鯛とアサリのうまみがたっぷり! お米料理専門店『アロセリア ラ パンサ 』で絶品パエリアに舌鼓

2017年02月22日
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鯛とアサリのうまみがたっぷり! お米料理専門店『アロセリア ラ パンサ 』で絶品パエリアに舌鼓
Summary
1.日本初のアロセリア(米料理専門店)を作った岡本ビクトル栄氏が満を持して新店をオープン
2.汁あり、汁なし? パエリアに種類があるなんて!
3.郷土料理と洗練されたオリジナル料理でスペイン料理の奥深さを堪能

さすが日本初のアロセリア、パエリアは別格のおいしさ!

代官山で賑わいをみせる日本初のスペイン米料理専門店『アロセリア サル イ アモール』ができたのは2012年。その時から良い物件があればすぐにでも次の店をオープンしたいと思っていたオーナーの岡本ビクトル栄氏の新店がついに誕生した。

代官山同様、アロセリア(米料理)を中心にスペインの郷土料理、そこに今回新しくシェフに就任した、小林 悟シェフの修業先であるラ・マンチャやバスクの郷土料理が楽しめる。カジュアルと洗練を持ち合わせた料理とともに陽気で活気のある空気感を味わえるスペイン料理としては、斬新なコンセプトの店が誕生した。

ビクトル氏がアロセリアに特化したのは単純にパエリアが好きだから。スペインではパエリアを食べるならアロセリアに行くというくらいポピュラーなのに、まだ日本にはなかったというのも理由のひとつ。米と具材を入れて炊くだけに思えるが実は難しい料理なので、スペインではアロセリアが流行るのだ。

まだあまり知られていないがパエリアには汁気のあるものとないもの、そしてパスタを使ったものがあり、日本でよくあるのは汁気のないものだ。実は種類も様々あり、鶏肉、ウサギ肉、ガラフォン豆、モロッコインゲン、トマトが入っていなければならない「バレンシア」というトラディショナルなパエリアもあれば、店のオリジナルのものもある。汁気のあるなしや具の組み合わせはレストランのセンスということ。この店が人気なのはこのセンスがあるからだろう。

例えばこのバスク地方の「アサリの白いパエリア」。米どころのバルセロナやカタルーニャ地方のものは比較的どこでもいただける。でもこちらのようにバスクの米料理も食べられるのはスペイン料理好きにはたまらない。入っているのは米とアサリとパセリとニンニクのみ。だからこそ大事なのは鮮度の良い食材と鯛で取っただしだと言う。パセリはハーブ専門の農園から仕入れたもので香りが高く、鯛とアサリから出ただしをたっぷり吸った米は奥深い味わい。

超シンプルなだけにシェフの真価が問われる料理であるが、日本に住むスペイン人も舌を巻くおいしさで評判となっている。

もうひとつのパエリア「魚介のメロッソ」。メロッソとは「汁気のある」という意味。こちらは対照的に手長エビ、ムール貝、イカ、エビ、アサリ、鯛といった魚介のだしと共に炊き上げる。特筆すべきは「ニョラ」という乾燥ピーマン。スペインではポピュラーだが日本では馴染みのない食材。しかしこれが独特の香りを持ちスペイン料理にとって重要な食材なのである。現地に行かないと使い方がわからなかったというシェフ。ひとあじもふたあじも違うのは見えない食材からでる賜物なのだろう。

ビクトル氏にこのパエリアにあうワインを選んでもらう。同じくスペイン・ペネデスの「プリンシピア・マテマティカ 2015」は添加物をできるだけ使わない比較的ナチュラルな造り方で、ピュアでフレッシュな果実味とコクがあり非常に飲みやすい。サフランや魚介の香りがあるパエリアにそっと寄り添うタイプ。ワインは数本しかないヴィンテージものからリーズナブルなテーブルワインまで幅広く取り揃えている。

汁気のあるパエリア、ないパエリア、それぞれ個性があり迷ってしまう。さらに底の深い鉄鍋で作る「カルデロ」や、「フィデウア」というパスタ(フィデオ)を使ったパエリアもあり奥の深さに驚かされる。具材の組み合わせも変幻自在、アロセリアって本当に楽しい料理だ。

