三軒茶屋『ビストロ リゴレ』で出逢う一皿に感動しまくり! 攻めのフランス料理に心を掴まれること必至

2020年09月29日
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三軒茶屋『ビストロ リゴレ』で出逢う一皿に感動しまくり! 攻めのフランス料理に心を掴まれること必至
Summary
1.自由な発想のビストロ料理に心躍る! 三軒茶屋『Bistro Rigolé(ビストロリゴレ)』
2.クラシカルなフレンチをベースに、世界各国料理と日本の食材を重ねて
3.シェフの故郷、島根県隠岐の島産など自然の恵み満載の料理に合わせて、自然派ワインを

海を感じるブルーを基調にしたビストロ『Bistro Rigolé』

海を連想するブルーを基調にした外観。扉を開けるとき、旅心地になれる。

が、ここは東京・世田谷区。東急田園都市線・東急世田谷線「三軒茶屋」駅から徒歩7分ほどの場所だ。それでも、すぐ近くに公園があるせいか、少しだけ遠くへ来たような気持ちがする。

店内も三軒茶屋にいることを忘れさせてくれる空間。カウンター席、テーブル席がゆるやかに配置され、かしこまった感じはない。合わせて15席ほどのこぢんまりとした「ビストロ」なのだが、フランスにつながるインテリアというより、広い世界を感じさせる多国籍な印象だ。

1〜2人での来店なら、ぜひカウンター席へ。オーナーシェフの亀谷剛さん(写真上)が真摯に料理と向き合う光景もたっぷり味わえる。亀谷シェフは、島根県・隠岐の島出身。週に何度か、故郷から新鮮な魚介類が届く。

「温暖化の影響があって、水揚げは安定しているとは言えません。それでも、アワビとサザエは通年入ってきますよ」(亀谷シェフ)

メニュー名からは想像できない料理

亀谷シェフが焼いているのは、肉厚のカリフラワーと緑濃い万願寺唐辛子。メニュー名は「カリフラワーと万願寺唐辛子のステーキ」なのだが、この後の展開に仰天だ。

丸い陶器皿に、まずソースを敷く。その上に、「薄くて黄色い謎のもの」、こんがり焼き上げたカリフラワー、万願寺唐辛子、仕上げにナッツをあしらう。

完成した料理が放つ香りは、スパイシーなマサラ! まるでインド料理だ。

「野菜で作る、バターチキンのような料理にしたかったんです。ビーガンカレーのような…」と、亀谷シェフ。

まったり濃厚なソースには、マッシュルームやヨーグルトが使われていて、ほどよい酸味がスパイスといいバランスになっている。「薄くて黄色い謎のもの」は、ターメリックを練り込んで焼いた米粉の煎餅。肉々しいカリフラワー、万願寺唐辛子と合わさって、野菜が主役のカレーの“影の立役者”といえよう。

最初の一品から、前衛的なフランス料理を実感できる。

故郷・隠岐の島から届く魚介が魅惑

「イサキの燻製、トレビスのサラダ」(写真上)は、旬のイサキを桜チップで燻製し、紫色のトレビスとともに登場するが、主役のイサキは野菜に隠れて見えない。この一品の設計図は一体どうなっているのだろうか。

まず、ビーツを使ったソースを陶器皿に敷き、燻製イサキ、トレビスを盛る。隙間を埋めるかのように散りばめるのは、プチプチしたザクロの実、爽やかなフェタチーズ、不思議な表情の紫ニンジンだ。

「トレビスは苦味のある野菜だから、甘酸っぱいザクロはよく合うんです。ギリシア料理からイメージを膨らませたメニューで、ビーツやフェタチーズはギリシアではよく使いますね」と亀谷シェフ。

1品目はインド、2品目はギリシアへ。亀谷シェフに導かれる食の旅は、まだまだ続く。

フランス郷土料理と和食からヒントを得た、独創的な一皿

英字新聞を使った器に、熱々の揚げたてを盛る「アナゴのフリット」(写真上)は、見て驚き、頬張って驚きの人気メニューだ。

発想の根源は、イワシとじっくり炒めたタマネギを使う南フランスの郷土料理「ピサラディエール」。郷土料理をアレンジして創作された一品は、亀谷シェフ自慢の、奇想天外なひと皿!

