NY・ブルックリンで大人気のコンフォートフードレストランが日本に初上陸
乳製品の豊かなコクや風味は、いつだって幸せな気持ちを運んでくれる。肉や小麦粉とも相性抜群。子どもから大人まで大好きなメニューも多く、できたて熱々の料理を口にすると、子ども時代のやさしい記憶がよみがえることさえある。
この秋、東京・原宿に上陸したアメリカンコンフォートフードレストラン『BUTTERMILK CHANNEL(バターミルク チャネル)原宿店』(写真上)で堪能できるメニューの数々は、現地の人にとってはまさしくそうした定番の味。NY・ブルックリン本店はオープン10周年を迎えているが、誰もが知る料理を上質な素材で丁寧に仕上げた「コンフォートフード」が楽しめる店として、週末のブランチ時にはいまだに行列が絶えないという。
昨年は、レストランの格付けガイドブック『ザガット 2017 ニューヨークシティ レストランズ』において、週末の人気メニューがブルックリンのベストブランチに選出されたが、海外初出店となる原宿店では、くだんのブランチメニューを毎日楽しめるのがうれしい。
代表的なメニューである「バターミルクフライドチキン」(写真上)や「ラザニア」、「バターミルクパンケーキ」に使われているのが、店名にも由来する「バターミルク」だ。牛乳からバターをつくった後に残った液体であるバターミルクを使うと、フライドチキンの肉はより柔らかくジューシーで衣はカリッとした食感になり、パンケーキはふんわり仕上がるのだという。
また、「バターミルク」という言葉がアメリカ人にとっておいしい響きであること、本店があるブルックリンとガバナーズアイランド(マンハッタン南端の島)の間に「バターミルク海峡(=channel)」が存在することも店名の由来。ブルックリンがまだ農地だったころ、畜産農家の人々はマンハッタン島の市場まで牛乳を売りに行くべくこの海峡をボートで越えていたが、海峡の潮流はとても激しく、ミルクがバターになってしまうほどだったのだとか。
口にするとほっこり幸せな気分になる「コンフォートフード」で、訪れる人みんなを笑顔にしたい
オーナーのダグ・クローウェル(Doug Crowell)氏は、料理界の名門として知られる「カリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカ(The Culinary Institute of America)」で学んだ後、フレンチのシェフとして働いていたが、いずれは自分が生まれ育ったニューヨークにレストランを持つことを目標としていた。
「誰もが知る料理をプロが丁寧に仕上げ、ニューヨークの人々に心がほっこりするひとときをもたらしたい」。その想いを胸に開店にこぎつけるや、50席ほどの小さなレストランながら、「ブルックリンで一番ホットなレストラン」として瞬く間に地位を確立していくこととなった。
地元の人々に愛される店になってからも、店頭に立つダグ氏の姿勢やホスピタリティは変わらない。訪れてくるお客と気軽にハグを交わす姿が、さらに多くの人をこの店のトリコにしているほど。そしてそのうちの一人が、原宿店のシェフである平野巡さん(写真下)なのだ。
1999年に「ル・コルドン・ブルー東京校」を卒業した後、フランス料理を基本として様々なレストランで修業した平野さんはフランス移住。パリの一つ星レストラン『ステラ・マリス』(現在は閉店)でパティシエ・シェフを務める。その後、オーストラリアへ移住すると、メルボルンのエスニック料理料理店『チリ・パディ』でスーシェフとして働きながら料理学校の講師を務めた後、帰国してアメリカ大使直属のシェフの一人として料理を担当。
そんなユニークな経歴を持つ平野さんがなぜ同店で働くことになったかというと、「ダグさんと創業シェフ、ライアンさんの食に対する情熱に共感したからです。彼らが築き上げたすばらしい業態は、どのレストランにとっても憧れです」と熱いまなざし。
平野さん自身、料理上手なお母様の影響で子どものころから食べることが好きだったし、家族や友人のために料理することに幸せを感じていたというが、『バターミルク チャネル 原宿店』でも、食の楽しさを提供していきたいのだという。
「”コンフォート”という言葉は、よいサービス、食事、雰囲気のすべてを体験できる”至福の外食”をあらわしている言葉だと思っています。原宿店も、ブルックリン本店同様、フレンドリーなサービス、居心地のよさ、最高の食事を提供することで、お客様に愛されるレストランにしていきたいです」。
日本では珍しいバターミルクの味わいを堪能できるメニューが人気
