「手作りタルト」の本格レシピと裏ワザをプロが伝授します! タルト生地をサクサク食感にするコツ

「タルト 生地」をサックサクにする秘伝レシピ! プロが教える本格「いちごタルト」の作り方と裏ワザを大公開します。洋菓子レシピは巷に溢れているが、ホンモノを知りたいなら専門家に聞くのがイチバン! レッスンは半年待ち、各メディアで大活躍中の洋菓子研究家・たけだかおる先生にdressing編集部が弟子入り。秘伝メソッドとこだわりレシピを大公開します!

2019年03月30日
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「手作りタルト」の本格レシピと裏ワザをプロが伝授します! タルト生地をサクサク食感にするコツ
Summary
1.人気洋菓子研究家が教える、ホンモノの洋菓子レシピ
2.タルト生地を極上のサクサク食感にする簡単な“裏ワザ”とは?
3.側面までキレイに仕上がる「タルト生地」の成形テクニックを詳しく解説

洋菓子研究家が伝授! 最高においしい「イチゴのタルト」の作り方

洋菓子店のショーケースや果物売り場がルビー色に染まる、イチゴのおいしい季節がやってきました。 イチゴを使ったスイーツが数あるなか、ひと際華やかさを放つスイーツといえば「イチゴタルト」。

サクサクと音を立てながらほろりと砕けるタルト生地と、みずみずしく弾けるイチゴの組み合わせは、幅広い世代に愛されています。

さらなるおいしさを演出してくれるのは、タルト生地に詰まった香ばしいアーモンドクリームと、なめらかで濃厚な味わいのカスタードクリーム!
そんな風味豊かなタルト生地が手作りできたら嬉しいですよね。

実は、シンプルなスイーツほどちょっとした手順の違いで大きく差が出てしまうもの。
逆にいえば、プロが実践する調理のコツを知っているだけで、いつもよりも格段においしいタルトが作れるようになるのです!

そこで今回も、本当においしい「イチゴのタルト」のレシピを教わるべく、グルメライターの植木祐梨子(写真上・左 )が洋菓子研究家・たけだかおる先生(写真上・右 )に弟子入り。とっておきのレシピを教わってきたので公開しちゃいます!

初めてタルトを作る人でも大丈夫。
コツ満載の詳しい手順付きレシピで、初春のティータイムを鮮やかに彩る「イチゴのタルト」をマスターしましょう!

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タルト生地をおいしく仕上げるポイントは3つ!

1.あらかじめ、すべての材料を冷やしておく!
2.タルト生地は「ひと晩」寝かせる!
3.底取れタルト型の底板は「使わない」!

[point1]あらかじめ、すべての材料を冷やしておく!

●先生
「タルト生地作りを始める前に、まず準備してほしいことがあります。
それは、材料をすべて冷蔵庫で冷やすことです!」

●祐梨子
「材料をすべて冷やす? バターは常温に戻してなめらかにしてから、粉や砂糖を混ぜ合わせるのが一般的だと思っていたのですが……」

●先生
「それもひとつの方法ですが、 私のレシピでは風味をよくするためにバターやアーモンドパウダーなど油分の多い材料をたくさん使うので、冷やしておいたほうが生地がダレにくく、扱いやすくなるんです」

●祐梨子
「なるほど。材料がすべて冷えているとバターも溶けにくいから、形を保ったまま成形できそうですね! ところで、材料を冷やすことで味や食感にも影響はあるのでしょうか?」

●先生
「良い質問ですね。緩んだバターをホイッパーで泡立てると、空気を抱き込みやすくなるためサクサクとした食感に仕上がりますが、空気を含んだ分もろく、バターの風味を感じにくくなってしまいます」

●祐梨子
「バターの風味は大事ですね」

●先生
「今回紹介するレシピは、バターを冷たい状態のままフードプロセッサーで混ぜ合わせるため、余計な空気を抱き込みすぎずに、芳醇な香りをダイレクトに味わえるんです!」
(※フードプロセッサーがない場合の作り方も紹介しています)

[point2]タルト生地は「ひと晩」寝かせる!

