東京でビール醸造体験ができる! 板橋『トウキョウエールワークス』がクラフトビール好きにおすすめな理由

2018年08月22日
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東京でビール醸造体験ができる! 板橋『トウキョウエールワークス』がクラフトビール好きにおすすめな理由
Summary
1.誰でもオリジナルのクラフトビールが造れる醸造所が板橋にオープン
2.併設のパブでは、ビアコーディネーターによる料理とビールの絶妙なペアリングが楽しめる
3.同じ建物内には、試飲ができるウイスキー専門店やワインビストロも!

ビールラバー歓喜! オリジナルクラフトビールが作れる醸造所がオープン

欧米では家庭で気軽にクラフトビールを醸造する「ホームブリューイング」が盛んだが、残念ながら日本では度数1%以上のアルコールを自宅で醸造することは違法とされている。そんな中、2018年5月、板橋に自分でオリジナルのクラフトビールが造れる醸造所『TOKYO ALEWORKS (トウキョウ エールワークス)』がオープンした。

いったいどんなシステムで、どこまでオリジナルを追求できるのか。確かめるべく、醸造所『TOKYO ALEWORKS』が入っている施設、「Itabashi Cask Village(イタバシカスクビレッジ)」に向かった。

「板橋カスクビレッジ」があるのは、JR埼京線板橋駅、東武東上線下板橋駅からそれぞれ徒歩3分のところ。上の写真右側が醸造所『TOKYO ALEWORKS』、左が併設のパブ『IBU(Itabashi Brewers Unit)』だ。
「板橋カスクビレッジ」は上記施設を始め、現在4店舗が出店している。

ビール工場と同じ設備で、スペシャリストがビール造りをサポート

醸造所の仕込みタンクは、20Lが4基、60Lが1基。一般的なブルワリーのタンクと比べるといかにも小ぶりに見えるが、アメリカ最先端の醸造技術を備えており、大きなビール工場と同じ設備をそのままスケールダウンしたものだという。

ビール醸造体験参加者のサポートをする案内役および品質管理責任者の、ボブ・ストックウェルさん(写真上・左)と、醸造体験アドバイザーのランディー・カーンクロスさん(同・右)。彼らが醸造に立ち会い、品質管理に伴う詳細な報告書を管轄の役所に提出することで、法律的な問題をクリアしている。

2人ともニューヨーク出身で、もともとはベテランのウイスキー職人。ともに日本に来て長く、日本語は堪能なのでご安心を。

ボブさんは、スコットランドで4カ所のモルトウイスキー蒸留所と日本のクラフトビール醸造所を経験してきた、いわば「麦のお酒」のスペシャリスト。気取らずサービス精神旺盛、かつトークも達者なので、楽しみながら醸造できること間違いなし。

モルト(麦芽:アルコール、色、香りや味わいの素となる)やホップ(ツル性の植物で球花という花の部分を使う:ビール特有の苦みや香り、泡立ちを加える)はそれぞれ20種類ほどをストックしていて、取り寄せも可能。ここで作れるクラフトビールのレシピは100種類以上あるという。

ビール造りは”洗浄と殺菌”の連続

ボブさんによると、ビール造りは”洗浄と殺菌”の連続。雑菌が入らないようにするのが最大のコツなので、向いているのは細やかさのあるきれい好きな人とのこと。

「でもおおらかな人は、なぜかIPA(ホップを多量に使う苦みの強いビール)を造るのがうまいんですよ! レシピにない独特のタイミングで素材を組み合わせたりするのが上手いようです(笑)」(ボブさん)。

とはいえ、貴重な機会に失敗したくないという人は多いはず。作りやすいビール、難しいビールはあるのか、ボブさんに聞いてみた。

「黒ビールタイプはレシピがシンプルで、濁りやロースト臭が出てしまっても濃い色や味に紛れてわかりにくいので、まず失敗することはありません。最も難しいのは、実は大手ビール会社が作っているような、ふつうのビール(ピルスナー)なんですよ」。

