元『銀座レカン』グランシェフ下屋忍氏が還暦を期にオープンした『ラ・シュセット』が高コスパと評判!

東京日本橋・小伝馬町に店を構えるフレンチレストラン『la Sucette(ラ・シュセット)』。『銀座レカン』『小笠原伯爵邸』などで研鑽を積んだ下屋忍シェフが営むフランス料理店です。本物のフレンチを表現しながら、ランチはプリフィックスコース2,500円、パーティプラン6,000円(全11品、スパークリングワイン飲み放題付き。2時間制、4名より)と非常にリーズナブル。ぜひ予約して訪れたい一軒です。

2019年03月17日
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元『銀座レカン』グランシェフ下屋忍氏が還暦を期にオープンした『ラ・シュセット』が高コスパと評判!
Summary
1.名店で腕を振るった下屋忍シェフがもてなす、フレンチレストラン『ラ・シュセット』(日本橋・小伝馬町)
2.グルマンを惹きつける確かな味と、シックかつモダンな空間
3.名店で培った技法にオリジナリティを加えた料理を、圧倒的なコストパフォーマンスで提供

高級店で技を磨いた名シェフのフレンチを気軽に楽しめる

東京日本橋・小伝馬町に店を構えるフレンチレストラン『la Sucette(ラ・シュセット)』。東京メトロ・小伝馬町駅から徒歩3分、JR新日本橋駅から徒歩6分の立地にあり、ガラス張りのモダンな店構えが目を引く。

店内はオープンキッチンの全28席で、ダーク系のインテリアをメインに赤を差し色に使った、シックでモダンな空間が広がる。

壁に飾られている絵画のように見えるのは、実は名だたるレストランのメニュー。フランス・リヨンの有名店『ポール・ボキューズ』やモナコの『ルイ・キャーンズ』など、フランス修業時代に下屋さんが食べ歩いて集めたもの。表紙のデザインに各店の特色が表れていて、眺めているだけで楽しい。
下屋シェフの修業先『ル・ムーラン・ドゥ・ムージャン』のメニューも飾られている。1974年には現地『ミシュランガイド』の三つ星のフレンチとして掲載され、アラン・デュカス氏など名だたる有名シェフも働いていた名店だ。

『ラ・シュセット』のオーナーシェフ・下屋忍さんは、24歳から4年間フランスで修業したのち『ホテル西洋 銀座』(現在は閉店)で13年勤め上げた後、『銀座レカン』のグランシェフとして活躍した。その後も『小笠原伯爵邸』や『表参道バンブー』の統括調理部長を務めるなど、輝かしい経歴の持ち主だ。

そんな下屋さんの長年の夢が「60歳までに店を持つこと」だったという。店名の「ラ・シュセット」とはフランス語で「おしゃぶり」の意味。ベテランシェフがゼロからスタートを切る、その意気込みが表れている。

ランチタイムはプリフィックスコース(オードブルとメインディッシュ)が2,500円で、アラカルト対応あり。ディナータイムはアラカルトメニューのみで、アミューズ、オードブル、メインディッシュ、デザートからお腹の具合に合わせてチョイスできる。グラスワインは600円から、フルボトルも2,300円から用意されており「ワイン1杯とオードブル一品だけを楽しんでもらってもよい」のだとか。これまでの店とはまったく異なるスタイルと価格設定に驚くことだろう。

目に麗しいオードブルが、ゲストの心を引きつける

オードブルの人気メニュー「トマトコンソメゼリーに包まれたズワイガニのブルーテ パプリカソース」(写真上)。ホタテのムースにズワイガニの身を混ぜ合わせ、テリーヌ型に入れて低温で焼き上げた一品。

テリーヌの上にゼリーをのせ、フレッシュさを演出しつつ食感の違いもプラス。華やかにエディブルフラワーをあしらい、仕上げにショウガを加えたパプリカソースが添えられている。なめらかな舌ざわりと繊細な味わいが、丁寧な仕事ぶりを感じさせる一品だ。

ダシのうまみをいかす、下屋シェフ流のアクアパッツァ

ここでの料理はフレンチをメインとしながらも、イタリアンやスパニッシュの要素を取り入れている。「アクアパッツァ 鮮魚 ハマグリ セミドライトマト オリーブ」(写真上)もそのひとつだ。
下屋シェフのつくるアクアパッツァはひと味違う。水と白ワインではなく、甲殻類や貝類でとったダシを使って素材を煮ているため、うまみの濃度が通常のそれとは全く異なるのだ。