●先生
「さて、生地がひと塊になったら、ラップに包んで冷蔵庫でひと晩休ませます」

●祐梨子
「ひと晩休ませると、生地はどうなるのですか?」

●先生
「十分に休ませることで生地に含まれる水分がなじみ、ベタつきも抑えられるので、さらに扱いやすくなるんですよ。
生地を伸ばす作業もしやすくなるよう、休ませる前にあらかじめ焼き上げる型の形にあわせて丸く成形しておきましょう」

●祐梨子
「冷蔵庫でしっかりと冷やしておくだけで、その後の作業もしやすくなるとは…! 手早く作業できない私にも、時短できそうな気がします♪」

●先生
「休ませるときは生地が乾燥しないように、ぴっちりとラップで包みましょう。この状態でジッパー付き密閉ビニール袋などに入れておけば、冷凍庫で2週間ほど保存することも可能ですよ!」

[point3]底取れタルト型の「底板」は使わない!

●先生
「さて、ここからが一番重要なポイント! サクサク食感のタルト生地を作るために大切な“生地の焼き方”について解説しようと思います。祐梨子ちゃんは、タルト生地をどうやって焼いてる?」

●祐梨子
「普段は、タルト型に生地を敷きこんで、フォークで底に穴を開けてから焼いています」

●先生
「“ピケ”という作業ですね! 底付きのタルト型で焼き上げる場合は、ピケをしないと底にある空気の逃げ場がなくなり、焼いたときに 生地が浮いてしまったり、それが原因で生焼けになりやすくなる ため、必ず必要な作業ですね。
でも実は、さらにサクサク食感にする裏ワザがあるんです!」

●祐梨子
「裏ワザ!? それはいったいなんでしょう?」

「底取れタルト型の“底板”を使わず、直にシルパンの上に置いて焼き上げるんです! この写真を見れば、仕上がりの違いがわかるかしら?」

●祐梨子
「焼き色が全然違う! 左は焼き色が均一に仕上がっているけれど、右は焼きムラがありますね。それに、ところどころ生地が浮いてる…。底の板を使わず、直にシルパンの上で焼くことで、焼き上がりにこんなにも差が出るなんてびっくり!」

●先生
「そうなんです。シルパンのおかげで余分な水分が蒸発して、生地全体がしっかり焼きあがり、食感もよりサクサクに仕上がるんですよ」

■きれいにタルト生地を伸ばすには?

●先生
「ひと晩寝かせたら、生地をラップで挟んで伸ばしていきましょう」

●祐梨子
「ラップで挟む? 先生は、打ち粉をしないのですか?」

●先生
「はい。一般的なレシピでは、生地がめん棒にくっつかないよう 打ち粉をすることが多いですが、ラップを使って生地を伸ばせば、滑りがよくなるし指の跡もつきにくくなります。
また、打ち粉を多く打ちすぎて 、焼き上がりの生地が硬くなってしまうのを防ぐこともできるんです」

●祐梨子
「なるほど。そのやり方なら、初心者でも簡単できれいに生地を伸ばせそうですね」

●先生
「めん棒を転がすときは、写真のように自分の手前に生地を置き、少しずつまわしながら一方向に伸ばすときれいな円形に仕上がりますよ。
ある程度まで伸ばしたら、生地のサイドにルーラーを置いて3mmの厚さに伸ばしていきます。このとき、ラップが生地にぴったりひっついていると伸びにくくなるので、その都度ラップを剥がしてくださいね」

■タルト型の側面にきちんと生地を入れ込む方法

●先生
「そして最後にもうひとつ。タルトの側面をきれいに焼き上げるための、とっておきの“敷きこみ方”を紹介したいと思います。
まず、型の縁に生地がかかって切れてしまわないよう、生地は“型の中央”に着地させます」

