京料理なのにジビエ、そば、イタリアン、中華など…月ごとにテーマが変わる、劇場型の京料理『東山 吉寿』

2019年04月10日
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京料理なのにジビエ、そば、イタリアン、中華など…月ごとにテーマが変わる、劇場型の京料理『東山 吉寿』
Summary
1.ジビエ、そば、中華など月ごとにテーマを変えて京料理を提供
2.照明がピンポイントでシェフに! パフォーマンスも楽しい
3.スペシャリテはチーズの燻製&オールドバカラで飲むハイボール

昼も夜も一斉スタート! 食を楽しむショーの幕開け

京都・五条坂から東大路通を右へ折れ、馬町交差点の一筋南のT字路を下ったところ。いかにも東山の麓を思わせる坂道の途中に、2018年9月1日にオープンした『東山 吉寿(よしひさ』がある。

京都近郊の生産者から直接仕入れる野菜やフルーツ、中央市場で目利きする魚介など季節の食材をオーナーシェフ・鈴木吉寿さん(写真下)が、華麗なパフォーマンスとともにオリジナル性に富むコースに仕立てる、今、がぜん話題の京料理店だ。

鈴木さんは料理のおいしさで定評のある亀岡・湯の花温泉『京YUNOHANA RESORT 翠泉』の料理長を5年間務めたあと、独立。「食べることをシンプルに、そしておおいに楽しむことを目的に足を運んでいただけるよう、あえて繁華街や花街から少し離れた場所を選びました」と話す。

店内はバーをイメージ。バイオリンに使われるマホガニー材のカウンター10席、テーブル6人掛け1席があり、クラシック音楽が流れ、鈴木さん自らが活ける季節の花が随所に。坪庭も光を採り込むインテリアの一部だ。

食事は昼は12時、夜は18時・19時からの一斉スタートで、スタッフ全員が並んでのあいさつから始まる。しばらくすると店内は少し暗くなり、メインの照明はピンポイントでまな板の前の鈴木さんに。いよいよ美味なるショータイムの幕開けだ。

京料理だけどイタリアン!? 中華!? 毎月テーマが変わるコース料理

ユニークなのは、一カ月ごとにテーマが設定されること。たとえば1月はジビエ、2月はそば、3月は寿司……といった具合。これが年によりシャッフルし、今年の4月が天ぷらなら、来年は5月が天ぷらに。同じテーマでも使われる食材が変わることで、違った料理と味わいに変身! というわけだ。

もちろん、そばならそば屋へ、中華料理店やイタリアンならその専門の店で教えを乞い、そこに京料理と自身の感性によるエッセンスを加えて、マンスリーなメニューができあがる。

時に軽快に、時に静かに話す鈴木さんの話術にも思わず引き込まれる。その間にも鈴木さんはお客の前で魚をさばき、炭火であぶり、と手を動かし、美しい所作で料理を仕上げていく。

とにかくサービス精神旺盛なシェフ。実は利き酒師でもある

ランチは、お腹いっぱいになってほしい、と締めのデザートの前に土鍋で炊いたご飯と数種類のおばんざいが付く。そこですかさず、「出汁巻き食べる人、手あげて」と鈴木さんの掛け声が。「はーい」と手をあげると、目の前で特大の出汁巻きが切り分けられる。お客さんを巻き込んでのエンターテインメントだ。

ディナーは品数もコース内容も決まりはなく、マンスリーに変わる。

実は利き酒師でもある鈴木さん。日本酒はぬる燗用を滋賀県の『美冨久酒造』、冷酒用を京都の『松井酒造』でオリジナルに醸造してもらっており、ぬる燗は清水焼の作家物、冷やは江戸切子のグラスで味わえる趣向。また「黒龍」の全銘柄を揃えるなど全国の地酒を用意し、シャンパン、ワインも鈴木さんの目にかなったものを揃える。

箸休めはオールドバカラに注がれるハイボールとともに

まずこの日のディナーの先付は「サヨリとヤリイカ」(写真下)。キャビアで塩気とナッツのような香りをまとわせ、ソースは梅干しと日本酒で仕上げたもの。

ゴールドの配色も高級感たっぷりだ。「あっさりとした味わい。キャビアものせていますし、シャンパンと召し上がっていただきたい一品です」(鈴木さん)。

椀物は「はまぐりのお吸い物」(写真上)。具ははまぐりしんじょう。味付けは二年寝かせの北海道・礼文島の昆布にはまぐりのだしと日本酒のみで、はまぐりの塩気と風味が存分に味わえる。ウド、山形のうるいと花柚子をトッピングし、シャキシャキした食感と香りをプラスしている。

月々、鮮やかに変わる献立の中でスペシャリテといえるのが、箸休めの「チーズの燻製」(写真上)。器は信楽焼きの中川一辺陶。蓋を開けた瞬間、煙とともに燻した香りがふわっと広がる。
「ウイスキーの樽のチップで燻製にしていますので、相性のいいハイボールとともに味わっていただきます。氷なしのショットでいきたいのでウイスキーを凍らせ、『山崎』の天然のガスウォーターで割ります。ショーでいえば休憩時間ですね」(鈴木さん)。

ハイボールを作るのも目の前で。このスペシャルな箸休めのあとに後半がスタートする。

締めまで贅沢な食材を用いた一皿が続く至福のとき

天ぷらがテーマの月の一品「伊勢海老の10秒揚げ」(写真上)。伊勢海老を揚げる直前にさばき、さっと揚げて、伊勢海老の甘さと食感を最大限に引き出す技が見事だ。

野菜や果物はほぼ生産農家から直接仕入れる。たとえばイチゴは東京の有名フルーツショップにしか卸されていないという京都・亀岡産の契約農家の「女峰」で、最も大きく最も糖度の高い一番果のみを仕入れ、ふるまう。またほかの月にはシェフ自らがシェーカーを振り、ミカンの一種、セトカをジュースにするなど華やかなもてなしでお客さんを魅了。

こうして美味なる料理ショーは、静かに幕を閉じる。おいしいだけではない楽しかった余韻にいつまでも浸れる1軒だ。


【メニュー】
コース料理のみ
昼 6,000円 月に2回ほど夜コースも提供
夜 18,400円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税込み・サービス料込みです

東山 吉寿

住所
京都府京都市東山区妙法院前側町422
電話番号
075-748-1216
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
営業時間
ディナー 18:00~21:30
※18:00、19:00より一斉スタート
ランチ 12:00より一斉スタート
定休日
火曜日
ぐるなび
http://r.gnavi.co.jp/anh6svdp0000/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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小田中雅子
ライター