あの有名店から若手シェフが独立! シャンパーニュとフレンチのマリアージュを南青山の隠れ家で堪能

2016年07月07日
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 あの有名店から若手シェフが独立! シャンパーニュとフレンチのマリアージュを南青山の隠れ家で堪能
Summary
1.『カンテサンス』出身のシェフがシャンパーニュ×フレンチで勝負!
2.常時70本はシャンパーニュ地方のAOC3つに徹底
3.バースデープレートの可愛らしさは格別! 特別な日のランチ&ディナーにもおすすめ

シャンパーニュに合わせた料理を作るシェフの力量がすごい!

ミシュランガイド東京2016で三つ星を獲得したあのレストラン『カンテサンス』から、またすごいシェフが独立した。仏の『レ・プレ・ドゥジェニー』、『レ・クレイエール』で修業した彼は、個性と味わいの幅広さ、なにより華やかな気分になれるシャンパーニュの魅力にとりつかれ、自分の店をだす時にはシャンパーニュで勝負しようと決めた。誰もしていないことに挑戦したかったし、あれこれ幅広く揃えるよりひとつに絞った方がオリジナリティを表現できると思ったと言うのだから、このシェフ、大物に違いない。今年2月に南青山にオープンした『オルグイユ(L’orgueil)』加瀬史也オーナーシェフである。

たった12席。シェフの経歴を考えればもっと大きな店でも良いはずだが、自分の目で客の状態を感じられるこの席数をあえて選んだ。この距離だからできること…、なんと客の飲んでいるもの、客の表情にあわせて仕上げの味を微妙に変えてしまうのである。

コース料理とのペアリングは酒を飲みきれない場合、次の料理とあわなくなることもある。客の表情に対しても同じだ。おいしい顔をしていなければ、何があわないのかを想像してソースや調味料をその場で変えてしまう。そんな面倒なことをするシェフはおそらく他にいないのではないか。正直、リスク以外なにものでもないし、よっぽど味の振り幅がないとできないはず。それをいとも簡単にやってのける、そこはかとない力量に天晴れだ。だから客はまるでシェフの自宅に招かれたような至福の時間が過ごせるのである。

シェフの料理の記憶によって創りだされるライブ感のある皿の数々

料理はランチもディナーもおまかせコースのみ。アミューズからして感嘆の声があがる。定番の「タルトフランベ」はひと口めの端から真中に向かって味の変化を楽しめるように緻密な計算をして食材をのせている。この日はアオリイカのマリネと根室のウニ。イカスミで炊いたオリーブが味のアクセント。この直径7cmほどの小さなタルトに食材で描いた絵は季節感とともに口のなかで幾重にも広がる。

伊東の3kgサイズの金目鯛は鱗焼きに。水分の多い金目鯛は普通に焼いて提供すると食べている間にしなっとしてしまう。ならば鱗焼きにすれば最後までサクサクの食感が残る。短所を長所に変えるイメージだという。そしてソースがうまい! シークヮーサーに似た青い柑橘のカラマンシーを使ったヴィネガーとオリーブオイル、ハーブは清涼感のあるエストラゴン。爽やかな酸味と上品な香りは夏にぴったりの料理である。主役は金目鯛なのだが、このキュウリが驚愕のおいしさなのだ。京都加茂のキュウリだそうだが、少し炙っているからだろうか、ほんのり甘みも感じる。キュウリでこんなに感激したのは初めてだ。

皿のなかで単調に進むのはおもしろくない!と、同じ食材を違う調理法で楽しめるようにするシェフ。

仏の乳飲み仔牛のモモは、ゆっくり時間をかけて火入れしたものとマスタードをはさんでカツにしたもの、付け合わせの大和真菜もフライパンでチュイール状にしたものと炒めたもの。

同じ食材と言われなければわからないくらい何もかもが違う。長島の あかつき新ジャガは水分が多いのでアルミホイルで2時間オーブンに入れ水分をとばして香りと味を凝縮する。