この日のアナゴは、隠岐の島からの直送。1kgほどある大アナゴで、とても肉厚だ。

あらかじめ炭火で炙り、イカスミパウダーを混ぜた生地を纏わせて、サクッと揚げる。ソースは味噌と梅干しを合わせていて、アナゴと相性は抜群。さらに、トッピングされたイチヂクの存在感が半端なく、ひと口ごとにワクワクが止まらない。

「和食で、イチヂクを天ぷらにしますよね。ならばフリットと合わせてもいいかなと作ってみました」(亀谷シェフ)

ワインは自然派を、ぜひボトルでゆっくりと

ワインはグラスも用意するが、「自然派ワインを揃えていますので、料理とともに変わりゆくテイストをゆっくり楽しんでいただきたいので、ぜひボトルを」と、亀谷シェフはボトルを推奨する。

アナゴのフリットには、イタリア・ヴェネト固有のブドウ品種「ラボーゾ」と「メルロー」で造るロゼ(右から2本目)を選ぶ。ワイナリー名『Alla Costiera(アッラ・コスティエッラ)』とは、「海岸沿い」の意味があり、ブドウ畑がある場所は、大昔は海中にあったのだという。

ゆっくり味わううちに、イタリアのブドウ畑にいるような心地になれそうだ。(ほろ酔いも相まっているからだろうが)

味の土台は隠岐の島にあり

亀谷シェフは、かつて四谷三丁目にあった『スクレ・サレ』(現在は新宿御苑へ移転)の中西真人シェフの元で働いたのち、フランスへ。パリを中心に3年間滞在し、合計6軒のレストランで経験を積んだ。帰国後は、神楽坂『ラビチュード』、再び四谷三丁目『スクレ・サレ 』でシェフとして働き、白金台『ルカンケ』のスーシェフとして活躍。

そして2014年、『ビストロリゴレ』を開店。『ミシュランガイド東京 2018』ではビブグルマンに選出されている。

料理界に入った頃は、伝統的なフランス料理を探求していたが、フランス滞在期間中に新しいエッセンスを取り入れるようになった。

「南仏で、スペインの影響を受けているレストランで働いたんです。とても魅力的で、刺激を受け、世界が広がっていきました」と亀谷シェフ。『ビストロリゴレ』の人気メニューにパエリアがある由縁だ。

亀谷シェフの料理は、さまざまな国の料理をフランス料理に置き換えて創作していくスタイルだが、それはクラシカルな料理を知り尽くしているからこそできる技。

「置き換えながら、ここは日本だということも意識しています。そして最終的に、僕自身の味の土台に戻っていくから不思議です」と、亀谷シェフ。

土台とは、両親が営む隠岐の島の食堂『亀乃』の料理だ。

「実家は食堂なのでフランス料理ではありません。でも、味のまとめ方というか、着地点は子どもの頃から食べてきた料理に戻るような気がします。ノスタルジーですね」

そう話しながら、亀谷シェフがやわらかな笑顔を見せる。故郷・隠岐の島へつながる料理。そのルーツであるご両親が営む食堂へ行ってみたい。

ブルーのドアはどこでもドア。今夜はどこへ導いてくれるのだろう。


【メニュー】
<コース>
・6品コース(オーダーは2名様〜) 5,000円
・8品コース(要予約、オーダーは2名様〜) 7,500円

<アラカルト>
・カリフラワーと万願寺唐辛子のステーキ 1,200円
・イサキの燻製、トレビスのサラダ 1,400円
・アナゴのフリットとイチヂク 1,800円
・隠岐産サザエのスパイシーパエリア 2.400円

<ドリンク>
・グラスワイン(白・赤) 900円〜
・ボトルワイン 5,000円〜 

<テイクアウト>
・「楽天テイクアウト」にて受付可(毎週水〜日曜12:00~23:00)
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。また、価格はすべて税抜です

ビストロ リゴレ

住所
東京都世田谷区三軒茶屋2-24-16
電話番号
050-5487-0956
営業時間
水~日
9:00~24:00
(L.O.22:30、ドリンクL.O.23:00)
定休日
月曜日・火曜日
不定休あり
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/pzcj6vmk0000/

※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。
※電話番号、営業時間、定休日、メニュー、価格など店舗情報については変更する場合がございますので、店舗にご確認ください。