超実力派スイーツショップ『LESS』が恵比寿に誕生!美を極めたタルト&パネットーネに国内外から熱視線

2019年11月07日
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超実力派スイーツショップ『LESS』が恵比寿に誕生!美を極めたタルト&パネットーネに国内外から熱視線
Summary
1.国内外から熱視線! 恵比寿の小さなスイーツショップ『LESS(レス)』
2.こんな「パネットーネ」食べたことない! カリカリのクラストとフワフワの食感に感動
3.まるで小さなアート! 2人の超実力派パティシエのタッグから生まれる、美しきタルト

国内外のファンが早くも注目! 路地裏の小さなスイーツショップ

2019年9月、恵比寿に誕生した小さなペストリーショップ。日本人とイタリア人、2人のパティシエがタッグを組んで作った店は、噂を聞きつけたファンたちが、国内外から駆けつけている。

場所はJR山手線・恵比寿駅から動く通路「恵比寿スカイウォーク」を使って5分ほど。アメリカ橋を渡り、目黒三田通り沿いに出ている看板を目印に路地を進むと突き当たりに店がある。

タッグを組むのはグローバルなキャリアを持つ2人のパティシエ

オーナーシェフであり、『LESS』のクリエーションを担当するGabriele Riva(ガブリエレ・リヴァ)さん(写真上・右)は、なんと12歳でキャリアをスタート。イタリア・ミラノにある実家のパティスリーなどで修業を積んだ後、若干22歳でロンドンのレストランにシェフパティシエとして招かれ、その後ニューヨーク、ラスベガスとグローバルに活躍。
特にニューヨークでは、7年に渡って「USAカカオバリーアンバサダー」を務めた経歴を持ち、セレブ御用達のレストラン『NOBU(ノブ)』では日本の食材を取り入れたスイーツが好評を博した。

もう一人のオーナーシェフ、坂倉加奈子さん(写真上)は、日本で製菓の基礎を学んだあと渡仏し、パリのパティスリーやレストランでパティシエとして修業。その後、ノルウェーのレストランでのシェフパティシエを経て帰国。『ヒルトン東京』や、「世界のベストレストラン50」にも選出された『レストランNARISAWA』などで活躍した。

店名は「Less is more(≒より少ないことはより豊かなこと)」から

店名の『LESS』は、建築やアートにも造詣(ぞうけい)が深いRivaさんが尊敬するドイツの建築家の言葉「Less is more(≒より少ないことはより豊かなこと)」に由来する。

Rivaさんが作りたいと考えたのは“クオリティを大切にしたスイーツ”。豊かな経験をどんどん“プラス”していくのではなく、むしろ余分なものをそぎ落とし、本当に必要なものだけを追求したスイーツを作り続けている。

質よりも量や見た目の華やかさを重んじる風潮があるアメリカでは、Rivaさんの作るスイーツは受け入れられないことが多かったそう。そんな中、以前から親交があり、独立を準備中だった坂倉さんと作りたいスイーツの世界観が一致。引き算の美学を持つ和食を生み出した日本で、自分たちの世界観を表現するショップをオープンした。

▲シンプルを極めた店内には、カウンターが6席

旬の素材をおいしいスイーツにするには、どうすればよいだろう? それが『LESS』の発想の始まり。余分なものを極力そぎ落とし、素材を絞り込むことで味わいを際立たせる。シンプルだからこそ、おいしさが記憶に残る。そんな『LESS』のスイーツをいくつか紹介しよう。

ひと目惚れ必至! バラのような「リンゴのタルト」には3種類ものリンゴを使用

ショーケースの中でもひと際目を引くのが「リンゴのタルト」(写真上)。薄くスライスしたリンゴをバラの花びらに見立てたビジュアルが実に華やか。とはいえひと口食べれば、このタルトの魅力はリンゴの味わいを多彩に表現した“おいしさ”にあることがわかる。

使っているリンゴは旬により異なるが、取材日は「ブラムリー」、無農薬の「フジ」、「メイちゃんの瞳」の3種類。

トップのバラは、左のピンク色が「メイちゃんの瞳」、右の少し大きめが「フジ」。極薄にスライスしたものを高温でさっと5分ほど加熱している。加熱を最小限にしているため、薄いスライスでありながら、まるで生のようなシャキシャキ感やジューシーさが残っている。

青リンゴ「ブラムリー」はキャラメリゼしてタルトに敷き詰める。長野県産シラネ小麦を全粒粉で使ったタルト生地は、極薄だが小麦の粒感が残り、サクサクの歯ごたえ。しっとりしたフィリングとコントラストをなし、滋味あふれる味わいがリンゴの自然な甘みにぴったりと寄り添う。

クッキーも『LESS』流に再構築! 優美な香りをまとう「アールグレイクッキー」

愛らしい見た目の「アールグレイクッキー」(写真上)はクッキーとケーキの中間のようなスイーツ。ひと口食べると、ふわっとアールグレイ紅茶の優雅な香りが鼻を抜けていく。香りがしっかり感じられるのは、薄くパリッとしたクッキーとチョコレートガナッシュの両方にアールグレイのフレーバーが使われているためだ。

クッキーに挟まれているのは、スポンジケーキとレモンのフィリング。甘さだけでなく、しっかり酸味もきかせたレモンは、キリっとした後口を残し、甘いチョコレートの余韻を引き締めてくれる。

