熟成塊肉とシャルキュトリーのおいしさに悶絶! あの『格之進』がコラボして新店をオープン

2016年09月09日
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熟成塊肉とシャルキュトリーのおいしさに悶絶! あの『格之進』がコラボして新店をオープン
Summary
1.「いわてと世界を、食で繋ぐ」という思想のもとにタッグを組んだ
2.シャルキュトリーと熟成肉、肉のプロ同士の夢の共演に興奮がとまらない!
3.『格之進』の塊焼き熟成肉と、岩手の新鮮野菜のコンビがたまらないおいしさ

あの『格之進』が初コラボ! いわてを世界へ導く!

六本木通りから脇道に入ってすぐのところに面白い店ができた。その名は『格之進 Neuf(カクノシン ヌッフ)』。肉好きグルマンならばピンとくるかもしれない。そう、ここは熟成肉のスペシャリストであり、岩手の門崎熟成肉で一関と東京をつないだ千葉祐士氏の店『格之進』の新店である。しかしただの新店ではない。初めてのコラボ店なのである。お相手は盛岡で岩手の食財エヴァンジェリストであり、岩手の食材を使ったジャンルレスな店『ヌッフ・デュ・パプ』のオーナー伊東拓郎氏。そのふたりが「いわてと世界を、食でつなぐ」という思想のもとにタッグを組んだ。場所は元『ヌッフ・デュ・パプ 六本木店』で、リニューアルした形になる。

こちらでは門崎熟成肉はもちろん岩手の野菜や魚、豚、鶏といった肉がふるまわれる。特に“食財を余すところなく味わい尽くす”「肉屋のシャルキュトリー」が素晴らしい! 良質な肉と経験豊かなシェフの技巧で作るシャルキュトリーは世界でもトップレベルであろう。『格之進』にはそれぞれの店に使命があるのだが、六本木というグローバルな地にある『格之進 Neuf』には岩手と世界をつなぐ架け橋となるという使命がある。

「パテ ド カンパーニュ」が絶品。お代わり自由でつい食べすぎてしまう

シャルキュトリーは15〜16種類を用意していてその中から4〜6種類がその日の盛り合わせに入ってくる。定番は「パテ ド カンパーニュ」と「生ハム」。この「パテ ド カンパーニュ」が超絶うまいのである。その秘密を直接伺ってみたら、つなぎとハーブと香辛料を使っていないそうだ。こちらでは豚レバーの代わりに鶏レバーを使用している(なので厳密に言うとパテ グランメール)。

ハーブや香辛料を入れるとレバーの臭みが取れそうなものだが、それは素人考え。試作しているうちにひとつずつ外していったら結果すべて必要なかったという。それだけ素材が良いということである。こちらのパテはしっとりとたおやかにさせるため最低1週間は寝かしているのだが、時間を置くとハーブや香辛料が主張しすぎて、目指す味にならなかった。もちろん寝かしすぎると今度は味がぼやけてくるそうで、その見極めはプロでなければできないテクニック。シェフが気にするのは低温でレシピ通りに作ることと季節。気温によって微調整が必要になってくるそうだ。それさえできれば家庭でも絶対においしく作れるというのだが、こちらに食べにきた方が間違いないに決まっている。

この日は他に「生ハム」、「豚のリエット」、「アンドゥイエット」、「ボイルハム」、「バロティーヌ」、そしてつけあわせとして「キャロットラペ」。どれも手がこんだ優しさあふれる味。問題はおいしすぎること。シャルキュトリーはあくまでも前菜。なのにメインにいく前にお腹も頭も満足してしまう。それだけが欠点だ。

「シャルキュトリー」といえばワイン、あわせたのはいまの季節にぴったりの「シャトー・レ・ヴァロンティーン/ル・カプリス ド クレモンティーヌ ロゼ 2013」。ロゼはリーズナブルなテーブルワインというイメージがあるが、これはすっきりとして豚肉の脂を流してくれる。軽やかだが芯が通った感があり、程よい膨らみを持ちながら最後にはキレが良くさっぱりしている。このロゼなら1本で肉料理までいけるそうで、可愛い顔をしながら実はキリッとしているという、人間ならモテそうなワインである。

メインには熟成肉の“塊焼き”を堪能せよ!