●祐梨子
「優しくたるませて、お椀のような形を作るイメージですね」

●先生
「そのとおり。そして、隙間なく生地を入れ込むために、立ち上げた側面の生地を内側に折るようにして、型に対して直角に入れ込みます」

●祐梨子
「型からはみ出た生地は、どうすればよいですか?」

●先生
「余った生地は、上からめん棒を転がすと、簡単に切り落とすことができますよ! 切り落とした生地は、焼くだけでおいしいクッキーとして楽しめます」

●祐梨子
「無駄がないですね! クッキー型で抜けば、タルトに添えるメッセージプレートにも使えそう!」

●先生
「型の角に生地を入れたら、最後の仕上げ! 指の腹を使って、型のくぼみに合わせて生地をやさしく押し込みましょう。きちんとくぼみに押しこめていないと、焼き上がりの生地の側面に穴(えくぼ)ができてしまうんです」

●祐梨子
「本当だ! 左は側面全体がきれいに焼けていますが、右はところどころ穴が開いているように見えます」

●先生
「そうなんです。ここでも生地を触りすぎると、温度が上がって扱いづらくなってしまいます。もし生地がゆるんでしまったら、一度冷蔵庫で冷やしてくださいね。
できるだけ手早く、一周したら敷きこみ完了! しっかりと焼き色がつくまで焼いていきましょう」

■ポイントを押さえたところでさっそく実践!

●祐梨子
「材料の温度や生地を寝かせる時間が、タルトの食感に大きく影響しているとは知りませんでした。
タルト型の底板を使わずに焼き上げることにもびっくり! 教わったコツを丁寧にこなせば、うまく作れそうな気がしてきました!」

●先生
「そうなんです。コツといっても、難しいテクニックはありません。
タルト作りは工程こそ多いですが、一つひとつの作業はシンプル。ちょっとした工夫をするだけで格別においしくなりますよ♪
それではさっそく、最初に教えた3つのポイントをおさらいしながら作っていきましょう!」

●祐梨子
「わ~とっても楽しみ♪ 先生、よろしくお願いします!」

■「イチゴのタルト」の作り方

■タルト生地の材料(※直径16cm、タルト型2台分)

・無塩発酵バター … 60g
・粉糖 … 45g
・準強力粉 … 100g(今回は『鳥越製粉』の「フランス」を使用)
・アーモンドパウダー … 45g
・全卵 … 20g

■アーモンドクリームの材料

・全卵 … 50g
・無塩発酵バター … 50g
・アーモンドパウダー … 50g
・グラニュー糖 … 50g
・ラム酒 … 3g

■ディプロマットクリームの材料(作りやすい分量)

・卵黄 … 48g (約3個分)
・牛乳 … 200g
・グラニュー糖 … 50g
・薄力粉 … 9g
・コーンスターチ … 9g
・無塩発酵バター … 20g
・バニラビーンズ … 1/4本
・生クリーム36% … 60g

■トッピングの材料(適量)

・イチゴ … 適量
・フランボワーズ、ブルーベリー、ブラックベリー等 … 適量
・冷凍イチゴ … 100g
・冷凍フランボワーズ … 20g
・グラニュー糖 … 20g
・板ゼラチン … 1.5g

■今回使用したキッチンツール

<タルト生地>
・ラップ
・めん棒
・ゴムベラ
・底取れ式タルト型(今回は直径16cmのものを使用)
・メッシュ素材のベーキングシート(シルパン)
・ベーキングシート
・ルーラー2本(3mm角)
・フードプロセッサー

<アーモンドクリーム>
・粉ふるい
・ボウル
・ゴムベラ

<ディプロマットクリーム>
・漉し器
・カード
・熱伝導のよい銅やステンレス素材の厚手の鍋
・粉ふるい
・ゴムベラ
・ホイッパー
・ボウル
・バット
・保冷剤
・丸口金(10mm)
・しぼり袋

<トッピング>
・ザル
・耐熱ボウル
・ゴムベラ
・ハケ

■下準備

<タルト生地>
・アーモンドパウダーと粉糖、準強力粉を合わせてふるい、冷凍庫で30分ほど冷やしておく。(粉類が温まっていると、バターの温度が上がって溶けやすくなってしまうため)

・バターは1cm角にカットし、冷蔵庫で30分ほど冷やしておく。 (冷やしすぎると、 粉と合わせたときにバターの粒が残ってしまうため注意)

