イチボ、ヒレ、ハラミ、サーロイン・・・肉のカリスマによる最強「タレ焼肉」の店『焼肉 誇味山』

2019年05月09日
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イチボ、ヒレ、ハラミ、サーロイン・・・肉のカリスマによる最強「タレ焼肉」の店『焼肉 誇味山』
Summary
1.肉界のカリスマが西麻布に『焼肉 誇味山』を新規オープン
2.コース内容はお客と向き合いながらその場で決めていく
3.肉の味付けやカットの大きさも、一人ひとりに合わせて調整

『ら・ぼぅふ』『コソット』『コソット エスピー』で知られる名人の新店舗

食の好みは人それぞれ。どんなに世間の評価が高い料理であろうと、口に合わないことがあって当然だ。しかし食を提供する側にしてみれば、相手のおいしい笑顔を引き出せてこそ意味のあるもの。

「お客さんが食べた瞬間の表情を見て、次に出す一品の味付けや食材のカットの大きさを調整しています」。そう話すのは、2019年1月に東京・西麻布にオープンした『焼肉 誇味山(こみやま)』の 込山秀規(こみやま ひでき)さん。

27歳で脱サラして以降、店長に就任した焼肉店『ら・ぼぅふ』(用賀)をA5ランク牛の一頭買いによって繁盛店にのしあげ、その後も、同じくA5ランクの黒毛和牛にこだわった焼肉店『Cossott'e(コソット)』(駒沢大学)、『Cossott'e sp(コソット エスピー)』(麻布十番)をオープンさせるなど、肉ファンから熱い支持を受けてきたカリスマだ。

肉の買い付けは今でも込山さん本人自ら(写真上)。市場では時に競り場に入ることもあるし、仲卸業者から直接仕入れることもあるが、長年の付き合いのため、「好みはほぼわかってくれている」という。

「仕入れるのはA5の雌(メス)のみ。雌のほうがさし(霜降りの脂部分)が多いけど、脂が軽やかなんです。去勢牛は一切使いません」(込山さん)。また、味付けにタレを使うのもこだわりのひとつ。「塩やわさび醤油など一通りやってきたけど、やっぱり焼肉にはタレとごはんが合うと思うんです」。

そうした考えから極力白飯は出すようにしているが、それだけで満腹にならないよう、焼いた肉と一緒にひと口で食べられるサイズのご飯を用意することもあるし、基本的に、「ごはんがほしくなるけど、なくても満足できる味付け」を意識してコースを設計している。

味付けや肉のカットのサイズはお客に合わせて変えていく!

「設計」といっても内容は人それぞれ。食事しているお客の表情をよく観察しながら、もっと薄味のほうがいいのか、それとも濃い味のほうがいいのかを考え、またカップルの場合は、女性の肉のみ小さめにカットしたり、全体の量を少なくしたりといった工夫にも余念がない。

この日の肉は、レバ、タン、タレタン、ハバキ、マキ、イチボ、ヒレ、トモスネ、ハラミ、サガリ、焼しゃぶ、シマチョウ、ハツと10種類強。並行して、サラダ、茶漬け、キムチ盛り、ナムル、野菜、ナスナムル、冷麺などを提供していくが、「少食だけどいろんな肉を楽しみたいからすべて少しずつお願い」などの要望にももちろん応えてくれる。また、肉は目の前ですべて焼いてくれるため、お客自ら手を動かさなくていい点もうれしい。

コース序盤に! 常識を覆す「茶漬け」が登場

サイドメニューとして提供するメニューの中でもユニークなのが、序盤に登場する「茶漬け」(写真下)だろう。「茶漬け」と聞くと〆として楽しむ炭水化物を想像しがちだが、『誇味山』の茶漬けは一味違う。

ほんの一握りのご飯に、塩昆布と海苔、和牛をかぶせた状態で登場する一品は、多くの人はよもや茶漬けだとは想像できないに違いない。

器の底で控えめに佇む和牛に注ぐのは、牛筋でとっただしを使ったスープ。上部まで注ぎ終わる頃には、器の中で和牛は美しく花開き、立ちのぼる湯気が食欲を大いに刺激する。

口にすると上品な甘みがいっぱいに広がり、一般的な茶漬けのように、するするとかき込んでしまうのはもったいなく感じられる。焼肉の合間に、スープの中で広がった異なる食感の肉を楽しめるのもまた一興だ。

