【レシピ初公開】パン好きの憩いの場『パーラー江古田』に大人気キッシュの作り方を訊いてきた

2016年12月21日
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【レシピ初公開】パン好きの憩いの場『パーラー江古田』に大人気キッシュの作り方を訊いてきた
Summary
1.『パーラー江古田』創業当時から人気のキッシュレシピを公開
2.生地は全粒粉を混ぜることでサクサクの食感に
3.じんわりうまみを感じるアパレイユの隠し味はドライトマト

パン好きが集う憩いの場『パーラー江古田』

西武池袋線の江古田駅から徒歩10分ほど。駅前の商店街を抜け、小学校の隣にぽつんと立つ『パーラー江古田』。店主の原田浩次さんがこの店をオープンしたのは10年前のこと。

原田さんはここ江古田で大学時代を過ごした。海外に興味があったため、ちょうどその頃システムが整ったワーキングホリデーに目を付け、休学して1年間オーストラリアへ。帰国して卒業し、さてどうしようと考えた時、人が集まる場所が好きだから、カフェをやろうと考えた。

世はまさにカフェブーム。会社員をしながら日々カフェをめぐり、やがてとあるパン屋のカフェ部門の立ち上げに携わることに。そこで働くうち「人が集まる場にはパンがあったほうがいいな…」そう確信し、ほぼ独学でパンづくりを学んでいった。そして一方、旅行でイタリアのバール、沖縄のパーラーといった、朝から晩までご近所さんで賑わう店の業態に触れ、自分がやりたかったのはこれだ、と具体的なプランを固めていった。

場所は、馴染みのある江古田。そして名前は、大好きな沖縄と同じ「パーラー」にしよう。
物件を見つけるとそこに住み込み、セルフリノベーションで店に仕立てていった。
「心地よさ」を追求した結果、人の手に馴染んだもの=古材やアンティークの家具などを多用し、組み合わせに原田さんの独特の個性がちらりと感じられるインテリアになった。

店内には原田さんが国産小麦粉と自然酵母で焼くパンが並び、朝はコーヒー、昼はサンドイッチ、おやつ休憩にも使え、夜はワインとチーズ。いろんな人が色んな目的で利用できるこの店は、ご近所さんのみならず、多くの人々の心をつかみ、今や遠方からも『パーラー江古田』を目指してくるお客も増えた。

オープン当時から人気! キッシュのレシピを特別に公開

そんな『パーラー江古田』でオープン当時から人気なのがキッシュ。
サクサクと歯応えも楽しい生地にしっとりしたアパレイユが特徴で「だしの利いた茶碗蒸しをイメージした」と言う原田さんのキッシュは、ひと口かじれば優しいうまみが口いっぱいに広がる、じんわり身体に染み入る一品。このうまみは何のうまみだろうと思ったら、なんとドライトマトだという。

たとえばキッシュの代表格「キッシュロレーヌ」というと、ベーコンの塩味が利いて、それを支える生地のバターの重厚感を思い起こさせるが、そういったボリューム感はない。お店同様、なにかひとつの具材や味わいが突出しているのではなく、全体の調和がとれていて、気が付いたらひとつ食べ終えていた、といった雰囲気の、そう、スナックのような位置づけだ。

朝も、昼も、夜も、コーヒーにも、ジュースにも、ワインにも合う。私たちの毎日に寄りそうキッシュのレシピを伝授してもらった。

■「ほうれん草とリコッタチーズのキッシュ」の作り方

■材料(12cm型1台分)

<生地>
・塩 … 2.5g
・[A]薄力粉(ふるっておく) … 100g
・[A]強力粉(ふるっておく) … 25g
・[A]全粒粉 … 25g
・無塩バター … 75g
 (1cm角にカットして冷やしておく)
・水 … 38cc

<アパレイユ>
・[B]全卵 … 225g(Mサイズ4個分)
・[B]牛乳 … 113g
・[B]生クリーム(35%) … 113g
・[B]塩 … 2g

<自家製リコッタチーズ(※)>
・[C]牛乳 … 1L
・[C]塩 … 2g
・[C]レモン汁 … 30g
 
<キッシュ具材>
・ドライトマト … 22g
 (フードプロセッサーでペースト状にしておく)
・ホウレンソウ … 220g(約1把)
 (一口大にカット、オリーブオイルでソテーしておく)

<仕上げ>  
・グリュイエールチーズ … 20g

(※)本来のリコッタチーズは南イタリア原産のフレッシュチーズでモッツァレッラチーズを作る過程で出たホエイから作られるチーズのこと。ここではパーラー江古田自家製のチーズのことをそう呼んでいる。

1.生地の下準備をする(前日準備)

① [A]をすべて合わせて塩を加え、バターと共にフードプロセッサーにかけてぼそっとした粉状になるまで回す。
<POINT>
生地がだれてしまうので、バターは冷蔵庫から出したてを冷えたまま使うこと。