すべての料理に通ずるのが、“おいしい”と素直に感じられること。食材の本質に向き合い、記憶の中からベストな調理法を選択しているように思える。盛り付けの美しさにも目を見張るものがあるが、「僕の手元を離れてからおいしくなることはない。できるだけ盛り付けには時間をかけず、温かいものが一番おいしい状態で食べていただけるようにしている」とシェフは語る。そのため実は、盛り付けにこだわりはないと言う。

プライベートで食べ歩いてきたレストランで食べたものがピンと来なかった理由は、その時に“自分の食べたいものではない”からだった。もちろん年齢も飲んでいるものも感じ方も人それぞれではあるのだが、自分の店では全員が感動できる料理をしようと思ったそうだ。そのために客の表情を一瞬たりとも見逃さないようにしている。やはり加瀬シェフ、とんでもない人物だ。

食材ではなくバランスを考えて最高の1本を選ぶ

さて、主役であるシャンパーニュについて触れておこう。前述のとおり、こちらではシャンパンとシャンパーニュ地方のワイン(コトー・シャンプノワ、ロゼ・デ・リセ)の3つのAOCのみと徹底している。大きいメゾンから小さいメゾンのものまで、いまは70種ほどのシャンパーニュを揃えており 、ペアリングコースは3種と6種がある。中村真澄支配人が料理の説明をしながら客の好みを聞いて、その場で構成する。当然ボトルで頼む客もいるわけなので、飲むスピードによって先を読み準備していくのだそう。それをシェフとコミュニケーションを取りながらサービスをし、料理の進行具合を見ながら次のボトルを用意して…、考えただけで頭が混乱しそうだ。

今回、金目鯛にあわせたのは「ベルナール・ペルトワのブリュット ブラン・ド・ブラン グランクリュ」、グレープフルーツを思わせる柑橘系でミネラルもしっかり、脂ののった金目鯛に綺麗な酸で楽しませてくれる。そして仔牛には「エグリウーリエのブリュット グランクリュ 2002年」熟成もしっかり、泡がきめ細かくふくよかさがカツにもあう。選ぶポイントは食材ひとつに目を向けず料理全体のバランスを考えることだと言う。

ノンアルコールの人には無農薬、無添加スパークリングぶどうジュース「ピナール家のレジ・ブルー・ビオ」を。これがすっきりとして食事の邪魔にならず、しかもフルートグラスで出してくれるのでシャンパーニュを飲んでいる気分になれる。

お祝い事なら絶対に頼むべき! 美しすぎるバースデープレートに感動

こちらでお祝いのデザートをお願いすると、可愛らしくて幸せを感じるお皿が出される。

デザートはシェフの奥様、美有紀さんが担当だ。美しい花は粉糖で作っているそう。一番大切にしているのはコースの最後の料理であるということ。ここまでメインデセール含め料理は8品出ているため、食べる人のことを考えて量や味は少し軽めにしているそう。次の日も“おいしかった”と思ってもらえるように、砂糖の量もかなり減らしている。客のおいしい表情を見逃さないようにしている加瀬シェフならではのコース構成は、デザートまでぬかりない。

今までやりたかったことが、一気に溢れ出ている感じだと言う。決して奇をてらわず、素材にこだわり熱いものは熱く出す、それが“おいしい”ということなのだろう。写真では伝わらない味と香り、そして熱さをぜひ店で感じてほしい!

(メニュー)
ランチコース(6品)/6,800円
ディナーコース(8品)/10,500円
お酒のペアリング 3種 3,600円、6種 7,200円
ベルナール・ペルトワ ブリュット ブラン・ド・ブラン グランクリュ/グラス1,600円 ボトル10,800円
エグリウーリエ ブリュット グランクリュ 2002年/ボトル35,000円
※価格すべて税別

L’orgueil(オルグイユ)

住所
〒107-0062 東京都港区南青山4-3-23 オリエンタル南青山201
電話番号
03-6804-5942
営業時間
12:00〜15:30(L.O.13:00)、18:00〜23:00(L.O.19:30)
定休日
定休日  日祝、月曜ランチ
公式サイト
http://orgueil.net

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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あおい有紀
フリーアナウンサー/和酒コーディネーター
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