「中国・少数民族料理」とは何か? グルメ通から熱い視線が注がれる、マニアック中国料理の世界『茶馬燕』

【マッキー牧元の今月の1軒】

2019年04月26日
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「中国・少数民族料理」とは何か? グルメ通から熱い視線が注がれる、マニアック中国料理の世界『茶馬燕』
Summary
1.マッキー牧元おすすめ! 神奈川・藤沢の中国少数民族料理『茶馬燕』
2.変幻自在に表現する、中国・マイナー地方の「少数民族料理」
3.予約困難になる前に急げ! 中国・少数民族料理のすう勢

藤沢の中国少数民族料理『茶馬燕』【マッキー牧元の今月の1軒】

変態の料理人が好きである。

お客さんには理解されないかもしれない。それでも、手間ひまかけた、他とは違う仕事をする、そんな変態な職人が大好きである。

「藤沢に愛すべき変態の中国料理人がいる」。そんな噂を聞きつけて、早速何人かで出かけた。

その名は、『茶馬燕(ちゃーまーえん)』の中村秀行氏である。東京・荒木町『南三(みなみ)』、白金『蓮香(れんしゃん)』、代々木上原『Matsushima』と同じく、中国南方に住む少数民族系の料理を出す。

ただし一旦自分の中で消化してから、食材や調味料で入手できるものは、現地と同じものを使い、希少なものや代替えしてもおもしろいと思ったものは、日本の食材に変えて、料理を表現する。

つまり変幻自在の変態なのである。

中国・マイナー地方、少数民族料理の時代が来る!

たとえば、「猛毒豆腐」という恐ろしい名前が付いた料理がある。

中国料理名は「湖南鱼子豆腐」(写真上)というように、発酵させた川魚の白子や卵巣で作る麻婆豆腐のようなものらしいのだが、それを金沢の珍味、フグの卵巣の糠漬けで代用するのである。

いや、もはや代用とは言えないだろう。

食べれば、熟れた、複雑で強烈な塩気が溶け込んでいて、一筋縄ではいかない味となっている。泥沼に引きずり込んで離さない麻婆豆腐であり、これは紹興酒ではもはや対抗できんと思い、思わず白酒(ぱいちゅう)を頼んでしまった。

いい。すごくいい。癖が強い発酵食大好きおじさんとしてはたまりません。

そのほか、発酵ハーブソースの「貴州風ドボン」(写真上)をアンコウでやったり、発酵米や中国南部の納豆トゥアナオを自分で作ったり、雲南ペー族風山羊乳のチーズも自分で作る。

店内の黒板には、そんな料理がずらりと並ぶ。

しかしここは藤沢である。「みなさん、普通の麻婆豆腐しか頼んでくれないんですよ」と、店主は苦笑する。

いや大丈夫。あの『南三』だって、湖南、台南、雲南というマイナー地方の料理を掲げて、予約困難な店になった。間違いなく藤沢にも、この新しい中国料理の流れは来る。そして食いしん坊の皆さん、今が行きどきですよ!

それでは藤沢『茶馬燕』の全料理を、ご覧ください。

[前菜]六種毎位盆

▲香辣兔塊 (兎の香辣揚げ)
タレで煮しめてから素揚げしたウサギ肉を辛く香るように味付けした料理。湖南料理だろうか。ウサギがしっとりとしてほの甘い。それと対比的な辛さと香りがいい。

▲炸猪皮喃咪(雲南タイ族トマトナンミーで食べる揚げ豚皮)
雲南タイ族には欠かせない、トマトやエシャロット、ニンニク、生姜、唐辛子、香菜を混ぜた、酸っぱ辛くうまみのあるソースに、カリカリの豚皮せんべいを浸けて食べる。癖になる味わい。

▲薄荷皮蛋(ピータンと油揚げの雲南タイ族ミント和え)
雲南はミントがよく採れるそうで料理に多用される。ピータンと油揚げに、ココナッツや醤油、そしてミントの爽やかな香りを効かせて、様々な香りやうまみが交差する。

▲水豆豉炒蛋(自家製貴州納豆と卵の炒めもの)
一瞬ただの炒り卵に見えようが、大豆を発酵させて水に浸けて作った自家製納豆入り。卵の優しい甘みの後に納豆の香りが広がる不思議。

▲大理乳饼(自家製雲南ペー族風山羊乳のフレッシュチーズ)
淡い自家製チーズは、淡い味わい。ヤギの乳に酢を加えて固め焼いたもの。乳餅ともいうように大根もちのよう。

▲米椒鴿仔(鳩肉の泡菜 野山椒風味)
鳩肉の漬物である。野山椒の鼻を洗い清めるような香りが効いている。酸味がいい。

[主菜]

▲傣族炒酸魚(雲南タイ族のティラピアのなれずし)
サンバー、乳酸菌発酵の酸っぱい香りと、ディルや香菜の香りが入りまじり合う魔力。発酵咲いた魚は、味わいが濃密となりねっちりとした食感でうまい。

▲傣族炒香蕉花野猪(島根産天然イノシシとバナナのつぼみのトゥアナオ炒め)
バナナの花のつぼみとイノシシバラ肉を、自家製納豆と炒めた料理。イノシシに絡むバナナのつぼみのほのかな甘い香りが合う。

▲飄香灰樹花 (舞茸のマジックスパイス仕立て)
様々な香りが弾け飛ぶ混合スパイスときのこの香り。

▲侗族炸酸鴨(広西トン族風鴨のなれずし炒め煮)
もち米とスパイスの中で5日間熟成、発酵させてから、蒸して炒め煮にした鴨肉。鴨肉のたくましい味とヨーグルトに似た爽やかな香りが抱き合う。また最後にトマトを入れることにより完成し、鴨の脂と見事な相性を見せる。

▲遊換口(小松菜のスープ)

▲涼伴蔵茶(チベットティースープ)
四川の山奥の料理とか。極めてプーアール茶に近いものが軽い乳酸発酵している。しみじみとうまい。

▲跳水魚(茹でアンコウの麻辣ハーブソース貴州風ドボン)
何よりもアンコウの火入れが優しい、麻辣ソースの刺激の中でアンコウの甘みが生きている。

▲湖南鱼子豆腐(フグ卵巣ぬか漬けの猛毒豆腐+白飯)
白酒と白飯止まりません。


【メニュー】
猛毒豆腐 1,950円
自家製雲南ペー族風ヤギチーズ 小1,400円、中2,350円
豚皮チップス雲南タイ族トマトソース添え 小950円、中1,600円
茶馬燕の陳麻婆豆腐 中皿1,550円、大皿2,950円
自家製貴州納豆と玉子の炒め 中皿1,550円、大皿2,950円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税抜です

中国旬菜 茶馬燕

住所
神奈川県藤沢市南藤沢20-15 第一興産6F
電話番号
050-3468-9455
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
営業時間
ランチ 11:30~14:00
※平日は予約のみ

月・火・木~日
ディナー 17:30~21:00
定休日
水曜日
ぐるなび
http://r.gnavi.co.jp/898tfvc80000/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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