② 生地をボウルに出して水を加えて手でひとまとめにし、ラップで包んで冷暗所で一晩寝かせる。
<POINT>
生地を練るとグルテンが出てしまい、サクサク感が出なくなってしまうので、生地は“練る”のではなく、“まとめる”ことを意識して扱うこと。

2.アパレイユの下準備をする(前日準備)

③ 卵をボウルに割り入れ、なめらかな卵液になるまで溶きほぐし、塩を加えてさらに混ぜる。牛乳と生クリームを合わせてボウルに少しずつ加えていく。
<POINT>
卵液に牛乳、生クリームを加える時は、卵液を伸ばすイメージで、少しずつ馴染ませながら加える。

④ ③を濾し器で濾して、ラップをかけ、一晩冷蔵庫で寝かせる。

3.生地を空焼きする(焼き上げ当日)

⑤ 生地を冷蔵庫から出して円形になるように伸ばしていく。
<POINT> 
生地を伸ばす時は内から外へと広げるように伸ばしていく。

⑥ 厚さが2~3mmになったら生地を四つ折にして、型の中心に生地の鋭角を当てて位置を決める。

⑦ 生地を広げて縁に沿うように伸ばしていく。縁の上部の余った部分は切り取らずに押し込んでいく。
<POINT> 
アパレイユが流れ出ないよう、隅々までしっかりと敷き込む。

⑧ 底面の生地にフォークの先を刺して等間隔で10数カ所穴を開け、ラップをかけて冷蔵庫で3~4時間から一晩寝かせる。

⑨ 冷蔵庫から出した生地の内側にオーブンシートを敷き、その上にタルトストーンを敷きつめ、200℃に予熱したオーブンで20分焼く。いったんオーブンから生地を出し、オーブンシートとタルトストーンを取り除いてから内側の底面に溶き卵(全卵1個分、分量外)を塗り、さらに3~4分焼く。
<POINT> 
タルトストーンを冷たいまま生地に敷きつめて焼くと温度が上がりにくいので、耐熱容器などに入れ、予熱時にオーブンで温めておく。

4.リコッタチーズを作る

⑩ [C]の材料をすべて鍋に入れて混ぜ合わせ、弱火にかけ、時々鍋底をヘラですくい上げるようにして混ぜる。乳固形分と水分が分離したら火を止め、ザルで漉す。
<POINT> 
弱火にかけて15分位経つと水分と乳固形分に少しずつ分離してくる。はじめ水分は白濁しているが、やがて透き通ってくるのでそのタイミングで火を止める。

5.具材とアパレイユを合わせる

⑪ ⑩のリコッタチーズが熱いうちにボウルに入れ、ペースト状にしたドライトマトを加えて混ぜ合わせる。

⑫ ホウレンソウを手で軽く絞り、ソテーをして出た水分を少し取り除いてから⑪と混ぜ合わせる。
<POINT> 
ここで大切なのは、具材の水分量。ホウレンソウを加えて混ぜた時、白和え程度のゆるさになっているのが目安。

⑬ ⑫に③のアパレイユを加えてさっくり混ぜ合わせ、空焼きした生地⑨の縁いっぱいまで流し込む。
<POINT> 
具材がバランスよく散らばるようにする。

⑭ オーブンを160℃の予熱にする。⑬のキッシュにグリュイエールチーズをおろしかける。
<POINT> 
水蒸気でふっくら焼き上げるイメージなので、庫内に水蒸気を生じさせるよう、オーブンを予熱する時にコップ一杯分の水を入れておく。

6.キッシュを焼き上げる

⑮ 160℃のオーブンで75分~80分程度焼き、焦げ目がしっかり付いたら網の上などに取り出し、粗熱を取る。
<POINT>
冷めるにつれてふっくらと立ち上がっていた生地が徐々に落ち着いてくる。

⑯ 粗熱がとれてからカットし、皿に盛り付ければ完成。

低温で蒸し焼きにすることで、しっとりとジューシーに仕上がったアパレイユ。ドライトマトをペースト状にして混ぜ込むことで、じんわりと感じられるうまみ。イチから手作りするリコッタチーズ。一つひとつの工程を丁寧に手間をかけて作り上げている分、そのおいしさは想像をはるかに超えてくる。ひと口食べれば、その心地よい味わいの虜になるはずだ。

取材・文/亀山小絵子、写真/吉田朱里

パーラー江古田

住所
〒176-0000 東京都練馬区栄町41-7
電話番号
03-6324-7127
営業時間
8:30~18:00(L.O.)
定休日
火曜日(GW・盆時期・年末年始は要問合せ)
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/jksrghpx0000/
公式サイト
http://parlour.exblog.jp/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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