『龍吟』出身シェフの料理観が圧巻すぎる! 大使公邸を改装した一軒家のチャイニーズが南麻布にオープン

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『龍吟』出身シェフの料理観が圧巻すぎる! 大使公邸を改装した一軒家のチャイニーズが南麻布にオープン
Summary
1.南麻布の高台に、こだわりのある一軒家レストランが誕生
2.シェフは『麻布長江』から『龍吟』という異色の経歴の持ち主
3.仕込みから美しい! スペシャリテの鳩料理に驚嘆

大使公邸を改装した南麻布の一軒家レストランがすごいらしい

フランス、フィンランド、パキスタン、ドイツなどの大使館に囲まれた南麻布の閑静な住宅地。そんなスペシャルな立地にスペシャルな中国料理店が誕生した。『茶禅華』である。

「中国から伝わったものを日本人が昇華させていく」という精神「和魂漢才」をテーマに、中国料理の本質を崩さず日本人の精神を以って食材、風土、文化、美意識に合うように昇華、洗練させている。ゆえに店の空間、調度品や食器に至るまでこだわりを持つ。

川田智也シェフは専門学校で中国料理を学び『麻布長江』で修業。料理の技術を基礎から叩き込まれただけではなく、人として、プロの料理人としての基本を厳しく教えてもらったという。10年間勤め副料理長として腕を振るい、本場の味を作ることを目指してきた。しかし、日本で仕事をする以上、食材はほぼ日本のものを扱う。日本の食材を知るには日本料理を学ばなければと思い、いちばんに川田シェフの琴線に触れたのが、世界的にトップレベルの六本木『日本料理 龍吟』であった。

中国料理とは違う意識レベルで素材に対峙する日本料理に触れた時に、中国の技術を学ぶこと、日本の食材を生かすことを柱として調理することを決意。そして『龍吟』で5年間修業しながら、台湾の『祥雲龍吟』の立ち上げに関わり副料理長を勤めた。日本料理の技術、季節感、食材の扱い方、器について学び、いよいよ自身の創り出した新しい中国料理を披露する時が来たのだった。

「和魂漢才」をテーマに中国料理の新しいあり方を提案

おまかせのコースは、突き出し、前菜から始まり、スープや魚、肉、野菜、フカヒレなど多彩な15品が楽しめる構成だ。メインには小鳩が用意されている。

本日の前菜(写真上)は「くらげの葱和え」、「布豆富の雪菜和え」、そして圧巻の「棒々鶏」。古九谷に折り重なるように盛られた鶏肉は口の中に入れると本当に溶ける。チシャトウ(茎レタス)は寸分の狂いなくカットされ、湯がいてから鶏スープを含ませるといった手の込みようだ。喉の奥でしっかりと四川の辛みを感じ、味は確かに中国料理なのだが、食材の繊細さや滋味深さ、そして引き出し方や美しい盛り付けが日本料理なのだ。馴染みある「棒々鶏」がまったく違った料理に思えるほどである。前菜すべてに共通するのが香りの高さ。山椒油、木姜、雪菜、昆布……、中国料理ならではの“複合味”に食欲がそそられる。

素晴らしく状態の良い桜鱒に高温の油でサッと炒めた四川山椒で味付けしたふぐ葱を添えた「桜鱒の四川山椒焼き」。焼いては休ませ…、を繰り返しゆっくり火入れする。こういう焼き方をするのは新鮮な魚が獲れる広東省か香港くらいなのだそう。中心はうっすらレアな桜色にうっとり。噛み締めるとやわらかな桜鱒からじんわり脂が広がり、ふぐ葱と一緒にいただくと山椒が後からぐーっと香りを主張する。

「小鳩のクリスピー揚げ」はシェフのおすすめだ。モモは中に五香粉と塩を擦り込み15秒ボイルしてから水飴と酢をかけて1日乾かし、180度の油でかけ揚げを3回ほど繰り返す。胸肉は風で乾燥させ1分ほど藁で燻す。馬告という台湾の香辛料と塩を振り炭火焼きにしている。中国料理にはこうした料理はない。まさにシェフの目指す「和魂漢才」、中国料理の伝統を崩さずに日本料理の技で調理した渾身のひと皿だ。鳩の臭みは皆無、モモはカリカリでジューシー、胸肉はしっとり、味わい深くソースも塩もまったく必要がない。非の打ち所がない皿であるが、シェフ曰く、「まだまだ」なのだそう。

厨房の外に作った冷蔵庫で何台もの扇風機で24時間365日、鳩の仕込みをしているのである。「肉は乾かさずに皮を乾かす、相反することを同時に行わなければならない難しさがあります。風の当て方を変える、内臓処理のスピードを早める、手を氷水に当て鳩に温度を伝えないなど、日々努力することで状態がより良くなります。だからまだまだなんです」と言う。素材、技術、心、おいしい理由はここにある。

ワイン、日本酒、紹興酒、中国茶など約150種のドリンクリスト

ワインリストにはリーズナブルなものから高級なものまで揃い、日本酒や紹興酒も充実。ティーペアリングもあり、飲めない人にも楽しんでもらいたいと、緑茶、青茶、白茶、黒茶、紅茶、若い葉から熟成したものまで、お茶の種類もバラエティに富む。アルコールとお茶とのミックスペアリングがおすすめだ。

紅茶の上に6種類(ローズ、ローリエ、シナモン、レモングラス、馬告、丁子)の香辛料を入れ瞬間的に抽出するスパイスティーは、香り豊かで味に奥行きがありメインの鳩との相性はワインにも負けないほどだ。

高品質のお茶の見分け方は香りがスッと中に落ち、飲んだときに広がりを感じるかどうか。有名な産地より雲南省のように少数で丁寧に作っているお茶を厳選しているそう。淹れる温度は茶葉の発酵段階に比例し、緑茶、白茶、黄茶、青茶、紅茶、黒茶の順に上げる。

この九谷焼の急須で淹れる「太平猴魁」はまさにトップクラスの緑茶。初めはほんのり、そして飲むごとに香りが高まる。さっぱりとしながらも存在感があり食後酒のようだ。フランス料理とワインが共存したように、中国料理とお茶は切っても切れない存在。時には料理の味を足す役割もするお茶の魅力も楽しみたい。

(撮影/八木竜馬)

【メニュー】
季節の食材のおまかせコース(約15品) 16,000〜18,500円
ショートランチコース 12,000円
アルコールペアリング(約8種) 8,000〜9,500円
ティーペアリング(約8種) 5,000〜6,000円
ミックスペアリング 7,000〜9,500円
※価格はすべて税抜き(別途サービス料10%、個室15%)

茶禅華(さぜんか)

住所
〒106-0047 東京都港区南麻布4-7-5
電話番号
03-6874-0970
営業時間
火〜木17:00〜23:00(L.O.21:00)、金〜土12:00〜15:00(L.O.13:30)18:00〜23:30(L.O.21:00)、日12:00〜17:30(L.O.15:00)
定休日
月曜
公式サイト
http://sazenka.com

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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dressing編集部
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カメイアコ
ライター