東京の最旬フレンチはここ! 若手シェフが手がける北欧デザインのフレンチレストランが業界内で話題

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2016年08月31日
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東京の最旬フレンチはここ! 若手シェフが手がける北欧デザインのフレンチレストランが業界内で話題
Summary
1.メニューに書いてあるのは食材のみ!? 想像を越えた『スブリム』の料理とは
2.北欧の芸術性とフレンチの技術、和の素材が織りなす三重奏をフルコースで堪能
3.フランス、デンマークなど有名レストランで修業したシェフが作り出す、食べるアート

会社帰りのサラリーマンで賑わう新橋では、おしゃれしてワインを嗜むより、ガード下の喧騒と酎ハイがやはりぴったりくる。そんな新橋SL広場から南西へ歩いて10分ほど。うまそうな煙と匂いを抜けた辺りの路地に、ぽつりと店頭の灯りがともる。注意深く歩いていても気づかないくらい小さな入り口の階段を下ると『Sublime(スブリム)』の静寂へとたどり着いた。

「うちは特に何料理とジャンルを決めていないんです。シェフにしか作ることのできない料理を日本の東京・新橋から世界に発信していく。大げさかもしれませんが、そのくらいジャンルを細分化してもいいのかもしれません。ここにいらしてくださるお客様には、料理の国境を越えたシェフの世界観を楽しんでいただきたい」と柔らかい物腰で語ってくれたのは、学生時代からレストラン経営が夢だったオーナーの山田栄一さん。

知人の紹介で出会った加藤順一シェフの経歴と素直な人柄に惚れ、彼なら安心していいレストランをつくっていける!と、出会ってすぐに自らの夢を叶えるパートナーに選んだ。『レストラン タテルヨシノ』で修業後、パリ『Astrance(アストランス)』からデンマーク・コペンハーゲンの『Restaurant AOC(レストラン・エーオーシー)』やホテル・ダングルテール『Marchal(マーシャル)』にて北欧料理を学んできた加藤シェフだからこそ作り出せる料理とはどんなものか?さっそくいただいてみることに。

想像を掻き立たせるメニューの数々に感動

席へ着くと本日のメニューが渡される。食材しか書かれていないメニューを手に取り「どんな料理がでてくるかな」と想像しながら待っている間、友人との会話が弾む。

ひと口でいただく、個性豊かな3種のスナック。

ごちそうを見つけた森のこびとの気分になる小さなタルト「雲丹 人参」は、切り株のような器に乗って登場。極薄の生地にニンジンのピューレと生ウニが入ったタルトは、サクッと軽く口の中でとろける。エルダーフラワーの実のピクルスやアップルゼラニウムの花がのせられていて、ハーブのほのかな甘みと酸味が濃厚なウニのあと味をさっぱりと仕上げてくれる。

思わず笑みがこぼれるほど、かわいい鳥の巣を発見。卵の殻の容器には「玉蜀黍(トウモロコシ)」の冷製スープが。カルダモンのパウダーが散りばめられているから、スープの甘みが強すぎず香りに華やかさが増す。かつて加藤シェフが修業していた『Restaurant AOC』がルーツだという、茶目っ気たっぷりな料理の見せ方からシェフの遊び心が伝わってきた。

蓋を開けるとフワッと食卓にひろがる煙の中から「ジャガイモ ロイロム」が現れた。ロイロムとは白ニシンの卵。スウェーデンではキャビアのように親しまれている食材である。ロイロムの塩味がジャガイモの甘みを引き立たせてくれる。桜のチップでスモークされたクリームチーズは、小粒なのに薫香が強く酒のつまみにぴったりだ。

美しい色彩に目を奪われる「ビーツ 鳥取産銀鮭」の前菜

「フレンチのソースといえば油分を乳化させるのが基本ですが、北欧料理ではわざと分離させるんです。それが逆に美しく、器に彩りを与えてくれます」と話す加藤シェフが学んできた、北欧の美が表現された一皿。

真っ赤に染まるビーツは、アップルビネガーに漬けられたもの。数枚めくると、中にマリネされた銀鮭が隠れている。ソースはサワークリームにディルオイルを合わせて酸味と香り華やかに。

