一流の味をカジュアルに! 都内指折りの名フレンチ『レフェルヴェソンス』の姉妹店『ラ・ボンヌターブル』

2017年08月27日
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一流の味をカジュアルに! 都内指折りの名フレンチ『レフェルヴェソンス』の姉妹店『ラ・ボンヌターブル』
Summary
1. 「日本橋コレド室町2」にある大人気カジュアル・ガストロノミー『ラ・ボンヌターブル』
2.使用する食材は生産者から直接仕入れる“Farm to table”を実現
3. カジュアルな価格帯でなりながらダイナミックで感性に訴えかける中村和成シェフの料理は圧巻

あの『レフェルヴェソンス』の姉妹店が4周年を向かえて「殻を破る」!

2014年3月に「日本橋コレド室町2」の1階にオープンしたカジュアル・ガストロノミー『ラ・ボンヌターブル』。こちらの店はミシュランの星に輝いたフレンチレストラン『レフェルヴェソンス』の姉妹店だ。

開業以来、瞬く間に大人気店となり、料理人自ら料理をサーブし説明する姿も同店の代名詞となった。2017年3月に4周年を迎え、「今こそ、殻を破る時が来た!」と語る中村和成シェフの挑戦にスポットを当てた。

店内は全51席を擁し、キッチンの向かえ側には会食用の長テーブルが構える。「おいしい食卓」という意味の店名通り、全面が窓ガラスに面し、その暖かな光に照らされるディッシュは、一枚の絵画のように美しさと生命力に満ちる。

食事はランチのプリフィックスメニュー(3,600円)とディナーのシェフのお任せコース(7,500円)のみ(※20:30以降、アラカルトも提供)。カジュアルな価格帯ではあるが、食材は姉妹店『レフェルヴェソンス』でも使っている一流のものばかり。

生産者から直接仕入れた新鮮な野菜を使い、ドリンクも国内外の自然派ワイン、自家製ノンアルコールを揃え、日本の地だからこそ実現できるフレンチを堪能できる。

“表現するレストラン”を目指す、中村和成シェフの素顔に迫る

指揮を執る中村シェフは、『シェ松尾』『ラ・リオン』、そして『レフェルヴェソンス』ではスーシェフとして腕を磨いてきた。一シェフとして順風満帆な経歴だが、その才能に開花したきっかけは実は意外なものだった。

中村シェフ(写真上)が料理の世界へ飛び込んだのは大学を卒業してからのこと。学生時代は経済学部に在籍し、バンド活動に勤しんでいた。卒業後は、「普通になること」を望み、一般企業へ就職して“安定した生活”を考えていたという。

「就職活動中に受けた会社に断られていく中で、自分には何ができるのかを問いました。当時、自分が興味を持っていたことは音楽と料理。でも音楽で食べていくのはきっと難しいだろう、と。料理は自炊生活を続けていましたが、ラーメンのスープを一から作ったりしていました。ある意味、挫折を味わったことで、本当に好きなことに気が付いたのかもしれません」と語る中村シェフは、今や人気店の名シェフとして日本の飲食業界をけん引する存在だ。

「食材との戯れ」が未だ知り得ぬ究極の味を見つけ出すコツ

『ラ・ボンヌターブル』では、“Farm to table”を掲げ、国内の農家、畜産家から直接食材を仕入れることで、“正直な関係”になれるという。

自身が望む食材をしっかりと伝え、良いものに対しては最大の敬意と愛情をもって料理をし、お客様へと届ける。お互い“作るだけ”だった関係を飛び出し、日本の食文化や環境全体を考えるきっかけを生んだ。

“狭く深く”をテーマにし、選び抜かれた食材の可能性をどこまで掘り下げられるか、最も神経を使うと同時に楽しんでいる。

『ラ・ボンヌターブル』のディッシュは哲学する

一皿に対する愛情が人一倍強い中村シェフの作るディッシュは、まさにサプライズの連続。まずは、夏の風物詩であるスイカを使った前菜を紹介したい。

「鮎のコンフィ、スイカ、黒オリーブ、木の芽」(写真上)。スイカと山椒の相性が良いことから生まれた一皿だ。驚くべきは、その盛り付け方だ。三角に切った種つきスイカをドンッと皿の上方に据えている。