・全卵は、溶きほぐして冷たくしておく。

<アーモンドクリーム>
・バターは日の当たらない場所で2時間ほど室温に置き、テカリがでる程度まで柔らかくしておく。(硬いまま使用すると分離しやすくなるため)

・卵は常温に戻しておく。(冷えたままの卵を使うと、分離しやすくなるため)

・アーモンドパウダーはふるっておく。

<ディプロマットクリーム>
・バニラビーンズは鞘(さや)を割いて種を取り出し、鞘と種の両方を牛乳に漬けておく。漬け込み時間は一晩が好ましいが、最低でも2~3時間 。

・薄力粉、コーンスターチ、グラニュー糖を合わせてふるっておく。ふるい終えたら、均一になるようにホイッパーで混ぜ合わせる。

<トッピング>
・耐熱ボウルに冷凍イチゴと冷凍フランボワーズを入れ、グラニュー糖をまぶす。ゴムベラで軽く混ぜてラップし、常温で30分~1時間程度置いておく。

・板ゼラチンは、氷水に浸して戻しておく。(たっぷりの氷水に浸して、冷蔵庫に20分以上入れておく)

■タルト生地を作る<前日仕込み>

材料を合わせる
①フードプロセッサーに粉類とバターを入れて回し、バターの粒がなくなるまで攪拌(かくはん)する。

※フードプロセッサーがない場合は…
①バターを1cm角にカットし10分程度冷凍する。粉類は合わせ、冷凍庫で30分程冷やす。

②粉類の中でバターの粒が見えなくなるまでカードで細かく刻み、手のひらで擦り合わせるように混ぜる。バターと粉が均一に混ざったら中心にくぼみを作り、卵を注ぎカードで手早く混ぜ込む。 →【工程③】へ

②冷蔵しておいた溶き卵を①に一度に入れて、攪拌する。

ポイント
・卵を入れる際は、フードプロセッサーをまわしながら入れる。

・フードプロセッサーで攪拌する際は、羽根の下に混ぜ残しができやすいのでゴムベラでこまめに払う。
・卵を入れる際は、フードプロセッサーをまわしながら入れる。<br><br>・フードプロセッサーで攪拌する際は、羽根の下に混ぜ残しができやすいのでゴムベラでこまめに払う。

生地を成形する
③生地全体が軽くまとまったらラップに取り出し、2等分してきちんと丸める。

ポイント
・伸ばす際に作業しやすいように、円形に成形する。

・生地を触りすぎるとバターが溶けてしまうので、手早くまとめる。

・ヒビがあると、あとから生地 を伸ばす際に割れてしまうので注意。
・伸ばす際に作業しやすいように、円形に成形する。<br><br>・生地を触りすぎるとバターが溶けてしまうので、手早くまとめる。<br><br>・ヒビがあると、あとから生地   を伸ばす際に割れてしまうので注意。<br>

④手のひらサイズに平たく成形して1つずつラップに包み、冷蔵庫で一晩休ませる。

ポイント
・生地を休ませることで、ベタつきが抑えられ生地が扱いやすくなる。

・冷凍すれば2週間ほど保存可能。その際は、生地が乾燥しないようにジッパー付き密閉ビニール袋などに入れて冷凍し、冷蔵庫で解凍する。
・生地を休ませることで、ベタつきが抑えられ生地が扱いやすくなる。<br><br>・冷凍すれば2週間ほど保存可能。その際は、生地が乾燥しないようにジッパー付き密閉ビニール袋などに入れて冷凍し、冷蔵庫で解凍する。<br>

■アーモンドクリームを作る<前日仕込み>

⑤テカリがでる程度まで柔らかくしたバターに、グラニュー糖を一度に加えて混ぜる。

⑥常温に戻しておいた卵を溶きほぐし、7~8回にわけて加えて分離させないように混ぜる。ボウルを斜めに傾けて持ち、手応えが重くなったことを確認しながら、ゴムベラで切るように混ぜていく。

