前菜からピクニック気分になれる!? ワクワク感がたまらない、魅惑のフレンチがここだ

2017年09月23日
カテゴリ
レストラン・ショップ
  • レストラン
  • 神戸
  • フレンチ
前菜からピクニック気分になれる!? ワクワク感がたまらない、魅惑のフレンチがここだ
Summary
1.惜しまれつつも閉店した『レストラン ペルージュ』の跡地に誕生したフランス料理店
2.ピクニック気分を味わえる前菜に、スタートから驚き!
3.サプライズ感だけでなく、懐かしさを感じられる味わいのある魅惑のメニュー

神戸・ハンター坂の『ぺルージュ』跡にオープン

JR三ノ宮駅、阪急電鉄神戸三宮駅より北へ徒歩7分。2017年7月28日、神戸・ハンター坂にフランス料理店『cuisine Filer(キュイジーヌ フィレール)』が誕生した。

同店が佇むのは、惜しまれつつも閉店した『レストラン ぺルージュ』の跡地。『ぺルージュ』とは、今もなお語り継がれる神戸・北野の名店『ジャン・ムーラン』でスーシェフを務めた栗岡敦さんが、2001年に独立開店したフランス料理店だ。日本の四季折々の厳選素材を使った正統派のフレンチが、約17年もの間、地元の神戸っ子はもとより、数多くの食通たちを唸らせてきた。

新たに誕生した『キュージーヌ フィレール』のシェフとなるのは大町誠さん。18歳の時にフランス料理界の「ダ・ヴィンチ」と称される故アラン・シャペル氏の元で働いていたシェフ(友田誠樹氏)に師事。その後は、神戸や東京の名店で腕を磨いてきた。

そして26歳で三宮に『フレンチレストランバール アンブラゼ』を開業、31歳の時に『フレンチバール・レストラン アンティーク』としてリニューアルオープンをしたキャリアを持つ。

大町シェフは20歳の頃から栗岡シェフと親交があり、2016年に栗岡シェフが引退するにあたって、思いを受け継ぎ店名を変更して跡地に移転することを決めたという。

店名に込めた「紡ぐ」想い

「店名の“フィレール”とは、フランス語で“紡ぐ”という意味。これまでの人とのつながりやこれから出逢う人たちのご縁、神戸のフレンチを代表する場所を受け継ぎ、大切に育てていこうという想いを込めて名付けました」と大町シェフは熱き思いを語る。

ペルージュの面影を残しつつ、テーブルセットなどは大町シェフの作る料理に合わせて新調。店内はベンチソファ10席、カウンター2席、半個室4席を用意し、アットホームな雰囲気が漂う空間となっている。

「受け継いだものを壊さずに、どう自分たちの世界観を表現していけばいいのか」と、オープンにあたって悩んだ大町シェフ。「考え抜いた末、おいしい料理を提供するのはもちろんですが、レストランとしてのワクワク感、そして日本人であることを忘れない、ということをコンセプトにしました」。

例えばコースの一皿一皿の中には、おどろく仕掛けやサプライズを用意。また、ダシに昆布や鮎の魚醤のエッセンスを加えるなど日本らしさを織りまぜ、ホッとしたり懐かしさを感じてもらえるような味に着地するようにしているという。

フランス料理店でピクニック気分!?

では、付き出し、野菜、魚料理、肉料理、〆ごはん、デザート、お茶菓子、食後のコーヒーまたは紅茶で構成されるディナーのフルコース「ムニュフィレール」の中からピックアップして、『フィレール』の世界観を紹介していこう。

今シーズンのテーマは「ピクニック」。「森の中でごはんを食べる気分を味わってほしい」と、シェフが自らハンドメイドした鮮やかな芝生を模した台の上には、これまたシェフお手製の丸太が並び、その上に3種の前菜がのせられているビジュアルに思わず目が引き寄せられるスターターとしての役目は抜群だ。

丸太の上に乗った器に入っているのは「鴨とフォアグラのパテ」(写真上)。鴨とフォアグラを合わせて仕込んだねっとり濃厚な味わいに、お酒もつい進んでしまう。パテの付け合わせはキュウリのピクルスが一般的だが、こちらではミョウガを使用。爽やかな味わいが食欲を刺激してくれる。