3種のキノコ、3種のチーズを巧みに使う「パルメザンチーズ キノコタルト」

タルトは甘いものばかりでなく、塩気のあるものを作っている。3種類のドライキノコを使った「パルメザンチーズ キノコタルト」(写真上)。

キノコの他に味のアクセントとして、ペコリーノチーズとケイパーをトッピング。その下には、クリーミーなマッシュポテト、シブレット(ヨーロッパに自生するネギの一種)を混ぜたクリームチーズとサワークリームが層になり、一番下にはサクサクと香ばしい、パルメザンチーズを使ったクランブルの土台がある。

ドライキノコの凝縮されたうまみ、サワークリームの酸味、パルミジャーノの塩気などが絶妙なバランスで構成され、まるでフレンチのコースで出される前菜のような完成度だ。

作り置きをしないのは、「作りたてのフレッシュな味わいを提供したい」から

『LESS』では旬の食材がもつおいしさを大切にしたいという想いから冷凍庫を置かず、大量生産をせず、「できるだけ作りたてを食べてもらいたい」との理由で冷蔵のショーケースすらも置いていない。種類は豊富ながら、店頭に並ぶスイーツの個数が限られているはそのため。作っては並べ、作っては並べを繰り返し、常に作りたてを提供できるようにしているのだ。

『LESS』渾身のスペシャリテは、イタリアの伝統菓子「パネットーネ」

『LESS』の世界観を表現するにふさわしいスペシャリテ「パネットーネ」(写真上)。バター、砂糖、卵を使ったリッチな生地を、「パネットーネ種」という天然酵母で発酵させたイタリア・ミラノ発祥の伝統的な菓子パンだ。日本では馴染みが薄いが、イタリアでは古くからクリスマスに欠かせないもの。

アーモンドや砂糖を使ったクラスト(皮)はカリカリと香ばしく、ふんわりした気泡が幾重にも折り重なったクラム(内側の生地)は、口にするとしっとりとなめらかに溶けていく。天然酵母が醸し出す優しい甘酸っぱい香り、天然の甘さにこだわった品の良い甘みがなんとも心地よい。

パネットーネ作りには、圧倒的な経験が必要

日本ではこんなにおいしいパネットーネにはなかなかお目にかかれない。それもそのはず、パネットーネ作りには高度な技術が必要になるからだ。

「レシピだけでは再現できないことがたくさんあります。焼くまでは結果がわからないですし、科学的な知識の他に圧倒的な経験が必要になります」(坂倉さん)

同店では、Rivaさんの実家でもあるパティスリーで50年以上に渡って受け継がれたパネットーネ種を使用。種は生きているため、どんな環境でどう育てるかによって風味が異なってくる。最良の状態を見極め、維持するには長年の経験が不可欠で、まさに職人技の賜というべきものなのだ。

時間の経過とともに味わいも変化! 作り立てと熟成後を食べ比べしたくなる

「お菓子のジャンルに天然酵母で作るものはほとんどありません。パネットーネは天然酵母による発酵食品なので、時間と共に劣化していくのではなく、焼きあがってからも熟成していきます」(坂倉さん)

『LESS』では、店内の工房で作っているため、作って日が浅いフレッシュな状態が楽しめる。軽やかな食感と爽やかな甘酸っぱい香りは、浅煎りのコーヒーや紅茶にぴったりだ。

3週間ぐらい経つと、熟成が進み、糖分がアルコール分に変化し、生地としっとりなじんでくる。より味わいに深みを増したパネットーネは、ワインやウイスキーなどのお酒とのマリアージュを楽しみたい。

パネットーネのテイクアウトはホールの他に、4分の1にカットしたサイズも販売。柑橘系のドライフルーツが入ったものや、チョコレートやヘーゼルナッツが入ったものなど、フレーバーも様々用意されている。“折り紙”をイメージしたというパッケージもスタイリッシュでプレゼントに喜ばれそうだ。

イートインでは、濃厚なマスカルポーネクリームを添えて提供

フレッシュなパネットーネをイートインで楽しめるのが「パネットーネ&マスカルポーネクリーム ブランチセット」。ティラミスに使われるチーズとしてお馴染みのマスカルポーネクリームが添えられている。

甘酸っぱく香るカリッフワッのパネットーネは、そのまま食べてもおいしいが、ぜひクリームを付けて食べてほしい。なめらかでコクのあるクリームをたっぷりまとわせると、リッチなスイーツに変身。手が止まらなくなること請け合いだ。

これからも続々と新メニューが登場する予感!

作りたてを食べてもらいたいとの気持ちから少量ずつ販売しているが、今後は、予約をメインにすることで、できるだけ多くの人に楽しんでもらえるように考えているという。
生ケーキや、クリスマス用のスペシャルなパネットーネも計画中なのだとか。まだまだ、Rivaさんにも坂倉さんにもたくさんのアイデアがある。

「この店を作ることが目的ではなく、最初のきっかけなんです」と語る坂倉さん。ここからどんな新しいスイーツが生まれていくのだろうか。目が離せない一軒になるのは間違いない。


【メニュー】
アップルタルト 800円
アールグレイクッキー 450円
パルメザンチーズ キノコタルト 750円
Agrumi panettone(アグルミ パネットーネ)1カット 750円
Agrumi panettone(アグルミ パネットーネ)ホール 3,500円
パネットーネ&マスカルポーネクリーム ブランチセット 1,000円
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税抜です

LESS by Gabriele Riva & Kanako Sakakura

住所
東京都目黒区三田1-12-25 金子ビル 1F
電話番号
03-6451-2717
営業時間
月曜~金曜8:00~18:00(L.O.)、土曜・日曜・祝日9:00~18:00(L.O.)
定休日
不定休
公式サイト
https://www.instagram.com/less_tokyo/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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木戸上かおり
ライター/クッキングインストラクター