ポイント
・卵は少しずつ(小さじ1~2程度)加える。

・⑥の卵が常温に戻っていない場合は、温めた濡れふきんをボウルの下に敷き、数秒温めるとよい。

・バターを緩めるより、卵を温めた方が分離しづらい。
・卵は少しずつ(小さじ1~2程度)加える。<br><br>・⑥の卵が常温に戻っていない場合は、温めた濡れふきんをボウルの下に敷き、数秒温めるとよい。<br><br>・バターを緩めるより、卵を温めた方が分離しづらい。

⑦一度ふるっておいたアーモンドパウダーを再度ふるいながら一度に加えて、粉っぽさがなくなるまでゴムベラで混ぜる。

⑧ラム酒を加えて混ぜ、ラップをして一晩冷蔵庫で休ませる。

■タルト台を作る<当日作業>

生地を伸ばす
⑨一晩寝かせた生地をラップで挟み、めん棒で伸ばす。

ポイント
・ラップを使うことで、指の滑りがよくなる。

・新しいラップに敷き変えることで、生地にシワができるのを防げる。

⑩ある程度まで生地を伸ばしたら、ルーラーを両サイドに置き、3mmの厚さに伸ばす。扱いやすい硬さになるまで冷蔵庫で生地を休ませる。

ポイント
・生地を回しながら一方向に伸ばすとキレイな円形に仕上がる。

・ラップの上から生地を伸ばすので打ち粉がいらない。

・生地を伸ばす際は、ラップと生地が密着していると伸びにくいため、都度ラップを剥がす。

型に敷きこむ
⑪ベーキングシートの上に底取れ式タルト型 を置き、生地を敷きこむ。この際、底板は使わない。

ポイント
・型の縁に生地がかかって切れてしまうのを防ぐため、まず生地を中央に着地させて全体を立ち上げるように型に敷きこむ。
・型の縁に生地がかかって切れてしまうのを防ぐため、まず生地を中央に着地させて全体を立ち上げるように型に敷きこむ。

⑫型の底の角に密着するように生地を合わせる。

ポイント
・生地を一度内側に折りこみ、型の底に直角に入れ込んで戻す。型をまわしながら、一周するまで手早く繰り返す。
・生地を一度内側に折りこみ、型の底に直角に入れ込んで戻す。型をまわしながら、一周するまで手早く繰り返す。

⑬型からはみ出た生地を外側へ広げて、生地の上にラップをかける。めん棒を転がして余った生地を切り落とす。

ポイント
・切り落とした生地は取り除く。
・切り落とした生地は取り除く。

⑭生地にぴったりとラップを貼り付け、型のくぼみに生地を押しつける。

ポイント
・生地が型からはみ出さないように親指で上を押さえながら、指の腹を使って生地を型のくぼみに押しつける。

・型をまわしながら、一周するまで繰り返す。
・生地が型からはみ出さないように親指で上を押さえながら、指の腹を使って生地を型のくぼみに押しつける。<br><br>・型をまわしながら、一周するまで繰り返す。

⑮一周したらバットにのせる。ラップをしたまま冷蔵庫で30分~1時間ほど冷やす。

ポイント
冷やす時間の目安は、ベーキングシートからシルパンに移動できるくらいの硬さになるまで。

タルト生地にアーモンドクリームを詰める
⑯ラップを剥がし、生地をベーキングシートから天板に敷いたシルパンの上に移す。

ポイント
・タルト生地を移動させるときは、勢いよく持ち上げず速やかに移動させる。

・底取れタイプの菊皿タルト型を使用するときは、底の板は使わずにシルパンにのせて焼くことで、生地をしっかりと焼くことができる。

⑰タルト生地に、一晩休ませておいたアーモンドクリームをのせる。生地とクリームの隙間を埋めるように、できるだけ平らに詰めていく。

ポイント
・一晩休ませたアーモンドクリームは、タルト生地に詰める前にゴムベラでこなしておく(なめらかにしておく)。

・平らに詰めると、組み立てるときにデコレーションしやすくなる。
・一晩休ませたアーモンドクリームは、タルト生地に詰める前にゴムベラでこなしておく(なめらかにしておく)。<br><br>・平らに詰めると、組み立てるときにデコレーションしやすくなる。

