マンハッタンのウエストビレッジに3月7日、ニューヨーク初のチョコレート博物館がオープンした。その名も『The Chocolate Museum and Experience with Jacques Torres』。ジャック・トレスは2000年にブルックリンで創業し、マンハッタンとブルックリンに9店舗を展開する高級チョコレートブランドだ。そのジャック・トレスが、ベルギーやメキシコでチョコレート博物館『チョコストーリー』を展開しているエディー・ヴァン・ベルと組んでオープンしたのがこの体験型博物館なのである。広さは約460平方メートル。家族連れは勿論、大人同士で訪れても十分楽しめる新しい空間が誕生した。
博物館の入り口はカラフルで可愛く、おとぎの国に吸い込まれていきそうな感覚。元々ジャック・トレスの工場があったロケーションだが、ブルックリンのアーミーターミナルに約3,700平方メートルの工場をオープンして以来、空き家になっていた。ジャックと共同創業者の後藤慶太郎さんは、以前から自分たちのチョコレートの知識を伝える美術館をやりたいと思っていたという。エディーもニューヨークにチョコレート博物館をオープンしたいと思っていて、ちょうど場所が空いていたことから、チョコレート博物館オープンに至った。
展示物はエディーが収集したもので、最古のものは紀元前3,500年に遡る。最初は儀式で飲まれていたチョコレート。カカオ豆をすりつぶしていた臼など、いろいろなものが展示されている。
カカオの原産地はメキシコで、当時のチョコレートドリンクを飲めるメキシコの屋台が再現されている。
ヨーロッパに広がったのは、スペインがメキシコを侵略してチョコレートを持ち帰ったことがキッカケだ。砂糖を入れて飲み始め、固めるようになったのはその後。フランスの貴族が使っていたカップの中には、ヒゲにつかないように工夫した男性専用カップもある。
ダークチョコレート、ミルクチョコレート、ホワイトチョコレートの成分配合の違いをわかりやすく示したコーナーでは、試食もできるのが嬉しい。
キッズコーナーでは、チョコレートができるまでの過程をわかりやすいイラストで学べたり、ベトナム、ベネズエラ、コスタリカのチョコレートの味の違いを試せたり、いかにも子供たちが喜びそうな仕掛けが揃う。
と、ここでジャックさんが登場。案内してくださっていた後藤さんと一緒に写真撮らせていただいていいですか?と聞いたら、「いいよ、あ、ここがいい。ここにしよう」と、なんとキッズコーナーにある顔ハメ看板に収まってしまった!お茶目~ジャックさんと後藤さんはニューヨークの高級フレンチレストランの『ル・サーク』でパティシェをしていた時の同僚で、30年来の付き合いになるという。
30分ごとにデモンストレーションをするコーナーもある。たまたまジャックさんがデモンストレーションしていて、来場していた人たちはラッキー!週末にはクラスも開催されている。
最後はショップ兼カフェに到着する仕組みだ。ショップとカフェだけ利用するお客さんもいる。ジャック・トレスは日本では、仙台に一店舗だけ、買える店があるとか。「日本にはオープンしないんですか?」とジャックさんに聞いたところ、「誰か運営してくれる人いる?いい人がいるならいいよ」との答えが返ってきた。
The Chocolate Museum and Experience with Jacques Torres
- 電話番号
- 212-414-2462
- 営業時間
- 8:30~19:00、土曜9:00~19:00、日曜10:30~18:30
- 定休日
- 無休
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。