蓋付きの器の中身は、サンマのコンフィ・肝のソース・リエットが3層仕立てになった「サンマパイ」(写真左)。スプーンに乗せられている「クスクスのガレット」(写真右)は、クスクスの表面を焼いてガレット状に仕立て、ウニをトッピングした一品。カリカリとした食感と、ウニのねっとり感との対比や、磯の香りが漂うウニの濃厚な味わいに魅了される。

「フランスではビストロのおかずを、ピクニックに持って行くことも多いので、そんな食文化も味わっていただければと思います」(大町シェフ)。

どこか懐かしい、日本人らしいエッセンスも

魚料理「ボンレスハモ 玉葱 赤紫蘇“鱧鍋”」(写真上)、日本料理のハモ鍋をモチーフにフレンチ風にアレンジした料理だ。ハモと大量の玉ネギでとっただしを寒天で固めたジュレの上には、肉厚のボンレスハモが重ねられている。

ハモは150本程度ある骨を1本1本ていねいに骨抜きすることで、まるでウナギを思わせるようなむっちりとした肉厚の食感を表現。トッピングされた玉ネギやラディッシュのピクルス、ライムのドレッシングをかけた水菜のリーフと一緒に食べると、口いっぱいに広がるさっぱりとした後味が魅力だ。皿の上で水玉模様を描くのは赤しそソースと、ハーブのオイル。2種類のソースに付けて、味の変化を楽しみながらいただきたい。

肉料理は、愛知県三河産の山吹ウズラを使用した「山吹ウズラのYAKITORI仕立て」(写真上)。フォアグラ入りのモモ肉のつくね、ムネ肉、万願寺トウガラシ、しいたけを別々に低温調理して串に刺した焼き鳥スタイルの一皿だ。焼き鳥のタレのようにフルーティに仕上げたマンゴーチャツネのソースは、オリエンタルなムードを漂わせる。

スペインやフランス・バスク地方の唐辛子エスペレットや、炭で焦がしたネギパウダーが添えられているので、苦みや香ばしさを加えて、立体的に味わえるのも楽しい。

デザートの「ウフ・ア・ラ・ネージュ」(写真上)は、卵白で作る淡雪のような口どけのフランス菓子の定番を、軽やかにアレンジしたもの。残暑から初秋の気候に合うようにと、トマトのジャム、オレンジ、バジルのソルベが添えられ、爽やかかつ洗練された仕上がりとなっている。

ディナーは「ムニュフィレール」(5,000円)、「ムニュナチュール」(8,000円)の2つのフルコースのほか、短時間で気軽に楽しむコース「ムニュプティ」(4,000円)、内容をシェフと相談できる「ムニュスペシャリテ」(12,000円※3日前までに要予約)がスタンバイ。ランチは、季節の食材を楽しむコース「ムニュセゾン」(2,900円)をはじめ、「ムニュフィレール」も注文することができる。

「『フィレール』らしさを追求して、神戸フレンチを盛り上げていきたいですね」とこれからの抱負を語る大町シェフ。名シェフが築いてきた想いを受け継ぎ、新たな神戸フレンチを作り上げてくれるに違いない『キュイジーヌ フィレール』の世界を、ぜひ味わってほしい。

【メニュー】
ランチ ムニュセゾン 2,900円
ランチ ムニュフィレール 5,000円
ディナー ムニュフィレール 5,000円
ディナー ムニュナチュール 8,000円
ディナー ムニュプティ4,000円
ディナー ムニュスペシャリテ(お客様と内容をご相談コース) 12,000円 ※3日前までの要予約

cuisine Filer(キュイジーヌ・フィレール)

住所
〒650-0004 兵庫県神戸市中央区中山手通1-27-11 マーツハイム1F
電話番号
078-242-4188
営業時間
12:00~14:00(L.O.)、17:30~21:00(L.O.)
定休日
月曜
公式サイト
https://www.facebook.com/cuisinefiler/?ref=page_internal

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。