季節外れの完璧な冷やし中華&新しいフカヒレの食べ方

【連載】マッキー牧元の「ある一週間」 第11週  日本を代表する食道楽の一人、マッキー牧元さん。彼はどんなものを食べて一週間を過ごしているのか。「教えていいよ」という部分だけを少しのぞき見させていただく。

2015年11月28日
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季節外れの完璧な冷やし中華&新しいフカヒレの食べ方
Summary
・フカヒレ×トリュフ×辛み
・高知で出逢ったニラトン
・茨城にて京料理
・贅沢なハチノス
・日本橋でひんやり

10月18日「フカヒレNEW四川スタイル?」

フランス人でもイタリア人でも、思いつかないだろう。
辛味に白トリュフ。フカヒレに白トリュフ。
「松露排翅」。発酵した青唐辛子の酢漬けで味付けたフカヒレである。酸味と辛味が舌をキックする。
ヒヒーと叫んで痛めつけられた舌を、フカヒレの柔らかな食感が撫でる。
そして喉に落ちかかる刹那、トリュフが顔を出す。
淫らな香りが、口腔を舐め、鼻に抜けていく。
いじめられていたのに、いつしか褒められ、頭を撫でられて、最後に誘惑する。
このツンデレ感がたまりません。
女子プロレスラーにキックされた後に、芸妓にハグされ、女優からウィンクされる。そんな繰り返しに、ズブズブとはまっていくのです。
さらに白木耳、クコの実、豆のデザートに、蜂蜜に漬けたトリュフの薄切りが二片。こちらは、甘く甘く色香が溶けるのでした。
趙楊にて。

四川料理 趙楊

住所
〒105-0004 東京都港区新橋1-5-5 グランベル銀座ビル2 7F
電話番号
03-3289-2006
営業時間
17:30~22:00、土・祝17:00~21:00
定休日
定休日 日曜
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/hfnj355b0000/
公式サイト
https://www.facebook.com/%E5%9B%9B%E5%B7%9D%E6%96%99%E7%90%86%E8%B6%99%E6%A5%8A-152719064845395/

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10月19日一軒目「トロトロ、シャキシャキ」

高知の「一軒家」に行くと、お母さんがなんとも優しい笑顔で「いらっしゃい」と言ってくれる。
僕はもうそれだけでいい。
「なににしますか?」穏やかな口調である。
頼むものは決まっている。冷たいだしを張った冷奴、ネギを入れてトロトロに焼き上げた卵焼き、そして花ニラを使ってシャキシャキと香りがいい「ニラトン」さ。
こいつらを焼酎のお湯割りで、迎え撃つ。
時間がふわりと柔らかくなって、夜の笑顔に包まれる。

一軒家

住所
〒780-0842 高知県高知市追手筋1-7-6
電話番号
088-823-7266
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/as55022v0000/
公式サイト
http://ikkenya.ftw.jp/index.html

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10月19日二軒目「茨城の秋満載」

吹き寄せは、秋を歌い、中でも栗の渋皮煮は、その力強さときめ細やかさで森に運んで行ってくれる。
常磐のヒラメは、生き生きと弾み、カマスの幽庵焼きそは、その塩梅が素晴らしい‼️
そして茨城のカブは、イチジクを抱きながら、ふわりと甘く潰れゆく。

京遊膳 花みやこ

住所
〒312-0018 茨城県ひたちなか市笹野町3-14-26
電話番号
050-3467-6402
営業時間
木~日 ランチ:11:30~14:30(L.O.13:00)(2019年よりお昼の営業は木曜・金曜・土曜・日曜とさせて頂きますのでご理解の程、宜しくお願い申し上げます) 月~日 ディナー:17:30~22:30(L.O.20:00)
定休日
毎週月曜日 第3火曜日 その他(2019年2月17日~2019年2月21日)
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/np1km7tr0000/

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10月23日「豪勢なハチノス」

有田焼の輝きに盛られたハチノスは、少し得意そう。
どうだい僕だってご馳走になるんだぜと、喜んでいる。
噛めば厚い身に、クイッと歯が包まれて、微かな甘みが滲み出る。
そこへ豆豉と辛味が効いたソースがからんで、のけぞらせる。
チシャと葱と高菜の痛快な歯応えとハチノスのクイッが重なって、ああ誰か箸を止めてくれ。
赤坂璃宮 銀座にて。

赤坂璃宮

住所
〒104-0061 東京都中央区銀座6-8-7 交詢ビル5F
電話番号
050-3491-0761
営業時間
月~土 ランチ:11:30~15:00(L.O.15:00) 日・祝日 11:30~16:00(L.O.16:00) 月~土 ディナー:17:30~22:00(L.O.22:00) 日・祝日 16:00~20:30(L.O.20:30)
定休日
年中無休 ※(年末年始を除く)
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/g043401/

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10月24日「完璧な冷やし中華を食べる秋」

最近の冷やし中華は少し威張ってないか。
トマトいらない。蟹いらない。クラゲいらない。鶏肉いらない。海老いらない。
叉焼もしくはハム、胡瓜、錦糸卵、蒲鉾(もしくはナルト)、紅生姜。
それだけでいい。それだけでいいから少し値段を下げてくれ。
かつて中野にあった「高揚」の具は、胡瓜だけだった。
いかに麺とスープに自信があったかということだろう。値段は、高かったけどね。
シンプルな冷やし中華が少なくなったが、昭和八年創業、日本橋「大勝軒」の「冷やしそば」は、まだ素朴なまま、昔の匂いを漂わせている。
具は、胡瓜、錦糸卵、ハム、紅生姜。完璧である。
甘酸っぱいタレも、やや縮れた麺も完璧である。
先日はうっかり、「上冷やしそば」を頼んでしまった。
ハムの代わりに叉焼、そしてクラゲと海老、もやしが加えられている。
クラゲの参戦は許そう。ただ海老ともやしはいらないが、エビが二つというもの可愛く、もやしが煮しめてあるところが芸が細かい。
だが出来心で上を頼んでしまった自分の不甲斐なさを嘆いた。
もっともこのラインナップで、並より250円高いだけというのが不思議である。
ということで季節外れの話題でゴメンなさい。
半袖でも過ごせる10月末に、急に食べたくなったもので。

<メニュー>
冷やしそば 並 850円、冷やしそば 上 1100円

大勝軒 (タイショウケン)

住所
〒103-0023 東京都中央区日本橋本町1-3-3
電話番号
03-3241-4556
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/m2ndjx0p0000/

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