この日の鮮魚はクロダイで、ダシを入れて煮込んでいく。味つけは魚にふった『マルドン』の海塩のみ。オリーブやハマグリからでる塩分と、魚介のダシだけでうまみは十分だ。クロダイとハマグリはちょうど火が入ったタイミングで取り出し、あえて煮込まない。スープの後味は軽やかだ。

やわらかく、うまみあふれる子羊のローストに感動

骨付きの子羊を約30分かけてじっくり火入れした一品が「子羊背肉の低温ロースト エピスの香り 茄子とパンプキン」(写真上)。ロゼ色に仕上がった子羊はやわらかく、しっとりと仕上がっている。子羊の骨からとったダシにスペイン産チョリソーやローズマリーを合わせて煮詰めた香り豊かなソースを添える。

フライパンで子羊の表面を焼き上げ、焼き台にのせて低温でじっくり火を入れていく。数分休ませてから、肉を半分にカットし皿へ盛る。付け合わせはカボチャとナス。カボチャはバルサミコとローズマリーで風味をつけ、ナスは素材の味を凝縮させるよう、絶妙な火入れでグリルしている。添える野菜にまで、味の完成度を求める姿勢が徹底されている。

デザートやお得なパーティプランにも注目

デザートメニューの「ストロベリー チョコレートプラリネのムース ホワイトチョコレートのトリオ」(写真上)は、フレッシュなイチゴとともに味わいの異なるスイーツの三重奏を楽しむひと皿。

一番下はプラリネ入りのチョコレートムース、その上になめらかなホワイトチョコレートクリームをかけ、ストロベリーのシャーベットをのせる。トップに飾ったダンテール(レースのような形状に薄焼きした菓子)の食感もおもしろい。 

下屋シェフのフレンチはバターを控えめにしてあるため、どれも軽やかで食べつかれることがない。年配の夫婦でもしっかりデザートまでペロリと食べて行かれるそうだ。

リーズナブルな同店のなかでも特に注目なのが6,000円のパーティプラン。大皿料理11品を楽しむことができ、スパークリングワイン、白ワイン、赤ワイン、ビール、ソフトドリンクが飲み放題だ。

ベテランシェフが辿りついた“おいしい料理を食べてもらいたい”という純粋な想い

料理のクオリティから考えれば、このコストパフォーマンスは破格である。高級店で名を馳せてきた下屋シェフが、なぜこのような店をオープンさせたのか。その理由をこう語る。

「多くの人においしい料理を楽しんでいただきたい、ただそれだけです。非日常を演出してくれる魅力が高級店にはありますが、安くはないので、例えば僕自身も知人に“食べにきてよ”と気軽に声をかけづらい一面もありました。今までお世話になった人たちを呼び、僕が自信をもっておいしいと思える料理をふるまう。そんな店にしたかったんです」

ベテラン名シェフがもてなす『ラ・シュセット』が、今後どのような成長を遂げていくか期待が高まる。

撮影:榊智朗

【メニュー】
コース
ランチ プリフィックスコース 2,500円(全2品)
パーティプラン 6,000円(全11品、スパークリングワイン飲み放題付き。2時間制、4名より)
アラカルト
トマトコンソメゼリーに包まれたズワイガニのブルーテ パプリカソース 1,500円
アクアパッツァ 鮮魚 ハマグリ セミドライトマト オリーブ 2,600円
子羊背肉の低温ロースト エピスの香り 茄子とパンプキン 2,600円
ストロベリー チョコレートプラリネのムース ホワイトチョコレートのトリオ 1,000円
グラスワイン 600円~
フルボトルワイン 2,300円~
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税別です。

ラ・シュセット

住所
〒103-0011 東京都中央区日本橋大伝馬町1-7 日本橋ノースプレイス1F
電話番号
050-3463-3832
営業時間
ランチ:11:30~14:30(L.O.13:30)、ディナー:17:30~22:30(L.O.21:30)
定休日
※※2月より月曜日定休(月曜日祝日の場合は火曜日)
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/exr8v8bx0000/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。