郷土料理とオリジナル料理で味わう本物のスペイン料理

この店の3つの主軸料理の1つめのパエリアは堪能したので、2つめ“スペインの郷土料理”と3つめの“小林シェフのオリジナル料理”をオーダーする。

郷土料理には「ハチノスの煮込み(カジョス)」を選んだ。作る人の分だけ作り方があると言われる「カジョス」。シェフが今まで食べた中でいちばんと言う修業先であったカスティーリャ・ラ・マンチャ州イジェスカスのミシュラン一つ星『エル・ボイオ』のものをイメージした。ハチノス、豚足、チョリソー、野菜、パプリカパウダーが入ったマドリードの郷土料理はピリッとした刺激とコクがあり、しっかりと味が付いている。丸一日かけてじっくり煮込むので、少しおくと膜が張るくらいゼラチン質がたっぷり。

それにしてもいろいろな味が交錯するものだ。これだけ食材が入っているのでわからなくもないが、他にも秘密が隠されているのではと訊いてみると、なんとひよこ豆を香り付けのためだけに入れているそうだ。隠し味というにはレベルが高過ぎる。本当に食材のうまみを存分に味わえる料理だ。

小林シェフのオリジナル料理からは「小ヤリイカの鉄板焼きとイカのコロッケ イカスミソース」を。シェフのもうひとつの修業先バスク地方の『アスルメンディ』で提供していた鮮度の良いイカを焼いてイカスミを敷いていた料理をヒントにして作ったそう。

まずは気になる黒く丸い物体が何かを確かめてみる。なんとコロッケだ。しかも経験したことのない味わい。シェフにレシピを訊ねるとイカのワタを炒めて水と白ワインを入れてだしを取り、そのだしを牛乳で割ってベシャメルソースを作りコロッケにするそうだ。最後にイカスミを混ぜたパン粉をまぶして揚げる。これだけ手間暇かけた主役級の料理を付け合わせにするとは! 焼いたイカはどうだろう。驚くほどやわらかくほんの少しの塩とニンニクオイルでつけた味がたまらなくおいしい。そこにイカスミソースをつけてみる。ほんのり甘く、これもまた格別だ。この甘みは紫玉ねぎを使うバスク地方独特の味付けなのだそう。真っ黒で地味なイカの墨煮の概念が覆されたひと皿である。

どちらもワインがすすむ料理だ。こうやって並べてみるとまったくスタイルが違うので面白い。郷土料理とオリジナル料理、そしてパエリアを頼めばこの店の醍醐味を十分に堪能できるであろう。

現地で修業したシェフが目指す料理とは?

スペイン料理ひと筋の小林シェフ。でもここまでになるにはなかなかの苦労があった。学生時代のアルバイトでスペイン料理に出逢い魅力に取り憑かれていく。知れば知るほど面白いと今でこそ思うが7〜8年前はまだ日本にはアヒージョやパエリアなど一般的な料理しかなく飽きた時期があった。

ちょうどその頃、「分子ガストロノミー」を世に知らしめた『エル・ブリ』が流行り、スペイン料理の幅広さを知る。それならばすべてを学ぼうとスペインへ修業の旅に出る。しかしビザがなかなか取れず外国人がレストランで働くのは非常に難しかった。ツテもなかったので履歴書を持って働きたいレストランの門を叩いたが全滅。途方にくれるが、たまたま知り合った日本人に『エル・ボイオ』を紹介してもらってから道が開けた。郷土料理をベースにしつつレストランスタイルの皿も提供するこの店での経験がシェフに大きな影響を与えたのだ。実はスペイン料理の世界では郷土料理からガストロノミーまで作れる幅広い技術を持つ料理人は少ないのだそう。

シェフは言う。“おいしい”、これがいちばんなのだと。技巧にとらわれ味が追いついていない料理ではなく、おいしくてかっこいい料理を目指す。いつかそんな料理の数々がこちらに登場するのが楽しみである。

“活気がある店”、本当に素晴らしい言葉だ。あっという間に予約が取れなくなるだろう。その前にぜひ訪れたいものだ。

(メニュー)
ハチノスの煮込み/1,400円
小ヤリイカの鉄板焼きとイカのコロッケ イカスミソース/1,600円(季節により変動あり)
アサリの白いパエリア(2人分)/3,100円
魚介のメロッソ(2人分)/3,800円
※パエリアは2人分よりオーダー可能
ペネデス プリンシピア・マテマティカ(ボトル)/6,700円
※価格すべて税別

アロセリア ラ パンサ

住所
〒104-0061 東京都中央区銀座1-15-8 耀ビル1F
電話番号
03-6228-6793
営業時間
17:00〜23:30(L.O.23:00)定休日 日曜
公式サイト
http://la-panza.com

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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