「決してチキンは揚げない。」で急成長! 健康志向で大人気のカジュアルフード店

【連載】NYスタイル、進行形  世界最新の食トレンドを生み出し続ける、ニューヨーク。日々新しいスタイルが提案されるこの街で、生き残るのは至難の技。そんなニューヨークのトレンドに敏感な街の「賢人」の琴線に触れた店とは?

2017年10月29日
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「決してチキンは揚げない。」で急成長! 健康志向で大人気のカジュアルフード店
Summary
1.フライドチキンはご法度。健康志向だが腹もちするメニューが、男性ビジネスマンに人気
2.創業から4年あまりでニューヨークに4店舗を展開
3.メインのチキン料理と、野菜や穀類がたっぷり摂れるスタイル

若年層のニーズにマッチしたカジュアルフード店

アメリカで、チキンと言ってまず思い浮かぶのは『ケンタッキーフライドチキン』に代表される「フライドチキン」だろう。たとえば、ハーレムには個人経営のフライドチキン店が点在し、ハーレムにある人気ソウルフードレストラン『シルビアズ』の名物メニューもフライドチキン。フライドチキンは、アメリカ人にとってソウルフードの1つなのかもしれない。しかし、アメリカ市場において非常に重要な市場になっているミレニアルズ、すなわち1981年または1982年から2000年前後(1997年までという定義と2004年までという定義がある)に生まれた世代は健康志向が強く、昔ながらのフライドチキンチェーン店にソッポを向くようになっている。

そうしたなか『フィールズ・グッド・チキン』は、チキンに焦点を当てながら「揚げたチキンは決して扱わない」をモットーとした新興ファストカジュアルフードチェーンだ。創業者のフィールド・フェイリング氏はコーネル大学でMBAをとった後、ホテル、レストラン、金融を転々としながら経験を積み、2012年9月に『フィールズ・グッド・チキン』を創業した。創業から4年あまりでマンハッタンで4店舗を展開する急成長ぶりは注目に値する。

サイクリングとスキーが趣味のフェイリング氏は、おいしくて栄養があっておなかがいっぱいになる食べ物が少ないと不満をもっていたという。スポーツマンなら、たんぱく質も十分に摂りたいに違いない。そこでチキンを主役にしてローストやグリルで調理し、キヌアや玄米、オリーブオイル、アボカドなどと組み合わせ、バターとクリームは使わないヘルシーメニューを揃えた。

チキンにヘルシーな食材をたっぷり添えて

自分で好きなチキンと具を選んで独自の組み合わせをオーダーすることもできるが、既存のメニューの中で一番人気が高いのは「ブエノ・ボウル」(写真上)。グリルしたチキンに玄米、ブラックビーンズ、グァカモレなどが入り、メープルチポートルソースをかけたメキシカン風だ。

「ザ・グッド・ボウル」(写真上)も人気メニューの1つ。やはりグリルしたチキンにキヌア、カボチャ、ケール、玉ねぎ、クランベリー、チェダーチーズ、カボチャの種が入っている。いずれも、これだけでおなかが一杯になるくらい食べごたえがある。

ビジネスマンが多い地域で人気

『フィールズ・グッド・チキン』はウォール街に1号店をオープンし、その後もオフィス街にオープンしている。チキンが必ず入っていて腹もちがいいからか、男性客が目立つ。そして、出てくるのが早い!オーダー後あまり待たずに受け取れることも、忙しいビジネスマンが多い地域で人気を維持する重要なポイントだろう。

『フィールズ・グッド・チキン』はブランディングも上手だ。外観からトイレの壁紙に至るまで、イメージカラーの明るいオレンジとチキンの足マークが使われている。自転車を壁にかけているのも、『フィールズ・グッド・チキン』の特徴だ。グランドセントラルステーションの近くにあるミッドタウン店には、サイクリングをイメージした美しい写真もディスプレイ。ニューヨークは自転車に乗る人が多いので、ライフスタイル的にも共感を得やすいイメージなのかもしれない。


【メニュー】
ブエノ・ボウル $10.50
ザ・グッド・ボウル $11.45

FIELDS GOOD CHICKEN(フィールズ・グッド・チキン)Midtown

住所
26 East 40th Street New York, NY 10016
電話番号
212-997-1272
営業時間
11:00~22:00
定休日
無休
公式サイト
https://www.fieldsgoodchicken.com/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。