予約必須! 日本酒専門店『京橋もと』は究極の希少銘柄に出逢える日本酒の名店

日本酒の名店『京橋もと』をご紹介。コンセプトは「酒と料理」をしっかり楽しむ大人の隠れ家。70種類もの希少な日本酒を取り揃えている『京橋もと』はカウンターが中心。ふらりと立ち寄りたい人にも、しっかり日本酒を味わいたい人にもおすすめです。日本酒は珍しい銘柄がズラリ。一杯70mlと少量で供されるから、気になる酒は遠慮なく試してみよう。予約を推奨します。

2016年11月07日
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予約必須! 日本酒専門店『京橋もと』は究極の希少銘柄に出逢える日本酒の名店
Summary
1.予約困難の人気店『新橋もと』がリニューアル!日本酒の名店『京橋もと』
2.コンセプトは「酒と料理」をしっかり楽しむ大人の隠れ家
3.名コンビがペアリングをトータルプロデュース

東京・京橋の「猫ちゃん通り」に日本酒の名店がひっそりと佇む。予約が取れないとウワサの『新橋もと』が、さらに進化し京橋へ移転。駅から1分ほどというアクセス至便な立地に『京橋もと』が誕生したのだ。猫ちゃん通りという愛称で親しまれている裏路地には老舗が軒を連ねるが、その一角に『京橋もと』は店を構えている。

かけつけ一杯はのどを優しく潤す「美酒の設計」

70種類もの日本酒がひしめき合う冷蔵庫に背を向け、カウンターに腰かける。何だか恐縮してしまうほどに珍しい銘柄がズラリ。セレクトしてくれるのは、店主の鈴木隆之さん。さあ、腕のみせどころ。日ごとに変わるフルコースの献立と共に、今宵の出逢いに胸が弾む。乾杯の前に「鯖の棒寿司と蟹しんじょう」で、ひとまず腹ごしらえとしよう。

優しく締められた「鯖の棒寿司」は、鳴り止まないお腹を落ち着かせてくれる。ふたくちで食べ終わるのがもったいないほど濃厚で甘く、口に運ぶと芳ばしい香りが広がる。秋の夜長で冷えた身体を温めてくれる「蟹しんじょう」は癒しの一品。ぎっしりつまった蟹のうまみに柚子の香りが華やぐ。

先付けに合わせて嗜む一杯目は、秋田県産の純米吟醸「美酒の設計」(齋彌酒造店)。滑らかな飲み口に、しっかりとした米のうまみが感じられるのは、山田錦の中でも等級が高い“特等”米100%で造られているから。その名の通り、計算し尽くされた「美酒の設計」は、角のない優しい印象で肩の力を抜いてくれる。肝心の一杯目にもってこいだ。

続いて、海の恵み「牡蠣と海苔」と「やまとしずく」(秋田清酒)。こちらも圧巻のコンビネーション。思わず見とれてしまうキラキラとオーロラ色に輝くエチケット。そこには意味深にも「Type-K」と書かれている。本来のやまとしずくは出羽鶴蔵で醸造されているのだが、二十数年ぶりに刈穂蔵で仕込まれた遊び心ある貴重な限定ボトルである。「刈穂蔵の仕込み水は、水が硬いんです。雨水が貝殼のある地層を通過して、ミネラルやマグネシウムを多く含んでいるということなんです。そのミネラル感に、牡蠣と海苔を合わせてみました」と鈴木さん。

北海道仙鳳趾(せんぽうし)厚岸湾の牡蠣は、希少な酒に負けないほどの存在感ある一品だ。添えてある佐賀県有明海の干し海苔と一緒に食べると、ミルキーな牡蠣と海苔の食感が楽しい。そこでグラスをひと口。見事に濃厚さが増し、海の豊かな香りが口いっぱいに広がる。

大人の色気を感じるマリアージュ

次に、日本酒のラベルに筆記体がつらつらと並ぶ、まるでワインのようなボトルが登場。長野県にある小布施ワイナリーで造られた「ソガペール エ フィス サケ エロティック生酛 湯煎(瓶火入)ワイナリーの自家消費用sake」は、他では滅多にお目にかかれない希少な日本酒だ。「これはブドウ栽培の手が空くほんの数週間の冬に仕込んで湯煎した後、次の秋まで貯蔵しているんです。大正時代と同じ造り方で、70年くらい使っていないような古い酵母を使っていて、まさに原点回帰です」と造り手のすごさを語ってくれたが、1号酵母から6号酵母までマグナムボトルで仕入れている鈴木さんのこだわりにあっぱれだ。

