丸ごと1尾の「大うなぎ」に思わず前のめり! 創業90年の歴史を誇る老舗卸問屋の心意気

2018年01月03日
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丸ごと1尾の「大うなぎ」に思わず前のめり! 創業90年の歴史を誇る老舗卸問屋の心意気
Summary
1.うなぎを知り尽くした老舗うなぎ卸問屋が、名古屋の注目スポット「グローバルゲート」に出店
2.「鰻師」が焼き上げるパリッ! ふわっ! トロ! 三拍子そろった至福の食感
3.うなぎ卸問屋の目利きで大サイズを選りすぐり、切らずにそのまま丸ごと提供

最旬の「グローバルゲート」にうなぎ卸問屋が本気の出店!

大学や大手企業などが次々と転入し、賑わいを見せる名古屋「ささしまライブ駅」周辺。この地に新たなランドマークとして2017年10月に全面オープンしたのが複合商業施設の「グローバルゲート」だ。

愛知県内外の注目店が軒を連ねるなか、老舗うなぎ卸問屋の四代目が本気のうなぎ屋を出店。その名も『うなぎ 四代目菊川』である。生態がいまだ神秘のベールに包まれ、完全養殖も難しいとされるうなぎ。価格が高騰し続けているにもかかわらず、需要は健在だ。ところが、うなぎの扱いにはかなりの熟練を要する。

加えて年がら年中炭火の前で熱気とススに包まれ、決して楽な仕事とはいえない。蒲焼まで加工する技術を持つ元会社を含め、近年、卸売り業界では多くの飲食店から蒲焼きや白焼き済みのオーダーが多く寄せられるそうだ。すなわち、技術を持つ職人が減っていることを意味する。そうした傾向に懸念を抱き、今こそ職人が活躍できる場を作るべきだと考え、出店を決意。初代から四代にわたって継承し続けた技、味を絶やしてはいけないとの思いも後押しとなった。

目の前で焼き上げるライブ感で食欲もマックスに

「うなぎ」としたためられた木綿の白い暖簾から店内をのぞき見ると、カウンター前にガラス張りの空間が広がる。

中には団扇を忙しく扇ぎながら、厳しい眼差しで焼き台を見つめる職人の姿。「捌き一生、串打ち一生、焼き一生」をモットーにしている『うなぎ四代目菊川』では、一連の職人仕事に誇りを持ち、お客からすべての工程が見える劇場型のキッチンを設えた。

焼き上がりまでの時間を持て余しがちなお客にとってはエンターテインメントであり、職人にとっては「一生」をかけて磨き上げる腕の見せ所である。

見極め続けて90年! 誇りにかけて選りすぐった大うなぎ

うなぎ屋のお品書きは「松・竹・梅」や「特上・上・並」でランクづけられ、その違いは半尾や1尾などピースの差。うなぎ1尾の総重量が何グラムあるかに言及する店はほとんどない。

『うなぎ 四代目菊川』では90年間うなぎを見極め続けた確かな目で、約240gの大サイズが一番おいしいと判断。ちなみに多くの店では170g程度の小サイズや、210g程度の中サイズを提供するのが相場だ。肉づきがよく脂もしっかり乗っている大サイズは、備長炭の炭火で盛大に焼かれても身縮みしない。

たまり醤油、本みりん、砂糖を継ぎ足し作った甘さ控えめのタレに漬けては焼き、「パリッ・ふわっ・トロ」の三拍子揃った食感に焼き上げ、堂々とした姿でお客の元へと届けられる。

目にも留まらぬ早捌き! この技がうなぎの味を左右する

魚を捌ける料理人は日本に五万といても、うなぎとなると話は別。ヌルヌルの粘液に覆われ、つかもうと力を入れるほどスルリと逃げ、まな板の上に乗せるだけでもひと苦労だ。暴れないように氷に漬けて仮死状態にするが、モタモタ手間取っていると正気に戻って大暴れ。ストレスを感じてパニックになったうなぎの全身には血が回り、途端に味が落ちてしまう。とにかく時間勝負なのだ。『うなぎ 四代目菊川』には、うなぎ道をまっしぐらに突き進んできた「鰻師」がいる。鰻師の江口佳隆さんが捌きに要した時間は、なんと7秒。目にも留まらぬ早さゆえ、うなぎ自身も捌かれたことに気づいていないかもしれない。

捌きたてを串打ちし、速やかに焼き上げることで、臭みが現れることなく、ふわっとした食感に仕上がる。

▲「鰻師」として確かな腕前を持つ江口佳隆さん(写真上・左)と店長の茶畑秀章さん(同右)

違いをダイレクトに感じて欲しい! それが丸ごと一本で提供する理由

『うなぎ 四代目菊川』の看板メニュー「一本重」(写真上)は、その名の通り蒲焼を一本丸ごと切らずに提供。理由は焼きの技術とサイズの違いをダイレクトに体感してほしいとの思いから。見慣れぬ横長の重箱を開いた途端、そのインパクトに驚くはずだ。食べ方に流儀や作法はない。脂の乗った腹側からガブリとかぶりつくのもよし、パリパリの尾から攻めるのもよし。用意された茶碗としゃもじで、ミニ丼を繰り返し作って食べるのも楽しい。

香ばしいうなぎと粒の立ったご飯を頬張ると、すぐに次のひと口が欲しくなる。臭みがないので過剰な山椒は不要だが、味わいに変化をつけたくなったら、香りの粉山椒、辛みのミル挽き実山椒の2種類から、好みを選んで振り掛けるといい。清涼感が加わり、一層箸が進むはずだ。ちなみに「一本重」のご飯の量は250g。うなぎとのバランスを考えつつ、女性でも十分完食できる量に調えている。見た目のボリューム感で躊躇してはもったいない。

名古屋を代表する「ひつまぶし」やうなぎフリーのメニューも充実

愛知県外の人にとって「ひつまぶし」は名古屋メシの代表格。リニアの開通(2027年完成予定で開発が進むリニア中央新幹線)などを控え、東西の中継基地としてさらなる発展が予想される名古屋駅周辺で、「ひつまぶし」需要はうなぎのぼりになること間違いない。

『うなぎ 四代目菊川』ではスタンダードな「ひつまぶし(写真上・左)」のほか、この店ならではの「一本ひつまぶし」(同右)をラインナップ。そのまま、薬味で、だしをかけてと、三度楽しめる。

また、秘伝の製法でパリッパリの食感に仕上げた一本焼きの「白焼き」は、酒のアテとしても最高だ。仕事帰りや、休日の昼下がりにゆるゆるいただきたい逸品である。うなぎが苦手なゲストに配慮し、「お刺身御膳」や「天麩羅御膳」といったうなぎフリーのメニューも充実。もてなす側にはありがたい心遣いだ。


【メニュー】
一本重 4,500円
一本ひつまぶし 4,600円
ひつまぶし 3,400円
白焼き一本 3,700円
お刺身御膳 2,300円
天麩羅御膳 2,300円

※価格は全て税抜
※時期によりお値段の変更がございます。

うなぎ 四代目菊川

住所
〒453-6103 愛知県名古屋市中村区平池4-60-12 グローバルゲート3階
電話番号
052-446-6954
営業時間
ランチ11:00~15:00(L.O. 14:00) ディナー17:00~22:00(L.O. 21:00)
定休日
無休
ぐるなび
https://r.gnavi.co.jp/1tjkpka70000/
公式サイト
https://www.facebook.com/unagiyondaimekikukawa/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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