「ラ・ボンヌターブルだからこそできる表現」に目が釘付けになり、食べることへの興味を掻き立てる。盛り付けの意図を、「スイカにかぶりつき、種をぺっと出す食材ならではの経験ごと味わってもらって、子どもの頃の無邪気な記憶を呼び起こしてほしい」と中村シェフは話す。

味だけでなく、食べる行為そのものにも注目させる哲学的な一皿だ。

こちらはメインの「ウズラのパイ包み、タモギ茸のソース、クレソン、シャインマスカット」(写真上)。ウズラのモモ肉は爪が付いたまま。「華奢な見た目に反して意外と鋭い爪でしょ?」といたずらに笑う中村シェフ。皿の中で溢れる生命力に圧倒される。

フィリングは、骨ごとミンチにした愛知県産ウズラ肉に上州せせらぎポークを混ぜたもの。ズッキーニに塗られた内臓のパテは、従来なら取り除かれるであろう白子やキンカンも一緒にペーストしている。

あえて教科書通りにやらないことで、ウズラに新たな命が吹き込まれ、複雑に絡み合ううまみと香りに芳醇さが増す。

そしてデザート。「ライムピーチドラゴンタルト」(写真上)が運ばれた瞬間、時が止まったかのように視線がお皿に集まる。フレッシュピーチの上にライムタルトが鎮座する構図は、まさに大胆不敵という言葉が似合う。

桃の中にはバニラアイスが隠れ、ドラゴンフルーツのソースと混ざり華やかなピンク色に。桃の上に当然のように乗るライムタルトは砂糖とバターをたっぷり使ったクラシックスタイルで、果肉のフレッシュな酸味とバニラとバターのコクとが相まって、食後にはたまらない。

次はバンドとのコラボに、奈良漬け作りまで!? フレンチ界に刺激を与え続ける存在へ

中村シェフはこれまで他店とのコラボレーション企画にも取り組んできた。たとえば、日本酒バー『GEM by moto』と「フレンチと日本酒の新しい可能性を探る実験」を行い、日本酒とのペアリングを考察したコースを提案。また代々木上原のモダンフレンチ『Gris』と、お互いのシェフとソムリエをシャッフルするなど様々なコラボレーションを実現してきた。

現在進行中の企画は、中村シェフの大好きな音楽との協同イベント。店内でエレクトロ系のバンド演奏による生音を提供し、「音一つで、空間が変化したり、気分も高揚したり……、音楽が与える影響が料理とどのようにマッチングするか楽しみです。そして、音楽好きな人とフレンチ好きの人とがつながりあう瞬間、各々の価値観や世界観をも丸ごと体験してもらいたい」と中村シェフの目も輝く。

そして“2年後に向けた仕込み”として、自家製の奈良漬けを作っているのだとか。肉料理と相性の良いマデラソースに加えるなど、常識にとらわれない瑞々しいセンスにより、今後の飛躍に一層の期待が寄せられる。

急速に進化を続ける同店が、“表現するレストラン”として、どこまでフレンチの裾野を広げていくのか。1年ごとに中村シェフの動向を追いたくなる。

【メニュー】
ランチ・プリフィックスコース 3,600円
ディナー・シェフのお任せコース 7,500円
※価格は税込

ラ・ボンヌターブル

住所
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町2-3-1 コレド室町2 1F
電話番号
03-3277-6055
営業時間
11:30~15:00(L.O.13:30)、18:00 ~20:30(アラカルト20:30~23:00<L.O.21:30>)
定休日
隔週水曜
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/gvgsgx9x0000/
公式サイト
http://labonnetable.jp/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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Yayoi Shinya
フリーライター