「コンフォートフード」に酔いしれるためにもまず試してほしいのが、バターミルクを使って3日間以上かけて仕込んだフライドチキン、チェダーチーズがたっぷり練り込まれたワッフルをセットで楽しめる「バターミルクフライドチキン」(写真上)だ。カラリと揚がったチキンは、衣はサックリ、中はジューシー。単品でチキンのうまみを堪能した後、ワッフルと一緒に口に運ぶ楽しさを味わい、さらにはメープルシロップとバルサミコビネガーの特製シロップで味変まで満喫できる。
同じくチェダーチーズワッフルを楽しめるメニューで人気なのが、厳選した肉厚の豚肉をフライにした「フライドポークチョップ」(写真上)。ブランチ(10:00~15:00)でもディナー(17:00~23:30)でも楽しめる定番メニューだが、バターミルクフライドチキンともどもかなりボリューミーなので、お腹を空かせて挑むか、家族や友人と連れ立って来店するのがおすすめだ。
実際、一人でも子ども連れでもリラックスして過ごせるのが同店の大きな魅力の一つ。まったりとした時間を過ごせるよう、昼間でも照明は暗め。BGMは強めなので、話す相手がいないときでも気兼ねなくカウンターに腰を下ろしていることができる。
ユニークなアルコールメニューやデザートも充実
朝からアルコールの用意もあるので、好きなカクテルを片手に読書に没頭するのもいいかもしれない。くつろぎのひと時にぜひ取り入れてほしいのは、ホースラディッシュがしっかりと効いた「ブラッディメアリー」だ。
ベーシックな「THE CLASSIC」、生ガキがまるごと一個トッピングされた「STAR OF THE SEA」(写真上・左)、オリーブとチーズ、サラミが載った「THE COURT STREET」(同・右)ともに、ガスパチョのように飲みごたえ抜群。アルコール度数はかなり強めだが、極めてスパイシーでうまみたっぷりなため、あっという間に飲み干してしまうこと間違いなしだ。
栄養バランスにすぐれた野菜メニューを楽しみたいなら、肉類を使わず、ナスやズッキーニ、ケールなどの野菜のうまみと、バターミルクを使ったリコッタチーズでコクを出した「ラザニア」(写真上)がイチオシ。野菜とチーズだけでここまで濃厚な一品に仕上がるのかと驚かされること必至である。
肉料理とともにオーダーしてみんなでシェアするなら、ロメインレタス、ブルーチーズ、アボカドとベーコンたっぷりの「グリーンゴッデスサラダ」(写真上)がおすすめ。「グリーンゴッデス」とはアメリカのトラディショナルなサラダドレッシングで、ダグ氏にとっては伝統的なアメリカの味なのだとか。
デザートに推すのはもちろん、バターミルクのうまみを堪能できる「バターミルクパンケーキ」(写真上)だ。粉の味そのものを楽しめるシンプルなパンケーキは、どこか懐かしくほっこりとする味わい。好みでバターやシロップをトッピングして、昔ながらのパンケーキのおいしさにどっぷりと酔いしれてほしい。
スイーツ好きには、ダグ氏が大好きなピーカンパイを崩してサンデーグラスに入れ、アイスクリームとともに楽しめる一品に仕上げた「ダグ特製ピーカンパイサンデー」(写真上)も気になるはず。もともとは、季節ごとに異なるフルーツを盛りつける展開を考えていたというが、あまりに人気のため定番となったメニューなのだとか。ピーカンパイを焼くところからお店で手掛けているため、香ばしさも格別だ。
本店では長年通い続けているファンも多いというが、その思想を受け継いだ原宿店の内装やシェフの心構え、充実のメニューを見ただけでも、支持される理由がよくわかる。原宿店も近い将来きっと、老若男女が集う憩いの場になるに違いない。
【メニュー一部】
▼フード
バターミルクフライドチキン ブランチ1,480円、ディナー1,680円
フライドポークチョップ ブランチ1,680円、ディナー1,880円
ラザニア 1,480円
グリーンゴッデスサラダ 980円
バターミルクパンケーキ 1,280円
ダグ特製ピーカンパイサンデー 780円
▼ドリンク
ブラッディメアリー the classic 650円
ブラッディメアリー star of the sea 800円
ブラッディメアリー the court street 800円
BUTTER MILK CHANNEL 原宿店
- 電話番号
- 050-5492-4909
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
- 営業時間
- 11:00~22:30
(L.O.21:30)
- 定休日
- 年中無休
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