六本木で『飄香』の料理を満喫!伝統四川料理の継承人、井桁良樹シェフがさらなる修業を経て新店オープン

2019年03月25日
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六本木で『飄香』の料理を満喫!伝統四川料理の継承人、井桁良樹シェフがさらなる修業を経て新店オープン
Summary
1.伝統的な四川料理「老四川」を日本に伝え続ける、麻布十番『飄香(ピャオシャン)』井桁良樹シェフの新店
2.中国本土で再修業。日本人で初めて「中国川菜松雲門派技藝傳承人」に認定され、新たな境地へ
3.四川の辛いイメージを覆す香辛料使い。手間ひまかけた煮込み料理などが、アラカルト中心で楽しめる

知っているようで知らなかった、伝統的な四川料理を日本へ伝える

老四川(ラオシセン)の「老」とは、「歴史を重ねた、昔からの」という意味がある。四川と聞くと赤く辛い料理を想像しがちだが、井桁良樹シェフが作り伝える老四川は伝統的な四川料理をさし、辛いだけではなく数種類の香辛料が絡み合い複雑なうまみをもたらす。いにしえから伝わる味が、日本では新しく感じられる四川料理なのだ。

2005年の独立以来、老四川のおいしさを日本に伝えたいと知識と技術を培ってきた井桁シェフが、2018年9月、六本木ヒルズに新店をオープン。開店に向け、再び中国本土に赴き、さらに修業を重ねたというからすごい。

「現代に蘇る老四川」をテーマに、日本ではまだ知られていない四川料理を繰り広げてきた井桁シェフ。メニューを考え続ける日々にその思いは一層強くなり、「伝統四川料理を継承する料理人として生きる」ことを追求するため、再び本土に目を向け、2017年から四川省の省都・成都市にある『松雲澤(ソンユンズゥ)』へ研修に赴く。そこで感動の味や伝統技術と出合い、密度の濃い時間に覚醒した。

『松雲澤』は伝統四川料理のルーツともいえる名店の流れをくむ店。さらに修業するには、料理人の流派「松雲門派」に入門しなければならない。何度も打診し、通い、2018年3月にようやく弟子入りの儀式を経て、日本の四川料理人としてただ一人、「中国川菜松雲門派技藝傳承人」-松雲門派の川菜(四川料理)の技芸を伝承する者-となった。

帰国後、メニューを再構成。“世界的に注目される「東京の食文化」の発信地”として大リニューアルした六本木ヒルズウェストウォーク5階、プレミアムダイニングフロアに『老四川 飄香小院(ラオシセン ピャオシャン ショウイン)』をオープンした。店内は落ち着きのある木目と、四川を想像させる上品なあしらい。さまざまな人数に対応できるテーブル席がゆとりをもって配され、個室もある。

メニューはアラカルト中心。好みや人数に応じて気軽に楽しめるスタイル

六本木ヒルズという土地柄、ゲストは近隣のオフィスワーカー、住民だけでなく、観光に訪れる国内外の人々も目立つ。そこで麻布十番の本店とは趣向を変え、メニューは自由度の高いアラカルト料理中心に。ディナーでも気軽に楽しめるのが嬉しい。では、井桁シェフが生み出す、伝統的な四川料理3皿をご紹介。

前菜から「夫婦肺片(フーチィー フェイペン)~牛モツの麻辣ソース~」(写真上)。ガツやハチノスなど、さまざまな牛もつが麻辣ソースと絡まって否応にも食をそそる。中からプルプルのものが出てきた。これはいったい?

「本来は牛の頭の皮を使うんですが、そのゼラチン質に似たアキレス腱を加えています」とシェフ。コラーゲンたっぷり! 一見とても辛そうだが、香辛料と調和しているので想像よりもマイルド。四川料理らしい痺れる辛さと、食感の楽しさが相まって後引く味だ。

次の一品は「雪花鶏淖(シゥエファー ジィーナオ) ~伝統四川名菜 おおいた冠地どりのすり身のふわふわ炒め キャビア添え~」(写真上)。「吃鶏不見鶏(鶏肉を食べても鶏肉が見えない!)」といわれる、ユーモアあふれる古き良き四川の高級宴席料理だ。

中央にある白いのが鶏のすり身で、高熱の油の中で空気を含ませながらふわふわに仕上げる。そこへ軽く塩漬けし冷凍した濃厚な卵黄とキャビアをのせて飄香小院スタイルに。

やさしくとろける鶏肉に絶妙の塩気。もうひと口…と手が止まらなくなる。

メインは、テーブルで大きな存在感を放つ「東坡肘子(トンポウ ジョウズ) ~骨付き豚スネ肉のトロトロ煮込み~」(写真上)。北栄時代最高の詩人と称された、四川省出身の蘇東坡が考案した料理だそう。

杭州の東坡肉は豚バラ肉だが、四川では骨付き豚スネ肉を使う。軽く下ゆでしたあと皮目をカラメリゼし、豚や鶏のだし、干し貝柱、金華ハム、昆布、干し牡蠣などさまざまな素材とともに4時間コトコト煮込む、手間ひまかけた一品だ。

肉にナイフを入れると、そのやわらかさが伝わってくる。骨からするっと外れる感覚も心地よい。香ばしい皮はねっとりと濃厚で、肉汁やさまざまなうまみを閉じ込め、肉はしっとり。4~5人で楽しめる大皿なので、友人や家族と感動を共有してほしい。

今も断続的に四川に通う井桁シェフ。探究心はとどまるところを知らない

常に真摯に、丁寧な井桁シェフ。胸の奥に秘める熱いものは変わることなく、さらに増す勢いで、伝統的な四川料理を追求している。
「うちの料理にふれて、古き良き四川に訪れたかのような錯覚を抱いてもらえたら」と語るシェフ。温かでゆるぎない眼差しに、もしかしたら中国人の血が流れているのでは? と感じてしまうほど。

本物を伝える、古くて新しい四川料理が、東京にある。

撮影:千々岩友美

【メニュー】
■アラカルト
夫婦肺片 ~牛モツの麻辣ソース~ 2,700円
雪花鶏淖 ~伝統四川名菜 おおいた冠地どりのすり身のふわふわ炒め キャビア添え~ 3,780円
東坡肘子 ~骨付き豚スネ肉のトロトロ煮込み~ 4,860円
■コース
ディナーコース(10品) 10,800円~
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税込です。

■井桁良樹シェフの「基本の四川料理レシピ」配信中

シェフのレシピには、おいしい理由がいっぱい。自宅で四川料理を楽しんでみよう!

老四川 飄香小院

住所
東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ5F
電話番号
050-3468-7734
(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
営業時間
11:00~15:00
(L.O.14:30)
土、日、祝日 含め 毎日同じ営業時間です
17:00~23:00
(L.O.21:30)
土、日、祝日 含め 毎日同じ営業時間です
定休日
年中無休
ぐるなび
http://r.gnavi.co.jp/g4zxut4z0000/
公式サイト
http://roppongi-piao-xiang.baigie.me/

上記は取材時点での情報です。現在は異なる場合があります。

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