タルト台を焼き上げる
⑱160℃の余熱で温めたオーブンに生地を入れる。160℃で20分程度、天板の奥と手前を入れ変えてさらに3~5分程度焼く。(今回はガスオーブンを使用。電気オーブンの場合は、170~180℃で20分、向きを変えて5分程度焼く)
焼きあがったら、天板から外して網の上で冷ます。→【㉝組み立て】へ

ポイント
・使用するオーブンによって焼き時間が多少異なるため、焼き色を見ながら焼く。型と生地の間にわずかに隙間ができたら、中まで焼けている証拠。
・使用するオーブンによって焼き時間が多少異なるため、焼き色を見ながら焼く。型と生地の間にわずかに隙間ができたら、中まで焼けている証拠。

「きれいに焼けました~」

●祐梨子
「たっぷりのアーモンドクリームがこうばしくて、とってもいい香り♪ これだけで食べてもおいしそうです!」

●先生
「生地の側面に凹みもなく、キレイに焼けていますね。型に生地をきちんと敷き込めていた証拠です。この上にアーモンドスライスを散らして焼いたら、シンプルなアーモンドタルトになりますよ♪」

■ディプロマットクリームを作る

※ディプロマットクリーム作りのより詳しいコツが知りたい人はこちら

カスタードクリームのベース(液体)を作る
⑲ふるっておいた粉類(グラニュー糖、薄力粉、コーンスターチ)が入ったボウルの中心に牛乳の一部を入れて混ぜ、卵黄を加えて軽く混ぜる。

ポイント
最初に入れる牛乳は20~50cc程度。最初に水分を加えておくことで、卵黄の塊や粉の塊ができにくくなる。
最初に入れる牛乳は20~50cc程度。最初に水分を加えておくことで、卵黄の塊や粉の塊ができにくくなる。

⑳残りの牛乳をしっかりと湯気がでる程度まで温める。温めた牛乳を⑲の卵黄に合わせて鍋に移す。

カスタードクリームのベースを煮上げる
㉑鍋からはみ出ない程度の強火で、しっかりと中心がフツフツするまで煮上げる。

ポイント
・液体が固まりはじめたら、混ぜる速度を上げる。

・混ぜている手ごたえが軽くなると、鍋肌からクリームが勝手に剥がれてくる。さらに混ぜ続け沸騰してポコポコと浮いてきたら煮上がりのサイン。
・液体が固まりはじめたら、混ぜる速度を上げる。<br><br>・混ぜている手ごたえが軽くなると、鍋肌からクリームが勝手に剥がれてくる。さらに混ぜ続け沸騰してポコポコと浮いてきたら煮上がりのサイン。

カスタードクリームを冷ます
㉒火から下ろしてバターを加えてしっかり混ぜる。

ポイント
・ラップとクリームの間にできた気泡は、指で逃がす。

・破れないようにラップは2重にかける。
・ラップとクリームの間にできた気泡は、指で逃がす。<br><br>・破れないようにラップは2重にかける。

㉓保冷剤で上下を挟み、ときどき保冷剤をひっくり返しながら15分ほど急冷する。

ポイント
・菌の繁殖を防ぐため、きちんと中心まで冷えた状態にする。

生クリームを泡立てる
㉔氷水に入れたボウルにあてながら、ツノが立つくらいまでしっかりと生クリームを泡立てる。

カスタードクリームを漉す
㉕完全に冷えたカスタードクリームを、カードを使って直角に押すように裏ごし器で漉す。

㉖ボウルに移し、ホイッパーで軽く混ぜてこなす(なめらかにしていく)。

カスタードクリームに生クリームを合わせる
㉗硬めに泡立てた生クリームを3~4回ほどに分けて混ぜ合わせる。はじめは、生クリームの約3分の1の量を加えて、生クリームの白色が見えなくなるまでホイッパーで思いっきり混ぜる。