寒い北欧では食材を収穫できる期間に限りがある。春と夏に一気に収穫し、発酵や塩漬け、酢漬けにすることで一年中食べられるように保存している。見た目が美しいだけでなく、酸味をしっかり感じられるのも、北欧らしさのひとつなのだ。

インパクト抜群!「マッシュルーム 半熟卵」は加藤シェフのスペシャリテ

食材しか書いてないメニューの中でも、一際気になる“マッシュルームと半熟卵”の組み合わせ。あれこれ想像してみたけど、見事に裏切られた。

スライスされたフレッシュなマッシュルームが山盛り登場。そこにスープが注がれると、芳ばしい香りいっぱいの温かいスペシャリテが完成した。マッシュルームは、加藤シェフの地元である静岡県で栽培されたものを使用。スライスの下には柔らかくソテーされたマッシュルームが入っていて、一緒に食べると食感の違いが楽しい。

注がれたスープは、3週間発酵させたマッシュルームのジュースとクリームを混ぜたもの。半熟卵と絡めていただくと、うまみがぎっしりつまったスープのコクが深まる。デンマークから帰国後、静岡県富士宮市にある有機農園ビオファームまつきが経営するレストラン『Bio-s』で半年間、料理と野菜の栽培に携わった加藤シェフ。ファームで働いた経験と、北欧料理の地産地消という考えに習い「日本で料理を作るなら、できる限り日本の食材を使用したい」というこだわりから生まれたスペシャリテは、シンプルだが一度食べたら忘れられない存在感がある。メニューにあえて食材しか書いていないから、想像をふくらませる楽しみがある。料理にはそんな予想を越えた驚きがあり、しかも食材をしっかりと感じられるよう計算されているからだ。

花の香りに癒されるデザート「ラベンダー ブルーベリー」

紫色の花びらが可愛らしい。シンプルだけど洗練されたデザインで登場したアイス。

口の中で溶けた瞬間、ラベンダーの香りが弾けた。下に隠れたフレッシュなブルーベリーと、丸いディスクに使われているラベンダー風味のビネガーが、甘すぎないよう演出してくれる。

『Noma』の魅力にハマって生まれた加藤シェフの料理とは

2009年、世界のトップレストランに何度も輝くデンマークの有名店『Noma(ノーマ)』が本を出版した。興味本位に手に取った加藤シェフは、そこで北欧料理の存在を知ったという。とにかく美しいデザインの料理と、少ない食材でも華やかに魅せるセンス、繊細なハーブの使い方を学びにパリからコペンハーゲンへと渡った。「歴史が浅い北欧料理は、まだまだ手探りの途中です。安定したレシピはないので、料理の基礎や技術は学生時代から学んできたフレンチを活かすことにしました。そして実際に調理する場は日本。できる限り日本の食材を使って、海外のお客さまにも日本でしか味わうことのできない料理を提供したい。まあ、いいとこ取りですね」と笑顔で語ってくれた。

店先から少し歩くと、新しく開通した環状2号線(新橋−虎ノ門間、通称マッカーサー道路)が広がっている。2020年東京オリンピックに向けて、パリのシャンゼリゼ通りのように飲食店が軒を連ね、賑わう場にしようと開発が進んでいるエリア。海外からも注目が集まる街とともに発展していくレストラン『スブリム』が、マッカーサー道路を代表する顔になる日も遠くなさそうだ。

(文・取材/植木祐梨子)

【メニュー】
ランチコース
スナック数種、前菜2品、魚or肉、デザート 4,500円
スナック数種、前菜2品、魚、肉、デザート 6,500円
(※価格はすべて税別)
ディナーコース
スナック数種、前菜3品、魚、肉、デザート2品 10,000円
(※税金、サービス料10%別)



※こちらの店舗は麻布十番に移転しております。

Sublime(スブリム)

住所
東京都港区東麻布3-3-9 1F
電話番号
050-3313-2408
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
営業時間
金~日
ランチ 12:00~15:00
(L.O.13:00)

火~土
ディナー 18:00~24:00
(L.O.23:00)


18:00~22:00
(L.O.20:00)
定休日
月曜日
ぐるなび
http://r.gnavi.co.jp/8nhh8m3r0000/
公式サイト
http://www.sublime.tokyo

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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茶野真智子
ライター
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植木祐梨子
ライター