「日本一のピザ」と称賛される理由に納得! 地元にも遠方にも愛されるイタリアン『ドンブラボー』【国領】

2019年03月04日
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「日本一のピザ」と称賛される理由に納得! 地元にも遠方にも愛されるイタリアン『ドンブラボー』【国領】
Summary
1.料理関係者やグルマンが集う、調布市国領町の超人気イタリアン
2.イタリアの家庭の味から、製法にこだわったピザまで、緩急たっぷりのコースが楽しい
3.アルコールペアリングの他、各国のお茶やジュースを楽しめるノンアルコールペアリングも用意

「イタリアンだからこうあるべき」の思い込みは捨てて、シンプルに「おいしい」を追い求める

食材の産地や製法を筆頭に、食のおいしさにはさまざまな要素があるが、どんな料理であれその真髄は「食べる人を想う気持ち」にあるに違いない。

「料理人としてキャリアを重ねてきた間には、たとえば“自家製”がもてはやされた時代もあったし、そのときどきでさまざまな流行も存在しましたけど、一番大切なのは、『おいしさ』という軸から離れないことだと思うんです」。

そう語るのは、東京・国領のイタリアン『Don Bravo(ドン ブラボー)』の平雅一シェフ(写真上)。
「お客がどういうものを求めているか?」を常に第一に考えることで進化し続けている同店は、グルメサイトの人気ランキングでも、長年、日本トップに君臨し続けている。

鉄板焼き屋を営む父の背中を見て育った少年が、いつしか料理の道へ

平さんが料理の道に入ったのは自然の流れ。

父が経営する鉄板焼き屋をひとりで訪れ、食事しながらお客たちを眺めていた子ども時代を経て、大学時代にはさまざまな飲食店で経験を重ねた。

料理人として初めて働いた店は、東京・表参道の『フジママス』(現在は閉店)。同店のアルバイトとして、カナダ人のオーナーのもとに集まった外国人スタッフに調理を教わり、次の働き先として選んだ東京・青山の『アル・ソリト・ポスト』(現在は閉店)では、23時から明け方まで、ひたすらケーキを作る生活を続けた。

本腰を入れて食と向き合うようになったのは、東京・広尾の『アッカ』(現在は岡山に移転)で働くようになってから。アルバイトを希望したものの断られ、それでも諦めきれず、お試しで働かせてもらったところようやく認められて社員になり、2年半ほど研鑽を積んだ。

▲店内で使用されている椅子は、『アッカ』の林 冬青シェフから譲り受けたもの

そこでイタリアンの基礎を身に付け、今度はイタリアへ渡航。

フィレンツェ『La Tenda Rossa(ラ テンダ ロッサ)』、ミラノ『SADLER(サドレル)』、シチリア『Ristorante Duomo(リストランテ ドゥオーモ)』。いずれも『ミシュランガイド イタリア』に掲載されている店で3年間修業を積んだ。

帰国すると、広尾のイタリアン『リストランティーノ バルカ』(現・代官山『タクボ』)の立ち上げに関わり、その後、東京・下馬『ボッコンディヴィーノ』(現『ピッツェリア ノーチェ』)のシェフに就任。

2012年に独立するまでの間に、本場のリストランテから東京イタリアンの最前線まで幅広く経験を積んだことで、自らのスタイルも確立されていった。

コースという一連の流れの中で出される料理は、それぞれが異なる役割を持っている

当日来店の場合はアラカルトにも対応するが、店で出す料理は基本的にコースのみ。「コースという一連の流れの中で、一品ごとに異なるテーマや役割を楽しんでほしい」という平さんの想いからだ。

序盤に登場するブルスケッタ(写真下)は、バターを染み込ませて焼いたパンの上に、サバの干物、ブッラータチーズをのせ、ケッカソース(フレッシュトマトのソース)、ホワイトバルサミコで酸味をつけたトマトソース、さらにトマトパウダーで仕上げた真っ赤なフィンガーフード。

▲「ブルスケッタ」は、一般的にイメージされるものとは全く異なるルックス

「ブルスケッタといえば、イタリアンのなかでも特にカジュアルなメニュー。オープンから7年目を迎え、うちの店のイメージを共有してくださっているお客さんが多くなったからこそ、ドンブラボーならではの形に昇華させて提供できるようになった一品」と平さんが表現する自信作だ。

干物とチーズ、トマトのうまみを絶妙なバランスで堪能できる一品は、このあとどんな料理で食卓が彩られていくのかという期待を最大値にまで高めてくれる。

斬新な素材の組み合わせを楽しむクリエイティブな一皿から、イタリアのマンマの味までバラエティ豊か

薪で焼いてタタキにした鰆(サワラ)のカルパッチョに、「熟成じゃがいも」、大根スライス、ローストしたナッツ、生のフキノトウ、自家製ぽん酢、オリーブオイル、ゴルゴンゾーラをあわせ、アマランサスをトッピングした一皿「鰆」(写真下)は、とてもクリエイティブ。

▲10種類以上の食材で構成された「鰆」

「熟成じゃがいも」とは、北海道『村上農場』が専用の貯蔵庫で最長1年かけて熟成させたじゃがいものこと。芽が出ないようしっかり管理しながら、甘みと食感、ねっとり感を高めているのが特徴だ。