▲熟成中のビールを取り出し、pH(水素イオン指数)を計測しているランディーさん

▲熟成途中のビールを試飲。雑味は少々あるが、麦そのものの香りが濃厚

レッスン時間は10時半に開始してだいたい15時くらいに終了する予定だそう(オリエン、ランチタイム含む)。醸造体験の参加費用は、1レッスンにつき20L醸造プランで39,800円。1基のタンクにつき最大5名までレッスン参加が可能なので、5名で参加すれば1人8,000円ほどとなる。

20Lタンクを使用した場合、1回の醸造で330mlの小瓶が約48~50本分造れるので、グループで参加して分け合うのもいいかもしれない。醸造体験後約1カ月でビールの受け取りが可能だ。

ビアコーディネーターによる、料理とビールの絶妙なペアリングが楽しめる『IBU』!

醸造所に併設されているパブ『IBU(Itabashi Brewers Unit)』は、一足先の2017年12月20日にオープン。カウンター席が14席、テーブル席が34席。
広々していて窓が大きく、ビールを飲むのにぴったりの解放感である。

ここ『IBU』では、各ジャンルのスペシャリストによる逸品が楽しめる。

店長の高野恭平さん(写真上・右)は割烹料理の板前として10年のキャリアを持つ気鋭の料理人。
副店長の江口奈々さん(同・左)はビアコーディネーター、ビアテイスターの資格を持ち、ビール醸造も手掛けるビールのスペシャリスト。
ほかにも、フレンチ・イタリアンで20年以上の経験を持つシェフもいる。

カウンター前にはビールのタップが並んでおり圧巻である。全部で22タップあるが、これから醸造所で作られるオリジナルビール用のものもあり、通常は12~14タップを使用している。

こちらは「ぬか漬け盛り合わせ」(写真上)。サラダと漬物の中間のような、絶妙な漬け加減が楽しめる。江口さんたちが自ら栽培している板橋産の野菜が多いので、新鮮さは保証付き。その野菜のうまみをダイレクトに感じることができる。

合わせるビールは、「ヴァイスビア・ヘル」(写真上)。ドイツ語で「白」を意味する「ヴァイス」の名の通り、小麦を醸造した白濁系のビールのこと。

「どんな料理にも合う」という江口さんの説明どおり、柔らかな味わいで料理の味を引き立てている。昼飲みにもぴったりな軽さのあるビールだ。

店長の腕が光る、「こだわり逸品の盛り合わせ」

「こだわり逸品の盛り合わせ」(写真上)は、その日によって内容は異なるがこの日は以下7品。

写真上・奥から時計まわりに「鶏ひき肉 味噌 松風焼き」「ローストビーフ」「茨城・奥久慈の厚焼き玉子」「シマアジの南蛮漬け 黄身酢かけ」「梅の甘露煮」「新玉葱とモルトの天ぷら」「黒胡麻豆腐 べっこう餡ジュレがけ」(写真上・中央)。

割烹出身の店長が作っているだけあり、どれも“ビールのおつまみ”の域をはるかに超えた本格和食の味。特に驚いたのは、醸造所でビールをろ過した後のモルトを使った「新玉葱とモルトの天ぷら」。ほんのり甘みがあっておいしい。

うれしいのは、「ペアリングセット」(写真上)があり、ミニグラスで少量ずついろいろなビールを味わえ、江口さんに料理とペアリングしてもらえること(通常は4杯)。

「こだわり逸品の盛り合わせ」に江口さんがペアリングしたのは上の3種類。写真手前から、ピルスナーモルトをベースに魚沼産の玄蕎麦の風味を加えた「魚沼へぎ蕎麦“白”」、カリフォルニア産IPA「シングルホップシトラIPA」、イタリアのホワイトエール「ラ・ヴィラータ」。

「魚沼へぎ蕎麦“白”」は、ひとくち飲んで笑ってしまうほど、蕎麦の香りそのものが攻めてくる。それでいて、ビールとしての味わい深さも感じられるのが不思議だ。

「シングルホップシトラIPA」は、ホップを多量に使うIPAの特徴が際立っていて、さわやかな苦みの余韻が強い。「ラ・ヴィラータ」はまるで薔薇の花のような華やかな香り。同じビールでもこれだけ個性があることに驚く。