甘みの強いタレから辛めのタレまで数種類を使い分け

たっぷりとさしが入った「イチボ」(写真上)は、もみダレがしっかり絡んでいて白いご飯がほしくなるが、実際、コース中盤に提供するイチボ、ヒレと合わせてご飯を提供して焼肉の醍醐味を堪能してもらうことが多いそう。

オリジナルの「もみダレ」は、醤油ベースで砂糖やフルーツを漬け込んだ甘辛いものから、辛みの強いものなど数種類用意。しかし、部位によって使い分けるということはなく、全体のバランスを見ながら味付けを変えることで、最後まで新鮮なおいしさを楽しんでもらうのがモットーだ。

ラムとイチボの間の芯にあたる「ラムシン」(写真上)は、赤身の中でもとりわけやわらかな部位。サシは少なめでコク深く、ゆっくりと味わって食べたくなる一枚だ。

厚手の肉は焼き上げた後に味付けをプラス

リブロースの「マキ」(写真上)は、辛めのもみダレを絡めた状態で焼き上げるが、厚みがあるため中まで染み込まないので、じっくりと時間をかけて焼き上げた後に、半分にカットして味を付け直してから皿に乗せるのが『誇味山』流。

「一度こちらに引き上げた後、味噌をかぶせることもあれば、塩コショウでシンプルに仕上げることもあります。瞬間瞬間に判断して味付けすることが必要なので、営業中はとにかくずっと料理のことを考えていますね」(込山さん)。

カットされた「マキ」は驚くほどやわらかくジューシー。厚みのある肉がこんなふうに口の中で溶けていくなんて! と思わず唸らされる。

独特なスタイルの「焼しゃぶしゃぶ」はコースの〆にもぴったり

コース終盤に登場する「焼しゃぶしゃぶ」(写真上)は、名前の通り、肉をしゃぶしゃぶしながら焼いて楽しめるというユニークな一品。上等なサーロインをさっと焼いた後、皿に敷かれたタレに絡ませていただくという独自のスタイルそのものにも心華やぐが、おいしさがぎゅっと凝縮したサーロインを口に含めばさらに心躍ること必至。

「だいたい最後に焼しゃぶしゃぶを出すようにしていますが、お客さんが『まだ食べたい』という場合には、そのあと内臓系を出すようにしています。途中で内臓系を挟んで、それでお腹いっぱいになっちゃうと申し訳ないですから。終盤で『まだ内臓いけますか?』って訊いたほうが親切ですよね」という心配りもさすがだ。

信じることをやめることなく、誠実であり続けたい

「飲食業って“正解がない仕事”だと思うんです。『絶対これがおいしい』とは思いたくないし、人によって何をおいしいと感じるかは違うもの。それに、おいしいお店なんていくらでもあるんで、うちは、お客がどう感じているかにしっかりと気を配りながら、気持ちよく食事してもらうことを大切にしたいです」(込山さん)。

店のロゴには、込山さんの親友である、某有名ロックバンドボーカルが考えてくれた言葉を英語表記に直した「NEVER STOP BELIEVING.」(信じることをやめるな)の文字が綴られているが、これこそ込山さんの信念。

「スタッフにも常に伝えている言葉ですし、お客に対してもずっと誠実であり続けたいんです」。信じることをやめることなく、目の前の相手や一つひとつの出来事と真摯に向かい続ける限り、人生はもっとよくなるし、毎日のご飯がもっとおいしくなる。込山さんの笑顔とおいしい焼肉に心癒されれば、信じることの大切さを改めて噛みしめることができるはず。


【メニュー】
コースのみ 約15,000円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税込です

撮影: 岡崎慶嗣

誇味山

住所
東京都港区西麻布1-15-9 ラ・アルタ西麻布ビル1F
電話番号
050-3477-2282
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
営業時間
月~土
ディナー 19:00~翌2:00
定休日
日曜日
祝日
ぐるなび
http://r.gnavi.co.jp/std8e1p60000/
公式サイト
https://komiyama-nishiazabu.tokyo/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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