㉘2回目以降はホイッパーですくい、ワイヤーの間を通す程度に生クリームをなじませる。

㉙8割程度混ざったら、最後の生クリームを加えてゴムベラに持ち替えクリームを整える。

㉚丸口金(直径10mm程度)をつけた絞り袋に、ディプロマットクリームを入れる。→【㉝組み立て】へ

ポイント
・絞るまで冷蔵庫で冷やしておく。

■イチゴの上掛けを作る

㉛あらかじめグラニュー糖をかけて混ぜ、ラップして常温で最低30分~1時間程度置いておいた冷凍イチゴと冷凍フランボワーズを、500Wの電子レンジで湯気がでるまで2~3分ほど温める。

㉜ザルに取り出し、実と汁に分ける。温かい汁の入ったボウルに、氷水でふやかしておいた板ゼラチンの水気を切って加えてゴムベラで混ぜて粗熱を取る。→【㉝組み立て】へ

ポイント
・取り出した実は、そのまま食べてもヨーグルトなどに混ぜてもおいしくいただける。

■タルト台にディプロマットクリームを絞って組み立てる

㉝冷ましたタルト台の上に、ディプロマットクリームを絞る。

ポイント
・クリームを絞るときは、中心から渦を描くように絞る。

・クリームはイチゴの重さで多少広がるので、絞る際はタルト台の縁を2cm程度空ける。

㉞イチゴを適当なサイズにカットし、のせる。

ポイント
・全体のバランスを見ながらフルーツをのせる。

・ランダムに盛り付けたほうが雰囲気が出るのでオススメ。

・最後に両手で全体を優しく包み込み、盛り付けに一体感をもたせる。
・全体のバランスを見ながらフルーツをのせる。<br><br>・ランダムに盛り付けたほうが雰囲気が出るのでオススメ。<br><br>・最後に両手で全体を優しく包み込み、盛り付けに一体感をもたせる。

㉟イチゴの上掛けをハケで塗って、冷蔵する。

ポイント
・カットしたフルーツの断面に上掛けを塗ることで、乾燥を防ぐことができる。

・何度も重ね塗りするとハケ目がつくため、できるだけ一度で塗り切るようにする。

●祐梨子
「先生のレシピでは、市販のナパージュではなくイチゴの上掛けを塗るんですね!」

●先生
「そうなんです。一般的なレシピは、市販のナパージュをかけることが多いですよね。もちろんそれでもおいしいのですが、イチゴなどのフルーツで作った上掛けを使うことで、甘みやうまみがプラスできるだけでなく、見た目もより鮮やかに仕上がるんですよ」

「イチゴのタルト」が完成!

●祐梨子
「イチゴたっぷりで贅沢~! イチゴの上掛けを塗っているからみずみずしさも増して、さらに華やかに仕上がりました♪ 前日からの仕込みも頑張った甲斐があります!(笑)」

●先生
「お疲れさまでした(笑)イチゴはあえてランダムに盛り付けても、かわいく仕上がるんですよ♪」

●祐梨子
「先生に教わったポイントを守るだけで、ワンランク上のイチゴのタルトが作れました♪ さっそく、いただきまーす!」

●祐梨子
「タルト生地はサクサクなのに、アーモンドクリームがしっとりとなじんでる!香ばしいアーモンドの風味、ディプロマットクリームの濃厚な甘み、イチゴの酸味が合わさって、なめらかにほどけていきます。イチゴの上掛けのひと手間を加えるだけで、果実味が豊かになってとってもフルーティ♪」

●先生
「タルト型の底板を使わず焼いたことで、タルト生地がサクサク食感に仕上がりましたね。今回は旬のイチゴを使ったタルトを作りましたが、あえてトッピングせず、アーモンドスライスを散らして焼くだけでもおいしいですよ」

●祐梨子
「シンプルなアーモンドタルトもいいですね。持ち運びしやすいから、行楽シーズンの手土産にもよさそう!」

●先生
「行楽シーズンといえば、簡単に作れるおいしい焼き菓子のレパートリーが増えれば嬉しいですよね。次回は、最近流行りのレーズンサンドはどうかしら。とっておきのレシピを伝授しますよ」

●祐梨子
「わ~い! 次回も楽しみだなぁ。よろしくお願いします♪」

編集協力:植木祐梨子
撮影:岡本寿