そしてさらに驚かされるのが、料理とのペアリング。

特に「ラ・ヴィラータ」は、とろけるように柔らかく甘い「梅の甘露煮」と合わせると、お互いの果実感が口の中で増幅し響き合う。
「鶏ひき肉 味噌 松風焼き」のうまみを引き出す「シトラ」の苦み、「魚沼へぎ蕎麦“白”」と「黒胡麻豆腐 べっこう餡ジュレがけ」の香りが拮抗するペアリングも素晴らしい。

まるで、ビールがもうひとつの調味料のように料理の味を膨らませてくれる。あの手この手で、プロが徹底的に楽しませてくれる、天国のような店と言えよう。

扉の奥には、ウイスキー版“秘密の花園”が!

ここで終わらないのが、この施設のすごさ。なんと、店奥の扉を開けると、もうひとつの天国がある。

ここは、お酒のネットショップ『saketry(サケトライ)』と、ウイスキーアドバイザー吉村宗之氏とのコラボレーション企画のウイスキー専門のテイスティングショップ『LIQUOR SHOP M's Tasting Room(リカーショップ エムズ テイスティングルーム)』。
マイナーな蒸留所の埋もれた逸品など、マニア歓喜の名品が多く、すべてが試飲可能だ(一部有料。100円~)

店主の吉村さんはウイスキー専門誌『The Whisky World』の発足メンバーの1人で、ウイスキーに関する執筆もしているウイスキーのスペシャリスト。その吉村さんのアドバイスを直接受けながら品定めができるという店である。

さらにその隣には、ワインビストロ『Winebistro le Mariage(ワインビストロ ル マリアージュ)』も。つまり、ビール、ウイスキー、ワインの店が同じ施設内に並んでいるのだ。

酒と料理を心から愛するプロフェッショナルが、全力でお客を楽しませてくれる。酒だけでなく、その愛とプロ魂でも酔わせてくれる…、そんな夢のような場所だ。


【メニュー】
ぬか漬け盛り合わせ 450円
こだわり逸品の盛り合わせ 1,500円
ヴァイスビア・ヘル 1,150円
ペアリング用セット(4種類) 1,200円
※価格はすべて税込

TOKYO ALEWORKS (トウキョウ エールワークス)

住所
〒173-0004 東京都板橋区板橋1-8-4 板橋Cask Village 1階
電話番号
03-5944-1861
営業時間
9:30~18:00
定休日
不定休
公式サイト
https://tokyoaleworks.com/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

IBU Itabashi Brewers Unit(アイビーユー 板橋ブリュワ-ズユニット)

住所
〒173-0004 東京都板橋区板橋1-8-4
電話番号
03-3961-1196
営業時間
月~金 11:30~14:30、17:30~23:00、土日祝 11:30~23:00
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/7xu53fym0000/
公式サイト
http://ibu.itabashibrewing.com/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

LIQUOR SHOP M’s Tasting Room(リカーショップ エムズ テイスティングルーム)

住所
〒173-0004 東京都板橋区板橋1-8-4 1F
電話番号
03-5944-1033
営業時間
火~木 14:00~19:00、金・土 14:00~21:00
定休日
日・月・祝日
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/cgae48ud0000/
公式サイト
https://caskvillage.com/ms-tasting-room/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

Winebistro le Mariage(ワインビストロ ル マリアージュ)

住所
〒173-0004 東京都板橋区板橋1-8-4 板橋Cask Village 1階
電話番号
03-5944-1073
営業時間
11:30~14:00(L.O.14:00)、18:00~23:00(L.O.23:00)
定休日
月曜
公式サイト
https://www.facebook.com/winebistrolemariage/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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1.『ミシュランガイド東京 2016~2017』にてビブグルマンの老舗ベトナム料理店のシェフが独立 2.ベトナム南部出身シェフの家庭の味をベースにした、地方色豊かなベトナム南部の伝統料理 3.幅広いアジアンビールのラインナップのほか、珍しいベトナム地ワインも人気

桑原恵美子
ライター