天然うなぎと"揚げ焼き"ステーキと......

【連載】マッキー牧元の「ある一週間」 第5週  日本を代表する食道楽の一人、マッキー牧元さん。彼はどんなものを食べて一週間を過ごしているのか。「教えていいよ」という部分だけを少しのぞき見させていただく。

2015年10月17日
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天然うなぎと"揚げ焼き"ステーキと......
Summary
・450gの天然うなぎ
・京都までわざわざ行きたい中華
・京都でしか食べられないステーキ
・一口食べると体の力が抜けるポークステーキ

9月6日 「繊細な甘みの天然うなぎ」

お年でいえば42歳くらいだろうか。豊満な体に色香をとっぷり宿しているが、育ちの品は隠せない。
なにしろ450gの熊本産天然うなぎである。食べれば、ふっくらとした身に歯が包まれ、脂がゆるゆるとにじみ出る。しかし脂がくどくない。
あっさりとして、身に秘めたほの甘みを際立たせる。
普段うなぎを食べるときは、皮側を舌に当てて食べるが、このうなぎは違う、腹側を舌に当てたほうが、繊細な身の甘みを生かすことができる。そうしてからご飯を描き込む。
一方ご飯と一緒に食べるときは、ご飯にほんの少しだけ山椒をかけ、皮側を下にして載せ、くるりと返してご飯を上にして食べるのがいい。
そうして食べると、よりこのうなぎの品が米の甘みに寄り添い、うな重の幸せここにあり!!と、叫ぶのである。
ちなみにこのうなぎの真ん中はすでに白焼きで食べ、うな重は、頭よりの胴体と尻尾よりの胴体で一匹の3/2である。
それでもこの重に収まりきらず、折り曲がった尻尾がいい。
その尻尾を最後に食べるのだが、脂に邪魔されず、ぐんと舌を煽るような味の濃さがあって、たまりません。椎名町「丸傳」にて。

丸傳

住所
〒171-0051 東京都豊島区長崎1-4-14 フラワービル1F
電話番号
03-3957-7766
営業時間
12:00~14:00、17:00~21:00 (要予約)
定休日
水曜日 不定休あり
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/161mt1140000/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

9月7日 「世界最強の雲白肉」

その豚は、たくましく、甘く、温かく、皮下のコラーゲンは、
ちゅるると溶けた。
世界最強の雲白肉。

中華料理 大鵬

住所
〒604-8416 京都府京都市中京区西ノ京星池町38-27
電話番号
075-822-5598
営業時間
月・水~日 ランチ 11:30~14:30、夕食 17:30~22:30 (L.O.22:00)
定休日
火曜日 ※月1不定休
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/mjxtkmt90000/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

9月9日 「京都・希代の焼き師」

黙って肉を見つめ、油をかけ、裏返し、触りながら、彼は肉と話している。
「どうだい? いい気分かい? 余分な水分が抜け、肉汁はたぎってきたかい?」
肉を焼く時には、後ろ姿しか見えないが、きっと茂野さんの優しい目つきは、その時だけは誰にも見せない険しい目つきとなって、全神経を集中させているはずである。
同じように焼いているように見えながら、肉の質や部位を読み取り、フライパンのどの位置に置くか、油の量をどうするか、瞬時に判断して焼いていく。
フライパンを持つ彼の指先の神経は、きっと肉の中心まで伸びているのに違いない。
「同じ焼き方ではなく、違いを出して食べてもらおうと思って、サーロインは揚げ焼き、イチボはグリルにしました」。
キャラメル香に抱かれたサーロインは、だれていない脂のうま味と表面の焼かれた香りが抱き合って、甘く、切なく、凛々しく、食欲を煽る。
ガリッとした焦げをまとったイチボは、その猛々しい肉汁と微かな酸や、焦げ茶のほろ苦みが混沌と口の中で渦巻いて、我々の体に眠っていた野生の血を叩き起こす。
きっと、ここにいる全員が心の中で拳を上げ、叫んでいる。
「肉を食らっているぞぉ!! 俺は生きている!!」
それは生きる証であり、生かされている感謝であり、肉を食む根源的な喜びであり、京都14e 希代の焼き師、茂野シェフが与えてくれた、勇気である。

ル・キャトーズィエム (le 14e)

住所
〒602-0873 京都府京都市上京区伊勢屋町393-3 ポガンビル 2F
電話番号
075-231-7009
営業時間
月・火・金 12:00~14:00 / 18:00~23:00(L.O.22:00)、土日 16:00~23:00(L.O.22:00)
定休日
定休日 水・木

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

9月12日 「東京5大ポークソテー!」

フランベし、煮詰めたウィスキーとバター、醤油で作った「すぎ田」のポークソテーは、一口食べた途端に体の力が抜ける。
「ああっ」といってだらしない顔になって、あわててご飯を掻き込む。
バターのコクと醤油のうま味が、豚の甘みに加わって深みを増し、そこにウィスキーが香って、どこにもない味になる。
舌を簡単に堕落させながらどこか毅然とした、大人と子供の両面がある。
どこにもない味は、絶妙な煮詰められ方で、丸い。
豚を滑らかに包み、舌を優しくすぎ、くるんと心を魅了する。
カツもいいがソテーもいい。悩みどころだが、昨日はソテーとした。
「すぎ田」、人形町「そよいち」の醤油と酒、ニンニクとバターのポークソテー。西大島「平太」の分厚いポークソテー、御徒町「ぽん太本家」の雄大なポークソテー。浅草「大宮」のりんごと白ワイン、生姜とニンニクの洒落たポークソテー。僕が勝手に選ぶ、東京5大ポークソテーである。

<メニュー>
ポークソテー
ヒレ 2,500円(税抜)、ロース 2,300円(税抜)

とんかつ すぎ田

住所
〒111-0042 東京都台東区寿3-8-3
電話番号
03-3844-5529
営業時間
11:30~14:00 (L.O.13:45)、17:00~20:30 (L.O.20:15)
定休日
定休日 木曜
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/5vne75bh0000/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。