「刺身とフキノトウ、ゴルゴンゾーラのベクトルが同じ方向を向いているから、鰆とぽん酢だけでも十分おいしいものを、さらにおいしくいただけます。“うちっぽさ”を堪能していただくためのポジションにある一品だと自負しています」

▲ほっとする味わいの「春野菜」

ヤリイカ、菜の花、芽キャベツ、カブをくたくたに煮て上からカラスミを散らした「春野菜」(写真上)は、十分に火入れすることによって、野菜の甘みやえぐみを際立たせた一品。

「野菜がくたくたになるまで煮た料理は、イタリアの家庭料理の定番。イタリアのマンマの調理法ですね。攻めた料理だけでは、きっとお客様が疲れてしまうと思うので、コースの構成にはほっとするような味わいのメニューも取り入れます」

平さんの言葉通り、春野菜の苦みや甘みを存分に堪能できる、やさしい味わいの一皿だ。

ピザは年に3回はバージョンアップ! あくなき探求心によって進化し続けている

ピザ通にも定評のある「マルゲリータ」(写真下)は、1年に3回ほどバージョンアップし続けているという、店自慢の一枚。

▲「ピザ」は、2019年2月に生地の製法をバージョンアップしたばかり

ピザ生地を作る際、水の代わりに投入しているのはホエー。那須高原の牧場を視察した際、大量にホエーを廃棄していることを知り、有効活用する方法を考えていたところ閃いたアイデアだ。

濃厚でクリーミーな生地は、トマトソースやチーズと相性ぴったり。生地そのものの味わいを存分に噛みしめたくなる一枚だ。

現在、主にピザ窯を担当しているのはスーシェフの藤井淳利さん(写真上)だが、平さん自身、『ボッコンディヴィーノ』時代に窯を任されたことでピザ作りの奥深さを知ったといい、粉の配合や発酵法へのこだわりも強い。

「最近では、長野県の『清水牧場チーズ工房』のヨーグルトを使ってうちで自家製した天然酵母に、タマネギ水を入れ、さらにイタリアの天然酵母を入れてから発酵させています。こうすると食感と歯切れがよくなるんです」(平さん)

また、粉は三重県産「ニシノカオリ」と茨城県産全粒粉を使用。2週間に1度のペースで、挽きたてが店に届くという。

いい素材に出逢うと、そのよさを活かすにはどうすればいいかを第一に考える

〆のデザートは、鹿児島県の焼酎「なかむら」のおいしさを活かした白いアイスクリーム「芋焼酎」(写真下)。

▲「芋焼酎」の正体は、芳醇な香りのアイスクリーム

「いい生産者、いい素材に出逢うと、味を複雑にすることなく、素材そのもののよさを活かしたいと思うんです。なかむらさんの焼酎に出逢ったときもそう。イタリアのグラッパを使ったジェラートと同じ発想で、お酒の味わいを楽しんでもらえる一品に仕上げました」(平さん)

アイスの下にはホワイトチョコのクランブルを敷き詰め、食感を楽しんでもらえるよう工夫している。


コースは全11品で、アルコールペアリングはもちろん、各国のお茶とジュースで構成された「ノンアルコールペアリング」を楽しめる点もユニーク。

▲アルコールペアリングのほか、ノンアルコールペアリングも人気

サワーサイダーからはじまり、お湯出しの包種茶、燻製の紅茶、スパイスティーなど、素材の味わいや調理法との相性を鑑みながら提供される一杯があれば料理のおいしさもひとしおだ。


同店でいただける料理は、調理法、素材の産地ともにボーダーレス。「日本でやる以上、和のエッセンスを取り入れないのは不自然」と話す通り、和食の職人のもとでだしの取り方から学んだこともあるなど、柔軟かつ勉強熱心な平さん。

休みの日や就業後には、他店のレシピ作りに協力することもあるし、社会勉強を希望する中学生に料理のいろはを教えたこともある。

人を想い、人が求めているものを考え、人の役に立つために自分にできることを追求し続ける。平さんのこの姿勢がある限り、『Don Bravo』は今後も進化し続けるに違いないし、平さんの笑顔とおいしい料理は、多くの人に幸せな気持ちをもたらし続けるのだろう。



撮影:工藤玲久

【メニュー】
■コース
7,000円/10,000円の2種類
■アルコールペアリング
5,500円
■お茶ペアリング
3,500円

※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税抜きです。

Don Bravo

住所
東京都調布市国領町3-6-43
電話番号
050-3373-3259
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
営業時間
月・火・木~日
ランチ 11:30~15:00
(L.O.14:00)
ディナー 18:00~23:00
(L.O.22:00)
定休日
水曜日
夏季休暇(2019年8月21日~2019年8月28日)
※営業時間中はお電話に出られない事がございます。
ご予約・お問い合わせのお電話は10:00~11:00、14:00~18:00にいただけますようお願いいたします。
ぐるなび
http://r.gnavi.co.jp/66xanwv10000/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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Yayoi Shinya
フリーライター
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