもキクラゲの食感は健在だ。

伊勢神宮奉納あわそだち玉子は、濃厚かつ大きな黄身が特徴のたまご。とくに白身にハリがあり、食べごたえがある。

おでんの味を自分好みに!4種の調味料で味の変化も楽しめる

鶏白湯スープは薄口に仕上げてあるので、別添えの4種の調味料で味を変えて楽しむのもいい。

上から国産の粒マスタード、佐賀のゆず胡椒、山形の赤ワイン塩、宮城の塩。

おでんにからしではなく、粒マスタードというのが面白い。国産粒マスタードはほど良い酸味で主張しすぎないため、繊細なスープの味を邪魔することなく、さりげなく味を引き立てる。

赤ワイン塩は動物性のものと相性が良いのでフランクフルトなどの肉系具材やたまごにぴったりだ。

まさかのイタリアン食材「トリッパ」をおでんに!

こちらは、なんと「トリッパ」のおでん。

トリッパというと、トマト煮込みのイメージがあるので、なぜおでんに入れようとしたのか発想がすごい。シェフの井上さんにその理由を聞いてみた。

「他店にはないことを『小林屋』でやりたいという思いがあったんですよね」とニコリ。

シンプルに塩コショウだけの味付けで、カリッと焼かれており、表面はパリッと香ばしく、トリッパならではの弾力と歯ごたえがとても小気味いい。

鶏白湯のスープがいい感じに染みており、優しい味のだしとの相性は抜群。そこへ粒マスタードをつけることで酸味が加わり、いっそう味に深みが出る。

おでんメニューの中でもとくに人気があるというのも納得だ。

市場には出回らないレアな魚に出会えるかも??

もちろん一品料理やおつまみなども充実している。

なかでも魚は鹿児島の漁師さんから直送で購入。あらかじめ決まった魚を仕入れるのではなく、その日獲れた新鮮な魚が送られてくるので、市場にはあまり出回らない珍しい魚も入ってくるのだとか。

「たとえば、ウメイロ(※)やハチビキ(※)といった珍しい魚も入ってきますよ。他にも知らない魚がいろいろ。漁師さんならではの美味しい食べ方を教えてもらって調理しています。レアな魚を入荷したときはSNSに上げるようにしてるので、お魚目当てで来店するお客さんもいらっしゃいます」(井上さん)

※ウメイロ・・・白身の高級魚。非常に美味な魚として知られる。
※ハチビキ・・・赤い魚。身も真っ赤だが、白身魚という不思議な魚。うまみが強い。

こちらは「本日のカルパッチョ 二種」。ちなみに取材日はイサキ(左)と真鯛(右)。どんな魚に出会えるかは当日のお楽しみだ。

添えられているのはスプラウト、みょうが、しょうがの薬味サラダに、二杯酢のジュレ。店で使っている野菜のほか、薬味なども高知・福島・長野といった産地からの直送で、契約している農家さんがこだわって育てた有機のものばかりだ。

お刺身はとても新鮮でまったく臭みがなく、身はプリッと締まっているのにやわらかくもあり、ちょうどいい歯ごたえ。淡白だけどほのかな甘みもあり、魚の持つうまみを感じる。

薬味を巻いてシャキッとした食感を楽しむもよし、ジュレで酸味をプラスするのも楽しい。

目の前で切り分けてくれる自慢の生ハム

続いては「切りたて白神生ハム」。白神山地の麓で作られる、秋田県産の豚もも肉を天日塩のみで丁寧に手造りされている無添加の国産生ハムを原木で仕入れており、オーダーが入るとその場でカットしてくれる。

メニュー名どおり、まさしく“切りたて”生ハムを堪能できるのだ。

18カ月以上じっくり長期熟成させているので、芳醇な味と香りが特徴。無添加なので安心かつ、お肉が持つうまみを存分に味わる。

「海外産と比べると、塩気は少なめで、日本人好みの繊細な味が楽しめると思いますよ。うちは食材に関しては国産にこだわっているので、生ハムも国産を扱っているんです」(井上さん)

確かに塩気はマイルドで、生ハムのうまみが引き立っている。

脂はあるが、あっさりしていてまったくしつこさを感じない。香りがよく、口の中にふわっと広がり、あとから肉のおいしさが追いかけてくるよう。

ちなみに、ワインのペアリングは『小林屋』のイチオシでもある「自然派シャンパン」がおすすめ。

「自然派ワインは生産数が少ないこともあり、グラスワインは週替りなんてこともあります。お好みのものをおっしゃっていただければセレクトします」と、ワイン担当の上松さん。

自然派ワインならおまかせ! 料理に合うペアリングを提案

自然派ワインはフランス、スペイン、イタリア、南アフリカ、オーストラリアなど、各国のものをそろえている。

ワイン好きにはたまらない、クラシックで重めな赤をはじめ、女性に人気のオレンジワイン(ロゼの逆で白ぶどうを赤ワインの製法で作るワイン)、シャンパンなどさまざまなテイストを用意しているので、料理との相性を聞きながらオーダーしたい。

小ぢんまりとした店だけに、シェフとの距離が近くアットホームな『小林屋』。

居心地の良さと、唯一無二のおでんを求めて定期的に通う常連さんも増えているとか。日に日に寒くなる季節、身も心もあたたまる『小林屋』へ出かけてみては?

【メニュー】
・本日のカルパッチョ二種 1,150円
・切りたて白神生ハム 1,100円
・おでん 伊勢神宮奉納あわそだち玉子 275円
・おでん 大根 220円
・おでん キクラゲ 220円
・おでん 京生もち麩 352円
・おでん 国産焼きトリッパ 440円
・小林食堂のおせち 27,000円(予約制 限定80食)

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。価格は税込です。
※コロナ対策として来店時に消毒をお願いしています。

小林屋

住所
〒141-0022 東京都品川区東五反田1-23-1 ウィンビル1F
電話番号
050-5494-4153
営業時間
月~金 11:30~14:30(L.O.14:00) 月~金 17:30~22:30(L.O.21:30、ドリンクL.O.22:00)(土曜日 17時〜22時30分 LO 21時30分)
定休日
毎週日曜日 第1月曜日 祝日
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/8atxujmk0000/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。