究極の贅沢から生まれた酒には、ちょっぴりリッチな肴と合わせたい。「金目鯛と雲丹の山椒醤油焼き」は山と海の香りを一緒に堪能できるフェロモン満載の一皿。オーブンで焼いたキノコから抽出されただしの上で、丁寧に火入れされた金目鯛が泳ぐ。箸を通すたびに少しずつ金目鯛の脂がだしに溶けて、甘みがどんどん増していく。ウニも混ざっていよいようまみが最も濃厚になった瞬間、お猪口を口へ運ぶとピリッと電気が走る。散りばめられた山椒の辛味と酸をしっかりと感じる「ソガ ペール エ フィス」との相性は完ぺきだ。濃厚なうまみをすっきりと仕上げてくれる尾を引かない後味に、大人の色気を感じさせられた。

「あん肝の茶碗蒸し」は、都市伝説から名付けられたユニークな日本酒をお燗で楽しむ。茶碗蒸しをひとさじすくうと、海のフォアグラがたんまり。卵に包まれながら、ふわっと口の中でほどけるように消えてく。濃厚で甘いアンコウの肝は、まさに“呑む茶碗蒸し”。気づけばお猪口に手が伸びる。熱々の茶碗蒸しを邪魔しないよう、お燗でいただきたい。

「遊穂 純米吟醸 山田錦 玉栄55 H21酒造年度」は、UFOが出没するらしいことで有名な街、石川県羽咋(はくい)市で生まれた。遊穂(ゆうほ)とUFOでかけたというチャーミングな酒を生み出したのは、御祖(みおや)酒造の女性社長・藤田美穂さん。7年近く貯蔵されているのに主張しすぎず、燗酒にするとコクと酸がでてアンコウの肝に合う。「お燗ならこれ!」と、鈴木さんが満を持すのも納得の一杯だ。

希少銘酒はこうやって楽しもう!

今では日本酒を愛してやまない鈴木さんだが、日本酒との最初の出逢いは決して良い印象ではなかったという。「学生時代は一気飲みとかして、頭が痛くなったり気持ち悪くなったりして、当時の僕には辛い飲み物でした。そんな僕がここに立っていられるのも、日本酒好きの上司に出会ったことで、イメージがガラッと変わったからなんです」。今では利き酒師を取得している鈴木さん。日本酒の熱狂的なファンだけでなく、飲まず嫌いや初心者にも日本酒の新しい表情を知ってもらいたいと、仕入れは一切妥協しない。

これだけ珍しいものが揃うと飲みたいものがたくさんあって迷うはず。『京橋もと』では一杯70mlと少量で供されるから、気になる酒は遠慮なく試してみよう。愛山、雄町といった米の銘柄の違いや、山形県、広島県といった産地同士で飲み比べるもよし。食材と同じ産地の日本酒を合わせてみるのもよし。『京橋もと』だからこそできる飲み比べは、自分だけのペアリングを楽しめるからついつい飲みすぎてしまいそうだ。

ファンから愛される最強のコンビ

前店から引き続き、店を切り盛りする顔は変わらない。酒は鈴木さん、食事は料理長の上野智紀さんと完全分業の2人だが、あまりの息のぴったりさに常連さんから「恋人同士じゃないのか!?」と冗談を言われるほど。和食だけでなく西洋料理の経験も活かして作られている上野さんの料理は、枠にとらわれないから何度通っても飽きない。そんな料理長のことを鈴木さんは「おいしい空気をつくるエンターテイナー」と呼ぶ。

お客を喜ばせるために一切妥協しない鈴木さんの想いに上野さんも共感し、コンビを結成して早3年。場所が変わっても今まで通りシンクロする2人が温かく迎えてくれるから、暖簾をくぐるとほっとする。

【メニュー】
もとコース 7,000円(お酒を楽しみたい方向け。軽めのコース)
おすすめコース 9,000円(〆の食事まで付いた充実コース)
日本酒 グラス一杯70ml 600円〜900円
※価格は全て税込

MOTO TOKYO

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東京都中央区八重洲2-2-1 東京ミッドタウン八重洲3F
電話番号
03-6910-3877
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