『格之進』の熟成肉といえば塊焼き。肉を熟知した“肉職人”が絶妙な火入れで焼いてくれるので有名だ。実際どんな焼き方をするのか訊いてみると、「炭火です。焼くというよりあっためるというイメージ。20分から30分かけて5〜6回休ませながら余熱の力で火をいれていく」とのこと。こうやってじっくり火をいれていくことで肉汁がまんべんなく行き渡る。するとマイルドでうまみがぎゅっとつまった肉が焼きあがる。3カ月ほど熟成させた牝のランプはやわらかく、コクとうまみもあり塩だけで十分。余計なものが一切ない、肉そのものの味を堪能できる。

つけあわせの野菜は岩手で採れたものが中心。珍しいのはアサヒ農園の「遠野パドロン」。ビールホップの産地である遠野で作られるパドロンはスペイン野菜。見た目は丸いシシトウのようだが味が濃くしっかりとしたうまみがある。「山東菜」も東京ではなかなかお目にかかれない野菜だ。小松菜と白菜を足して2で割ったような姿で、アクもなく生でも食べられる。よく見ると形や色の悪いものがあるのだが、こうやって流通はしないが新鮮でおいしい野菜を提供していくのも新しい試みだ。

熟成肉にはもちろん赤ワイン。「ドメーヌ・サン・プレフェール シャトーヌフ デュ パプ レゼルヴ オーギュスト ファヴィエ 2013」はローヌのどっしりとした王道ワイン。熟成肉のように繊細な味わいにはタンニンは控えめ渋みが少なく濃いものがあう。これなら野菜の味も損なわずに楽しめる。

“おいしい野菜しか採れない”、岩本農園のホウレン草がすごい!

「自家製ベーコンとホウレン草のシーザーサラダ」は岩手の岩本農園のまったくえぐみがないホウレン草を使った野菜が主役の皿だ。ホウレン草ひと筋20年、化学肥料ゼロの有機栽培で作られており、糖度が非常に高く、シャキッとした歯ごたえがあり、生き生きとした野菜の生命力を感じる。そしてベーコンがまた実に素晴らしい! スモークしたオイルをマリネしてオーブンで焼いているので、甘みがありしっとり。直接燻していないので匂いも非常に優しく肉らしさも残している。

合わせたシャンパーニュは「ダニエル デュモン ブリュット グラン レゼルヴNV」。ピノノワールとシャルドネが半々くらいで、ほわっとした泡立ちと甘い香りが特長。最後の最後にかすかな酸味とフルーツの皮のようなビターな味わいを感じ、ピュアなホウレン草とほのかな燻製の香りをもつベーコンに寄り添って引き立たせる。

オープンして1カ月、まだまだ進化が止まらない。今はすべてが楽しめるコースだけだが、これからはニーズにあわせてシャルキュトリーと熟成肉、それぞれが中心のメニューも増やしていく予定だそう。
肉屋のシャルキュトリー、門崎熟成肉の塊肉、そして岩手の食材がひとつになって、“いわてと世界をつなぐ”壮大なプロジェクトを任された『格之進 Neuf』。その軌跡をともに見ていきたいと思った。


(メニュー)
ジョヴァンニコース/6,500円
カンパネルラコース/8,000円
シャトー・レ・ヴァロンティーン ル カプリス ド クレモンティーヌ ロゼ 2013/グラス800円
ドメーヌ・サン・プレフェール シャトーヌフ デュ パプ レゼルヴ オーギュスト ファヴィエ 2013/ボトル12,800円
ダニエル デュモン ブリュット グラン レゼルヴNV/ボトル 8,400円
※価格すべて税込
※季節や仕入れによってメニュー内容やワインなどに変動が生じることがあります

門崎熟成肉×岩手食財 格之進Neuf‐ヌッフ‐

住所
〒106-0032 東京都港区六本木7-17-19 FLEG六本木second2F
電話番号
050-3313-2594
営業時間
18:00~23:00(L.O.21:00)
定休日
毎週日曜日
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/kxpc2yj90000/

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